美術館に見るスイレン・ハス
スイレンやハスは、古来より芸術のテーマとなってきました。スイレンでは有名なモネの「睡蓮」の連作がありますし、ハスは主に仏教美術や浮世絵などに描かれてきました。
ここでは、そのようなスイレン・ハスに関する美術品を掲載していこうと考えております。
掲載作品は美術館や博物館で撮影したものですが、これに関してはページの一番下にまとめて情報を記載しますので、ご一読ください。
さて、最初の作品といえば、これしかあり得ないでしょう。

クロード・モネ作
睡蓮 1916年
国立西洋美術館所蔵
モネがシヴェルニーの自宅に造った水庭にスイレンを植え、晩年はそのスイレンを描き続けたことは有名です。スイレンについて語るときには、必ずといっていい程、引き合いに出される作品群ですね。この国立西洋美術館所蔵の「睡蓮」は2m×2mという大作で、その素晴らしさに圧倒されます。
さて、次は日本画です。
ハスは古くから人気があり、浮世絵などで、よくテーマになっていますので、見逃せないジャンルと言えましょう

鈴木 春信作
舟中蓮とる二美人 江戸時代
東京国立博物館所蔵
江戸時代に描かれた浮世絵版画で、作者は多彩刷りの木版画(錦絵)で有名な画家ですが、この作品は残念ながらほとんど色がありません。
続いては陶器に行ってみましょう。主に中国を中心に、ハスを描いた陶器が多く作られており、逸品も数多くあります。

青花蓮池文大皿
景徳鎮窯 元時代
東京国立博物館 東洋館所蔵
かの有名な景徳鎮で造られた青磁の大皿です。蓮模様の精緻さが素晴らしいですね。

五彩蓮魚文碗
磁州窯 金〜元時代
東京国立博物館 東洋館所蔵
五彩は、一度焼いた陶器に彩色し、もう一度低い温度で焼くという技法で、磁州窯で生み出されたものです。
絵柄は魚と、ちょっとわかりにくいですがハスの取り合わせです。
中国では同音異語を使った言葉遊びのような縁起かつぎがあり、蓮は連と同じくリェン、魚は余と同じくユイと発音するため、蓮と魚の取り合わせは連年有余の吉祥とされているのだそうです。
ちなみに、金魚はチェンユイと発音し、同じくユイを余と重ね合わせて、金余(金が余る)の吉祥とされているそうです。ハスと金魚を育てるのは実に縁起が良さそうですが、池か超大型容器でないと難しそうですね。

紅色透明ガラス蓮魚文蓮葉形皿
制作不明 清時代
東京国立博物館 東洋館所蔵
こちらは陶器ではなくガラス器ですが、同じく蓮と魚の模様が入っています。よく見ないと判りませんが、魚が表側、ハスが裏側に施されており、透過して一枚の模様になるよう造られているそうです。
美術品の写真について
ここに掲載されている美術品は、美術館や博物館で撮影したものです。
美術館等での撮影や、撮影した写真の公開について、複数のサイトで質問されましたので、ここでその件についてまとめておきます。
その一 美術館・博物館で撮影してよいのか
美術館や博物館は撮影禁止と思われがちですが、国立や県立の施設では、常設展示品の撮影を許可していることが多くあります(ストロボ・三脚は使用禁止が普通)。
各施設のHPにある「よくある質問」などに、撮影可能かどうかが書かれていることが多いので、事前に確認しておきましょう。書かれていない場合は、直接問い合わせれば回答があると思います。
しかし、中には東京国立博物館のように、撮影可のものと禁止のものが同じホールに陳列され、ややこしい場合もあるので注意が必要です。
また、ストロボは美術品を傷めるので、カメラの設定で発光停止にするのは、絶対忘れないようにしましょう。
その二 撮影した美術品をネットで公開してよいのか
著作権の切れた古い美術品の写真についてですが、これも施設のHPで確認できます。多くは営利団体や企業広報での利用を禁止しており、利益を生じない目的については、とくに制限していない場合が多いと思います。これはもちろん施設によって異なると思いますので、事前に確認してください。公開を禁止している場合は、いちいち反抗せずに従いましょう。
法的には、著作権の切れた古い美術品については、顔真卿自書建中告身帖事件の最高裁判決以降、利益を生じない利用目的については、とくに問題ないというのが一般的な見解となっています。
これはあくまで利益を生じない範囲であり、書籍に掲載など利益を生ずる場合、美術館等は所有権に従って、使用料を請求することができますので、かならず許可が必要となります。
美術館の「よくある質問」にある記載も、これに沿ったものが多く見られます。
その三 このサイトの写真を使って良いのか
撮影した美術品の著作権は切れていますが、ここに掲載された写真は撮影者に二次著作権が生じ、無断転載はできません。ただ、絵画の複製写真については著作権が生じないとするのが一般的です。とはいえ、この絵画写真はたいへんな苦労の末に撮影していますので、利用したい場合はマナーとしてご一報をお願いします。陶器などの写真も含めて、商用利用でない限り連絡さえいただければ、許可いたしますので。あまり酷いようだと、掲載自体をやめることになりますので、ご協力ください。
商用利用については、撮影者の著作権云々以前に、美術館の所有権を侵害しますので、不可となります。
なお、美術館には模写が置いてあることがありますが、創作性のある模写については、模写した人物に二次著作権がありますので、注意してください。博物館に置かれている模写は、普通創作性は無いと思いますので(あると博物館展示品としては問題)一般的には問題ないと思います。
その四 撮影方法について
美術館は美術品を傷めないよう、非常に暗い環境になっており、まともに撮影すると手ぶれの嵐で、とても使える画質になりません。そのため、とにかく高感度で撮影する必要があります。筆者はISO1600、F2.8で撮影しましたが、これでもシャッタースピードは1/30〜1/60秒程度です。
また、なるべく歪みが無いよう、単焦点レンズを使用し、真っ正面から撮るよう位置を調整する必要がありますが・・・けっこうキツいです。やってみれば判りますが、かなり気を付けて撮らない限り、ひどい歪みが出ます。
高感度撮影の苦手なコンパクトデジカメや、携帯カメラでは、撮影は非常に難しいと思います。というか、筆者にはムリです。一眼レフデジタルカメラを使ったほうが良いでしょう。
色温度にも注意が必要です。電球色の照明を使っている施設が多いので、カメラ設定を電球色にするか、RAWで撮って調整する必要があります。基本的に、RAWのほうが無難でしょう。