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Live 〜ライブ〜

Live Report

「東京JAZZ 2004」レポート!(by茶子)
<クリヤ・マコト SUPER JAZZFUNK PROJECT 誕生>
   某月某日、東京都内のとあるライブハウスで行われたクリヤ・マコト・ライブ。これを見に訪れていた「東京JAZZ 2004」スタッ フから、クリヤに「R&Bやファンク、ヒップホップのような、若者が好きな音楽とジャズとのコラボレーション・ユニットを作 ってみないか?」という相談がありました。これはクリヤの演奏手腕に加え、日頃から多くのコラボレーション・ライブを行った り、ジャズに留まらないプロデュース活動を積極的に行っている、多様でグローバルな活動が評価された結果と言えるでしょう。
 そこでクリヤは、まずベースの日野賢二さんに 声をかけました。この企画には絶対外せないリズムの要だと考えたためです。次いでトロンボーン奏者中川英二郎さんに声 をかけました。タイトなセクションも難なくこなし、ジャズのアドリブも見事なホーン・セクションが必要だと考えたためです。 それからクリヤは、最も信頼を置いている黒人シンガー、ブレンダー・ヴォーンに声をかけました。極めてソウルフルなコーラス 陣が欲しいと考えたからです。各氏は快くクリヤの呼びかけに応じ、まもなくフレッシュかつバイタルな4リズム・セクション、テクニシャン を取りそろえた4ホーン、ソロシンガーとしても素晴らしい黒人女性コーラス隊が結集しました。
 次いでクリヤは、本格的なコラボレーションを行うなら、ジャズメンではない別のジャンルのゲストが必要だと考えました。 そこで以前から注目していたR&Bシンガー椎名純平さんに参加を依頼。普段からジャズにも興味を示していた椎名さんは、「それ は面白そう!」と快諾。こうして遂に、ジャズ・フュージョン×ブラック・ソウル×J−R&Bのコラボレーション・ ユニット「クリヤ・マコト SUPER JAZZFUNK PROJECT」が結成されたのです。

 さて、結成から本番までの残り時間はわずか2ヶ月。何しろ13名という大所帯、それぞれが各方面で活躍中の売れっ子ばかり なので、リハーサルのスケジュール調整だけでも四苦八苦でした。普段から活動しているグループならばともかく、このメンバーが 一斉に集まるのは初めて。またジャズのスタンダードではなく、メンバーが知らないオリジナル曲をプレイする わけですからリハーサルは必須です。どうにかリハ日を確保し、クリヤは大編成用のスペシャル・アレンジに着手。本番後クリヤは すぐに渡欧の予定も入っており、そんなこんなでスタッフ一同目の回るような2ヶ月を経て本番当日を迎えたのでした。
 では9月19日、「クリヤ・マコト Super Jazzfunk Project」当日のライブレポートをご覧ください。その他のグループ に関しては「東京JAZZ 2004」公式ページをご覧ください。(上写真はステージ袖より。)

<プログラム>
 1.Celebration (Makoto Kuriya) -Instrumental & Chorus
 2.Special Interlude (arranged by Makoto Kuriya)
 3.Don Segundo (Makoto Kuriya) -Instrumental
 4.白昼夢 (Junpei Shina) -featuring Junpei Shina
 5.月夜の軽犯罪 (Junpei Shina) -featuring Junpei Shina
 6.Long Train Running (Doobie Brothers) -featuring all members
<メンバー>
 クリヤ・マコト(p/key)、日野賢二(b)、岸田容男(ds)、萱谷亮一(perc)、伊丹雅博(g)、
 中川英二郎(tb)、つづらのあつし(as)、田中邦和(ts)、下神竜哉(tp)、
 ブレンダ・ヴォーン(cho)、ポーラ・ジョンソン(cho)、ダーレーン・コールマン(cho)
 フィーチャリング・ヴォーカリスト=椎名純平(vo/rodes)

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<ライブレポート>
 まずはインストゥルメンタル全員及びコーラス参加の「Celebration」で、グループを紹介。これはアルバム「STYLE」に収録され、 ホンダ・インターナビ・プレミアムクラブのラジオCMにも起用されたクリヤのオリジナル曲です。普段のライブでもおなじみのナン バーですが、ここでは4管を加えた本邦初公開のスペシャル・アレンジを披露。トランペットのメロディーと重厚なホーンによる テーマが新鮮です。パーカッションの萱谷さんによる豪快なティンバレスのソロ、ラテンビートに乗せたトランペット下神さんの ソロに続き、クリヤはローズで軽快かつドライブ感のあるソロを展開しました。面白かったのがそれに続く「スペシャル・インタ ールード」。おなじみ「Donna Lee」のテーマ頭から、アース・ウィンド&ファイアの名曲「Can't Hide Love」のイントロ部分を 経て次曲へと続くインタールードです。(写真は楽屋にてハンコック氏とクリヤ。)
 次曲は、やはりクリヤのライブではアンコール前の定番ナンバー。アルバム「Latin Touch」に収録されている「Don Segundo」の、 ホーン入りスペシャル・バージョンです。テーマにファットな4管が入ることによって、この曲のラテンムードがますます盛り上が ります。フィーチャリング・ソリストはアルトサックスのつづらのあつしさん、日野賢二さんとクリヤ。テーマに続きアグレッシブ なアルトのソロが展開。日野賢二さんのベースソロはエフェクトを使ったフレーズからスタート。それにしても、この曲ではピアノ のソロが炸裂しました。ドラムスとパーカッションに煽られる強烈なラテンビートに乗って、どこまでもどこまでも登りつめていく ような艶やかなソロ。きらびやかでアタッキーなピアノの音色は、これもまた打楽器の一つと確信させるほどリズミックに 空間を刻みます。そのピアノに煽られてさらにバンド全体が一体になり、空の同じ方向へ向けて突進していく感じ。中盤からはスウ ィングピートに展開し、ラテンビートからのギャップが気持ちいい!さらにスピード感を増して後テーマへと駆け抜けます。エンデ ィングでは岸田さんの豪快なドラムソロをフィーチャー。まさにライブの醍醐味たっぷりの演奏でした。
 さて、続いていよいよゲストシンガー椎名純平さんが登場。デビューアルバムからおなじみのナンバー「白昼夢」を披露しました。 この曲はリミックスなど様々なバージョンが発表されていますが、ここではクリヤによる新バージョンで演奏されました。せっかく 「ジャズ・フェスだから」ということで、ソフトホーンの入ったジャジーなアレンジに挑戦。女性コーラスも入り、いつもとはちょ っと違ったムードの「白昼夢」となりました。フィーチャリング・ソリストはトロンボーンの中川英二郎さん。丸く美しい音色で、 このアレンジにピッタリのソロでした。さらにやや小編成で、やはり椎名さんのオリジナル「月夜の軽犯罪」を披露。これは普段 椎名さんがライブでやっているのに近い形でしたが、クリヤによるソウルフルなコーラスアレンジが光ります。レイドバックして ちょっと不良っぽい雰囲気を盛り上げました。フィーチャリング・ソリストはクリヤと、テナーの田中邦和さん。サックスソロが さらにレイドバックした怪しい世界を演出します。椎名さんの歌は本当に粋で、ソウルフルで、なんと言っても良く通る声が魅力的。 加えて彼の書く詩の世界も、独特の世界を持っていてとても個性的。確かなアイデンティティーを持った、素晴らしいアーティスト だなあと思いました。(写真上:終演後のインタビューで、クリヤと椎名さんの2ショット。)
 そしていよいよ最後のナンバー。この日のためにアレンジされた、全員参加による「Long Train Running」です。そう、あのドゥ ービーブラザーズの名曲です。クリヤはファンキーなこの曲が昔から大好きだったとか。今回はよりブラックかつジャズファンク風 のアレンジでした。特にリハーモニゼーションしたハーモニーに載せた、ホーンアレンジがめちゃくちゃカッコイイ!追加セクショ ンもあって構成も素晴らしく、原曲よりもさらにファンキー!盛り上がりまくったフィーチャリング・ソロはクリヤと、おなじみの ”あのフレーズ”を弾きまくってくれたギターの伊丹さん。メインヴォーカルを張った椎名さんのらしからぬ(?)熱いシャウトも 素晴らしく、各メンバーのソロをフィーチャーしたメンバー紹介コーナーも楽しく、思い残すことのない豪快な10分間でした。
 素晴らしいメンバーに意欲的なアレンジ、このライブ1回きりで終わらせるのはもったいない!と思いますよね?そんなあなたに 朗報です。年末モーションブルー横浜にて早速の再演予定が!詳しくはこのページの一番下をご覧ください。  

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<SUPER UNIT〜スペシャル・セッション・レポート>
 同日、プログラムの最後にはハービー・ハンコック氏率いる「SUPER UNIT」の演奏がありました。これは要するに、この日の参加 者の中からハンコック氏がチョイスしたメンバーによる、ごった煮セッション。クリヤのグループからはクリヤ自身を始め、ホーン セクションの4名が参加しました。まずリールピープルのDJプレイからスタート。レコードから流れるビートに合わせて、二人の 歌姫が登場してヴォイスを披露。それからハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、デイブ・ホランド、ブライ アン・ブレイドの4名が登場し、スピリチュアルなセッションを展開。しばらくしてTOTOのメンバーが登場。普段の彼らとは全然 違った、このスピリチュアルな世界へ入っていきます。ショーター氏とルカサー氏の掛け合いなど意外すぎて、「遠慮しすぎ?探り すぎ?」などの感想が聞かれましたが、この場面そのものがなんだかとても珍しいですよね。さらにスピリチュアルなギタリスト、 リオーネル・ルエケさんも参加。(写真上右:クリヤのプレイを絶賛したデビッド・ペイチ氏との2ショット。)
 そして最後にクリヤ・グループの5名が呼ばれました。4ホーンはビートに合わせてセクションをつけていきます。ここでハンコ ックさんがつづらのさんを指さしてアルトのソロ。つづらのさんは、ちょっとショーター氏を意識した観念的なソロ?続いてローズ を弾いていたクリヤが刺され、ソロを展開。エフェクトを使ってエレピとは思えない神秘的な音色を使い、空間を飛び交うような アウトしたソロを展開。これにはショーター氏が思わずニッコリ。多くのお客様は最初のうち、これがクリヤのエレピによるソロだ とは気付かなかったようですね。ですがこれによって、それまで延々と同じビートに乗せて展開されていたスピリチュアルな世界が、 ガラッと変わってより広がりと豊かさを増したように感じました。それから最後にハンコック氏のピアノ・ソロに戻り、彼のディレ クションによって長い長い1曲のセッションが幕を閉じました。
 全ての演目を終えた舞台袖では、ウェイン・ショーター氏がクリヤのユニークなキーボードプレイを賞賛。ハンコック氏もまた 「You're Killin'」と最大の賛辞を!さらに面白いことに、TOTOのキーボード奏者デビッド・ペイチ氏がクリヤに近づき、 「おまえはオレのお気に入りのキーボード奏者だ!是非ロスへ来るべきだ!!」と絶賛。さらに、やはりTOTOの一員として来ていた キーボード奏者で、音楽プロデューサーでもあるデビッド・ガーフィールド氏もまた、「ロスへ来たら是非連絡を」と言って名刺を くれたのだそうです。クリヤとTOTO、これまた随分不思議な取り合わせですね(笑)。ですが同じキーボード奏者に誉められると いうのは、本人にとっては一番嬉しいことのようです。本当に他では絶対に考えられないような、ちょっと奇妙でユニークなセッ ションでした。(写真上左:「昔からクリヤさんのファンでした」という若きピアニスト、上原ひろみさんとの2ショット。上原 さんはクリヤ・グループからSUPER UNITまで、終始ステージ袖で熱心にライブを見ていらっしゃいました。:by茶子)

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<クリヤ・マコトからのコメント>
 聞いた話によれば、当日会場は音響が良くなかったとか。確かに普段ライブをやっている会場ではないし、主催者としても初めて のことで大変だったのだと思う。でもお客様にとっては、ジャズフェスではやっぱり音が大事!だよね。そういう意味ではちょっと 残念だったなあ。特にぼくのグループは大編成だったし、1バンド目だったこともあって不利だったかも。なにせ本番当日 は簡単なサウンドチェックがあっただけで、リハーサルをする時間もない。まあ、多くのグループが出演するジャズフェスではよく あることだ。知人の話では全体に音量が小さくて、特にドラムス、ベース、パーカッションが小さかったとか。ホーンセクションも あまり良く聞こえなかったとか。サウンド・エンジニアさんのご苦労が忍ばれるが、これはJazzfunk Unitとしてはちょっとつらい。 ただステージ中はとてもゴキゲンだった。素晴らしいアーティスト・スピリットを持った良い仲間と、一緒に音楽を生み出す。こん な音楽家冥利に尽きることはない。それがライブならなおさらのこと、リアルタイムで刹那的なこの喜びのためにこそ音楽をやって ると言っても過言じゃないくらいだ。
 SUPER UNITのセッションもぼくなりに、とても楽しめた。これは図らずもアメリカの伝統的ジャズメン、アメリカン・ロックの優 れたセッションマン、イギリスのクラブシーンのDJ、それに日本でジャズシーンやスタジオで活躍しているミュージシャン、とい う全く土壌の異なる音楽家が寄せ集められた異色なセッションになった。打ち合わせも何もない出たトコ勝負で、当然チグハグした 部分もあって、観客の立場で聴いたらどうなのかはわからないけれど、普段絶対同じステージに登ることのないアーティスト同士が そのステージの中で感じ、交感したことはやはり面白かったと言える。
 インタビューでも言った通り、ぼくは全ての音楽はコラボレーションだと思っている。そもそもジャズは、アフリカから渡ってき たアメリカ黒人のフォークロアと、フランス系移民のラテン音楽、特に伝統的な軍楽隊(ブラスバンド)の音楽がミックスして生ま れたハイブリッド音楽だ。つまり元々、ジャズの誕生はコラボレーションだったわけ。その後のR&Bも、フュージョンも、ヒップ ホップも、サルサやバイーアも、人種的なミクスチャーとそれに伴う自然発生的なコラボレーションによって生まれた音楽だと言え る。つまりコラボレーションは、ありとあらゆるポピュラー音楽の源泉なんだ。だからぼくはコラボレーションが好き。常に新しい 発見、新しいリスペクト、新しい共感を見つけられるコラボレーション。それを通じて新しいアイデアが生まれ、いつか全く新しい 音楽が生まれるかもしれない。これこそ音楽家が常に試み、目指していくものだと思っている。
 そうだ、ここで一つ特記しておきたい。ステージに出ていく前の待ち時間、ブレンダ(cho)が突然「素晴らしい演奏になるように 皆で神に祈りましょう」と言い出した。彼女はクリスチャンでゴスペル・シンガーでもあるから、これはごく自然な発想だったのだ と思う。グループのアーティストはそれぞれどんな信仰を持っているのかわからないし、ぼく自身も無宗教なのだけど、まあそうい う堅いことは置いといてと皆に参加を促した。だって音楽家というのは誰もが「音楽に捧げている」人間なので、ある意味共通の神 を持っているようなものだから。13人心を一つにして神に祈り、それからステージに登った。本当に素晴らしい仲間だ。応援して くれた皆さんも本当にありがとう!またこのグループでライブやります。是非楽しみに来てください!!(クリヤ・マコト)

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<クリヤ・マコト SUPER JAZZFUNK PROJECT ライブ情報!>
 「東京JAZZ 2004」でデビューを果たした「クリヤ・マコト SUPER JAZZFUNK PROJECT」が、早くも2004年年末、モーションブルー 横浜に再登場することが決定しました!東京JAZZと全く同じ強力なリズムセクション、トランペットをソプラノに代えた4ホーン、 3人の黒人ソウル・シンガーが登場します。12月30日には本場NY仕込みのリズムタップ・ダンサー熊谷和徳(写真上)がゲスト に登場。新しいタップの流れを披露します。また31日カウントダウンには東京JAZZにも登場したシンガー、椎名純平(写真下)が スペシャル・ゲストとして登場。
 予定演目としては、東京JAZZで披露したナンバーを全て演奏予定!(椎名さん参加楽曲は31日のみ。)加えてファンキーなジャズ ナンバー、それに3人の黒人ヴォーカリストそれぞれをフィーチャーしたナンバーも予定されています。皆様2005年のカウントダウン および新年は、是非モーションブルー横浜で、クリヤおよび素晴らしいミュージシャンと共に迎えましょう!!
(このライブはまさに大盛況のうちに終了しました。31日2セット目は正味3時間、熱い熱い狂乱のカウントダウンになりました。 詳しくは 「12月ライブレポート」をご覧ください。)

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