ドラゴンクエストの音楽の中で、どのシリーズでも格調高い名曲であるのが、王宮の曲です。
「交響組曲ドラゴンクエスト」 I からVIIのうちそれぞれの王宮の曲についての考察をまとめてみました。
ここでは、まず I からIIIまでの王宮組曲をまとめてみました!
どのシリーズの曲も、ゲームとの関わりをとても忠実に再現していることがおわかり頂けると思います。
@
「交響組曲ドラゴンクエスト I 」より、「ラダトーム城」
この曲は、ゲームが始まるとすぐに流れてくる曲です。
荘厳な城内で、威厳のある王様に「打倒、竜王」を命じられた勇者。
バロック調のこの曲からは、竜王打倒へ向かう勇者の緊張が感じられます。
ドラゴンクエストの第一作目である、この「ドラゴンクエスト I 」が発売された当時は、ファミコンの音のメモリーがとても小さくて、3トラックしかありませんでした。通常、そのうち1トラックはSE:サウンドエフェクトリー(呪文の音や、階段を上がる音、コマンド音の「ピッ、ピッ」など)で使用するので、SEの使用しないオープニングとエンディング以外の曲はすべて2トラックで、という制約が設けられていました。
その為、この曲は2声、つまり2部合唱形式で作られているので、オーケストラ演奏では、ユニゾンを全部整理するとピアノでいうところの右手のメロディと、左手の伴奏だけに集約されているのです。
A
「交響組曲ドラゴンクエストII」より、「王城」
竜王が倒されてから、100年の歳月が過ぎました。
世界は再び平和を取り戻したかのような静けさを保っていました。
この曲は、静かな平和な城内を感じることができます。
実際のゲームの中でも、ゲームが始まるとすぐにローレシア城のシーンが出てきますが、城の人たちも大神官ハーゴンの侵略など知らない様子で、城内には「クーン」と鳴く犬がいたりして、その人々の心の落ち着きを感じさせます。
また、冒険の終盤で、長い迷宮であるロンダルキアの洞窟を抜け、ようやく到着したハーゴンの城。
しかし、そこで始めに流れる曲はこの「王城」でした。
ハーゴンの姑息な幻影の術により、魔宮は懐かしい勇者の故郷・ローレシアの姿を呈していました。
ただ1つ違ったのは人の姿がない、ということ・・・
あのシーンで、この「王城」を選曲したすぎやまこういち先生は本当にすごいと思います。
寒いロンダルキア地方へやってきて、いざ打倒ハーゴンへ向かおうとするその時に、ふと故郷を思い出す。。。
この曲で、3人のロトの子孫達の打倒ハーゴンの決意は新になるのです。
静かなこの曲の持つ効果は、癒しの意味だけではないのです。
この曲は、オーケストラでは最初は弦楽四重奏(第一ヴァイオリン・第二ヴァイオリン・ビオラ・チェロが各1人ずつの計4人)によって演奏され、つづいて弦楽器が総出演の弦楽合奏で演奏される形式になっています。
この「王城」は「
バッハの名曲・G線上のアリアに対して『A線上のアリア』といった感じの曲です」というすぎやまこういち先生のコメントのお陰で、当時小学校2年生の僕は「G線上のアリア」という曲をはじめて知りました。
僕にとって、クラシック音楽に興味を示した原点はドラゴンクエストの音楽であったので、この「王城」に出会わなければバッハの名曲と出会うのも、もう少し遅れていたかもしれません。
B
「交響組曲ドラゴンクエストIII」より「王宮のロンド」
ドラゴンクエストIIIのゲームを始めてすぐ、勇者はアリアハン城に赴き、王様に16歳の誕生日を迎えた御挨拶に行くシーンがあります。
この曲はここで初めて流れるわけですが、アリアハン城はその昔、全世界を治めていた国であるためにとても大きなお城です。
威厳のある王様の様子や、きびきびと警備にあたる兵士の動きなどを忠実に表現した名曲です。
大きなお城に赤い絨毯のひかれた廊下やサロンの様子を感じ取れる曲です。
「ロンド」というのは、「くるくる回る」という意味です。
主題のメロディが色々な形で追いかけっこをしています。
弦楽合奏ですが、それぞれの楽器が堂々と弾き上げる姿は感動ものです。
NHK交響楽団による演奏を収録した「N響版『交響組曲ドラゴンクエストIII』」の中の「王宮のロンド」が僕は個人的に1番気に入っています。
コンサートマスターの徳永二男さんのソロ演奏が終わって、その後に続く全体演奏での「ドッミッソッド−」の部分(プレイタイムで1分30秒のところ)のキレのよさと言ったら、言葉では表せないほどです。
この部分だけでも、『音による瞬間的感動』を味わえると思います。
「王宮組曲について(2)」へ進む!
「
ドラゴンクエストの音楽について」へ戻る!