七尾旅人「ひきがたり・ものがたりvol1 蜂雀」

素晴しい!七尾旅人新作は簡素なアレンジを

施したアコギと歌声のみによる名曲集。更に

ストレートさを増し、ポケットに忍ばせた言

葉達は異形の新世代フォーク。さりげなく夜

空から振りまけば、田んぼにカエル達が紡ぐ

ハーモニーとも素敵にシンクロし、数々の名

シーンをフラッシュバックする星々の子守唄

みたい。100%オレンジによる絵本で出来た

夢十夜とでも言う趣のジャケットもピッタシ。

古のSSWのように聞いてて心が震えます。

FIELD 「ささげもの」

夕陽が大きく見えるのは、きっと錯角なんか

じゃない。そのメロディとコーラスは、誰が

呼んだか博多のブライアン・ウィルソン(!)

情感たっぷりの日本語ロックは、雨上がりの

ぼんやりとした光、古い映画に憧れた、少し

大きいサングラス。対象との距離を思索する

その季節を青春と呼ぶのなら、夕陽を見ても

またしかり。駆け出す青いギターも、複雑な

感情にフォーカスする折れ曲がった歌詞も、

全ては言い出し切れない青春のラララララ!

DUMP 「A GROWN-ASS MAN」

趣味は通販カタログを眺める事。イモ焼酎に

異常に反応。一見そんなクールな巨体のdump

には、気がつけば目尻は下がって靴下もずる

ずるっと下がってしまう素敵な魔法がある。

その巨体から優しい目で見る風景は少し平べ

ったく見え、ギターと酌み交わされた独り言

のような歌がこれほどまでに味わい深い臨場

感を醸し出すのだった。日常の悲哀と瞬発力

を往還するグレイトなソングライティング!

行け!ジェームス!翔べ!地球の平和の為に!

The Magnolia Electric Co.

全曲新曲のライブ録音というニ−ルヤングの

未CD化アルバム、『時は消え去りて』。あの

レコードと同じ、泣ける男気大特集!名義も

電気カンパニーであるからして、ここにも血

を吐いても進む激情が静かにうねりを上げて

いる。砂埃まみれも気にせず何度も再生を繰

り返す力強さがある。この開かれ方こそ漢。

漢のロマンは夜開く。アルビニプロデュース、

多数のゲストもいい方に出た事は言うまでも

なし。

(smog) 「SUPPER」

カモメはピーピーと泣き、ギコギコと自転

車を漕いで帰ってくる海辺の町、母ちゃん

のやってる内職は、“プーマ”じゃなくて

“ピューマ”だ。本当にアレでお金、貰え

るんだろうか?少年を仮にA君とするなら

ば、世界中の大人になったA君達が、(smog)

の歌になるのかも知れない。それはハード

ボイルドでありながら底辺に流れる優しさ、

夕闇から夜に至る特別な時間の、忘れ得ぬ

歌とメロディ。

Montag 「Are You A Friend?」

フランスのエレクトロニカ、ニッカニカ。ま

るで住み慣れた部屋のように、手を伸ばせば

そこにある、勝手しったる音の配置がSSW然

ともしていて面白い。踏み付けられても何度

でも跳ね起きてくる新緑のような瑞々しさ。

おじぎ草のようなおだやかに光る愛らしさ。

こんなCDが置かれるのは部屋で最も陽が

あたるところ、そっと手に取られるのを待

ってる。

the barry gemso experience「la via vie」

「アディオス」それはスペイン語で“さよう

なら”。そして「シエスタ」、それならお昼

寝。浅はかなスペイン語知識を披露したくも

なる、軽快で甘い昼下がりのスパニッシュイ

ンディーポップ。葉巻きの煙のように、そっ

と燻らすダンディズム。気になるあの子の午

後の溜息。聴きながらお昼寝すれば、そこに

広がる城下町ワールドに、寝過さないよう気

を付けましょう。リリースは名門、シエスタ

レーベルから。

Alpha.「Stargazing」

コンピュータHALが最後に歌ったメロディ、

「デイジ−ベル」。2001年には木星へも行

かず夢もみず、ただ過ぎさって行ったけれど、

せめてHALにはこんなメロディを聞かせても

みたい。一音一音のひらめきと儚さが宇宙の

果てを夢想をするスペースラウンジミュージ

ック。残響豊かな音の欠片が眩しすぎて、星
を見つめれば、もう今日はおしまい。

CLEARLAKE「CEDARS」

パラダイスの哀しい夕暮れ。幾星霜の約束

を見上げれば、帰り道なら遠回り。1stから

既に完成されていたバンドだけど、すくす

くとスケールを大きくしながらも瑞々しい

ギターで、訪ねてくる者を黙って立ち寄ら

せてくれる。届かなかった数cmも跳び越せ

そうな気がしてくるメロディ、今にも雨が

降り出しそう。やっぱ好き!

Homescience 「Songs for Sick Days」

グラスゴーから平原の星!このイナたいフ

ォークロック、ナイス! Homescienceとい

う名前ながら宿題は決してやらなかった口

に違い無い。これこそフォークロックで無

てく何!?へろへろとよろよろとそのまま

で行こうよ!

Calexico「Feast of wire」

「キャレキシコ?そりゃ一体何処だい?」

だなんて、遅れてます!カリフォルニアと

メキシコの間、キャレキシコ。伝承の音楽

のように耳を引き付ける歌が鮮やかになっ

た今作、最高傑作だと思う。乾いた風が吹

き付ければいつしかロードムービーと一体

になって、こんな西部の男になりたいなあ

と、青竹踏みながら思うのでした。

obi「the magic land of radio」

あるよく晴れた冬の日、道端で僕はこれを

拾ったのだった。持ち上げてみれば奇妙に

重く、それはもう何年も前から持っていた

かのような不思議な質感をたたえていた。

そして驚いた事に小さな窓からは美しい歌

が流れ出したのだ!って感じで大好きだ、

やっぱり。レッドハウスぺインターズも思

い出すひとりぼっちの歌。

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