結婚願望


「あー、どうしょうかな。」
「巣箱、巣箱。」
この男、名前を高崎淳と言う。
もっか花嫁募集中。
「どうしたんですか、小鳥でも飼うんですか。」
「巣箱、巣箱。」
「え!いや、新しく家を改築しょうかと思っているんですよ。」
仕事の手を休め、周りから人が集まってくる。
「高崎さん結婚するのー、おめでとうー。」
「え、いや結婚しないよ、先に巣箱をつくるんだよ。」
「へー、ダメよー、それは。」
「結婚相手が見つかってからいっしょに巣箱をつくるほうがいいわよー。」
もうひとりの独身女が言う。
「そうよ、そうよ。」
このひとは、言葉に力が入る。
だめ、だめ、だめ。もうマシンガンって感じ。
それもそのはず。彼女も彼と同じで、長ーい独身生活を送っているのである。
もう、自分がお嫁入りする気持ちになっちゃうんだなこれが。
「どーして、こう男の人は自分勝手なのかなー。」
「これじゃー、絶対嫁さんは来ないわよー。」
「ばかいえ!てめえと結婚するんじゃないんだ。」あまりのしつこさにとうとうその場を去ってしまった。
「いやーね、私は、私の気持ちを大事にしてくれる人と結婚するわ。」
目で、理想の男を思い描く。
もう一人の彼女は言う。
「私は、結婚しなくても良いの。おつき合いだけでいいの。」
「そして、楽しい時間を共有したいの。」
「私は、お金持ちと結婚したいわ。そして、優雅な贅沢三昧の生活を味あうの。」
「そうだ、良いアイデアがあるわ。」
「今年の春に、キャンペーンをして私たちを売り出しましょう。」
「 えー、誰がプロデュースするの。」
「自分たちでやるの。今年は、合コンの嵐だわ。」
お互い目と目を合わせ、キラリ!と目が輝く。
そこに高崎淳が現れ、「その合コンに俺もいっしょに入れてくれよ。」と言ってきた。
あまりの真剣な目に二人は後ずさりをした。
「気持ちは、3人一緒ね。でもダメ!」
「私たち、二人じゃないと旨くいかないの、ごめんね。」
彼は、小さな声で呟いた。 「俺の小鳥はどこにいるんだー。」