新入荷の御酒案内

暑くなかった今年の夏。お米の出来具合はどうなんでしょうか。飯米はもちろんですが、酒米の出来具合も心配になってしまいます。
とはいえ、全般的にレベルの高かった平成14BYの御酒が、だんだんと熟成してきました。
そんな中から、また新しい御酒が入荷してきましたのでご案内いたします。


旭菊(福岡)
特別純米無濾過生原酒   1.8L 2700円(山田錦60%精白・9号酵母)
特別純米無濾過原酒    1.8L 2500円(麗峯 60%精白・7号酵母)
純米吟醸 麗       1.8L 2900円 720ml 1450円(山田錦・麗峯50%精白)

今年の春にご案内いたしました「池田屋酒店セレクション」で、取り上げた2種類が再び入荷しました。
実は、当店分はお陰様で早々に完売してしまったのですが、「あの酒をもう一度飲みたい!」というご要望が多かったため、蔵元さんに無理なお願いをしました。
7号酵母の方は、すでに一度火当てし終わっているので、生ではありません。ですので、多少、あの時の味とは印象が違うように感じられるかもしれませんが、7号酵母の柔らかく奥深い味わいは、きちんと残っています。
9号酵母の方は、実は友人の酒屋さんの分を少しだけ分けてもらいました。ちょうど同じ頃から旭菊さんへ行き始めた友人で、選ぶお酒もほぼ同じ。蔵元さんに話すお酒の印象もほぼ同じ。なんか兄弟のような友人なのですが、今年も同じタンクのお酒を選んでいましたので、事情を話して、ちょっとだけ分けてもらいました。(ごっちゃん、サンキュ)

2種類のお酒は、精米歩合は同じですが、使っているお米、使っている酵母の違いで、全く印象の違うお酒のように感じます。が、やはり同じ蔵の、同じ人が造ったお酒のため、共通した味わいも底辺にはあります。

また、「純米吟醸麗」は山田錦と麗峯を50%精白したもので、昨年から少しづつ造り始めたものです。昨年、けっこう早めに無くなってしまったので、しばらく在庫がありませんでしたが、今年はいくらか増量したようです。ふわっと口の中で広がる吟味、旨味。
こういうお酒を飲んでしまうと、も〜いけません。ほぼ毎日、数種類のお酒をきき酒しなくてはならない身の上なのに、どうしてもここで止まってしまう。一口きき酒して、次のお酒を飲まなければならないのに、どうしても、もう一杯飲んでしまう・・・罪作りな酒です。
特に今年の旭菊は、エポックメイキングな造りの年と言えます。前任の田中杜氏が無くなって、もう7〜8年経ちますが、今年の(そして、おそらくこれからの)原田さん(蔵元)は違います。
先日も「燗酒楽園」の時に隣のブースだったので、お客さんがいない時はいろいろと話をしたのですが、彼に言わせると、
「よく酒造りは毎年毎年違うって言うじゃないですか。でも、私、今年初めて分かったんですよ。実は毎年毎年じゃなくて、毎日違うんですよ。毎日、毎日が違うんですよ。」
う〜ん、深い・・・まさか、こんな言葉が、あの原田さんから出ようとは・・・(原田さん、ごめんね)
「燗酒楽園」の時も、お客さんから「原田さんって、宇宙人なんですか?」な〜んて言われていた原田さん。実は、ああ見えて凄い人なんです。(たぶん)
どうぞ、是非、味わって下さい。

  写真左は原酒2種類 ラベル貼ってません 右は純米吟醸「麗」

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織星(埼玉)
純米吟醸   1.8L 2700円 720ml 1350円(八反錦50%精白)
純米生原酒  1.8L 2500円 720ml 1250円(五百万石55%精白)

星降る里からこんにちわ。埼玉県北部、群馬県に接する深谷市は、ねぎの産地としても有名ですが、実は天体観測のメッカとしても有名なんです。(実は私も知らなかった。この織星の丸山さんに教えてもらいました)
その深谷市で、若い蔵元兼杜氏が、良い酒を造ってるんだ、とある人から教えてもらいました。
う〜ん、やっぱり、地元埼玉県でも、良い酒がもっと出てほしいよね〜、と常日頃思っていた私は、さっそく彼と会うことにしました。
私とちょうど10歳違いの33歳。聞けば、蔵元兼杜氏として獅子奮迅の様子。なにしろ、蔵人が彼を含めて3人しかいない!!
平成14BYの造りの最中に、倒れて入院したそうです。そんな若い蔵元が頑張ってるなら、是非、応援したいよね、と思いましたが、私も酒屋です。それも、名もない酒屋なので、品質に満足出来ない酒を仕入れるほどの余裕はありません。
人に惚れても、酒に惚れなければ仕入れない。それが私のポリシーです。
そして、彼に試飲させてもらったのが、この「織星・純米吟醸」「織星・純米生原酒」です。
はっきり言って、派手な吟香があるわけではありません。
冷やのまま飲めば、平凡な酒に見えるかもしれません。
でも、その味わいの奥底に、明日の姿を見据えた彼の闘志を感じたのです。
そして私は、即答を避けて、「一週間ほど味の変化を見せて下さい。もちろん、燗にもしますし、燗冷ましにもします。それでおいしかったら仕入れさせて下さい」と言いました。
そして、一週間、毎日、味の変化を見ていきました。
最初は、平凡に見えた味わいが、段々と変化していき、だんだんと丸みを帯びてきました。
もちろん、燗冷ましにもしました。見事に燗冷ましにも耐えて、驚くほどのシャープな味になりました。
そして、滑りの良い、なめらかな味わいは、料理を食べながら飲むには最適です。
お酒だけで楽しむよりも、料理と合わせて飲んだ方がいいかもしれません。
そして、是非、お燗にして下さい。冷やで飲めば損したような気になります。

写真、左が「純米無濾過生原酒」 右が「純米吟醸」

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賀儀屋(愛媛)
純米生詰    1.8L 2200円 720ml 1100円(松山三井55%精白)
純米吟醸生詰  1.8L 2700円 720ml 1350円(松山三井50%精白)

当店では珍しい四国のお酒です。
今年の春から扱い始めたので、まだ蔵には行ったことがないので、あまり詳しいことは書けません。
しかし、今まで来店されてこのお酒を買っていかれたお客様の話では、「こりゃあ、旨いよね。この値段でこれだけ楽しめたら充分だよね」とのこと。
確かに、コストパフォーマンスは抜群だと思います。使っているお米は「松山三井」という、四国でよく使われる酒米。純米は55%、純米吟醸は50%精白。
やや華やかな香りと、抜群の切れ味。そして燗冷ましにしても崩れない力強さ。特に、ぬるめにお燗をしたときのとろとろ感はたまりません。こりゃあ、めっけもんです。

左の写真は、賀儀屋の蔵元さん、首藤社長

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神亀(埼玉)
ひこ孫 純米  1.8L 3000円
純米 上槽中汲 1.8L 4500円(平成13BYの古酒・限定品)

神亀さんの「ひこ孫」は3年古酒です。ですので、けっこう色づいています。山吹色、というほどではありませんが、けっこう色がついてます。
しかし、それこそがきっちりと熟成された証拠。炭なんぞでいらっていない証拠です。
そして、いつのまにか、お米が山田錦になってました。(値段は変わらず)さらに!! 精米歩合も5%上がっていました。今まで、私は五百万石の60%だと聞かされていたのですが、いつのまにか山田錦の55%精白になってました。
神亀さんって、こういうことをあまり話さないのです。(神亀の専務曰く「お前が何も聞かないから、喋らないんだ」って。おいおい、そういう問題かよ)
何も言わずに、ひそかにグレードを上げている神亀さん。う〜ん、しぶいぜ!!
で、味は、これまた驚くほど、奇麗になって旨味、膨らみともに申し分ない。でも、やはり、これは燗向きのお酒でしょう。もちろん、冷やで飲んでもいっこうに構わないのですが、お燗を飲むと、このお酒を冷やで飲むのがバカらしく思えてきます。
以前の、もっとごっつい神亀が好きだった人は、今の神亀は奇麗になりすぎている、という人もいらっしゃいますが、やはり、この味は神亀さんでしか出しえない味わいだと思います。
それと「上槽中汲」は、いままで「槽口(ふなくち)」としていたものを、ラベルの表記が少し変わりました。これは専務が槽口で、滴り落ちてくる酒をきき酒しながら、最もきれいなものを、別に瓶囲いするものです。神亀さんのお酒にしては、冷やでも楽しめますが、口当たりの良さでぐいぐい飲んでしまうと、アルコール度数が高いので、後でべろんべろんになります。
今回は、3年前から当店の冷蔵庫で寝かせていたものを出します。当然、数は少ないので、ご希望の方はお早めにどうぞ。

  写真左が「ひこ孫」右が「上槽中汲」

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羽前白梅(山形県)
純米吟醸    1.8L 3398円 720ml 1941円(山田錦・美山錦50%精白)
純米原酒    1.8L 2719円 720ml 1456円(美山錦50%精白)
純米吟醸ちろり 1.8L 2913円(山田錦40%・美山錦50%精白)

山形県の大山は、昔から酒造りの盛んな土地として知られていましたが、今は3軒のみ。その中で一番小さいのが、ここ羽前白梅の羽根田酒造さんです。
どちらかと言えば、甘口が好まれる地域なのに、ここでは、一貫して辛口の滑りの良い酒を造ってきました。
そのため、あまり地元では消費されないのかもしれませんが、だからこそ、私のとこにもお酒が回ってくるんです。
こんなに切れの良い酒はなかなかお目にかかれません。上原先生が、初めて東北地方のお酒で90点をつけたのが、この羽前白梅でした。(その後、鯉川さんのお酒が同じくらいの評価を得ました)
ただし!! めっぽう、熟成が遅い。この時期になると、さすがにいくらかこなれてきてはいますが、春先なんぞにきき酒しても、何も味がありません。
秋上がり、という言葉がありますが、ここのお酒は冬上がり。秋では、まだちょっと味が乗りきっていません。
でも、当店のHPを覗かれる方なら、いつも私が推奨している方法を使っていただけば、オッケーです。
きちんと熟成のピークにあるお酒ももちろんおいしいですが、このように、熟成の一歩(二歩?)手前にあるお酒を、自分好みに仕立て上げていくのも、酒飲みの醍醐味ではないかと思います。
何を言ってるのか分からない、という方は、まずは当店の作成した小冊子『間違いだらけの日本酒選び』をお読みいただくことをお奨めします。今飲んでいるお酒を3倍楽しむ方法が書いてあります。そして、この羽前白梅のようなストロングスタイルのお酒を、上手に手なづける方法も分かります。

    写真左から、「純米吟醸」「純米原酒」「純米吟醸ちろり」

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福千歳(福井県)
山廃純米大吟醸  1.8L 4000円 720ml 2000円(大系5号40%・50%精白)
山廃純米吟醸   1.8L 3000円 720ml 1500円(大系5号50%精白)

ここも、昨年から知ってはいましたが、本格的に扱いだしたのは、今年からです。というのは、去年のここの山廃純米大吟醸、とってもおいしかったのですが、あまりにも数がなかったので、お知らせできませんでした。
それで、今年のお酒の出来具合を見てから、と思っていたのです。やっと、という感じです。やっと、このお酒を紹介できる。
この田嶋酒造さんでは、山廃のシリーズが多いのですが、その多くは10号酵母を使っています。
しかし、私は、山廃造り独特の香味と、10号酵母は、あまり相性がよくないのではないかと思います。田嶋さんの10号酵母の山廃純米も、おいしくないわけではないのですが、この「山廃純米大吟醸」と「山廃純米吟醸」は、田嶋さんしか造りえない味わいだと思いますので、あえて、この2種類をご紹介します。
この2種類は、「田嶋2号」という酵母を使っています。つまり自家培養酵母です。
この自家培養酵母と、福井県独自の酒米大系5号を使って、独自の山廃を作り上げました。
やや華やかな香りと、柔らかく口の中でふわっと広がっては消えていく旨味。冷やのままだと、つい飲みすぎますのでご注意下さい。
もちろん、お燗にすると、もっともっと柔らかく味わいが広がってきて、思わず顔がほころびます。

 写真は、「山廃純米大吟醸」 「山廃純米吟醸」は9月12日出荷ですので、発送はその後となります

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独楽蔵(福岡県)
純米吟醸 玄 2000年  1.8L 2720円 720ml 1310円

純米吟醸 冷やおろし  1.8L 2720円 720ml 1310円

福岡の杜の蔵さんの「独楽蔵」シリーズから、今回は「玄 2000年」をご紹介します。
先日の『燗酒楽園』でも大変好評でした。2000年というのは、もちろん2000年古酒ではありません。(誰でも分かるかな)西暦2000年に造られたお酒を、一定の温度(15〜16度)で3年熟成させたものです。
やっと、味が整いました。以前、このお酒を試飲した時は、う〜ん、なんかバランスが今一つだな〜・・・なんて思っていたのですが・さすがです末永杜氏は。遥か先のことを見据えていたんですね、これは。私は、この味は予想できませんでした。これほど、味わいが整ってくるとは・・・
ちゃんと造られた純米酒が熟成すると、このようになる、という見本のようなものでしょうか。
ただし、華やかな香りをお求めの方はやめといた方がいいでしょう。少し熱めにお燗をしてからちょっと冷まして飲んでみて下さい。純米酒のお燗の旨さを、きっと実感していただけると思います。

冷やおろしは、今年の春先に搾ったお酒を秋まで寝かせて、この時期だけ限定出荷されるものです。「玄」のきっちりと熟成された味わいとはちょっと違うフレッシュさが魅力です。なお、冷やおろしは季節、数量限定ですので、御希望の場合はお早めにお願いします。 なお、9月16日から出荷されますので、発送は、それ以降となりますので、あらかじめ御了承下さい。

 

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大七(福島県)
生もと純米クラシック 1.8L 2800円 720ml 1400円

伊藤杜氏亡き後、どうなるかと心配していた大七さんですが、しっかりと生もとの技術を受け継いでおられるなと感心させられました。
やはり、大七の生もとは、ワン&オンリーでした。
特にこの「クラシック」は蔵で2年熟成された後で出荷されるだけあって、きっちりと熟成されています。もちろん、このお酒もお燗にしていただくと、いっそう、味が広がることと思います。五味がぎゅっと凝縮したような、それでいてもたつかない、旨味と切れの良さ。これぞ大七。

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三井の寿(福岡県)
美田 育てもと仕込 1.8L 2400円
美田 山廃にごり  1.8L 2400円 720ml 1200円

三井の寿の美田シリーズに、「育てもと仕込」が加わりました。
基本的には他の美田シリーズと同じく、山田錦の60%精白。山廃仕込みですが、ややアルコール度数が落としてあります。14度台になってます。
しかし、薄っぺらい感じはまるでありません。冷やのままでも、すいすい飲めてしまうので、かえって危険かもしれません。
もちろん、お燗にしてもグッ! でも、これはぬるめのお燗がよろしいかと思います。ふわ〜っと旨味が口の中に広がって、なんとも幸せな気持になります。
本当に、理想的な食中酒の一つではないでしょうか。私はお豆腐をよくアテにしますが、これがまたグッ!
淡泊な豆腐の味に、この「育てもと」のぬる燗は相性ぴったり。(個人的な好みですが、私は木綿豆腐です。絹越し豆腐はどうも・・・)

なお、しばらく品切れしていた「美田 山廃にごり」も再入荷しました。
写真左が「育てもと仕込」右が「美田 山廃にごり」

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