|
 |
| |
|
|
| 研究会実施日 2005年4月22日(土) |
|
ポイント
- 遊座小判は話題性・娯楽性・実用性を兼ね備えた商店街独自の商品券として使われ、商店街の売上増加の呼び水となっている。
- 進取の気性に富んだ振興組合の組織風土が商店街事業の取り組みの原動力となり、商店街の活気を生んでいる。
- 積極行動派と理論派慎重派のバランスの取れた構成が振興組合のチームワークによい結果をもたらし、次々新しい取り組みをしつつも手堅く事業を成功させる原動力となっている。
|
|
| ●商店街の概要 |
|
| 1.場所: |
東武東上線大山駅から環状六号(山手通)まで伸びる通り沿いの商店街。東上線の線路をはさんでハッピーロード大山商店街と繋がっている。商店街の全長は東西550mぐらい。商店街のほぼ中央に都内有数の規模を誇る板橋区立文化会館がある。
|
| 2.加盟店舗 |
近隣型の商店街。顧客の中心は地域の住民だが付近の事業所に勤める人の利用も多い。商店街振興組合の加盟店舗数は170で全店舗の99%が加盟しており加盟率は非常に高い。ナショナルチェーンも含めほとんどすべての店が組合に加盟している。業種構成は生鮮3品が3店舗、物販60店舗、飲食60店舗、その他50店舗で生鮮3品が非常に少ない。また空き店舗はない。
|
| 3.沿革 |
昭和25年 戦後の混乱がまだ納まらない中、平和を願い大山ヒ゜ース通り商店会として発足。 昭和30年
区内最大の公会堂、板橋区民会館が竣工するや板橋区民館通り商店街と改称。 昭和34年
板橋区民館通り商店街協同組合設立、街路灯・ネオンアーチ新設。 昭和39年 街路灯・ネオンアーチ改修並びに増設。 昭和56年
街路灯新設にともない大山サンロードと改称。 昭和57年
区民会館が都内有数の規模を誇る板橋区立文化会館として誕生。 ブロックカラー舗装道路完成。 昭和60年
遊スタンプ事業発足。 平成2年 振興組合設立。 平成3年 国の助成を受けCI事業を実施 平成4年
CI事業実施の成果として遊座大山商店街に改称。 平成9年 国内有数の明るさと安全性を備えた防災型街路灯・アーチ遊ライト完成。 平成11年
2000年を記念して、天保五両小判のレプリカ、遊座小判を発行。 平成15年
江戸開府400年を記念して慶長小判のレプリカ、遊座小判を発行。 平成16年 防犯カメラ完成(28台)、試験運用開始
|
| 4.商圏 |
近隣の住宅街。および近隣の事業所。
|
| 5.客層 |
若い人から年配の人まで年齢層は幅広い。
|
| 6.イベント(2004年度) |
地域密着型の商店街として毎月ユニークなイベントを行っている
- 1月遊座小判プレミアム販売、遊座小判交換会(スタンプカードと小判を交換)
- 3月 遊座大山桜まつり(遊座小判プレミアム販売、遊座小判交換会)
- 4月 遊YOUバザール
- 5月 フリーマーケット、ミニコンサート、富くじ抽選会
- 6月遊座小判プレミアム販売
- 7月 遊YOUサマーセール ディズニーチケット交換会 遊座小判プレミアム販売
- 8月 サマーフェスタ in 遊座大山2004(夜店、アトラクション、抽選会) 遊座ミニコンサート
- 10月 板橋区民祭 (阿波おどり大会)
- 11月 お米交換会(スタンプと交換)
- 12月 恒例歳末福引大売出し チャリティ餅つき大会
|
| 7.カードなど |
スタンプカード
- 烏山方式を遊座流にアレンジした事業形態をとる
- お買い上げ100円ごとにシールを一枚差し上げるスタンプカード事業を行っている。350枚で台紙がいっぱいになり、500円の買い物ができる。満冊はスタンプの交換会で遊座小判や景品と交換できる。
- 加盟店は80程度あるが稼動している店は減っており、現在45店舗程度。
板橋区共通商品券
- 板橋区区共通商品券の利用率は区内の商店街の中ではハッピーロード大山商店街についで多い。
遊座小判
- レプリカの小判を商品券代わりに使用している。イベントの景品として使用するほか、年数回販売している。
|
| 8.組合運営 |
組合組織はしっかりしており強力なリーダーシップを持って商店街事業を行っている |
|
運営費
組織
- 理事は23名で総務・経理の管理部門と宣伝、売り出し、福利厚生、施設、教育・情報の事業部門に分かれて活動している。理事会は月1回だが、別に運営委員会を月1回行っており、月二回の会議で事業を進めている。
事務局
- かなり広い事務所スペースは持つが専任の事務局職員はいない。
|
|
|
 |
 |
| 商店街入り口付近 |
都税事務所付近 |
|
|
| ●遊座小判について |
|
1.導入の経緯
- 平成11年、身延山のしょうにん小判と浅草の浅草小判をヒントに小判制作を発案、天保5両小判のレプリカ5000枚を制作し歳末の大売出しに景品として約1000枚使用した。
- 歳末で使用した1000枚のうち約8割が翌年1月に戻ってきたため、通貨としての流通の可能性を確信し、平成12年の4月からプレミアム販売を開始した。
- 平成14年、天保5両小判を5000枚追加制作
- 平成15年、江戸開府400年を記念して慶長1両小判を3000枚追加制作し100円のプレミアムをつけ、400円で販売
2.小判の仕様
- 実物大の天保5両小判を真鍮でつくり、コーティングをして輝きを保つ。裏面に「遊座小判・五百円」と刻印。小判は重量感もあり本物そっくりである。
|
 |
| 遊座小判は右図のようなステッカーの張ってある遊座小判取扱店で使用することができる。小判取扱店は現在約80店となっている。 |
|
 |
|
|
|
3.流通のしくみ
- 発行は商店街での売り出しの景品、スタンプカード満点台紙の交換会、プレミアム販売で行われる。景品とプレミアム販売の比率は1対9でプレミアム販売による発行が圧倒的に多い。
- 回収は加盟各店で商品購入に使われることで回収される。加盟店は銀行で入金伝票に記入するだけで額面どおりに預金口座に振り込んでもらえる。
- 小判の流通は「商店街→お客様が買い物に使用→加盟店→金融機関→商店街」となる
- 小判はおつりが出ない決まりになっている。ただおつりをもらうための使用でない限りお釣りを出している店舗が多い。
- 小判の管理事務はすべて地元の西京信金と三井住友銀行に依頼している。銀行に商店街小判口座を作り、その口座を介して小判が回収される。手数料は現状では無料である
- 毎回発生する小判の未回収分については100%の引き当て処理を行っている。
- 回収の多い業種は婦人服、靴、酒屋、米屋、和菓子、クリーニング、花や、ドーナツ、薬屋、蕎麦や
4.実績
- 製造枚数: 13000枚、製造コスト: 一枚あたり約130円
- 発行枚数: 40000枚、発行金額: 2000万円
- 未回収残: 7630枚 回収率: 約81%
5.遊座小判の特徴とメリット
- 本物そっくりなので手にした人の興味を引く
- 身延山、浅草では使用期限が1ヵ月半ぐらいしかなかったが、遊座小判は半年間有効。しかも回収された小判をたびたび販売しているので、無期限有効に近い使われ方をする
- 区内共通商品券は一回使用すればゴミとなるが、小判は何度でも使用できるので長い目で見れば商品券よりコストが割安になる。
- 受け入れ店に一切の負担がなく、地元金融機関で簡単に入金できる
- 顧客の商店街への囲い込みが可能になる
- お守りや趣味の商品としての価値も高い
6.小判を活用したイベント
- 満貼スタンプ台紙との2倍交換会
- 小判のつかみ取り
- 小判の当る抽選会
- イベントゲームの景品など
- 小判一枚600円の買い物ができるイベント(個店)
7.遊座小判成功の秘訣
全国各地の商店街から、問い合わせや視察が来る。発行に踏み切った商店街もあるが、ほとんどの商店街では実行に踏み切れない。
- 先代が世代交代に積極的で、昭和50年代に青年会を組織した。その青年会出身者が理事の中心を占めており活動の原動力となるなど人が育っている。
- 常に新しいことに取り組むなど商店街に進取の気性がある
- 組合内部に積極行動派と慎重理論派が存在するが、そのバランスが取れており、チームワークがよい。積極行動派は新しいことを考え、どんどん進めていく。慎重理論派は行動派の独走にブレーキをかけつつ管理面で行動派をバックアップしている。遊座小判は行動派の推進力と、理論派の緻密な収支の管理があって成功している。
8.遊座小判の今後の課題
- 小判の回収に当って個店の負担はまったくない。しかし「レジをどう打つべきかわからない」、「銀行に持ち込むのが面倒」などの理由で小判の取り扱いに踏み切れない店舗も多い。取扱店が全店舗の約半分にとどまっているが、今後はもっと増やしたい。
- イベントの景品として子供に小判を上げれば喜ぶが、実際に子供が喜んで小判を使えるお店が少ない。
- 小判のプレミアム販売の時は長蛇の列ができ、毎回販売開始から15〜30分程度で完売してしまう。それだけ小判の人気が高いので、販売頻度を増やすべきだと言う意見もある。しかし在庫に限界があり、販売した小判が回収されるのを待ってからでしか販売できないため、2,3ヶ月に一度しか販売できない。もっと製造枚数を増やすべきだと言う意見もある。
|
| ●遊座大山商店街のその他の取り組みと課題 |
|
1.商・学・官の連携
- 平成17年度から「商・学・官」の三位一体による活性化を東京家政大と進める。「高齢化レシピの店」、「子育て支援」などのテーマが家政大からあがっている。家政大にはデザイン科があるため、商店街としては、これを機会にパンフレットやマップを作りたいと考えている。
2.地域との連携・一体化
- 町会や地域の中学校のPTA会などに積極的に参加する中で、PTAが商店街の夏の盆踊りイベントに参加するなど地域との交流が深まっている
3.オーナー会議の支援
- 経営者の高齢化などで、自前の店舗で経営している商店主が30数店舗に減少している。これまでの大部分の店主はテナントに店舗を貸し、自らはオーナーになっている。振興組合ではオーナー会議を持ち、テナント募集の際に振興組合への加盟や小判の受け入れを条件とすることなどを決めている。振興組合の目的としてはオーナーの取り込みだが、オーナー側も商店街が沈滞化すれば、貸している店舗の資産価値も下がるので組合の事業に協力的である
|
|
|
|