● 山域・山名  ○奥秩父
   金峰山・朝日岳  2599m,2579m
 : 登山日・ 2005.4.29〜30 : 山旅形態・ 一泊二日(テント泊)
 ■ コース
 JR韮崎駅から、マイクロバスで瑞牆山荘。富士見平、大日岩を経て金峰山へ登り、鉄山あたりの樹林帯で
 テントビバーク。翌日、朝日岳から大弛峠へ。林道を下り柳平にて自家用車に便乗させて貰い塩山駅へ。
 ■ タイム
  4/29(金)
  瑞牆山荘出発10:20−富士見平11:10〜11:20−大日小屋上12:25〜12:55
  金峰山頂16:15〜16:30−ビバーク地点17:30
  3/ 7(月)
  出発5:40−朝日岳6:50〜7:00−大弛小屋9:30〜10:30−柳平14:25

 □歩行時間
             ■写真−1                           ■写真-2



尾根上のベンチから 瑞牆山                   金峰の山頂・五丈石へと至る稜線
 ■ 記録−1
 今回、当初の計画では金峰を越え、大弛峠でテント泊。翌日国師、甲武信ヶ岳の山頂を踏み 西沢渓谷に下り、バスにて塩山駅へと向かうというものだったのだが、それが許されるのは無雪期 のみだということを思い知らされた山旅となった。
 特急スーパーあずさ一号で韮崎。駅からは三共タクシー(山梨峡北交通)のマイクロバスで瑞牆山荘へ。 (山梨交通のバスで増富温泉でマイクロバスに乗り換えるか、林道を歩いて瑞牆山荘に至るというのが ガイドブックの一般的な記述だが、このほうがリーズナブルだと思う。)バスは途中何ヶ所かの観光地 、例えば山梨フラワーセンターとかを巡りながら、そして周囲の景観や集落の謂われなぞを案内しながら 瑞牆山荘前に1時間10分の行程で着いた。
 バスの乗客20人は全て登山者。米人と思われる外人も一人。アスファルト道から登山道に入り、 なだらかに登って行く。林道を横切り、少し急になった坂を登り尾根に出た所のベンチで小休止。 前方に瑞牆山がデンと聳えている。
 そこから尾根通しに登ると間もなく富士見平。古くからの小屋と新しいログハウスのトイレが建って いる。ここから左手へやや下った水場で水を汲む。昔ここでテントを張った時はチョロチョロとした水量 だったが、今は豊富に水がほとばしっている。
 歩き易い道を1時間弱で大日小屋の上に出る。正面に大日岩を望む草原で昼食とする。先行して いた四人組が食事をしている近くの岩に腰掛けコンビニ弁当を食べる。ここまで快調、予定時間を わずかながら短縮している。
 ここからは、やや急な登りとなり雪も出てくる。縦岩を、ロープを手掛かりにして登り更に行くとベンチ がある小台地。傍らに大日岩がある。ここで小休止。ここからは件の四人組と前後することになる。
 気がつかぬ内に道は残雪に覆われ、スパッツを付けるタイミングを逸してしまい、既に靴のなかは びしょ濡れ状態。途中擦れ違った登山者から上の様子を訊くと、雪は稜線まであり、稜線では強風 が吹き荒れているとのこと。森林限界を越え、金峰の山頂・五丈石に至る稜線が視界に入る。雪の 斜面をトラバースしたり、岩を攀じたりして除々に登る。岩屑のルートを辿り五丈石の左を回り込むと 展望盤のある平地。岩場にザックを置きウロチョロしたり行動食を摂ったりしていると、件の四人組 がやってきたが、そのまま金峰山小屋に向かって行った。
 ここまでで予定を45分オーバー。樹林帯での残雪に足を取られたことと、ザックの重荷が堪えて きたせいだろう。途中一緒に小休止をした時、四人組からは金峰山小屋に(泊)とも助言されたのだが 、この程度の遅れであれば何とかなるだろうと思い、自分は奥秩父の主脈を縦走することにしてザック を背負い岩屑の山頂へと足を踏み出すことにした。
 岩屑に覆われた突起のトップが金峰の頂上。ここで大弛方面から来た単独行の登山者と擦れ違う。 ここから暫くは稜線歩き。風は強いが、それほどでもない。このままの稜線歩きが続けば予定通りの 時間で峠まで行き着けるかもしれない、などと気楽な考えに浸る間もなくルートは樹林帯へと下って 行く。半端でない残雪量となり、あまり歩かれていないせいもあり、膝下まで潜り込むだけではなく股 下までズボっと嵌まり込んでしまったりもする。時々落とし穴に嵌りつつ歩く、という状態。04の鳳凰 三山中道コース、03の蝶が岳の時と同じ状態。
 1時間ほど歩き後ろ(西)を振り返ると、山の端に太陽が落ちようとしている。テントビバークとせざるを えない。だが樹々の間の雪面は柔らかく、人荷の重量を支えることは出来ないし、あまりにも傾斜が 急で、ずり落ちてしまいそうだし、樹間にテントを張るだけのスペースもない。
 焦り始めてきた頃.、偶々2m*1m程度の平らな部分を踏跡の傍らに見つけた。ストックを突き刺しても 大丈夫。そこを少し均してテント設営。だがそこは奇跡のような場所でフライシートを被せるために 周囲を歩く度、足がズボっと嵌る始末。2m*1m程度だけがかろうじてOKだったのだ。
             ■写真−3                           ■写真-4



朝日岳から金峰を振り返る               大弛峠への下りから望む国師が岳
 ■ 記録−2
 夜が更けるにつれ風が強くなり轟々と強弱の唸りをあげる。しかし外に出てみると微風といった感じ。 樹林の上部、梢の部分が強風に揺らぎ音をたてているのだ。 テントに入り、シュラフにくるまり、仰向けに横たわり、ジッと風音に耳を澄ます。...荒れる水面(梢) の下、静かな水底に潜む生物になったみたいな不思議な感覚が湧き起こってきた。
 眠れた感じは無かったが、何度目かで眼を開けた時、テントの外が白かった。時計を見ると 4時40分。起床し、パンを主体とした簡単な朝食を済ませ、荷物を整理しテント撤収。
 テントサイトに感謝の御辞儀をして出発。雪の状態は更に悪く、足を取られ、嵌り込み...と悪戦苦闘 が始まるのだった。
 やっとのことで辿り着いた朝日岳の頂上の半分雪に埋もれたベンチにザックを下ろし展望を愉しむ。 思いのほか高く大きな富士(写真では、その感じが全く表現されていなかった)。金峰と背後の白根 三山。前方の国師が岳はまだ遠い。せめて大弛から、この山(国師)だけでも往復したいと思い再び歩き出す。
 それからも悪戦苦闘を続け、岩を見つけ休んでいると若い登山者が一人金峰方面からやって来た。 大日小屋から来たそうだ。雪に足を取られることもなくズンズンと進んで行った。その後、こちらは相変 わらずヨレヨレになって歩くことになった。キリマンジャロもゴーキョピークも、これでは無理か?あの くらいで歩けなければ!と弱気になりつつ、四時間かけて大弛峠へ到着。ゲートの所で先程の若者 がメモをとっていた。甲武信が岳まで行くそうだ。
 大弛小屋に入り、塩平までのコースを教えて貰う。だが小屋のオヤジは柳平から杣口に下った ほうがバスに乗れる確率は高いという。(柳平まで14km、杣口までは更に10km)昔々、逆に歩い た道だ。大晦日、峠に行き着けず、途中見付けた朽ちかけた造林小屋で一晩明かしたことがある。 すき焼きの材料として持ってきた牛肉が凍ってしまいナイフでも切れず、突き刺して、どうにか解体し た記憶がある。翌元日、同行したWと二人でスゴスゴと撤退したものだ。

 大弛小屋に付属した下小屋に水が引かれていて、ペットボトルに汲み、好きなだけ飲む。金峰山頂から 500mlだけの水でどうにかここまで来たのだ。夕食と朝食に使った残りは約50ml。水無し、といって よい状況の後の冷たい湧き水はホントニウマカッタ!
 そこに登山者が一人。柳平(5月31日まではゲートはここで閉鎖)に車を置いて、ここまで登って来て 、本来金峰に行く予定だったが国師、北奥千丈を往復して下ることにしたそうだ。彼に柳平から便乗 させて貰えるよう頼んだら快い返事。...既に国師往復の気持は全く失せていた。14km下れば 歩かなくて済む、という状況は極めてラッキーなことなのだ!!
 小屋のオヤジは、この時期は夏の倍は時間が掛かると言い、僕もこれまでの状況を伝えた。飯を 作りながら彼は迷っていたが、僕は先に下るけれど下で昼寝でもしているからユックリ登ってきて下さい と言い残して林道を下ることにした。
 下り4km程度までは踝から脛くらいの残雪があったが、その後は延々と続くアスファルト道。金峰 から朝日に至る山稜を見ながら、1km毎に立つ道標間を15分で歩く、というペースで歩き続け、柳 平の駐車場(5台収容)に着き、残りのパンを食べたり荷物を整理したりしていると、30分もしないうち に彼が下りてきた。国師も諦めたそうだ。
 というわけで、車中会話をはずませつつ塩山駅まで送って貰った。有難いことだ。...というか、 彼はまるで、僕に会い僕を送るためにカミサマがつかわしてくれた存在みたいに思えた。 


 □ 感想
  残雪期、2000m以上の山域の樹林の中は酷い状況なのだということを再認識することになった。 多分この時期、テントを担いだ山旅は二度としないだろう。とはいっても今回すでに三回目。靴の中 を濡らし、14kmの林道歩きで三箇所の靴擦れ(登山靴は四足持っているが一番履きなれている靴 なのに!)で靴下が血に染まる始末。きっと濡れて捩れた靴下が影響したのだろう。
 ■ 資料
  瑞牆山荘前行きの直通マイクロバスの始発は8:50。スーパーあずさ一号韮崎着8:36に接続。
  マイクロバス連絡先:三共タクシー0551-42-2328 
  大弛小屋の水:1リットル100円      
 

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