海と旅
  南大東島(その1)



表紙の画像 :南大東島




台風時の「南大東島西港」。直立岸壁に打ち寄せる波で、その波しぶきは数十メートルの高さまで達する。

 南大東島は天気概況などでよく耳にするところだろう。地図を広げれば分かるように、鹿児島の南、沖縄の那覇の東に位置する。10年ほど前にNHKテレビ「島は揺れる」の番組制作に協力して、波浪観測のお手伝いをしたことがある。当時、那覇空港まで飛んで、離島方面行きの空港から小型飛行機に乗り換える。確か、一日2便しかなく、乗客は島に住んでいる人が優先され、生活必需品の輸送も優先されることから、小型の飛行機に乗れる一般乗客の人数は限られてしまう。飛行機に乗る際に、私が荷物といっしょに体重を計られたのは、後にも先にもこの時だけである。


南大東島旧空港、チェックインカウンター。
この秤で体重をチェックする。

画像は、HP「南西航空写真館」
http://www.mars.dti.ne.jp/~ogntorii/photo/
のご好意により掲載しています。

 私が南大東島に行った時期は8月。那覇空港で小型機に乗り換える僅かな短い距離を歩くだけで汗だくとなる。そして機内に入ると「うちわ」が配られる。そう。機内は冷房が効いていないのである。そして待つこと数分。飛行機は離陸し、南大東島へと向かった。乗客は十数名、それでいてスチュワーデスもちゃんと乗り込んでいる。小さい飛行機ほど低く飛ぶ。「太平洋の上は何もないのかな」と思っていたが、そうではなく、時々木屑のかたまりが見えたりもする。もう着く頃か、と思っていると飛行機がやや傾いて方向を変える。パイロットが有視界飛行で島をさがしている。

 「数年前に小学校の先生のご家族が間違えてこの島に来たことがある。訪れる観光客はほとんどいない。」と民宿の人が言っていた。その日の仕事を終え、民宿で夕食にビールを飲む。沖縄の****ビールだ。お断りしておかなくてはならないが、いまの****ビールはとても美味である。「うちには期限切れのビールしかないが、それでよいか?」と出された“もの”を飲む。船は沖縄本島から月に2〜3度やってくる。ビールのように重いものは船で運ばれてくるに違いない。期限切れのビールの味は多少問題があったが、酒の肴、こちらはバッチリだった。取れたてのマグロの刺身だ。恐らくは近くの海で捕れたのだろうが、孤島ゆえ、近海マグロなのか、遠洋マグロなのかは分からない。ピンク色をしていてとても美味しい。

 南大東島の北、目と鼻の先に北大東島がある。南大東島の北側に立てば、北大東島は勿論、肉眼でも十分確認できる。数キロしか離れていない北大東島との間の水深を聞いてビックリである。なんと、3000mもある。太平洋の真ん中に2本の針が立っているようなものだ。 NHKの番組のストーリーは「台風でこの島は揺れる。つまり、大波が島にぶつかると地震計で感知できる。そういう大きな台風が襲来するこの島で、人々はどっこい、しっかりと生活している。」そんな内容だったように覚えている。



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