ペルー旅行記

8日目 クスコからプーノへ
 

 今日はチチカカ湖のほとりにあるプーノまでバスで400kmの移動だ。6時に朝食をとり、7時にホテルを出発する。プーノに向かう高原列車の線路を左手に見ながら西へ向かって走る。7時37分オロペサの町を通過する。この街のパンはおいしいとの評判がありガイドが道端で売っている少年から買ってきた。直径30cmくらいある丸くて平たいパンで、皆で少しずつちぎって食べる。噛んでいると甘味がでてきてなかなかおいしい。 



オロペサのパン

 ここから7分ほど走ると右手に湖が見えてきた。ワカルパイン湖だ。ここを過ぎると右手に石の城門があった。ピキラクタの遺跡で、関所の跡だという。

 
ワカルパイン湖        ピキラクタの遺跡

 この後、坂をどんどん下り8時にワロップの町に出た。町の海抜は3100mだが、この道路で最も低い地点だという。町を過ぎて少し経つと右手に湖が見えてきた。ウルコス湖だ。スペインが攻めてきた時、金や銀を盗られないようにこの湖に投げ込んだとの言い伝えが残っている。ウルコス湖を過ぎるとウルコスの町に出る。とおりを歩いているおばあさんが白い帽子をかぶっていた。帽子の色や形は町によって違い帽子を見ると町の名前がわかるそうだ。


ウルコス湖

 8時15分景色の良いところでトイレ休憩をする。公衆便所は汚くて使えないので青空トイレになる。 


周りの風景

 9時30分ミクラニの町をに到着、ここのバス駐車場で再びトイレ休憩をとる。バスを降りると毛皮の帽子を持ったおばさんたちが押し寄せてきた。値段は安いが日本では使い道がないので、だれも買わない。街角には先ほど食べた大きなパンを売っている露店が並んでいる。客を前に乗せて走るチョロと言われる輪タクがたくさん走っている。街中どこを走っても1ソルだという。自転車をこいでいるのは若い男ばかりだ。

 
パン屋さん          チョロ

 20分ほどして出発、道の両側には畑が続いている。地面の所々に白い丸い布をかけてあるのが見える。チュニョと呼ばれる乾燥ジャガイモを作っているのだ。冬の夜にジャガイモを畑に広げて凍らせ、昼間に日に当てて干すのである。乾燥ジャガイモは5年ももち、食べるときは1晩水につけておくと元に戻るという。
 10時14分アグアス・カリエンテに到着した。アグアスカリエンテは温泉の意味だがそのまま地名になっている。手を入れるとちょうど良い温度で地元の人たちが水着を着てプールに入っていた。


温泉

 10時40分ララヤ峠に到着した。標高3930mあり、このコースの最高地点である。峠からは雪に覆われた標高6227mのアプチポヤサクテレ山が間近に見える。土産物屋がたくさん並んでいたのでリャマの人形を買う。1つだけ買おうと思ったらアルパカの人形とペアにされて5ドルとられてしまった。なかなか商売がうまい。

 
ララヤ峠          アプチポヤサクテレ山

 ララヤ峠を越えるとアンデス山脈は東アンデスと西アンデスの2つに分かれ、その中間にできたアルチプラノ平原をを走っていく。この辺りではあちこちでリャマの群れが見られる。

  
アルチプラノ平原          リャマ

 12時15分陶器の町プカラに到着、トイレを借りるため1軒の陶器店に入る。トイレの入り口に先住民の女性が豪快に放尿している絵が描いてあって笑わせられた。

 
陶器の人形            トイレの絵

 15分ほどして出発、どこまでも続く草原の中のまっすぐな道を進む。20分ほど走った後、湖のほとりで昼食をとる。お弁当のご飯が固くつめられていて、なかなかの食べ出があった。エビが入っていたが良く見ると爪が大きくザリガニみたいだ。小型なので爪ごと食べられる。食べていると野良犬が寄ってきてじっとそばに座っている。残り物をもらおうと待っているのだ。誰かが食べかけの鶏のから揚げを投げたら一気に飲み込んでしまった。犬には味を楽しむことなどないのだ。私も犬に近い食べ方だなと思った。

 
昼食            お弁当

 そばに羊の群れがいた。先月チベットで見た羊の群れと比べると数がずっと少ない。少ない羊で食べていけるということはそれだけ生活が質素なのだろう。

 
羊の群れ           羊飼いの女性

 13時ころにフリアカの町を通過する。大きな町で通り抜けるのに10分以上かかった。さらに1時間半ほど走ると左手に大きな湖が見えてきた。チチカカ湖だ。面積は8300平方キロメートルで琵琶湖の12倍の広さがある。水面の高さは3810mで船舶が運行されている湖としては世界一の高さだ。 


チチカカ湖

 15時ホテル ホセ・アントニオに到着した。荷物を部屋に置いて一休みしてからチチカカ湖の観光に出かける。ホテルの前が船着場になっていてここから観光船に乗る。船着場の周りにはトトラが生えており茎の先端に花を咲かせている。チチカカ湖の汚染が問題になっているが、藻の発生で岸辺の水面は緑色になっている。

 
ホテル ホセ・アントニオ       トトラの花と緑色の水面

 船着場を出て10分ほど経つと湿原の中の水路に入る。このあたりの住居は埋め立てた土の上に建っていて、トタンぶきのしっかりした家が多い。浮き島に住むというウロス族のイメージとはだいぶ異なる。
 やがて前方にいくつかの小さな島が見えてきた。浮き島だ。その1つに船が接岸し、島に1歩足を踏み入れると靴がふわっと沈み込んだ。地面がトトラでできているのでクッションがいいのだ。島の奥には小学校があったが、もう放課後で誰もいない。そのほかの建物はほとんど土産物屋だ。
 島の中央近くに展望台が立っているので登ってみる。4本の柱だけで支えており筋交がないので少し体を動かすとゆらゆら揺れて怖い。子供たちが集まってきて歌い出した。なんと「咲いた咲いたチューリップの花が」とか「しょうじょう寺」とか日本の歌だ。日本の歌を歌えばチップがもらえるとほかの子供の真似をして意味もわからずに歌っているのだろうが、最初に誰が教えたのだろう。

 
浮き島         小学校の教室
 
展望台         展望台からの眺め

 30分ほどしてから今度はトトラ舟に乗って隣の島に移動する。大きなトトラ舟を一人で漕ぐのできわめてゆっくりとしか進まない。子供が1人乗っていて歌を歌いだした。また日本の歌だ。3曲歌い終わると帽子を持って舟の中を回りだした。皆からチップを集め終わるとコインを掌に広げて数えている。小さいのになかなかしっかりものだ。


トトラ舟
 
舟をこぐウロス族の女性          ウロス族の子供

 隣の島にはウロス族の民家が並んでいる。家の中は3畳くらいの広さしかなく、炊事用具は外に置いてある。トイレや風呂は湖ですませるし、雨が降らなければ島全体が家の中のようなものだから、寝床だけおさまる小さな家があればよいのだ。

 
トトラの家             炊事用具

 この島も30分ほど見てからホテルに引き返す。高地にあるホテルとしては珍しく客室に浴槽がついていた。これまで浴槽のないホテルばかりだったので久しぶりに風呂に入る。高地では風呂に入るなと注意されているが、入ってもどうということはなかった。
 夕食のメインディッシュは鱒のフライとポテトチップだったが、食欲がないからと隣の席の女性が丸ごと一皿くれ、前の席の女性も半分くれたので2皿半も食べてしまった。このあとアップルパイが出たが、よせばよいのにまた平らげてしまった。高地では食事は腹7分目にしておきなさいと言われているが、腹15分目くらい食べてしまったようだ。食べているときは筋肉がつくだろうと思っているが、本当は脂肪が増えるだけのことなのだが。
 部屋に戻り窓から外を眺めると街の光が湖面に反射して大変きれいだった。今回の旅は夜景のきれいな所が多い。


ホテルの窓からの眺め


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