さて、呪禁官です。個人的には金色のタイトルもレイアウトもオシャレで気に入っているのですが、本屋さんでこの本を手にされて、ど〜んと中央にレイアウトされたタイトル文字から微妙に透けて見える下の部分が気になっている方も多いのではないでしょうか。

まず、例によってラフの流れから見て戴きましょう。ゲラを読んで、天使、魔法、怪物などのイメージからあれこれ考えます。

この段階ではゲラを読んだ余韻を大切にしながら、気分の赴くまま十分に手を解放して遊ばせてあげます。ラフというよりほとんど落書きです。

落書きしてゆくうちに小説中に登場する大きな水晶球が急に気になってきました。これをポイントにしてみたらどうか、と考え始めたようです。
水晶球を魔界の生き物が飲み込み始めます。天使の姿は一貫して登場していますから、これはどうしても書きたい要素なのですね。
下方にちらりとサイボーグが現れました、小説では魔法テクノロジーと同時に科学テクノロジーもかなり発達している世界が舞台となっており、出てくる科学テクノロジーの要素も外せない、と判断したようです。
天使と水晶球の関係が曖昧なのが気になって、水晶球を外しました。天使を直接怪物が飲み込もうとしています。
天使の着ている服が邪魔だったようです、ここは一肌脱いで貰います。
性懲りもなく水晶球が復活しました。まだ水晶球に執着していたのと、多分、怪物に飲み込まれている天使が痛そうで可哀想になったんですね。
画像が薄くて見にくいかも知れませんが、水彩紙での下書きを取り込んだものです。サイボーグが限りなくいい加減だったので、取り込んだ下書きのデータ上でデザインを詰めてゆきます。このデータをプリントアウトして、水彩紙にサイボーグを鉛筆でトレースし直します。

呪禁官のカバーは着彩に入る段階で白バックにしようとほぼ決めていました。一応ホラー小説ではあるのですが、少年達の爽やかな青春ドラマ、成長物語といった側面もあり、あまり暗くおどろおどろしくなり過ぎないようにしたかったのです。

では完成図へと急ぎましょう。

完成図