海と旅
  潮汐、潮流、海流発電


 潮汐発電

 潮汐発電は潮の干満を利用した一種の水力発電です。月や太陽などの引力によって、ふつう1日にほぼ2回の干満のあることはよく知られています。潮汐の大きさ(潮位差)はどこでも一定というわけではありません。それは、地球の自転や海底地形の影響を受けるためです。
 潮汐発電は湾を堤防で締め切って、湾の内側と外側の落差の大きい時間帯にその落差を利用して発電を行います。
ランスの潮汐発電所(フランス)
La Rance
 ランス発電所は潮汐発電所として、世界的に有名です。フランスの北西部、ブルターニュ地方のランス川の河口にあります。出力24万kWは、海洋エネルギーを利用した発電所として、世界最大の規模を誇るものです。付近の潮位差は平均で8mもあり、潮汐発電の条件に恵まれています。堤防は道路橋としても利用されており、そちらの経済効果も無視できません。
アンナポリスの潮汐発電所(カナダ)
Annapolis
  カナダの東部、アメリカとの国境に近いファンディー湾にパイロットプラントが建設されています。平均潮位差は 6.4mあります。付近にはより大きな計画地点があります。
 その他、潮汐のエネルギーに恵まれた中国や韓国、ロシア、オーストラリアなどに潮汐発電のパイロットプラントが建設されています。
江厦の潮汐発電所(中国)
Jiangxia

 その他、潮汐発電が可能とされている地点をまとめると New 次のとおりです。
 (「環境圏の新しい海岸工学」フジテクノシステム、1999年8月)…著者引用
 日本で潮位差の一番大きいところは、九州有明海の奥部で、住ノ江で 4.9mほどです。以前、有明海を対象として、潮汐発電の実用化調査の実施されたことがあります。有明海といえば「ムツゴロウ」などの生息でもよく知られているところです。環境の問題や経済性の問題などがあって、実現には至っていません。
 海洋エネルギーの利用ことを最優先で考えるのではなく、周辺のいろいろなものに配慮することが大切です。
ランスでは一時、生態系のバランスが崩れましたが、その後、新しいバランスが保たれるようになったとのことです。
なお、潮汐発電に関するお薦めのホームページは次のところです。
   猪上 太 氏らの作成したページ が こちら に残されています。



 潮流発電

 潮流とは、潮汐現象による流れのことです。日本には流れの速い「瀬戸」や「海峡」と呼ばれるところがたくさんあります。潮位差はあまり大きくなくても、海底地形が狭まっているところではエネルギーが集約されています。
鳴門海峡で行った潮流発電の実験
(徳島大学)
 鳴門はうず潮でも有名なところです。鳴門大橋工事用桟橋に固定して実験を行いました。クロスフロー水車は灰色に塗られた構造物の下部に取り付けられています。
来島海峡で行った潮流発電の実験
(日本大学)
 愛媛県今治市の大浜沖に3枚翼のダリウス水車を沈め、実験を行いました。


 海流発電

 海流の流れを利用するのが海流発電です。潮流は潮汐による流れのため、流れる向きが一日に約4回変わりるのに対し、海流は地球規模の流れで、年間を通じて流れる方向は一定です。
 これまでに海流発電について、こういった方法で発電するといういくつかの方式の提案はあるようです。しかし、実際に大規模な実験が行われたということはありません。それは、海流は比較的陸地から遠いところを流れているために、その利用方法が難しいといったことが原因のように思えます。

 その他の海洋エネルギー利用発電

 濃度差発電も一種の海洋エネルギー利用発電です。エネルギー資源量は大きいのですが、技術的な課題が多く、大規模な実験は行われていません。
 


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