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★の数は管理人の独断と偏見に満ちたおすすめ度です。
★★★★★
〈卵王子〉カイルロッドの苦難
冴木 忍(富士見ファンタジア文庫) 全9巻
概略:平和な都市ルナンの住民が一夜にして石となった。主人公は彼らを救うため旅立つ。
主役:「卵から生まれた」と言われているルナンの呑気な王子「カイルロッド」。
評価:コミカルとシリアスのメリハリがついた展開が素晴らしい。単なる「めでたしめでたし」では
終わらない切ないストーリーは、ライトファンタジー系の小説で一番のおすすめ。
一押しの巻は8巻「やさしさは風の調べ」。ついにカイルロッドの出生、そしてストーリーの真実が
明かされる。最終回につながる急展開を見せる、読み応えある巻だ。
★★★★☆
マヴァール年代記
田中 芳樹(角川文庫ほか) 全3巻、マヴァール年代記(全)は1冊
概略:マヴァール帝国の皇帝が崩御し、かつての学友3人を中心に戦乱と陰謀が繰り広げられる。
主役:優れた武勇と確かな戦術眼を有する帝国皇太子(第三子)「カルマーン」。
評価:中世ハンガリーをモチーフにした、空想上の戦記物。密度の高いストーリー、複雑な権謀術数を
スピーディに表現している。ちなみに、田中芳樹氏の数少ない完結した作品の1つでもある。
一押しの巻は最終巻の3巻。様々な陰謀、展開が収束していく。最終場面で行なわれた、
かつての友人同士であるカルマーンとヴェンツェルの一騎打ちは屈指の名シーンだろう。
★★★★☆
キノの旅
時雨沢 恵一(電撃文庫) 現在8巻まで(以下続刊)
概略:短編連作の形で綴られる人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。
主役:旅人「キノ」。(おそらく)10代前半にして、悟ったような態度と凄腕の射撃術を併せ持つ傍観者。
評価:童話調の、それでいて皮肉なお話を淡々と描写する雰囲気が独特。主眼を「その回でキノが
訪れた国の出来事」に集約しているため、コンパクトに話の内容がまとまっている。
一押しの巻は2巻。見てもらわないと面白さを伝えられないのでタイトルのみ。「人を喰った話」
「過保護」「魔法使いの国」「自由報道の国」「絵の話」「帰郷」「本の国」「優しい国」の八話。
★★★★☆
「S&M」シリーズ(通称)
森 博嗣(講談社ノベルズ) 全10冊
概略:「すべてがFになる」より始まる、ロジカルなミステリ小説。
主役:N大学工学部助教授「犀川 創平」。独特の思考力を誇るが、普段は無関心を装う。
評価:淡々と進むインパクトのあるシーン、シャープな切れ味の「天才」たちの会話が魅力。
他にも共通背景を持ついくつかの作品があるが、まずはこのシリーズから入るのがおすすめ。
一押しの巻は3作目「笑わない数学者」。トリックの内容は予想可能でかつ洗練されているが、
さらに一読しただけでは気付かない謎が仕組まれている。
★★★☆☆
ロードス島伝説
水野 良(角川スニーカー文庫) 全6冊(本編は1〜4巻)
概略:「呪われた島」ロードスに現れた魔神に翻弄される人々は、やがて団結し討伐隊を出すが……
主役:亡国の王子「ナシェル」。魔神から人々を守るため、英雄達をまとめ上げ、指揮していく。
評価:有名作品「ロードス島戦記」で語られた六英雄の時代。暗躍する魔神に対するため、ナシェルは
歴戦の戦士ベルドや荒野の賢者ウォートを傍らに、「百の勇者」を率いて対抗するが……
一押しの巻は4巻「伝説の英雄」。ナシェルの挫折と決断を描いた巻で、最後には意外な結末が
待っている。一応5巻完結となっているが、正直5巻は蛇足な感が否めない。
★★★☆☆
「フィリップ・マーロウ」シリーズ
Raymond Chandler(ハヤカワ・ミステリ文庫ほか) 全8冊
概略:1920年代のアメリカ、繁栄と享楽の時代。探偵たる主人公は様々な依頼や事件に挑んでいく。
主役:探偵「フィリップ・マーロウ」。ヒーローではないが決して矜持を捨てない意志の持ち主。
評価:荒涼とした雰囲気とわずかな優しさを描くハードボイルド物。
台詞「タフでなくては、生きていけない。やさしくなくては、生きている資格がない」は有名。
一押しの巻は「長いお別れ」。街中で偶然出会った青年、「テリー・レノックス」との
打算無き友情と、信念に基づいた別れを描いた傑作。
★★★☆☆
ラヴクラフト全集
Howard Phillips Lovecraft(創元推理文庫) 全7巻
概略:人類が知らずにいた神話的事件に巻き込まれた人々は、事実に耐えられず発狂していく。
主役:特になし。エピソードごとに違う。
評価:恐怖を主眼に置いた神話体系、あまりにも有名な「クトゥルフ神話」の骨格部分を組み上げた
作品。想像もつかない、しかし直感的に理解できる恐怖感はラヴクラフト作品ならでは。
一押しの巻は4巻。あまり知名度はないが、宇宙的恐怖を生き生きと描いた「宇宙からの色」や
〈旧支配者〉などの設定の片鱗が明らかになる「狂気の山脈にて」などが収録されている。