The History of Suginami City

最終更新 2003/10/20

高円寺 江戸っ子 道徳

 僕は、かつて学級担任していたとき、次のことは何があってもゆずらなかった。危ないことをしない。嘘をつかない。いじめをしない。

 最近、「梅原猛の授業 道徳」という本を読んだ。梅原氏は、戒律として次の3点を挙げている。人を殺してはいけない。嘘をついてはいけない。盗みをしてはいけない。

 僕と似ているなと感じたが、それ以上に、杉八小がある高円寺の人たちは、道徳的な人たちだということを強く思った。この直感はどうしてなのか、仮説を立てた。

 高円寺の街は、江戸っ子の気質が残っているところのような気がする。高円寺に勤務してまだ1年。それに、埼玉出身で江戸っ子ではないからよく分からないが、地元の方々とお付き合いをさせていただいたり、阿波踊りを見たりするかぎりはそう思う。

 商店街が多いということもあるが、阿波踊りに見られるようにお祭りを地域全体で盛り上げたりして、あいさつも元気がいい。行動もきびきびしている。長屋に代表されるような地域の生活や、寺子屋で培われた古き良き江戸っ子気質、生きる道徳を持っていると言ってもよいのではないか。でも、ほんとに昔から江戸っ子の街だったのだろうか。

 インターネットで調べてみると、江戸末期の馬橋村はなんと56件(新偏武蔵風土記稿)、明治22年の杉並村でも2899人しかいないのだ。ところが大正から昭和にかけて人口は8倍に膨れ上がる。関東大震災を機に人口の流入があったのだ。いわゆるよい意味の江戸っ子が新天地に住んだのだろう。

 梅原氏は、「日本人の道徳は宗教的な考え方によって支えられてきた。このままでは日本人の道徳がなくなる」と危惧している。

 僕も小さい頃は、嘘をつくと閻魔様(えんまさま)に舌を抜かれる、とか悪いことをすると地獄に落ちるとか、いろいろなことを言われて育った。また、幼稚園のときは、食事の前にお祈りをした覚えがある。

 公立学校では、特定の宗教教育はできない。でも、高円寺の人たちは、すばらしい。自信や誇りをもっていて道徳的なのだ。地域の人たちと一緒に高円寺の未来を担う子どもたちの心を育てていきたいと思う。 (杉八だより 平成15年6月号)

ありがとうございました
(open2003.6.29)