ながぐつ通信ホーム
2004年6月 お父ちゃんの古本日記
6月30日(水)
 LIBROに寄る。
『横溝正史時代小説コレクション捕物篇B 奇傑左一平』(出版芸術社)を買う。
既刊の作品が並んでいる場所とは少し離れた場所に積んであったので、気がつかなかった。
黒白さんに教えていただいたようなものである。ボーナスポイントがつくうちでよかった。

 『黒いハンカチ』 小沼丹 創元推理文庫 読了。

 いかにも北村薫がほれ込みそうな、枯れた作品集。
いつもとたいして変らないようなことしか起きていないのに、
その中から非日常を掴み取ってしまうというところは、確かにブラウン神父風かも。
オリジナルの単行本が出た1958年(昭和33年)当時、ほとんどの日本人には、
このような作品を楽しむ余裕はなかっただろうな。この長閑さに憧れを抱いた人はあったかもしれないが。
ミステリとして正当な評価がなされるのに、今まで時間がかかったということだろう。
 この作者の他の作品も読みたくなった。気がつかなかったけど、いくつか入手可能なようだ。


6月28日(月)
 書くことがないので、つまらない話を一つ。
私の勤務先は製造業の、ある事業部なのだが、そこには製造部門と設計部門とがある。
設計部門には、設計を行うための技術者が使う資料が収められた資料室があり、
機械工学や電気工学、科学に物理、辞典辞書、またJISなどの規格法律に関する本が並んでいる。
これはまあ、同業種なら当たり前の風景だと思う。
そして資料室では、これらの本が、辞書なら辞書、規格類なら規格類、電気なら電気、機械なら機械と
分野ごとに分類されて並んでいる。これも普通、のはずである。図書館だってそうだろう。
 ところが何をトチ狂ったか事業部門長(工場長)は、
この並べ方は各分類間に隙間を持たせるので、スペースの無駄が多く、
どこにどの本があるのかわかりにくい。隙間をなくして全部詰め、買った順に並べろと言い出した。
題名をエクセルに記入し、通し番号を打てばどこにその本があるかすぐにわかるというのである。
  阿呆か。
 しかしまあ、事業所で一番エライ人が言い出したのだから下っ端は言いつけを守らなければならない。
このコーナを読んでいただいている本好きの方には、
資料室がどのような惨状を呈したか、説明は不要であろう。
 『生者と死者と』 エラリー・クイーン 創元推理文庫 読了。
 
今は、創元推理文庫も『靴に棲む老婆』と改題され、物語のラストのセリフも書き改められている。
クイーンの中では、最も喜劇的でスラップスティックで、上手くすれば、
007映画の『カジノ・ロワイヤル』のような特異な作品になっていたのではないかと思われるが、
残念ながら文体が重く、童謡殺人特有のサスペンスも盛り上がらない。
換骨奪胎したジュブナイルの方が面白いのは否定できない。
数あるクイーン作品の中から、これを子供向けに書き直すことにした亀山龍樹氏には、
素晴らしい才能があったのだ。
 しかし、何度読んでも署名の手掛かりは秀逸だと思う。


6月27日(日)
 EQFCの例会。2時から参加。
知るかぎりでは、田中さん、木林嬢、森嬢、横堀さん、小林さん、編集長の、のべ7人。
読書会は『靴に棲む老婆』
子供向けのリライトで読んだのが半数(といっても統計的に信用に足る数ではない)。
なぜ『災厄の町』の次の年にこの作品が書かれたのかという疑問と、面白くないという声多数。
といっても統計的に信用に足る数ではない。


6月26日(土)
 昨日買った新しいおもちゃと戯れて、サッカーの始まるような頃に寝たのに、
朝は比較的元気で掃除などする。ところが午後、なんだかとても体がだるくなり、
気分転換にと、子供と一緒に外出したが、何か気分がすぐれず、夜には機能不全。
眠くて眠くて仕方なく、早々と寝る。
そのため、明日開かれるエラリイ・クイーン・ファンクラブ例会の読書会のお題である
『生者と死者と』を読み終えることができなかった。
 嫁はDVDレコーダを巧みに操り、WOWWOWの番組を見たり、サッカーをHDDに予約録画している。
今度使い方を教えてもらわないといけない。


6月25日(金)
 現在使用しているビデオデッキは録画するのにいささかクセがあり、
深夜の番組(日付では翌日未明)を録画するのに、時刻を入れてから日付を変えると動いてくれず、
それに加えて最近は、ビデオを咥え込んだまま空回りして吐き出さないという症状を
発するようにもなった。
 そんな所に、依頼されていたユーロサッカー(課題の深夜録画である)の録画をを立て続けに失敗。
朝起きてそれに気がついた連れ合いは、怒り心頭に発し、DVDレコーダに買い替えを瞬決。
しかし、ここで問題が一つ。ビデオはストックがあるので、デッキがなくなるのは困る。
録画は怪しいが再生については問題はないので残してもよいのだが、実はうちにはLDがたくさんあり、
LDプレーヤが鎮座ましましているのだ。仮に、DVDレコーダを買い、ビデオデッキを残すと、
3台のデカ物が存在を主張する事になるのだ。そこまでの場所の余裕はない!
 ということで、実は下調べをしていたのだが、現在の所1機種のみパナソニックからVHS+HDD+DVD
というトリプルコンビネーションの製品があるのである。
 会社の帰りに池袋に行き、選ぶことなく、店員を困らせることなく、LIBROに寄る暇なく、そいつを購入。
雨の中もって帰り、ビールを飲みながら接続を楽しむなり。


6月23日(水)

 いやほんとに暑いね。エアコンをかけて寝る。子供には修行をさせている。
 嫁が三島由紀夫とか寺山修司とかの戯曲を読んでいて、
時々読めない字や意味をを尋ねてくるのだが、今の所ぎりぎりセーフである。ほっ。
 LIBROによる。今日は出ているはず。
『未来少女アリス』ジェフ・ヌーン 『観光旅行』デイヴィュド・イーリイ 共に早川文庫を購入。
後者は古いハヤカワ・ノヴェルズからの再版。
イーリイは古本屋でポケミスの『蒸発』や『憲兵トロットの汚名』などを
そこそこの値段で見たことはあるが、買ってはいない。
今回は『ヨット・クラブ』が面白かったので、何かの縁と購入した。
でも、短編は面白くても長編はいまいちという作家がいるので、過大な期待は危険。
古本屋で同じ作品をこの値段(ほぼ千円)で見つけたら、買ったろうかどうだろうか。う〜ん。
 その帰り、行きつけの古本屋に立ち寄ると、『赤い館の騎士』アレクサンドル・デュマ(角川文庫)が、
比較的安い値段であったので、確か持っていなかったよなと思って買う。
家に帰ってネットで調べてみると、少し珍しい本である様子。持っているはずがないと一安心。
 『殺しの接吻』 ウィリアム・ゴールドマン HPB 読了。
 薄い本を読んで冊数稼ぎ。
この作者の本は『マラソン・マン』の続編である『ブラザーズ』しか読んでいないという中途半端さ。
『ブラザーズ』も変な本であったが、これも同じように変。面白いのかどうかすら、実はよくわからない。
 新聞に載りたくて刑事に電話をかけてくる自己顕示欲の激しい愉快犯もさることながら、
電話をかけられる刑事の方もまともではない。いやいや、それだけではなく登場人物がみんなおかしい。
それにしても、この作家、登場人物たちに愛着とか、そういうものがないのだろうか。
それとも映像関係の脚本家は、このくらいの非常さを常とするのだろうか。

6月22日(火)
 うう暑い。
後から振り返って、実はあの時梅雨は開けていました、とかいうことになるのではないだろうか。
久しぶりにLIBROに寄る。いろいろ迷う本はあるが我慢する。
でもビールは我慢せずに飲む。

 『古書ワンダーランド @』 横田順彌 平凡社 読了。

 読了本の数が少ないので、床につく前ちびちびと読んでいた本を一気に読み終える。
奇妙奇天烈な古書を紹介するエッセイ第1段。
すでにAも出たとのことだが、今日のLIBROでは確認できなかった。
ここまで来るとレベルが高すぎ、こちらの知識不足で面白みが完全には味わえないという、
うらみの残る書。


6月21日(月)
 せっかく休みを取ったのに、台風に邪魔されて、池袋の駅の周辺を2時間ほどぶらついたにとどまる。
本屋にも行かず。買わず読まずの週末であった。
 しばらく前から、創元推理文庫の復刊フェアの作品が並んでいる。
もう年をとってしまったので、「おおっ」というようなタイトルはないが、
裏を返せば、この文庫は名作は切らさないようにしていたと、いうことだろうと思うので、
いろいろ不満はありますが、それはおいといて健闘を称えます。
 でも、H・C・ベイリーなんてどうなったのでしょうね。『死者の靴』以降音沙汰なし。
よほど売れなかったのだろうなあ。子供を思いやるふりをしているが、
自分の美観にそぐわない貧民街を焼き尽くすためだけに事件を操る、
悪徳どころではない鬼畜弁護士クランクの、その他の事件には、ちょっと関心があったのだが。


6月20日(日)
 うとうとうと。そうじしなきゃなあ。うとうとうと。
今月は買う割には読んだ本の冊数が少ないなあ。
6月から新刊に追われているよ、まったく。


6月19日(土)
 休みになると、 日がなうとうと。
子供がゲームを買いたいというので、池袋に行く。
今日はそれでおしまい。


6月18日(金)
 誕生日のぱあていをしてもらう。
ビールを飲み、ステーキを食べ、ケーキを味わう。
プレゼントももらう。

 『ブラック・ハウス』 P・ストラウブ&S・キング 新潮文庫 読了。

 一週間かかってようやく読了。ただし、おしまいの方はたたみかけるようでスピードアップ。
道具立てや部分的な表現にキングが見えるが、文体や雰囲気はストラウブのような気がする。
もっともストラウブをたくさん読んでいるわけではないが。
 自分との戦いという困難に立ち向かい、重い扉を開けるという点からみると、
長い割には人物像への踏み込みに今ひとつのところがあり、やや不満。
『タリスマン』はとても面白く感じたのだが。こちらも年を取ったのか。


6月17日(木)
 会社で産業系の新聞を読んでいると、新しい紙の開発がベストセラーに一役かっているとの記事。
なになに、本は分厚い方が読者がより高い達成感を得られて好まれるのでかさ高く、
しかし、電車で読むために持ち歩く時重いと困るので、軽くなければならないのだそうだ。
例えば『蹴りたい背中』などは、ページ数の割には厚く見え、そのくせ軽いらしい。
へええええ。中身が薄くて分厚い本なんて腹立ってくるけどね。場所取りで。
それにしても読了後の達成感か…何もかもがなつかしい。
 LIBROに寄る。ほとんど意地。
台車に積んであった
『誰でもない男の裁判』A・H・Z・カー(晶文社)を買う。
『ブラック・ハウス』まだもう少し。明日中に読めるかなあ。


6月16日(水)
 月曜日、LIBROで親父から頼まれた本を買う。
 火曜日、LIBROで
『殺しの接吻』W・ゴールドマン(HPB)を買う。
 水曜日、LIBROで
『千夜一夜物語9』(ちくま文庫)を買う。さすがにちょっと疲れたか。
S・キング&P・ストラウブ合作の『ブラック・ハウス』を読み続ける。今日、下巻に突入。
文章が何となくだれている感じがするのだが、気のせいだろうか。
キングは事故の後、往年のエネルギーを少し失ってしまったのだろうか。
それとも、ストラウブの文学的表現の故なのだろうか。それとも読者が悪いのだろうか。

6月13日(日)
 今日はまったくの役立たず。粗大ゴミ状態。
朝寝して、掃除器をかけ軽く拭き掃除。昼食後夕方まで昼寝。
少し片付け物などをするが、まあそんなところ。本も読まず。
昨日ビールを2本も飲んだので、本日は休肝日とするか。
 
 ケーブルTVで録画放映されていたイタリアの自転車レース「ジロ・デ・イタリア」が終る。
今年はSAECO(冴子に非ず!)チームに波乱あり。エースのシモーニではなく、
アシストのクネゴが総合優勝に。
次はツール・ド・フランスである。これは生中継され、睡眠不足におちいるのだ。
ランス・アームストロングの前人未到の6連覇なるか。

6月12日(土)
 
息子の友達が来宅。泊まるという。
 こういう時、スポーツのできない父親は「こんにちは、いらっしゃい」以外役に立たない。
かみさんが、「化粧水がなくなったので買ってきて欲しい」と言う。
いつも使っているブランドは池袋西武にしかない。ということは、
(ついでに本屋に寄ってきてもいいよ)と言っているのである。思わずほろりとする。
続いて「雨が続いていけなかったので、クリーニング屋に出してきて」と言われる。
もちろん(ついでに近くの古本屋さんに行ってきてもいいよ)と言っているのである。
心の中で静かに泣く。そして、さらに「ネットで申し込んだビデオの代金を、
郵便局から払い込んできて(その近くの古本屋も見てきていいのよ)」。
「先日の運動会の写真も引き取りに行って(その近くの…)」。
号泣。

 ということで、時おり大粒の雨が混じる中出かける。まず、ちょっと高めの古本屋へ。
『戯曲 毛皮のマリー』『戯曲 青森県のせむし男』寺山修司(角川文庫)
ちょっと高めだったが、最近寺山修司の劇にはまっている連れ合いのために。
スタンプを押してもらったものの、でもここで買うのはちょっと失敗だったかも。

 振込みのためのお金をおろす。みずほ銀行は土曜日、記帳はできるが入金ができない。うう。
めったに開かない古本屋に迂回すると、ご主人が荷物を出し入れしている。
山の位置が変っていて、下の棚に、えらく綺麗な、しかしロマンブックスや東都ミステリーといった
昭和30〜40年代のソフトカバーが並んでいる。
「この本、値段がついていないけど、買ってもいいですか」
「ああ、300円とか500円とかだけどね」
状態はかなりよい感じだが、特別な作家・作品というのはないと思ったので二冊のみにおさえる。
『白い密室』鮎川哲也(講談社ロマンブックス 重版)
『死者におくる花束はない』結城昌二治(東都ミステリー)

なんか今日は古本運がいいのかも。このくらいで喜べるのだから可愛い部類である。

 この運を逃すまじとブックオフへ。クリーニングに出す予定の背広が重い(本は重くない)。
嫁の友人がファンだという、
沢木耕太郎『深夜特急1』(新潮文庫)を均一価格で。
それと
江戸川乱歩『二銭銅貨・パノラマ島奇談ほか三編』(講談社文庫)
自分の乱歩の集め方では「パノラマ島奇談」が入手できないパターンらしいとのことで、
角川文庫を探していたのだが、こちらが先に見つかってしまった。やむを得ない。

 郵便局に行く。振込はもちろん記帳も入金もできる。
東京三菱に行くと入金はおろか記帳もできない。この勝負郵便局の勝ち。

 やっとクリーニングを出し、写真を受け取る。でももう一軒。ええい、えいや(オトナ語)だ!
『世界大衆文学全集 ダイヤモンド カートライト事件』 J・S・フレッチャー(改造社)
ハンシューを入手する手掛かりとしたい。全然関係ないけどね。

 ようやく池袋へ。電車の中で鞄の中を整理する。
西武百貨店で化粧水を探す。うっすら覚えている箱のデザインだけがたより。
店員さんに商品名やメーカー名を尋ねられるが答えられず。
「ゆっくり御探しください」と言われる。まあ、それ以外言いようがないわな。でも見つける。
これだけで千円を越すので、LIBROに寄る意味がなくなる。
 それでもいいかげん帰るべき時間であるが、もう一軒と粘る。
皆さんも経験があるのではないかと思うが、本に限る話ではなく、
こういうふうに買い続けてしまうと歯止めが利かなくなる。
『自殺クラブ』スティーヴンスン(講談社文庫)
『大衆文学十六講』木村毅(中公文庫)
『忍法女郎屋戦争』山田風太郎(角川文庫)
『男の首 黄色い犬』ジョルジュ・シムノン(創元文庫)

 さて財布も軽くなったし帰らねば。購入金額の事を書くのはためらわれるが、
家に帰って計算すると平均491円でした。まあまあかな。


6月11日(金)

 ちくま文庫の『バートン版 千夜一夜物語9』を買うつもりでLIBROによる。ところがどっこい、
台車の上にいろんな本が! ポケミス名画座あり、みすず書房あり。さんざん考えた末に、
『四日間の不思議』A・A・ミルン(原書房)を買うことにする。
ちくま文庫もポケミスも、すぐに売り切れたりすることはないだろう。
この1冊で千円を越えるので、今日の買い物は終了。
全部買っちまえよ、なくなったらどうすんだよという悪魔の声が囁くが粛々と引き上げる。
 『松本恵子探偵小説選』 (論創社) 読了。
 こういっては何だが、亭主よりも数段面白い。文章にこの作者特有の、情というか艶というか、
味わいがあり読後感が心地よい。旦那よりも彼女の方を中心に雑誌作りをしていたら、
もしかすると別の世界が開かれていたかもしれないと思う。
探偵小説ではなかったかもしれないけど、もっと別の、現代女流大衆作家としての。
今はあまり知られていない作家ではあるが、仁木悦子や戸川昌子、皆川博子などの系図に
つながるような感じがする。正当に評価されてしかるべき作家であると思う。

6月10日(木)
 花を買って帰ろうと思ったが、花束にするセンスはない。
「そういう時には、綺麗だなと思う花を1本買えばよいのよ」と
連れ合いからアドバイスを受けたので、ひまわりを3本買う。古本と黄色い花よ梅雨の夜。
 ちくま文庫が出ていたので、予定通り
『忍法破倭兵状 山田風太郎忍法帖短篇全集3』と、
これとカップリングするために取っておいた
『ダブル・フェイス』細野不二彦(小学館)を買う。

6月9日(水)

 さすがに今日は買う物はないか、ちくま文庫が予定より1日早く積まれていないかと、
LIBROに寄る。
そしたらなんと『ゴシック名訳集成 西洋伝奇物語』(学研M文庫)が出ていた。やったね。
この伝奇の匣シリーズも、刊行間隔は一定しないが確実に出ている。
ただ『伊佐名鬼一郎全作品』というのは続刊予定から落ちてしまった。
全然知らない名前だったけど、それがゆえにちょっと楽しみであったのだが。
 『ある愛書狂の告白』 ジョン・バクスター(晶文社) 読了。
 うまく古本に身を隠し、自分の事を煙に巻いて語る不思議な自伝。
自分の事を書いてはいるが、全部は見せないよ、という巧みな演出で読ませる。
この本を読んだだけでは、何をもって身を立てているのかまったくわからない。
本にまつわるエピソードが、わかる人にはわかるという感じで、面白いのだけどね。

6月8日(火)
 とは言っても、なんでもかんでも買うわけではない。それをやっちゃあおしまいよ。
いつもと同じようなスタンスで、読みたい本を(読めるかどうかは別として)買うのである。
 今日は
『ゲド戦記外伝』アーシュラ・K・ル=グイン(岩波書店)である。
キープしていたのに貯金もここまで。10日になればちくま文庫が出てつなげられるのだが…。
ル=グインはたくさん読んでいるわけではないが、最初に読んだのが『始まりの場所』で、
ファンタジーとは言いながら、あまりの泥臭さ(生々しさ)がゆえに、いっぺんで好きになった。
さらに圧倒されたのは『オールウエイズ・カミングホーム』で、ジェンダーフリーな未来を描くのに、
言語まで作ってしまうのだから。
 しかし、なんと言ってもすごいのは、やはり『ゲド戦記T 影との戦い』。
これを読んで以降、ファンタジーや少年の成長物語は、影との戦いがなくてはならない、
と思うようになったのであります。


6月7日(月)
 LIBRO詣でが復活。今日は何にするかな。
 何をしているか、まあ、ほとんどお分かりとは思いますが、一応説明します。
どこでもあるように、西武百貨店でも顧客を囲い込むために、何とかの会員にさせて、
購入金額に応じてキャッシュバックをしています。
西武の場合、1回につき千円以上の買い上げに対し、税抜価格の2%のポイントがつき、
キャッシュバックの対象として加算されていきます。
ただし、書籍は1%しかつかず、食料品にはポイントがつきません(ケチですね)。
 ポイントが2000以上溜まれば、1ポイント1円の割合で商品券と交換できます。
ただし、有効期限は2年なので、3年目には消えてしまいます。
 西武は最寄の百貨店なので、本しか買わないということはないのですが、
ほとんど本しか買わないのは事実であり、面白いので、本に特化して話を進めます。
 先に書いたように、本は1%しか還元されません。即ち、1000円買って10ポイント(10円)、
1万円買って100ポイント(100円)です。交換できるのは、2000ポイントからであり、また、
3年目にはポイントが消えるので、2年で20万円の本を買わないと商品券に還元できません。
 ただし、これまたどこにでもあるように、ボーナスポイントというのがあり、ここでは、
会員の誕生月には、千円以上の買い物をすると、1日につき200ポイントがプレゼントされます。
200ポイントは2万円の本に相当する。毎日千円の本を買い続ければ、6月は30日あるから、
3万円で6000ポイント、即ち60万円分の本に相当するのである。これを利用しない手はない。
土日がダメだったとして10日引いても、20日×200=4000ポイント(40万円相当)ということで、
ちょっと狙っているというわけです。
でも本当は、無駄遣いしないというのが、一番正しい事なのですがね。
 ということで、今回は
『神州纐纈城 一』石川賢とダイナミックプロ(講談社)を買うことにする。
まあ、そういうことで。でも、小説の方を先に読まなくちゃあねえ。それまで読まずに待ちます。
『蔦葛木曽桟』や『八ケ嶽の魔神』は読んでいるのだが。


6月5日(土)
 今日は子供の学校の運動会。陽射しが暑い。
さすがにLIBROにはいけず、購入連続記録は途切れる。たいした事ないけど。
 『ある愛書狂の告白』を読み始めるが、ビールを飲んで昼寝をしてしまう。

6月4日(金)
 
最近、夜寝ていてときどき脚が攣る。こむら返りと言うやつだと思う。
筋力が衰えてきた証拠だろうか。もしそうなら、腰痛気味であるのと無関係ではあるまい。
 クイーンダムの校正を終える。
 駅構内の古本屋(というかワゴン店)にて、
教養文庫『妖蝶記』(香山滋)が均一価格で置かれており購入。
LIBROにて本日の本を探す。細野不二彦のコミックスが出ていたが、1冊では千円に満たない。
とはいえ、『ゲド戦記外伝』はまだ平積み状態で、これと組み合わせるのはもったいない、
などと思いつつ店内を巡っていると、台車の上に
『松本恵子探偵小説選』(論創社)を発見。
急遽これに切り替える。3冊しかなく、すぐに姿を消す可能性が高いので。

 『浜尾四郎探偵小説選』 論創社 読了。

 証拠のない犯罪をモチーフにした作品が多いのは、逆説めくが、作者が法曹界出身だからだろう。
悪意は裁くことができるのだろうか。心に罪を着せられるのだろうか。今にも通ずるテーマである。
浮気の話が多いのも、男女の仲には理性だけで割り切れぬものが隠されており、
「体は裏切ったが、心は裏切っていない」などという不可思議な言い訳が通る、奇妙な世界だから。
 しかし、検事や弁護士にとっては、殺意(悪意)の有無は罪の軽重を左右する重要な因子であり、
とはいえ、物証により証明することがなかなか難しいに違いない。
作者の文学的精神が、そのあたりと共鳴したのではないか。
 クイーンを好まず、ヴァン・ダインを高く評価するのも、
ヴァンス探偵が証拠は薄いが犯人の悪意を嗅ぎ取り、自らの手で判決を下すからではなかろうか。
浜尾四郎が読んでいた時代、国名シリーズの初期においては、
クイーンにそういうところはない(ロスは別にして)。


6月3日(木)
 今日の本は
『筒井康隆漫画全集』 実業之日本社
 昔、奇想天外から出た文庫サイズのものは持っているのだが、
巻末の長いエッセイ読みたさに買う、と言い訳しながら買う。
そこまでして200ポイントが欲しいのか? これで600ポイント。


6月2日(水)
 梅雨には入らず、されどけっこう暑い。
電子立国にしようとお気楽な支配者たちがのたまわったが、その結果がこれか。
いかなるテクノロジーにも暗黒面があることを知っていたのか。めいざふぉーすびーういずゆー。
 今日は、かみさんが朝刊で興味を示した
『オトナ語の謎。』 糸井重里 糸井重里事務所
 面白く書かれているが、オトナの世界を茶化した本ではなく、
必要である所は大変に真面目にかかれている。さすがである。
まあ、その真面目さがなんとも面白いのだが。これで400ポイント。


6月1日(火)
 西武百貨店のポイントカードは、誕生月に使うと、千円の買い物で200ポイントが加算される。
これは2万円分の本に相当する。利用しない手はない。まとめ買いはなるべく避け、
分散してちまちま買うことにする。我慢我慢。『ゲド戦記外伝』はどうしても欲しい本だが、
部数も多いし売れセンなので、しばらくは大丈夫だろう。ステイ。
ということで今回は、以下の二冊。
『第四解剖室』『幸運の25セント硬貨』 恐怖王 新潮文庫 「Yonda?」も二歩前進。
 家に帰るとクイーンダムのゲラも届いていた。今号は128ページで全ページある。
例会は27日。余裕の編集ですね、会長さん。

 『フェッセンデンの宇宙』 エドモンド・ハミルトン 河出書房新社 読了

 とても面白かった。あのキャプテン・フユーチャーの作者が、
こんな奇想と情感にあふれた作品を書いていたとは、全然知らなんだ。
『星々の轟き』をスルーしてしまった自分が、なんともくやしい。
高踏的でなく平明な文章がSF慣れしていない素人読者としてはうれしい。
何度も言うようだが、このシリーズは素晴らしい。
ベストセレクションだから当然と言えば当然なのかもしれないが。
 現実と夢(虚構)もしくはもう一つの世界をテーマとした「追放者」「夢見る者の世界」が好み。