<コンプレッサーの話>
さてさてEQと来たら、お次はもっともわかりずらいエフェクター、「コンプレッサー」に
ついて説明しようか。
レコーディングでは必須と言っていいほどのコンプだが、まあ、ライブでの弦楽器隊には
絶対必要・・ってほどでもない。あ、話が終わってしまった・・。
なんだけど、有効に使うに越したことはない。例えばベースの一番最後(アンプに行く直前)にかけて
音量を揃えてPAに送ればそれだけで、聞きやすくスピード感のある安定したローが得られ、有効で
ある。またギターのクリーン時にかけて、アタックが不必要に飛び出したり、ツブが揃わないのを
補うことが出来る。他にもベースのスラップ時も有効で、PAに安定した音量を送ることが
出来るので安心して出力を上げることが出来るのでPA屋さんにはありがたい。(ま、PA卓でも必ず
かかってるけどね。初めからかけてくれたほうがありがたい)
さて、このように音量が揃う・・と言う利点のほかに、もちろん音色が変わると言うこともあるので
積極的に使うと言ったことも考えられる。音としては代表的なところでは、ベースに強めにかけた
パッコ〜ンと言った音色だろう。アタックを抑えて、サスティンがあとから伸びてくるやや
不自然な音ながらとても特徴のあるhifiな音でポップス系やフュージョン系に多いね。
また当然、コンプの種類(メーカー?)によっても音が変わるので、こればかりは色々試すしか
ないね。ちなみにベースにオススメはやはり定番のdbx、これはナチュラルで音が太い、他はコンパクト
だけどEBSのベース用コンプがいい印象があるよ。

さて、ここまではいいとして、使い方と言うか用語や意味がよくわからないと言った人も多いと思う。
わかりやすく簡単に説明したいと思う。

まず「スレッショルド」一番初めの入り口だね。
ここで「どのくらいの大きさで入ってきた信号を圧縮するか」を決めるだけである。
つまり具体的に言うと、「-10デジベルまでの小さいレベルは圧縮せず、それ以上の大きさで入って
来る信号は全部圧縮しましょう」と言ったことを決めるだけだ。-40とか0とか+10とか書いてある
はずなので、ここで自分の楽器の信号がどのくらいの大きさで入ってくるか見て、強く弾いた時に
かかるように設定すればいい。

「レシオ」
これは圧縮率のこと。例えばスレッショルドを0デジベルに設定した場合、それ以上の信号は
必ず圧縮するわけだが、それが元の信号に対してどのくらいの比率で圧縮するかって事。
1:1がまったく圧縮しないって事だね。で、1:2とか1:4、1:8、∞:1・・など書いてある。
色々試して欲しいが、音楽的に有効なのはせいぜい6:1くらいまでかなあ。

「アタック」
圧縮を始めるまでの時間。通常はスレッショルドを超えた信号に対しただちに圧縮を始める
のが一番効果的なコンプの使い方だが、逆に入力の頭は通過させ、アタック感を出す、と言う
使い方も出来る。例えばバスドラなどの場合アタックタイムをゼロより少し遅らせて、踏んだ
瞬間の音は通過させ、その後圧縮するように設定すれば、相対的にアタックが強く出るように
なる。ただその一番初めの頭の音が一番大きな音になるため、全体的に音圧や音量を稼ぐことは
出来ない。

「リリ−スタイム」
スレッショルドレベルを下回ったときにすぐに圧縮をやめるか、しばらくしてやめるか・・の
時間のことである。これもなかなか設定が難しいのだけど、例えば先に記述したバスドラの
頭を通過させる設定(アタックタイム長め)にしていてもリリースタイムが長いと、次の
バスドラの頭にかかってしまい、結果ゲインリダクションされてしまい、せっかくのバスドラの
アタック部分が小さくなってしまう。なのでアタックを強調したいような音の場合、次に入力される
音にかからないように短めに設定する必要があるだろう。

ま、とは言え、ここを読んでいる人であんまりバスドラの音にコンプをかける必要がある人は
いないと思うのだけど(笑)、まあコンパクトエフェクターなどはスレッショルドとレシオしか
ないような物も多いし、大概の弦楽器はそれで十分だし、AUTOって書いてるボタンがあれば
それで適正に処理してくれるものがほとんど。そして弦楽器にはコンプを通して、音を整える
使い方の他に、積極的に音を変えていく使い方もあるので、色々設定を研究してみて欲しい。
ちなみに前途したdbxは有名なだけに俺のお気に入りなのだが、たくましい感じに太くコンプ
してくれるので、その音が欲しいので使ったりする。また圧縮すると言う事は、それだけで
歪みが発生しているはずなので、きつくかけてディストーションのような意味で使うことも
種類によっては出来る。

ゲート、リミッターの話
ゲートとは文字通り、ある一定の音量以下は全て通さないように設定して、いらない音を
出さないために使うものである。ノイズゲートが有名だね。わかりやすいのはディストーションを
かけた場合、ギター本体のボリュームをゼロにしてもザーッとかノイズがしてしまうものである。
以前もここでよく書いているようにボリュームペダルやAB/BOXで信号をシャットダウンしてしまえば
問題はないが、ノイズゲートを使うという手もある。ザーッと言う音のみ、通さないように設定
すればOK。注意点はあんまり高く設定すると、小さい音やサスティンの最後などが容赦なくブツっと
切れる。リミッターも文字通り、設定した任意の音以上は音を通さないEFである。アンプの前などに
噛ませておけば不用意に大きな信号がアンプやPAに行くことを防げる。ただ音は歪む傾向にある。

ボーカルも慣れが必要
ボーカルをやって、初めのうちはやっぱり自分の声がモニターから聞こえてくるという状況に
なかなか慣れないよね。どんなに大きく返っていてもやっぱりなんか変なんだよね。でも、
これも当然そのうち慣れてくる。どんなに違和感があっても何度も場数を踏めば慣れてきて、
自然に聞こえて歌えるようになるからまずはあまり心配しないで続けることが大事だ。
自宅で歌ってる感じには絶対にならないし、遠くから自分の声が聞こえてくる環境に慣れないと
いけないわけだ。ま、イヤーモニターなら違うかもね。プロになったら使ってくれ。
そして自分の声をよりよく聞くコツとしてはやはりアンプから出ている楽器の音をモロに
自分の耳に当てないように他のメンバーにお願いしておくことが大事。ちょっとの向きの
調整でかなり変わるよ。また前に書いたと思うけど、片方の耳に耳栓をするという手もある。
自分もよくやっていたが、音程を正確にとるためには有効な手段である。どっちの耳がいいかは
個人差があるので試してみてね。ま、両方耳栓すれば完璧だけど、これだと自分の声がでかすぎてね、
かえってやりにくいと個人的には思う。

ベースの音が聞き取れない・・
ギターであんまり自分の音が通らない・・って人はあんまりいないよね。ま、サウンド的に
あたりまえだよね。問題が一番多いのはやっぱりベースだろうなあ・・。ベーシストは音が
云々って言う前にまずはバンドの中で自分の音がハッキリしない・・って悩むことが多い。
もちろん音量を上げればブンブン聞こえては来るけど、何を弾いてるのかわからないって状況は
結構多い。周波数的に仕方ない部分も多分にあるけど、もう少し前向きに考えてみよう。
まずローの出しすぎ。特に80hz以下ね。ここをブーストしすぎると体感のローはあるけど、
4弦の5F以下は何弾いてるかわからないし、ローがありすぎる分、音量をあまり上げられない。
ま、これはわかりやすいよね。ちょっと違った視線で考えよう。あんまり気にしてない人も多いと
思うけどベース本体の1ピックアップと2ピックアップの差は結構大きいよ。
簡単に言い切っちゃうけどプレベのような1ピックアップの方が音の抜けはいい。1箇所でしか
音を拾っていないので音がボヤけないし、ヘコむ帯域もない。これに比べ、ジャズベのように
2箇所で音を拾う方式だと違う箇所で拾った音を混ぜている分、音がボヤける、ヘコむ帯域、
デットポイントなどが出やすい。じゃあ1ピックアップの方がいいじゃんと思うけど、
これは好みの問題で個人的には1ピックアップの音は平面的で厚みがないようなサウンドに聞こえ、
プレベのPUの位置だと音が丸すぎ、スティングレイの位置だと1弦が固すぎ・・ってな印象があるなあ。
2PUの場合は前途した欠点が出やすいが、音に奥行きがあり、立体的で、艶があるように感じる。
2箇所で音を拾うので自然にコンプレッションがかかる。ま、現代的でHifiな音になるね。
なので個人的には、やっぱり猫が好き・・もとい、やっぱり2PUのベースが個人的には好きなのだ。
でももし2PUのベースを使ってて、演奏中に音がハッキリしない、音程がわかりづらい・・と
なったら、フロントピックアップだけにして演奏してみるといい。かなりすっきりして音が
前に出て聞きとりやすくなると思うよ。両方をフルテンにしていた音と大分違うと思うけど、
その音が気に入れば問題ないよ。逆にリア側のみと言う手もある。硬く細くはなるがハッキリした
音にはなる。

プロとアマの違い?
仕事柄、いわゆるプロと呼ばれる人たちと仕事をすることもたまにある。
一体その人たちはアマチュア、いわゆる素人と何がどのくらい違い、凄いのだろうか?
例えばギタリスト、物凄い早弾きがいとも簡単に出来るのだろうか?
ベースはスラップバリバリなのか?人間離れしたハイトーンで歌えるのか
・・・。いや、確かにそう言う方々が多いのも事実であろう。しかし
一番、アマチュアと違うなと思えることのひとつに「間違えない」と言う
ことがある。「何をあたりまえな」と思うかもしれないけど、君は
一回も間違えずにリズムも正確に、1曲、弾く、あるいは歌う、叩くことが出来るか?
ミストーンにならずともミスタッチをせずにソロを綺麗に弾けるか?
これが意外と難しいことはレコーディングなどやった人ならわかっていると思う。
リズム隊にしても超簡単8ビートなのに意識すればするほどリズムがよれて
しまったりする。でもその「簡単」なことを「あたりまえに全部出来る」ことが、
プロの現場では要求されるのだ。何も超人的なソロを弾けるとかではない。
特にスタジオミュージシャンやバックバンド系などでは「10回に1回は凄いソロが
成功する人より、普通のソロだが必ずきちんと弾ける」人の方が使ってもらえるのだ。
もちろん「その人にしか出来ないプレイ」があるから呼ばれる場合もあるのだが、
大抵は譜面どおりすばやく仕事をしてくれて、なおかつ、自分なりの解釈でアレンジも
出来てくれるとありがたい・・って感じだろう。
うまいに越したことはないのだが、まずは基本的なリズム、音の出し方、弾く強さ、
叩く強さ、音程などがコントロール出来る上でのそれ以上のテクニックとなる。
この辺が出来てないと、例えばレコーディングではコンプで音を揃えるのが大変に
なるし、第一クリックに合わせられないようでは務まらない。バックバンドでも「歌いづらい」と
なるだろう。

クリックの話が出たが、これはなかなか不思議なもので、合わせるのにそれほど
苦労しない人と、なかなか出来ない人がいる。俺は昔から多重録音などをやっていたから
それほど苦労なく合わせられるほうだと思うけど、苦手な人っているよね。
これからのドラマーなどは、特にクリックを使うのが前提になってくるだろうから、練習して
おくに越したことはない。ま、ただ、そんなの関係ねーって言ってもらえるほどバンドが
かっこよければ関係ねーのだが(笑)。結局多重録音であとでかぶせたり、切り張り
したりするのに都合がいいからクリックを使っているだけの話だからね。
まあ俺も偉そうなことを言えるほど、クリックをコントロール出来るってほどではなく、せいぜい
ジャストで合わせることが精一杯って感じなんだけどね。「気持ち後ろに・・」とかやってると
モタっちゃったりして・・。でもコツとしては自分の音を聞きすぎないってことだろうね。
クリックが4部で鳴っててこっちは8で刻まないといけない場合、自分の音ばかり聞いて
いると間違いなくズレてくる。個人的にはスネアの位置のクリックを意識しているよ。
2拍と4拍を合わせておけば、全体にズレないと思う。本番でもそうだなー、ドラムの何を
一番よく聴いているかってたまに聞かれるけど、全体なのは言うまでもないが、バスドラや
ハイハットよりスネアだと思う。つまりここでドラマーの出したいリズムが一番わかる気がする。
スネアでスピードを確認して、バスドラなどのアクセントを合わせるって感じかな。
誰だか忘れたけど、ドライブしているときにラジオをつけて走っていて、トンネルに入ったら
そのままリズムをキープしておくんだって。果たして出口でズレずに元のリズムと合うか?
つまり電波が途切れて音が聞こえなくなっても、正確なリズムを保っていられるかって事
なんだけど、そんな練習も常にやっているって海外のスタジオミュージシャンだったと思うけど
言ってたな。付け加えるならばそのときに常に元より早くなるようなら走るクセがあるのかも
知れないね。逆ならモタる傾向にあるわけだ。

でも今の人たちはリズム感あると思うよ。始めからクリックありで録音されたものを
幼少のころから聞いてるんだからね。絶対的なリズム感が身につきやすいと思う。
かく云う俺だって、最近の音源を聞きなれたあと、昔の・・それこそツェッペリンとか
聞くと「こんなに走ってたっけ?」とかリズムがよれてるなあとか思うときもあるよね。
あとチューニングがあやしいとかね(笑)。いい、悪いの話ではなくて、今はテンポが正確
な音楽が主流ってことだね。

チューニングと言えば、これまたどんどんシビアになってきてるよね。
シンセが出てきて絶対的に正確な音程が求められるようになったんだけど、最近は
チャンネル数の関係で音も濁らずに、録れるし、コーラスもたくさん入れる傾向にある。
ボブ・ディランが一人で弾き語りしてるのを録るのとはちょっと違ってきてるかもね。いや、
ボブ・ディランがチューニングが合ってないわけじゃなくて、それよりも個性、メッセージの
ほうを重視した作品を作っていた時代もあったと思うって事なんだけど。
特にギターはチューニングが苦しい楽器だなあとつくづく思う。エレキも開放弦で合ってても
ハイポジであやしいのも多いし、アコギなど正確に合う楽器を見つけるのが難しいくらいだ。
しかし割りとみんな平気と言うか気にしない人も多いんだよなあ。ベーシストだけか?
気にするの?まあ、職業柄、そうなるかもね。俺はPAもやってるし。