裸眼立体視Q&A

Q1
近視や遠視と、裸眼立体視の やりやすさには関係があるの ですか?
A1 普通、人間は物を見るときに は左右の視線を対象に向けて 合致させますが、読書程度の視距離の場 合、多<の人は潜在的に視線が外へ開い ていこうとする傾向を残しています。こ れを「生理的外斜位」といいます(いわ ゆる「斜視とは違い、異常ではあリま せん)。 これはたとえるなら、視線にばねがつ いていて常に外側に押し広げようとして いる状態だといえます。 正視、近視ともこの傾向の人が多く、 視線を普通よりも内側に寄せる<交差法> よりも<平行法>のほうがやリやすい人 が多いのはこのためてす。 しかし逆に、本などを見るときに、視 線が必要以上に内寄せをしやすい傾向の ある人も少しいます。遠視系の人に多く、 そういう人は<交差法>のほうが得意です。 また、近視の人は、眼鏡を外して近距 離を見ると目のピント調節機能をほとん ど使わないので、それと連動して動く視 線の内寄せも働きにくくなり、<交差法> は難しくなって、<平行法>が容易となり ます。<交差法>がしたいときは、眼鏡を 掛けてください。 なお、老眼の人は、老眼鏡を掛けると <平行法>のほうが楽な人がほとんどです。 ところで、左右の視力が極端に違った り、強度の乱視、斜視の場合は確かに裸眼 立体視に不利です。しかし、眼鏡やコン タクトレンズでうまく矯正できれば、ほと んどの場合裸眼立体視は可能となリます。

Q2
裸眼立体視が苦手な人に、決 め手となるよい方法はないで しようか?
A2 例えば私は<交差法>は普通にはでき ませんでしたが、目の前に指で輪をつく ってその中から図を見る方法によってで きるようになリました。 また、次のような方法もあります。
●作品の上にガラス版をおき、そこに反 射して映る自分の顔を見ると、<平行法> の視線になる。
●やはリ<平行法>のとき、本の向こう 側の自分ては見えないところに、自分 の手のひらをおき、その”見えない手 のひら″を見るつもりになる。 また、こんな便法あります。
●縮小コピ−を取って全体を小さくする。 視線を広げたリ狭めたりする度合いが 少なくてすみます。逆に、もともと小 さく印刷されている
ものは、拡大コピ ーを取るとかえって見やすくなる場合 もあります。
●2つ並んだ写真などで、自分の不得意 な配置になっているものは、コピ−を 取って、得意なほうに並べ換える。 また、<平行法>のときは上目づかい に、<交差法>のときは下目づかいにす ると、比較的楽です。

Q3
他の人と違う見えかたをする ことがあるのですが、異常な のでしようか?
A3 おそらくその場合、裸眼立体 視はできているわけですから 眼の異常ではあリません。まずあり得る のは、<交差法>で見るべきものを<平行 法>で見ていて、またはその逆で、自分 で気付かない揚合。そうでないとしたら、 RDS(ランダム・ドット・.ステレオグ ラム)などではよくあることですが、視 線を広げたリ、交差させたりする度合い が、作者が期待しているものよリ大きす ぎるために起こる現象です。 作品をよく観察すると、横方向に繰リ 返している同じようなパタ−ンの周期が 見つかリます。この周期と同じ幅で、2 つの点が目印として付いています。この 点の位置にそれぞれ左右の視緑が合えは いいのですが、ときに2倍、または3倍 の幅で、視線が合ってしまうことがあり、 そのときは違う形が見えるのです。

Q4
裸眼立体視は目に悪いという ことはありますか?
A4 私自身、裸眼立体視が好きな 眼鏡士で、2O年来、毎日のよう にやっていますが別に何ともあリません。 立体視遊びは、目の悪い斜視、弱視の 子供の訓練としても取り入れられている くらいです。また、最近「視力回復」の ための本をよく見かけますが、ほとんど が裸眼立体視をトレーニングの一つに加 えています。特に、<平行法><交差法>の うち、不得意な方を練習するといいので す。 何事もやリすぎは良くないですが、裸 眼立体視は本米、目には良いことで、疲 れにくい健康な目をつくるのてす。 ものを立体的に見るという眼の働きは、 「立体視機能」と言いますが、これは人 間の眼にとって、最高次の機能だといえ ます。裸眼立体視を試みることで、自分 になんらかの不利な要因があることに気 付くことは、この機能のチェックになり ます。裸眼立体視をいくら練習しても不 得意な人は、実は普段の生活ても立体感 覚が損なわれている場合があります。そ ういう人は、視力の左右での違いや視線 の潜在的なズレなどを眼鏡で正しく矯正 すると、「世の中とはなんと立体的なの か!」と、まさに見違えるようになるも のてす。そしてもちろん裸眼立体視もグ ンとやリやすくなるはずです。 私のように眼機能に関連した仕事に関 わるものとして、裸眼立体視の流行は、 まことに喜ばしいことだといえます。 なぜなら眼の専門家ではない一般の方々 に、眼の大切さや「視る」ことのメカニ ズムについて、よリ深い関心を持っても らえるきっかけとなりますし、眼鏡によ ってよリ正常な立本視機能をもってもら うと、交通安全はもとより、球技などの スポーツ技能向上も寄与することにな るからです。

「CGステレオグラム2」より