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標高と大気圧の関係

標高と大気圧の関係式を示す。

また、標高既知の地点での高度計誤差から、 大気圧の変化を定量的につかむ方法も示す。

標高と大気圧の関係を簡単に求められないだろうか?
手元のちょっと古いが、1997年版の「理科年表」を見てみる。

気194(384頁)〜気195(385頁)に、「標準大気の高さと気圧、気温の関係」の 表が記載されている。
残念ながら、表であって式ではない。
この表の基準として、地上の気圧=1013.25[hPa]、地上の気温=15[℃]、 高度11[km]までの気温変化率=-6.5[℃/km]、が注記されている。

さらに、気196(386)〜気197(387頁)は、「気圧によって高さを知る表」が 続き、式も記載されている。しかし、この式に出て来る「高さhの気柱の 平均仮温度tv」の意味と、その求め方が分らない。
そこで、簡単なモデルを自分で立てることとした。

導かれた計算式は次の通りである。

標高h[m]における大気圧P[hPa]を求めるには:
    P=P0*(1-0.0065*h/(t0+273.2))^5.258

大気圧P[hPa]の時の標高h[m]を求めるには:
    h=153.8*(t0+273.2)*(1-(P/P0)^0.1902)

ここで、P0[hPa]、t0[℃]は、それぞれ、地上すなわちh=0[m]における大気圧、および 大気温である。

この式を検証するために、P0=1013.25[hPa]、 t0=15[℃]の条件で理科年表の表と比較してみよう。
表1に示すように、式の計算値は理科年表の表の値と殆ど一致する。

表1・式による計算値と理科年表の比較
(P0=1013.25[hPa]、t0=15[℃])
標高大気圧
(計算値)
大気圧
(理科年表)
[m][atm][hPa][hPa]
01.0001013.31013.3
10000.8869898.7898.7
20000.7845794.9795.0
30000.6918701.0701.1
40000.6082616.3616.4
60000.4655471.7471.8
80000.3512355.9356.0


次に気圧式高度計の高度調整後、大気圧が変化した場合について考えてみる。
登山口で高度を調整しても山行中に大気圧が変化すれば、高度計の指示は 実際の標高とは異なったものとなる。
しかし、これを逆手にとって、標高の分っている地点で高度計の指示との 差から大気圧の変化を知ることができる。

地上(h=0[m])における大気圧がP0からP0'[hPa]に変化すると、
標高h[m]の気圧P'[hPa]は、
    P'=P0'*(1-0.0065*h/(t0+273.2))^5.258
この時、気圧式高度計が示すみかけの標高h'[m]は、
    h'=153.8*(t0+273.2)(1-(P'/P0)^0.1902)

表2は、大気圧が変化した場合の高度計が示すみかけ標高である。
表3は、実際の標高とみかけ標高の差=大気圧変化による標高表示誤差=を 大気圧変化1[hPa]当りでみたものである。

表3で分るように、大気圧が1[hPa]低くなると標高表示は8[m]高く、 1[hPa]高くなると標高表示は8[m]低くなる。

かって、2月の八ヶ岳連峰・西岳山頂(標高2398m)で、高度計が2520mを示して いるのに、真上の青空に騙されて編笠山に向かい、降雪に見舞われた苦い経験が ある。
高度計が実際よりも120[m]も高い指示を出しているのだから、大気圧は 120÷8=15[hPa]も下がって(低気圧になって)いたのだ。

気圧式高度計で「大気圧の変化を知る=天候の変化を予知する」ことは、もっと 利用されて良いように思う。


表2・大気圧が変化した場合の見かけ標高[m]
(P0=1013.25[hPa]から変化、t0=15[℃])
実際の
標高[m]
993.25
[hPa]
1003.25
[hPa]
1023.25
[hPa]
1033.25
[hPa]
0167.883.5-82.9-165.1
10001163.71081.4918.8838.4
20002159.72079.31920.41841.9
30003155.73077.22922.02845.4
40004151.74075.13923.73848.9

表3・大気圧が変化した場合の1[hPa]当りの標高誤差[m]
(P0=1013.25[hPa]から変化、t0=15[℃])
実際の
標高[m]
993.25
[hPa]
1003.25
[hPa]
1023.25
[hPa]
1033.25
[hPa]
08.398.35-8.29-8.25
10008.198.14-8.12-8.08
20007.997.93-7.96-7.91
30007.797.72-7.80-7.73
40007.587.51-7.63-7.56

標高による気圧変化モデル(2002-03/29/まえじまてつお)