―――日々早々―――
選択肢がないアメリカ大統領選挙の共和党候補選びが3月のスーパーチュースデーに向けて激しさを増している。
2年間をかけての大統領選びの過程はなんとも壮大な無駄にも見えるが、世界で最大最強の権力を握る人物を選ぶために、これだけの時間と、とてつもなく莫大な金をかけていることに却って安心感のようなものを感じないではない。
もし、アメリカの大統領が、インチキなマニフェストを立てて総選挙を勝った政党の仲間内だけの談合で、浮かび上がってきた(鳩、菅、そしてドジョウのような)人物がつくようなことになったら世界はもうとっくの昔に滅んでいるかもしれないのだから。(何しろアメリカの大統領は、世界一の軍事力の指揮権をもっているのだ)
共和党の予備選をみていると、基本的には相手候補の悪口(ネガティブキャンペーン)が一番上手い候補が勝つといった仕組みになっていることとか、そんなネガティブキャンペーンの中味がほとんど金がらみ女性関係がらみのものであることなど、相手の悪口をいうことは「潔くない」と思う日本人のメンタリティーからすると、辟易とするところはあるが、それでも二年もかけてこういった悪口雑言の中傷合戦を勝ち抜いた者が最終的に大統領になるのだからそれはそれで「大した人物」ということなのだろう。
アメリカの大統領選みたいなことを日本の指導者選びにやってみたらと思わないではないが、残念ながら日本の政治家にはあんな過酷なキャンペーンを戦い続けられるほどの識見やガッツを持った人物は見当たらないし、なにしろアメリカの大統領選挙を支えている「国民参加のプロセス」を日本の選挙民に期待することができない以上、やはり無理だろう。
アメリカの選挙民はいいなぁ〜とうらやましく思えるのは、この「政治プロセスへの全員参加」という部分だ。
「大きな政府」か「小さな政府」かといったところからはじまり、保守か、リベラルか、増税か減税か、中絶反対か容認か、等々数限りない選択肢があるなかで、数多くの候補が様々の選択肢を提示し、選挙民はその選択肢の中から自分の意思にもっとも近い候補を選ぶことによって次第に次期4年間のアメリカという国の行く道を決めるプロセスに加わる。
選挙民には最初には多くの選択肢が用意されており、その中から自分がもっとも好ましいと思う物を選んでいく−−−という自由は、政治参加における必須の条件だ。
日本ではどうだろう。民主党も自民党も言っていることはほぼ同じだ。選挙の投票以外に選挙民には一切の選択の余地がない。
首相となるべき人物についてもドジョウがいいか、優柔不断なナヨちゃんがいいかといった程度の小学校の学級委員長選挙レベルの選択肢しかないとなれば、選挙民は、政治参加の意欲などもちようがないではないか。
共和党候補選びのバカ騒ぎを見ながら、そんなバカ騒ぎを羨ましく思う日本の選挙民は哀れとしかいいようがない。
(02/09/12 9:00pm S.T. )
金曜日シリーズ全目次 ←ここをクリック
「日々草々」全バックナンバーリンク表 ←ここをクリック