『風とともに去りぬ」を語る

  〜続編『スカーレット(アレクサンドラ・リプリー)』についてどう思う?

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スカーレット2

スカーレット3

スカーレット4 

●『後編』が生まれるまで

マーガレット・ミッチェルは、「風と共に〜」の後、どんなに周囲から後編を望む声が上がっても、二度と執筆することはなかった。
後編…それは、レットが冷たい言葉を残してスカーレットのもとを去った後、二人はどうなるのか、ということを描くことになる。

レットはスカーレットを愛していた。スカーレットは、最後の最後にレットの愛に気づき、自分もレットを愛していることに気づいた。それなのに、レットは愛想が尽きて、彼女のもとを去る。スカーレットは「明日は明日の風が吹く」ことを信じ、レットを取り戻す方法を考えようとする…

で、なんだかんだあって、レットは戻ってきました。チャンチャン!

というオチを、世界中の読者は楽しみにしていた…のか?

私は、アレはアレで終わったものだとしてもよかったと思うのだが、そんな私(とミッチェル?)の意向に反し、後編が出来てしまった。
とはいえ、著者は亡くなっているので、公募で選んだ作家が、続きを書くことになったのだ。

後編「スカーレット」に関しては、賛否両論あるようで、私も「風と共に〜」のイメージを壊したくなくて、長い間読んだことはなかった。
が、古本屋で文庫本が「1冊100円」だったことから、思わず手に取り…読んでしまった…。

結論として、「賛」か「否」という話をした場合、単刀直入に言うと…「否」だ。

●『スカーレット』に対する不満

理由は…まずは、レットが戻ってくるという結論が読む前からわかっていたから。
これは恐らく、出版社側からの要望だったのだろう。
とにかく「ハッピーエンド」にすることが。

だから仕方ないのだと思うし、ここでいきなりアシュレとくっつけちゃったり、全然関係ない第三者と結ばれたりしたら、もっとブーイングだったんだろう。
ただし、「レットは戻ってこないが、他の誰とも結ばれない」というオチならアリだったかもしれないけど。

そのほかの理由は、というと、これは物語の展開に対する不満だ。
細かいことを言えば色々あるが、スカーレットの性格が妙に丸くなってしまったこと、それから、半ば強引な展開が見られたこと、原作が「時代に翻弄される」といった感じだったのに、スカーレット中心に世界が回っているといった感じになっていたこと、ラストがハリウッド映画のような仰々しい盛り上がりで終わったこと、などがある。

さらに、タイトルが「スカーレット」というだけあって、すべてがスカーレット中心。『風と〜』の広い世界観に比べ、なんだか急に『女の一生』みたいな、自伝的ストーリーになってしまった印象を受けた。

物語はひたすら『レットを取り戻すにはどうすればいいか』という展開で進んでいったので、安っぽいメロドラマっぽくなってしまったし。

まあ、私の場合は「別人が書いた後編なんて、大したことないに決まってる!」という先入観バリバリで読み始めたので、ちょっとした不満も重箱の隅をつつくように見つけ出してしまったんだろうけど。

また、娘「キャット」の存在はいいとして、彼女が生まれるきっかけが…。
どうしてもレットの子どもを生ませるために、ああせざるを得なかったんだろうけど、この辺が強引で、構成に引きずられているような印象を受けた。
っていうか、長すぎじゃないか? なんだか全体に冗長な印象を受けた。

●『スカーレット』のおもしろかったところ

おもしろかったところ…といっても、急には思いつかない…。
舞台がアメリカから一転して、アイルランドに移ったところは、まあおもしろかったかも。

スカーレットはアメリカを飛び出して、スカーレットの父親の故郷「アイルランド」へ行き、そこが物語の大半の舞台となっている。
そこで、スカーレットは「ザ・オハラ」と呼ばれ、オンナ地主となる。
土地の人に愛され、娘キャットを愛し、様々な出会いを重ねていく。
「老成したスカーレット」というのも、まあアリだったのかも。 

●私が続編を書くなら…

リプリーの続編に文句ばかりいっている私だが、じゃあ、おまえが続編書くならどうするのか?って話だ。
私としては、続編反対派なのだが、もしもどうしても続編を書くなら…。

レットが出て行った後、スカーレットはやはりタラには戻るだろう。レットの帰りを待ちながら。
ポイントは、レットの愛は完全に冷めてしまったかどうかだ。

レットが出て行ったのは、『メラニーにアシュレを頼まれたスカーレット』に妬いたからなのか。
これまで我慢していたものが崩れ落ち、本当に愛が冷めてしまったからなのか。
スカーレットを試すためだったのか。

ここが、大きく二人の運命を変えることになるだろう。

いずれにせよ、スカーレットからレットに飛び込んでいかない限り、何も変わらない。
それも、言葉や態度で表すだけでなく、心からレットに愛を伝える方法を考えなくては。

まあ、ここまではみんな考えるところだろうけど、私としては、スカーレットの実子(結構、大きくなっているよね)とレットを関わらせてみたい。
スカーレットと子どもの二人が物語を作っていく、といったような。
って、実際にそんな話を書いても、きっとリプリー以上にブーイングだろうな(笑)

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