4月29日(木)
今日から連休。とりあえず掃除をする。
『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』
コニー・ウィリス早川書房 ようやく読了。
SFでも時間テーマ物が好きなのは、その多くがタイムパラドックスを扱い、
タイムパラドックスは論理パズルに通じ、ミステリと共通するからだろう。
本作もたくさんの謎があり、全体としてはSFミステリといえる。ひとつの謎は、表題の通り、
消えたヴィクトリア朝花瓶の謎。もうひとつは、主人公達が送り込まれた過去世界での結婚に関わる謎。
そして、物語全体にかけられた謎。歴史はわれわれに何をさせようとしているのか。
これら三つの謎が絡み合って物語りは進む。
結果として、すべてが論理的に解き明かされているとはいえないような気がするが、
読んでいる最中は大変に面白かった。迫力が必要なシーンは、この作家特有の冷徹な筆致が冴え、
やはり迫力があった。
ただ、タイムパラドックスを封じるために、作者は、あるルールを決め、そして破っているのだが、
その紡いでほどく手際がなんとなくもたついて見え、ちょっといんちき臭く感じる。
これって、ひょっとしてゲーテルの定理が関係しているのかな。
おまけだけど、ダンセイニ卿とか、ポアロとか、ピーターにハリエットなど、
ミステリファンにはおなじみの名前もたくさん出て来ます。
4月28日(水)
4月中に出る本があって、連休は出かける予定であり、売り切れないかどうが、
旅先でひやひやするのはイヤなので、LIBROに寄るが案の定ない。苦しい時のジュンク堂。あった。
『レッド・ダート・マリファナ』テリー・サザーン(国書刊行会)
『浜尾四郎探偵小説選』(論創社)
よしよし。とりあえず、これでほっとした。しかし、2日で1万円使ってしまった。結構な買い物である。
こんな調子だと家計に影響が出るなあ。
そういえば、生きていく三つの基本は衣食住だというが、本好きの方々の日記を読むと、
住と食は出てくるが(もっとも、住の方は、本の置き場所と人の眠る場所という
永遠のせめぎあいがあるので、切っても切れない縁があるのだが)、衣の話はほとんど聞かない。
皆、服にかける金があればと…思っているのだろうなあ、なんて自分がそうなだけです。
4月27日(火)
恐ろしい世の中になったものだ。政府の意向に反すると、命も救ってもらえないらしい。
戦前の方がましだったのではないか。いつの間にこんなにひどい国になったのだろう。
体調は回復してきたのに、暗い気持ちになる。
本が出なくなったら、この国から逃げ出したい気分だぜ。ということでLIBROに寄る。
『神聖娼婦』グレイアム・ワトキンズ(学研)
『花と爆弾』小林信彦(文藝春秋)
『神聖娼婦』は登場する美少女の名前がニッキイだったので、つい。
まあ、姓はポーターではないとは思うのですけどね。ミステリではなくホラーのようです。
一週間もしないうちに小林信彦のエッセイを二冊。「毒食えば(已然形+ば)」皿までの気分。
わ、財布に現金がない。それでも、帰りがけ家の近くの古本屋にて
『地球盗難』海野十三(桃源社 帯)
ちょっと珍しいような気がするし、定価と同じだったし、痛みもひどくないし、
テープ跡があるけど帯がついてるし、全集は持っているけどこの本は持っていないし、
ビールは控えてるし、と言い訳しながら購入。
4月26日(月)
朝起きられたので会社に行く。多少ふらふらするが、熱が出た後だし、
昨日はほとんど何も食べていないので、こんなもんだろう。
「単なる二日酔いだったんでしょ?」などと言われるが、熱の出る二日酔いなんて知らんけどなあ。
まあ、飲んでいたのは確かなので、おとなしくしておく。
『犬は勘定に入れません』を読み始める。
翻訳SFは、作者が、設定した世界を説明することなく、いきなりストーリに突入するので、
背景を理解するまで大変である。イントロなしで第二小節から始まった歌みたい。
「専門用語」は『ドゥームズデイ・ブック』を思い出す必要があるし、
序盤の設定は『ボートの中の三人男』をやっぱり読んでおくべきだったかという感じだし。
200ページ近くなるまで、なかなか筋がつかめなかった。
でも、19世紀から20世紀の欧州史を知らないと、ちょっと苦しいかなあ。
歴史の重大な局面に作用した偶然に関わる話なので、その手のエピソードが引き合いに出される。
「本能寺の変の知らせが、秀吉よりも毛利方に早く伝わったら」とかのヨーロッパ版。う〜ん。
4月25日(日)
明け方寒気がして、あ、ヤバイなと思ったら、微熱が出ていた。風邪か。
一日中具合が悪く起き上がれない。
こういう時に本を読めばと思うのだが、目が開いててくれない。ずるずるずると眠る。
夜、ようやく回復の兆し。
4月24日(土)
よし! 今日だ。
ゴミを出し、掃除機をかけ、洗濯機を回してkasiba邸(亭?)に向かう。
東西線が事故で遅れたため、集合時間に大幅に遅れる。携帯電話を持っていないので、
故障していない公衆電話を探すのにさらに時間を費やす。
kashibaさんの姿をみて喜びのあまり自動改札機を突っ切って飛び出し怒られる。
集まりも集まったり、梁山泊に十数人、その末席を汚すことが、うれしかったり、恥ずかしかったり。
皆さん、最近は(古)本を買っていなくてと自己紹介されるあたりは、
酒豪の集いで「最近良い酒がなくて」とか、グルメ倶楽部で「おいしいラーメンが見つからなくて」とか、
ジゴロが「…(自粛)」と嘯くのに似ているだろうか。
あちこちに並べられ、積まれた本を眺める。知っている本は全部あって、知らない本がたくさんある。
すごいよなあ。正直な感想である。署名をいただいたあと、本を眺めながら歓談。
あっという間の数時間であった。帰るとき、鞄の中には、本ではなく、数個の空き缶が。なぜ?
4月23日(金)
職場の飲み会。開始が定時から1時間45分後ということで、都心なら古本屋に寄ってから
となるのだが、残念ながらここはそういかない所。
翌日のためセーブしつつ飲む。にもかかわらず帰宅12時寸前。危ない危ない。
4月22日(木)
クイーンダム用の草案を仕上げる。いつも遅れてばかりで、GWもあるのでちょいと早く。
LIBROによる。う〜ん出ている。
『死を呼ぶペルシュロン』J・F・バーディン(晶文社)
『奇術師』C・プリースト(早川文庫)
『定年なし、打つ手なし』小林信彦(朝日新聞社)
『ペルシュロン』は「劇的な復権を果たした」バーディンの処女作。
こんな作家の作品が3作も立て続けに翻訳される世の中になるとはなあ。
出ました『奇術師』。待っていましたよ。震えが来るような時間テーマの超傑作SF『逆転世界』、
解決編で「あっ」と叫んで走り回った『魔法』。なかなか訳されない作家だけにうれしい。
『松本泰探偵小説選U』 論創社 読了。
やはり、短い作品は読めるものもあるが、長いものになると苦しい。
それがこの作家の特徴なのだろうとは思うが、ぼんやりしていてピリッとした所がない。
なぜだろうと思っていたら、謎と論理を主体にした小説ではないからであった。
なんだ、そうであったか。しまったな。情実小説とかと思っていればよかったのだ。
4月21日(水)
「トリビアの泉」が、小学生の間で人気らしいのだが、昨日からちょっと説教臭いけど
間違っているような気がする。君達が「へえ」というのは、まず、学校や、家庭であるべきだ。
「太陽が地球をの周りをまわっているのではなく、地球が太陽の周りをまわっている」とか、
「うさぎは一羽二羽と数える」とか、
「親切にしてもらった時はありがとうと言い、自分に非がある時はごめんなさいと言う」とか。
ほら、いっぱいあるでしょ。
クリスティや、クイーンや、カーを読んでいない人に、
本格ミステリについて語られているような気がするよ、うん。
『ふたりジャネット』 テリー・ビッスン 河出書房新社 読了。
アメリカのSFは、アメリカの気質や風土にぴったりと合い、独特の成熟を遂げたような気がする。
イギリスのSFが観念的であったり、純文学が近づいたのか、SFが近づいたのかわからないが、
とても文学的な香りがするのに比べ、アメリカのSFは、壮大なほら話という印象である。
本短篇集もまさにそれで、面白かった。話者(登場人物)自身がひどく驚いたり、笑い出したりせず、
クールな押さえた筆致が、またなんともいえぬ味をだす。読んでいてしらけない。
ひとつ陣内のコントのネタになりそうなものがあった。
この選集、レベルが高い。
4月20日(火)
何でもかんでも、自己責任、自己責任って伝家の宝刀みたいに言うけど、そんなにエライのかなあ。
銀行を選ぶのも自己責任、生命保険も自己責任、年金も自己責任。
そりゃあ、自己に責任がないとは言わない。けれども、銀行は預金者の預金を、
生命保険会社は加入者の掛け金を、企業は雇用者を守る義務があると思うよ。
それから、これは本関係で知り合った方がHPで書かれていたので、引き写しになるけれど、
イラクでの誘拐事件は、たまたまイラクで起きただけで、
日本でも第三国でも起きる可能性があることは、容易に想像がつく。
自分の身に降りかかってくる問題だと思うのに、何をそんなに責めるのかなあ。
明日、通勤途中で僕が誘拐され、身代金ではなく自衛隊撤退を要求されたら、
それも、その通勤経路を選んだ自己責任なのか。解放後「また仕事に行こうと思います」と言ったら、
「あんなに迷惑をかけておきながら、まだ会社にいくつもりなのか」とののしるのか。
日本以外のA国に滞在しているB国の人がC国の人に誘拐され、自衛隊撤退を要求されたら、
どうするのか。あえて危険な事を言わせていただければ、
政府の対応は、関係する人の肌の色で変わりそうな気がする。
Murder by the Mail から荷物が届く。ロバート・アーサーが2冊。
「The Mystery of the Silver Spider」 「The Mystery of the Talking Skull」
作者名の響きもいいし、「ガラスの橋」も好み。
「宝石」も「二十日鼠殺人事件」の載っている号のみ買っている。
そうそう、親戚の方から、古い洋書をいただく。
「Stories of Mystery from Lafcadio Hearn」
「The Diamond Cross Mystery」 Chester K.S.Steele
前者は言わずと知れたラフガディオ・ハーンの関係書であるが、後者はミステリらしいが、いったい誰、
という感じである。背表紙は、鼠かゴキブリに食べられたようで、なくなっている。
4月19日(月)
LIBROに寄る。たまりましたな。
『ヒラリー・クイーン 大統領への道』いしいひさいち(光文社文庫)
『月ノ石』トンマーゾ・ランドルフィ(河出書房新社)
『フェッセンデンの宇宙』エドモンド・ハミルトン(河出書房新社)
『犬は勘定に入れません』コニー・ウィリス(早川書房)
これだけで7000円。なんとまあ。
『月ノ石』奇書といわれては買わずばなるまい(読めよ)。
この『フェッセンデンの宇宙』は早川の再版ではないとのこと。
『犬は勘定に入れません』は題名の面白さで買いました。『航路』は読んでいないけど、
『ドゥームズデイ・ブック』は読みましたのでね、筆力の確かさは知っているつもりであります。
ところで、この下でヤフーオークションに1050円の利用料が発生すると書きましたが、
早とちりの大間違いでした。正しくは、10.50円十円五十銭でした。見慣れない書き方だったので、
勘違いをしてしまいました。ごめんなさい。混乱された方がおられたら、お詫びします。
4月17日(土)
会社の友人夫妻宅を、赤ちゃんの顔を見がてら訪問。
瞳の大きなお嬢様。ものすごくかわいらしく、いつまで相手をしていてもあきないし、
あそんでいたかったけど、少し熱があったようで、かわいそうだった。早く良くなってね。
ヤフーのオークションが、出品するのに1050円の利用料が発生するようになった様子。
これだと、安い物品の取引ができなくなってしまうように思うが、それでいいのだろうか。
本なんか全然ダメになりそうな気がするが、それが目的なのかな。
4月15日(木)
休肝日4日目。えらいぞ。
光文社文庫から、『ヒラリーの事件簿 大統領への道』(いしいいさいち)が出ていたが、
あわせて千円にする他の本がなく見送る。LIBROでは、千円以上にならないとポイントがつかないのだ。
といっても本を買ってのポイント還元率は、他のほかの商品に比べて低く1%。
千円で十円、一万円で百円である。まあ、それでも気は心でということで。
徳間文庫から刊行中の山田風太郎の時代小説コレクションが、よく売れているようである。
先日出たばかりの『白波五人帖/いだ天百里』が品切れとのこと。さすが。
ネットで、『黒蜥蜴・湖畔亭事件』(江戸川乱歩 春陽文庫)を購入。
持っていたものに背割れが生じたため、買い替えである。
『量子館殺人事件』 廣真希 暖流社 読了。
昭和9年、海辺の館にて、物理学の研究を行っている博士の家族に襲いかかる、連続殺人事件。
「グリーン家殺人事件」か、この前読んだ「殺人鬼」か、という感じで、
「最近まれに見るまともな館物」などと思いつつ「このパターンなら犯人はこれ」とニヤニヤしていたら、
最後の数ページで驚く。個人的には好きなのだが、これ以上書くとネタバラシになるので、やめておく。
本当は、最後に驚きがある、と書いただけでもよくないのかもしれない。
4月13日(火)
『リジー・ボーデン事件』 ベロック・ローンズ HPB 読了。
分厚い本が続いたので、ちょっと軽く。
読みにくかった。翻訳のせいもあるかもしれないが、本文も盛り上げに欠けるのかも。
というのも、「下宿人」もそれほど面白くなかったので。
登場人物と設定はという枠の部分は事実を元にしているが、状況や行動はフィクションで、
それなら何も実名で書かなくてもという感じ。ノンフィクションにフィクションをかぶせると、
その部分がどんどん浮いてしまう。ちょっと中途半端な印象。
4月11日(日)
SRの例会に行く。久しぶり。ベスト5結果発表号の発送の予定なのだが、編集長がなかなか来ない。
それを待つ間に、Sさんに「定本 金田一耕助の世界」をみせてもらう。実に迫力のある分厚い本である。
横溝ファンには必携だろう。
編集長が重いマンスリーの束を抱えてきたのが3時。マンスリーの到着が遅れていたらしい。
量は多いが、人数もいるので、封筒に詰め込むなどの発送作業は1時間ほどで終る。
ここに来てベスト5をゆっくり見る。SRの平均法が、今回はうまくはたらいたと思う。
そうでないと「このミス」や「本格」などと差異が出ない順位で、面白みがなかった、
などと勝手なことをいう。
ただ、今回の国内ミステリの表ににおいて、「私これ入れてませんよ」「あれ、僕も」と間違いが散見。
投票数と平均点算出はコンピュータで行われており問題ないが、
それを手書きで表に書き写す時の間違いとか。Yさん酔ってたんですか。
早めにひけて、キルフェボンで苺のタルトを買って帰る。
4月10日(土)
かみさんの誕生日が近いので、デパートに行くが、その前に、
「人物辞典(人名)が欲しい」とのたまう息子をジュンク堂の8階に隔離。
にもかかわらず、進級祝いにおじいちゃんから貰った図書券を家に忘れている。なにやってんだか。
『新・地底旅行』 奥泉光 朝日新聞社 読了。
いやあ、面白かった。明治風のとぼけた文体が、全体によくマッチしていて、深刻だけどユーモラスな、
ユーモラスだけどハラハラドキドキの物語である。
ヴェルヌの「地底の冒険」と直接関係はないが、やはり素地として読んでいたほうがいいかな。
でもそれよりも、同じ作者の「『我輩は猫である』殺人事件」や「鳥類学者のファンタジア」の方が、
より関連性が高い。
楽しくて、元気の出る物語であった。早くも今年のベスト登場という感じ。
4月9日(金)
LIBROに寄る。ちくま文庫が出ている。おっと、ついに忍法帖短篇集シリーズが始まったか。
『かげろう忍法帖』山田風太郎。
『千夜一夜物語 7』
それから
『白波五人帖/いだ天百里』(徳間文庫)
どうも匂うので、ジュンク堂に足をのばす。やっぱり。
『チャーリー退場』アレックスアトキンスン(創元文)
4月8日(木)
『ホット・ロック』 ドナルド・E・ウェストレーク 角川文庫 読了。
いや読んでいないはずはない、読んだはずと思いつつも、記憶は捏造されるので、
均一棚で見かけたのを幸いに読む。30ページほど読んで思い出した。
これは読んだのではない。テレビで放映された映画を見たのだ。
常識では考えられない場所に押し入り、すべてがだんだんエスカレートしていく。
その具合が念入りに計算されており、バランスとタイミングが絶妙。
一度読んだら忘れられないストーリテリングぶり。こういうのを才能って言うんだよなあ、きっと。
品切れ状態にもかかわらず、長い間必ずベスト表に顔を出しつづけていたのも、むべなるかな。
クライム・コメディの基本的な作品である。今さら言っても、はなはだしく遅いけど。
誰も知っていることだけど。
4月7日(水)
定時でひけて、充電できなくなったため修理していた電話の子機を引き取りにいく。
アダプタの断線故障とのこと。ついでにエアコンのフィルタも買う。
「逆転裁判2」というゲームをかみさんがやっているのをのぞく。
サーカスに猛獣使いにコショウにライオンが笑ったように見えた? なんじゃこら。
4月6日(火)
LIBROに行く。
創元推理文庫のフェアが行われている。特別な作品は復刊されていないように見えるが、
それは年を取っただけなのか?
「東京創元社創刊50周年」という小冊子をもらって帰る。へえ、2回も倒産しているのか。
それよりもなによりも話題は「チャーリー退場」の復刊でしょう。
実はこの作品、SRの方から借りて読んだことがあるのだが、すごく面白かった、
というほどではなく、残念ながらよく覚えていない。とても真面目な本格だったのだが…。
もう一度読んで確認すべきだよなあ。
『猫田一金五郎の冒険』 とり・みき(講談社)
マンガだけど、京極夏彦との合作なんかもあったりするので紹介。
「メフィスト」の連載をまとめたものかと思っていたら、そうでもないようで。
面白いといえば面白いけど、京極ファンにしてみればつらいところだろうなあ。
藤原宰太郎の愛読者だった身としては、「トリックパズル」が琴線に触れました。
折り込みカラーをつけたり、本体の外側にもマンガが描かれていたり、角が丸められていたり、
大変に凝ったつくりの本である。
4月5日(月)
『浜尾四郎集』 創元推理文庫 読了。
法律家出身のゆえなのだろうか、罪を罰することができるのかどうかというような、
罪と罰の不一致をモチーフにしたものが多い。
短編は、痴話げんかのような話も多いが、これも浮気や不倫が、
肉体と精神が一致しないために生じるものだと考えれば、共通している。
作者は、法律だけでは表現できぬものを、文学で表現しようとしたのではあるまいか。
もしかすると、本人は意識していないかもしれないが、事件と人との微妙なあやというものに注目した、
ごく初期の作家だったのかもしれない。
それにしては文章がうまく、リーダビリティの高いのが不思議だが。
近々、論創社やその他からもこの作家についての作品集が出るということで、
その辺の謎に関して明らかにされるのではないかと期待する。
ということで、長編の「殺人鬼」なのだが、これまた大変読みやすい。
それでもって、新聞連載の大長編なのに、物語りもバランスがよく、破綻していない。
登場人物の人格もしっかりしている。
事件の展開を所どころで中断し、探偵が熟考しながら読者に手掛かりを整理するなど、読者に優しい。
今でもよくみかける途中で読む気が失せるような高踏的な書き方をしていない。
解決はやや強引な気もするが、書かれた時代を考えれば、欠点にはならない。
「グリーン家殺人事件」をミスディレクションに使うなど、なかなかである。
「黒死館殺人事件」も「ドグラマグラ」も見本ミステリ史上に残る、多くの愛読者がいる名作だが、
狭い意味での本格探偵小説ではない。確かにこの作品は戦前における唯一のそれであろう。
しかし、本当に読みやすく、長い作品なのに、少しも飽きなかった。
4月4日(日)
なんだ雨か。おまけに寒いぞ。こぶしの花がまた散っているので拾う。
昨日買ったレンガを、猫のトイレになっている庭の角の部分に埋める。
うーん、5個では少し足りなかったか。でも、芸術的にはできないので、やりすぎると、
怒られそうな気もするし、まあ、いいか。
ここは、家のへこんだ部分がちょうど軒の下になっていて、雨にぬれず、
地面が、猫にウンチをしてくださいといわんばかりのからからに乾いた細かい砂状なのである。
北西角でほとんど日が当たらず、草や花も育ちにくく、猫よけが困難で、苦労していたのだ。
次は、1階と2階の間を走り回り家族を怖がらせているねずみをどうするかだな。
どこかに入り込む隙間があるのだろうが、よくわからない。
4月3日(土)
奥さんと子供がおばあちゃんを連れて親戚のうちまで出かける。月曜日までお泊りである。
朝早くだったので、送り出してから昼まで二度寝。だらしないが、日ごろの睡眠不足を補う。
しかし、妙なもので、この午前中の惰眠というやつは、眠りが浅く、変な夢ばかり見ますね。
肉体的な疲労回復は、やはり夜眠らなければダメで、朝寝はもしかすると精神的な解放をしているのかな。
でもまあ、風邪のひき始めや疲れたときには、薬を飲んだりするより、ぐっすり寝るのが一番のようで。
午後から起き出して、洗濯機に洗濯をさせつつ掃除。
拭き掃除は先週サボったので、今回はパスできない。ついでにトイレと、こぶしの花が散っている玄関もやる。
よしOK.、と思うともう夕方である。当たり前だよな。
頼まれたことがあり、それをこなすためには大量の付箋紙が必要なことがわかる。
近所の文房具屋に行き、ついでに本のカバー用にと第二原紙も購入。
それから西友に行き、レンガを五つほど買い、ラーメンを食べる。
珍しく、古本屋には行かず、そのまま帰宅。
ワインを飲みながら、ケーブルTVをつけてサッカーやプロレスなどのスポーツ番組をザッピング。
運動音痴の癖に見るのは好き。
風呂に入って布団の中にもぐりこみ、『浜尾四郎集』を手に取り、「殺人鬼」の残りの部分を読み終わる。
面白かった。頭に載っている短編の方をまだ読み終えていないので、感想は後ほど。
4月2日(金)
義父の誕生日パーティとして、有明のワシントンホテル「東天紅」でおよばれ。
6*歳にしてバリバリの一級建築士さんである。家付きの本棚をお考えの皆さん、どうぞよろしく。
夕方東京ビッグサイトに向かうゆりかもめは空いていた。週末だが、人が少なく少し寂しい感じ。