
交響組曲「ドラゴンクエスト」にはTからVIIIまで各シリーズ毎に序曲が存在しており、
あの勇壮なメロディはたとえドラゴンクエストをプレイしたことのない人にとっても御馴染みの音楽となっていますが、
実はそれぞれのシリーズで若干の変化が付けられています。
ドラゴンクエストIVから序曲のファンファーレが大きく変わり、ドラゴンクエストV,VIでは「序曲のマーチ」というタイトルが
示すとおり、勇壮な行進曲としてファンを魅了してきました。
そして、2000年に発表された交響組曲「ドラゴンクエストVII」の「序曲のマーチVII」では、メインのメロディをトランペット3本で高らかに
鳴り響かせるという手法をとり、ここでもすぎやまこういち先生の巧みなアレンジを見ることができました。
当時、僕自身の個人的な意見ですが、この「序曲のマーチVII」で序曲のアレンジは出尽くしたのでは?と思っていました。
あの有名なメロディを、ドラゴンクエストTからVIIまで実に7回ものアレンジを施してきて、それだけでも驚くのに、
これ以上のアレンジはさすがにないだろうと思っていました。
でも、そうは言っても、ひそかに期待はしていました。
すぎやまこういち先生なら何かやってくれるだろう…と。
そうして、待ちに待った2004年に発表された交響組曲「ドラゴンクエストVIII」の序曲を初めて聴いたとき、僕は唸りました。
「そうきたか・・・」 と。
それは今までの序曲シリーズの中からそれぞれ特徴的な部分を組み合わせる形でした。
ファンファーレはVIIから。
メインメロディの1回目はVIIから、そして2回目はIVから。
そして締めくくりはVIIから、という組み合わせで
まさにドラゴンクエストの“序曲の総決算”というべき形で発表されました。
正直、このアレンジは想像もしていなかったので「やられた」と思いました。
でも、これは最高の組み合わせだと思うのです。
メインのメロディは1回目、トランペットが高らかに吹き上げ、同時にヴァイオリン群もメロディを勇壮に弾きます。
そして、2回目になるとヴァイオリン群はヴィオラ、チェロ、コントラバスと共に3連符の連続で重厚感あふれる低音部を作り出すのです。
このVIIIの序曲では、あの御馴染みのメロディが、1曲の中で華やかさと重厚な雰囲気という2つの対比するイメージを作り出すことで
過去の序曲シリーズにはない驚くべきアレンジが施されたのでした。
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