―――日々早々―――
イソップも言っているギリシャの総選挙後行われた連立協議は結局、決裂し再選挙が行われることになった。再選挙では財政緊縮策反対を唱える急進左翼連合が、更に議席数を伸ばすのではないかとも言われており、一方、ギリシャ救済の条件として緊縮財政実行を迫るユーロ連合との決裂、すなわちギリシャのユーロからの離脱も現実味を帯びてきた。
既に、ギリシャの旧通貨であるドラクマ紙幣の印刷も秘密裏に進められているともいわれ、市場はギリシャのユーロ離脱(というよりも追放といった方がよいかも)に備え大混乱状況に陥っている。
もし、あなたがギリシャ人でギリシャの銀行に貯金を持っているとしたら、何ヶ月後かにはあなたの貯金がほとんど価値のないドラクマに変わってしまうのを指をくわえて待つしかないとは思わないだろう。当然、今の内にあなたの貯金をユーロの現金で手元に確保し、場合によってはドイツの銀行に預けなおそうと考えるに違いない。
実際、ここ2週間ほど、ギリシャでは貯金の引き出しが猛烈な勢いで進行しており、各銀行では取り付け騒ぎの一歩手前といった状態だという。
このままの状況が続けばギリシャのみならず、ユーロその物の信頼も大きく揺らぐに違いない。〈既に大きく揺らいでいる〉
そんな騒動になる前にドイツがギリシャ切捨てに走ろうとするだろうという推測も益々現実味を帯びてきている。
そんなギリシャだが、先日行われた世論調査では「ユーロ残留希望」の国民が78%だったという。すなわちギリシャ人は「ユーロには残りたいが、緊縮財政は嫌だ」という世論が多数であり、ポピュリズム政党はこの「民意」を捉えようと、「成長と財政再建の両立」などという、史上、どんな政府も為しえたことのない政策を掲げている始末。(日本の民主党も、こんなことを掲げて政権の座に着き、結局、日本をめちゃくちゃにしたことをギリシャ人に教えて上げたかった)
そうそうそういえば、フランスで新大統領になったオランド氏も、「緊縮財政と経済成長を両立させる」という明らかに虻蜂取らずな政策を掲げているが、こんなおバカな政策が上手く行く訳もないだけに、他のユーロ諸国もギリシャの事ばかりを嗤ってはいられない。(イソップは3000年前に「アリとキリギリス」の寓話の中で、「享楽的生活と堅実さは両立しない」と言っているというのに)
ギリシャの哲人プラトンは2500年以上前に民主主義が進むと衆愚政治に陥る、と喝破しているが、ギリシャやフランスはまあ曲がりなりにも民主主義国であることは間違いないだけに、このプラトンの説は正しかったということになりそうだ。
日本の政治状況も、民主党政権といい、野党、そして維新の会にしても要するにポピュリズムに踊ったおバカ政治(衆愚政治)に陥っている。
日本の政治も、衆愚政治だということは、プラトンの論法の逆説からすれば「日本の民主主義は進化している」ということにもなる。
そうだとすれば喜ぶべきことなのかも知れない。
(5/27/12 9:00pm S.T.)
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