<リハの意味>
ここで今一度、リハーサルの意味を考えてみよう。練習不足を補う為の時間ではないことは
百も承知だよね?(笑)本番と同じように演奏、歌い、演奏しやすいかどうか、外音できちんと
良い音で聞こえさすことが出来るか・・を確認する為のものだよね。当然本番と同じように
やることが大事。「本番では大きく歌います」とか寝ぼけたことを言う奴がたまにいるけど、
それじゃ意味が無いんだね。本番と同じように歌ってくれないとモニターに返す音量、外音等が
定まらないからね。あと、ギタリストなどが反対側へ移動する場合はそれも実行して、自分の
音が聞こえづらくなることを確認して、必要なら反対側から自分の音を返してもらうようにしよう。
本番での急な立ち位置の変化は慣れないと結構やりづらいからね。リハで確認することが大事。
あと、ハンドマイクで歌う人はハウリングの具合を見るためにリハでもハンドマイクで歌ってね。
間奏時にモニターにマイクを向けないように。ハンドマイクの人はちょっと大変だね。横にマイクスタンド
を置いておいて使わないときはそこに差しておくのも手だね。
またステージ衣装の類も曲者なんだ。袖口に飾りがついてるとか、ジャケットの前の部分がギターに
かかって弾きづらい・・とか、普段と違う服を着ると色々支障がある場合もあるからね。
事前に着て練習した方がいいよ。ちなみに俺は袖口があると絶対ダメなんで、必ず右手だけは腕まくりを
して弾くんだ。出演者でひどかったのは本番でお面をかぶって歌おうとしたんだけど、当然口を塞いでる
から全然マイクに声が乗らないんだ。リハでやれっての、ダメ出しするから(笑)

<竿物の話し>
自分の機材にうとい人・・と言うかあまり気にしない人が多い気がする。それでも支障がなければ
いいんだけど、支障が出ると困り者だね。特にギターとベースの竿物について話をしたいんだけど、
電気系統のトラブル、接触不良などは多いね。ジャックの部分、ネジが緩んでないか確認しよう。
またエフェクターの接続部分も接点復活剤やクレンサブル等の潤滑剤のようなものでシールド
しておくと安心だね。接点復活剤はボリュームポッドにも使える。エフェクターに使う場合はあまり
中まで吹かない方がいい。基盤やプラスティック部分が侵食して割れる危険性がある。
それからアクティブタイプ(電池が必要)の楽器は電池もLIVE前にはチェックだね。
ケーブルもあまり安物はやはりやめた方がいい。種類によって大分音が変わるから色々試すのも
面白いね。有名なところではモンスターはやや固くドンシャリ気味、ベルデンは中域に腰があり
高域に艶があるがあまり高い方は出ない、ジョージエルズ、中でもクライオ処理済のそれはもう
フレットに弦が当たる音まで生々しく出る感じで、うまい人はよりうまく、ヘタな人はよりヘタに聞こえて
しまう凄いケーブルだ。プロビデンスは高域が綺麗に出るね。ローはあまり出ないかも。
カスタムオーディオジャパンはクセがなく、クリアではあるがやや低域が膨らむ傾向にある。
またケーブルに非常に柔軟性があっていいね。
あと大事なのはプラグの形だ。USA物や国産でも高級機種はまずほとんど、楽器側のジャックは
スイッチクラフトが付けられている。これは世界標準と言っていい。当然プラグもそれに合うように
作られていれば問題無いのだが・・たまに合わずに接触不良をおこす場合がある。
どちらも不良品ではないのに、形が違うので合わなかったって事だね。
先に述べたジョージエルズのプラグは妙に丸く、スイッチクラフト社製のジャックとなぜか相性が
悪い。せっかくいい音なのに・・・。これが原因でライブで使うのは控えるようになってしまった。
ちなみに俺が好きなのはベルデンのケーブルにスイッチクラフト社のプラグをつけたケーブル。
中域にガッツがあって高域に艶もあるからね。ベースに使っているんだけどね。
-その2-
ギターはそうでもないかも知れないけど、ベースを持っている人はネックの調子を見てみよう。
ベースの弦の張力は約80キロもあるからね。緩めず張りっぱなしでは曲がらない方がおかしい。
ベースを自分の足の甲に立ててナット側から見る。弦は当然真っ直ぐだからネックが曲がって
いれば弦との対比で湾曲しているのがわかる。もし曲がっていたら・・。リペア屋さんに持っていくのが
一番かもしれないけど、もし自信があるなら自分でやってみよう。トラスロッドカバーを外して、
トラスロッドを回せばいいだけだ。弦の張力に負けて、順ゾリ状態なら時計回りに15分の位置くらいまで
回して様子を見よう。その際弦は緩めてしばらく置いておく。で、チューニングしてしばらく置いて
見てみる。逆ゾリなら回す方向は当然逆ね。ボディとネックを外さないとトラスロッドを回せないタイプは
初心者はやめておこう。慣れればどうってことないけど、まあ面倒だね。わかってくればボディと
ネックの間にシムを噛ませて弦高調節やテンションをコントロールすることも可能になるよ。
ちなみに弾かない時は弦は緩めた方がいい。ギターはそうでもないけど、ベースは半音程度ダウン
させてテンションから開放させてあげた方が無難。同じくアコースティックギターもね。
しかしあまりベロベロに緩めすぎるのもNG。

<弦高の話し>
それから弦高ね。これは自分が弾きやすく良い音が出ていれば構わないんだけど、
弦高が高いことのリスクを書こう。「弦を押さえて音を出す」と言うことはいつも弦は指板と垂直に
チョーキング状態にあると言う事だね。要するに高いと音程がシャープしてしまい、低ければ
低いほどその傾向は弱まる。その昔シンセサイザーなどの絶対音感のある(笑)楽器の登場で、
チューニングは非常にシビアになった・・とプロのスタジオミュージシャンの間では常識なんだね。
良い音だけど音程が合ってない・・ではCDに出来ないからね。ま、電子楽器がいないバンドは
いいかも知れないけど、それでもチューニングがあってないバンドがたまにいるからさ。
メーターを使って合わせても押さえたら合ってない・・これは弦高が高すぎる場合やオクターブ
チューニングが出来てないからなんだね。
しかし低い弦高は、チューニングに有利、弾きやすいなどの利点の反面、ビビる、テンションが
弱くなるので音に張りがなくなる、ネックが真っ直ぐでフレットも一定(の減り)でないと音詰まりが
発生する・・などの難しい側面も出てくる。理想は低い弦高でテンションが程よくかかっている状態だ。
サスティンも良く、割とhifiな音になる。逆に太くタイトで昔風のサスティンの短めの音が良ければ
高い方がそれらしい感じになるね。

ちなみにベースでの弦高の目安はネック及び指板、フレットが正常であるとき、12F上で、フレットの
上から弦の下まで2〜3ミリと言ったところだろう。1弦はもう少し低くても細いので大丈夫だと思われる。
ちなみに俺は12F上で1.5ミリ、5F上で0.5ミリくらいである。ただ、この位低いと左手は楽だけどピッキングに
気を使うね。またこまめにチェックしないとすぐ変わってしまうので結構面倒だけどね。
また夏場と冬場ではネックが動いて、ちょっと変わってしまうから出来れば季節の変わり目に
チェックした方がいい。新品だとネックが動きやすい傾向にあるので落ちつくまではしばらくはこまめに
調整する必要がある。なにせ相手は木だからね。ま、その方が愛着が湧くってもんだ。ちなみにいわゆる
オールドと呼ばれる物、1960年代とか70年代の物はさすがに安定していてあまりネックの状態は変わらない
場合が多い。そこまでいかなくても10年〜2年くらい前の物でも安定してることが多いね。

弦も重要で、普通はラウンドワウンドだろうけど、太く甘い音にしたければフラットワウンドも
面白い。ただ構造上テンションがキツいのでゲージは細い物を選んでいつもと同じテンション感に
した方が無難。またラウンドワウンドでもダダリオとアーニーボールの同じゲージでも音とテンション感は
大分違うからね。ダダリオの方は芯があり、かなり高い高域部分がシャキっと出る、アーニーは
もう少し軽い感じで明るく、ダダリオに比べるとやや下のほうの耳に付く高域がカシカシって感じで
出る。話題のエリクサーは本当に張りたての音が2〜3ヶ月続くよ。音の傾向はダダリオに非常に
近い。またニッケルではなくステンレス弦もあって、ドンシャリ気味でパキパキ、ビンビンする感じ。
DRなどが有名。難点は左手にひっかかりがあって指先に優しくない。

<スタジオを選ぶ>
バンドの音について今一度、考えてみよう。
まずはみんながよく使っている「練習スタジオ」について。
スタジオの「広さ」を値段だけで決めてないかな?(笑)いや、しょっちゅう入るのに、あまり高いと
厳しいのはわかるけど、ここはバンドの音楽性も考慮しよう。例えばROCK系の大きな音を必要と
するバンドはあまり小さな部屋だとフルパワーのドラムの音量だけで、その部屋の許容できる絶対音量が
既にいっぱいになってしまう。そこへ高域の強いギターや地を這うベースが入ってきて、ボーカルが
あら?聞こえない・・?で、ミキサーで音量を上げるんだけど、肝心のボーカルマイクがドラムの音を
拾ってしまい、モニターから更にドラムの音が聞こえてしまったり、それをまたボーカルマイクが拾って
ずっとハウリングしてしまう・・と。またうまくボーカルの音を拾えたとしても、絶対音量を超えた状態で、更に
ボーカルの音を重ねても、結局は耳がそれを判断してくれなくて、歌だけを抜き出して聞き取ることは
不可能になってしまうのだ。最悪の環境だね。逆に言うとミスっても対して気にならない、ズレてても
誤魔化せる・・。いつまでもこんな環境で練習して慣れてしまうと、上達しないのはもちろんだけど、
そのような飽和状態で無いと演奏出来ない情けないバンドになってしまう。特にライブハウスは
通常、練習スタジオよりは広い(と思う)ので、さすがにもうちょっとはすっきりした環境で演奏が出来るように
なっているはずだ。ギターアンプの向きがお客さんの方を向いていることが多いのでギタリスト以外は
やや遠くから聞こえる感じになるし(それが厳しいなら自分用のモニターから返してもらう)ボーカルも良く
聞こえるはずだ。 そう言ったなるべく「正しい」環境での演奏に慣れる為にも、スタジオの広さも考慮して選ぼう。
ちなみに余談だがROCK系だと、町田のA○TだとCスタくらいの広さは欲しいな。24の一番大きい部屋も
良いけどちょっと鳴りが良すぎた気がする。練習ならデッド気味の方が良い練習になるよ。で、もうちょっと
J-POP寄りとか、ピアノ系、女性ボーカル中心で楽器隊はあまり大きな音を出さない、ジャズ・・・、などなど
の場合は無理に広いところでなくていいね。アコギやジャズ、生楽器の音が多い場合は部屋の残響が強い
方が気持ち良く練習出来るだろうし。その辺はバンドによって変わるので、今の話を考慮に入れて決めてくれ。
また、たまに全然違ったスタジオに入るのも凄く勉強になる。いつもと違うバンドの音、自分の音になるからね。
違う角度から言うと「音が回りまくった爆音」は正しいバンドの音とは言えない、と言うことを憶えておいて欲しい。
T☆ROCKSは例えばROCK系だと、「大きくて迫力ある音だけど、歌もちゃんと聞こえて、誰かのミスタッチもちゃんと
わかる」音を目指しているからね。何がなんだかわからないバランスの悪いPAはしない。

「俺の音は大きいぜ」
自慢げにこの言葉をドラマーか、ボーカリストが言うなら、俺は素晴らしいと思う。
簡単には誰にも真似出来ないからだ。しかしギタリストやベーシストなど電気楽器隊が言ったとしたら・・
大きな音を出すのはボリュームつまみを回すだけなので小学生でも出来る。たまに勘違いしてるミュージシャン気取り
(初心者も)がいるが、う〜ん、どうだろうね・・。それって自慢になるのか?演奏もする俺としては小さい音でも
弾けるぜって方がよっぽど凄いことだと思うが・・。60〜70年代初頭のアンプがまだ30Wそこそこなんて言う時代なら
いざしらず、現代のいくらでも大きな音を出せる時代にまだそんなアナクロいこと言ってるのか・・と、たまに思うね。
「それは君が凄いわけじゃなくてアンプが凄いんじゃあ・・?」なんて(笑)
ただギターなどで音量を上げないと歪まないタイプのヘッドなど、やむなく上げざるを得ない場合は意味が違ってくるけどね。
まあ、先に述べた通り、それでドラマー及びボーカリストもそれに見合った音量を出せるなら、まだ許せるけど
そうでもないのにギター(あるいはベース)アンプの音だけ大きすぎて、PAスピーカーの音より大きくてお客さんには
その音しか聞こえない、ボーカルもドラムの迫力感もマスキングされてしまう・・。バランスが悪いバンドの音になって
しまう・・と。先の章にあったようにライブハウスと言えども絶対音量の許容範囲はあるからね〜。その全体音に
ボーカルの音量を上げて行っても耳がそれを判断してくれない場合が多いね。EQで補正しても限界はあるからね。
全体にかっこいい音になるようにバンド全体のバランスを考えた音量を常に考えて、練習&演奏しよう。
で、小さすぎの場合はこれまた困るので、ちゃんと声をかけるから安心して下さい。まあ小さい方が音を上げて
行く作業は出来るので、PA的には全然OK。大きすぎの場合は以上の理由で「ちょっと下げてもらえる?」って
言うので協力してね。君らの音をなるべくかっこよくお客さんに届ける為に言ってるわけだからさ。
逆にとてもバランスの良い音でちゃんと考えて(計算して)音量、音質を出してくれるバンドもたくさんいる。
さすが!と思うね。案の定、外音もとてもかっこよく自分でも「いい音だなあ」と嬉しくなってしまう場合も多い。
経験を積んでいつも考えて音を出していれば、こういった良いバンドになれるのだ。

しかし、さっきの小さい音で演奏する方が難しいって離しだけど、ホントそうだよね。それでも涼しい顔で演奏するって
クールだよな〜。俺は前にも書いた気がするけど、ワイヤレスなのでG-ソロなどの時にステージの反対側へ行って
演奏したりするんだけど、やっぱり自分のベースの音が遠くから聞こえる心細い環境になるんだよね。でもいつも
やってるから慣れてるし、目をつぶっても演奏出来るようにしっかり練習してるから(現役の頃ね)全然平気なんだな。
だからこれからは「大きい音」なんて、いいかげん聞き飽きた時代遅れな事を言ってないで、これからは「俺の音は小さいぜ」って
自慢しようぜ(笑)やっぱかっこ悪いか(笑)