アイヴァンホー
サー・ウォルター・スコット作   菊池武一訳   岩波書店刊



私が持っているのは、父から譲り受けた古い本ですが、今は、他の出版社から新訳が出ているかもしれません。
何度も映画化されたりドラマ化されたりした、有名な騎士道物語の古典です。

時はリチャード1世治世下。しかし国王は十字軍に出かけて不在、弟のジョンが、王位を狙っているという状況です。
……ま、史実を言えば、リチャード1世というのは、その10年の治世の間、6ヶ月くらいしかイングランドにいなかったらしいので、その間に足下すくわれてもしょうがなかったような気はしますが、それはともかく。
そんな中、王弟ジョンの開いた馬上槍試合で、『勘当の騎士』と名乗る謎の男が勝利を1人占めにし、美と愛の女王の栄冠を、サクソンの王女ロウイーナに捧げます。
この男こそ主人公、サー・ウィルフレッド・オブ・アイヴァンホー。
主筋に当たるロウイーナ姫と恋仲になったため、父親に勘当され、国王リチャードと共に十字軍に行っていた男が、ついに戻ってきたのでした。
しかし、この試合でアイヴァンホーは深手を負い、ユダヤ人の父娘の介護を受けることになるのですが……

古き良き時代の冒険活劇。
大袈裟なまでの様式美と、荒唐無稽なストーリー展開が楽しめます。
ロビン・フッドまで出て来ちゃうし(笑)。
翻訳の物々しさも、古い歴史小説の雰囲気を醸し出しています……まあ、お若い方には、少しばかり読みにくいかもしれませんが。
しかし、騎士道とはかくあるもの、というテーマを存分に味わえること請け合い。
騎士道のロマンティシズムを楽しみたい人にはお勧めです。
これを読んでしまうと、『足のない獅子』の主人公たちが、いかに騎士道を軽く見ているかよく判りますけど(笑)。

作者は18世紀終わりから19世紀初めの人で、英国を代表する作家の1人です。
この作品を読み返すと、ああ、サー・アーサー・コナン・ドイルは、こんな小説を書きたかったんだろうなー、と思いますね。
シャーロック・ホームズで有名な彼ですが、『白衣の騎士団』他、歴史小説を幾つか書いていて、まさにこんな感じ。

私が最初にこの作品を知ったのは、まだ小学生だった時分でした。テレビで映画を見たのです。
確か、オリビア・ハッセーが、ユダヤ人の娘の役だったと思います。
子供心に、主人公、寝てばっかりー、と思っていましたが(笑。だから、怪我してるんだってば)、それでも最後にはかっこよく決めてくれるのが、アイヴァンホーのいいところ!
最近、スティーブン・ウォーディントン主演でドラマ化しました。DVDで出てます。
中世の暗い感じ、とか、汚い感じ、とか良く出ていて、なかなかいいです(笑)


BACK