オオクワ日誌(旧)


 1996年のオオクワ日誌を日付順に収録。

8月25日

 本日よりオオクワ日誌をスタートする。今一番心配なのは9号である。餌変えに2度失敗してしまったため、2令になった後ほとんど成長していない。今回の餌は安定していそうなのだが、再び成長をしてくれるだろうか。


 餌がカビたり発酵したりする原因については、今様々な条件で実験を行い探っているところであるが、カビに関しては、開封したクヌギマットが保管中に汚染されている可能性が高いようだ。発酵はどうやらしてもかまわない、むしろ発酵した方がよい餌になるようなのだが、問題はその際に発生する熱だ。熱が発生すると幼虫が潜り込まない上に積算温度が早期に達成されてしまう可能性がある。この問題の解決方法として、幼虫を入れる以前に餌を作製しておき、1週間ほど放置し熱が下がってから使用するという方法を採っている。とりあえず問題は起きていないようだがまだ時間が経ってみないとどうなるかわからない。
9月3日

 8/27、9/1の2日間にわたり、朽ち木割り採集を行った。場所は12号を採集したサクラの木だが、合計11匹の幼虫が得られた。もっともこのうち何匹がオオクワかはよくわからない。大きな幼虫は頭幅1cmのものが1匹いただけで、残りは小さい幼虫ばかりだったのだ。


 さて、前回心配していた9号だが、何とか成長し始めたようだ。また6号が2令になっているのを確認したため、残る1令幼虫は11号のみとなった。11号はここ2週間ほどビンの外から観察できるところに出てきておらず、もしかしたら何かの問題で死んでいるのかもしれない。もう少したっても現れなければ中を確認して見るつもりだ。
9月6日

 9/5に5号幼虫がいきなり3令になっているのを発見。2令期間はわずか26日間で体もそれほど大きく成長していたわけではないので、頭ばかりが異様にでかくなっている。頭幅については餌換えの際に写真を撮り正確に測定するので、あと10日ほど待って欲しい。


 それにしても皆同じ条件で飼育しているはずなのに、これだけ成長にばらつきがあるのはとても興味深い。一つ考えられるのは、5号幼虫は今年度生まれた幼虫の中で、一番頭幅が小さかった(4.6mm)ということだが、もしこの説が本当なら、すべての幼虫が3令になったとき(2令幼虫期間/頭幅)を計算してみて、ある定数が得られるはずだ。まあ実際は恒温飼育をしているわけではないのでそれほど正確な値は出ないだろうが。
9月9日

 9/8に3号が3令になる。一番大きく育っていただけあってかなり大きいようだが、ビンの中がよく見えないため確認できない。餌換えの際に写真撮影を行う予定。


 ビンの外から長期間にわたり確認できなかった11号だが、中をみたところ2令幼虫の頭部のみが発見され、死亡していた。原因は不明。合掌。

9月11日

 1号幼虫のエサに、真菌のコロニーが蔓延してきたため、我慢できなくなり餌交換をする。11号幼虫が死んだあとだけに、ビンの外から少しでも見えない期間があると心配になってしまう。今回のエサは新たな方法で発酵させたもののため、今までのエサと比べれば安定しているだろう。


 新たな方法とはいってもたいそうなことではない。小麦粉を混ぜ、加湿したマットをビンに詰め込んだあと、タオルに包んで発泡スチロール性の箱の中にいれ、1週間放置するのである。こうすると数日間30度弱になるまで発熱するため、温度が下がった後にはエサの状態が安定するのではないかと考えたのだ。

 話は変わるが、今現在害は出ていないものの、今後問題になるかもしれない事態が新たに発生している。数日前、先日採集してきた幼虫のビンをもって眺めていたところ、やけにビンの表面がざらついているのに気付いた。ふと手を見てみると、指に黒い点状のものがたくさん付着している。さらによく見てみると点が各々うごめいているのだ。あわててビンを見てみると、全周にわたってびっしり黒い点が付着していたのである。おそらくダニの一種なのだろう。今のところ幼虫に寄生している様子はないのだが、今後どんな影響が出るともしれず、また不安材料が増えてしまった。

9月15日

 5号幼虫を250ccビンから830ccビンに移す。その際、例によって写真撮影を行ったのだが、カメラのシャッターが降りたままになってしまうという信じられないトラブルが発生。


 カメラは直せば元どおりになるが、フィルムは今まで撮りだめた分がダメになる可能性があるため、大ピンチである。本体はニコンのF801という、古いながらも耐久性には問題がないと思っていた機種なので、結構驚いている。もうすぐ3号の餌換えも予定しているためそれまでに何とかしなくては。

9月19日

 9/17、カメラをどこかのカメラ屋で修理してもらうため持ち歩いていたところ、同級生でカメラに詳しいM橋氏に学校で会い見てもらう。以下会話。


M橋氏:『たぶんバッテリーじゃないかな、電池切れだよ。』
私:『えっ、だって警告表示も出てないし、大体電池不足でシャッターが降りっぱなしになるの?』
M橋氏:『まあとにかく電池交換してみなよ。』
(3分後、電池交換終了)
カメラ:『ガシャ!』
私:『あっ、直った。』

 というわけで、単に電池不足だった様だ。今まで気付かなかったが、このカメラには電池切れを知らせる液晶表示がなかったのだ。ちなみに彼によればよくあるトラブルらしいので、みなさんもご注意を。

 直ったカメラでさっそく3号の写真撮影を行い現像した。幸いなことにフィルムは無事で、3、5、6号の頭幅を計測することができた。3号は思ったほど大きくなかったが、今まで見てきた3令幼虫の中で、初めて頭幅10mmを越えた。もっとも3令幼虫は最大頭幅が13mmに達するといわれており、それに比べればだいぶ小さい。もし頭幅と成虫の体長に比例関係があるとすれば、この時点で今までの飼育法に問題があったということになるのだが、成虫がいない現状では、新たに採卵を行うことが出来ず、他の方法を試すこともできない。来年度への課題が一つ出来たと言える。

9月26日

 月日が経つのは早いもので、オオクワ日誌が始まってから早くも一月が過ぎようとしている。そろそろ夏のクワガタシーズンも終わり、幼虫の成長速度も鈍るため、書くことがなくなるのではないかと少し心配だが、今年は温水を利用した恒温飼育に挑戦しようと思っているので、まだまだいろんな問題が起こりそうだ。


 9/22初めてクワガタ専門の業者を利用して、幼虫用のマットを購入。基本的に業者を利用しないで飼育するのが目標だったのだが、いろいろ事情があったのだ。

 今まで幼虫用のエサには、近所のディスカウントストアで販売していた「くぬぎジャンボマット(マルカン)」をもっぱら利用していた。4.5Lで250円と安いことと、クヌギ、ナラを使っていて粒子が比較的細かいことから素人の飼育には向いているのではと考えていた。ところがである、クワガタを趣味としない人にはよくわからないだろうが、クワガタ用品というのは思いっきり季節商品なのである。つまり子供相手の夏休み限定の商品のため、夏が終わると一斉になくなってしまうことが多いのだ。

 マットが全然足りないことに気付いたのは、確か9月1日か2日だったのだが、すでにいつものディスカウントストアには売っていない。しかたなく、近所のスーパー、デパート、ディスカウントストア回りをするが、売っていない所が多く、売っていても幼虫の飼育には全く不向きなものだった。最後にあるスーパーで、「くぬぎ純太くん(MITANI)」を発見するが、2Lで180円と多少高いことと挽き方がとても荒く、ビン飼育には向かないことからとりあえず5個だけ購入し、また後日さがすことにした。

 クワガタ用品は季節商品だと言ったが、年中店頭販売をしている場所が数カ所あり、そのうちよく行く場所が、渋谷の東急デパート本店である。ここはオオクワガタをはじめとして、各種ヒラタや、アマミミヤマ、アマミシカ、キンオニクワガタなどマニアックな生き虫を販売していてなかなか楽しい。飼育用品も充実しているが、何しろ値段が高く、今までここで買い物したことは一度もない。さっそく目的の「くぬぎジャンボマット」をさがすと山積みになって売っている。一安心して値段を見ると、なんと800円!さすがデパート!などと感心している場合ではなく、迷ったあげく1袋だけ買うことにする。ちなみにオオクワ専用のマットというものも販売しており、こちらは3Lで3000円とか全くお話にならない値段が付いていた。

 さてこうなると専門業者からの通販による購入しかない。月刊むしを引っぱり出して、広告欄から市販のマットを扱っている業者をさがすと、「ザ・オオクワ」という店が見つかった。まずは千葉支店に電話してみる。 
私:『マルカンという会社の「くぬぎジャンボマット」は扱っていますか?』
店:『いやー、今は扱ってないんですよ。埋め込み用ですか?』
私:『(むむ!)いえ、エサに使っているんですけど。』
店:『市販品はどれも質が悪くて今は扱っていません。本店ならあるかもしれませんが。』

 というわけで本店に電話したところ、こちらでも扱っていないとのこと。結局この店のオリジナル商品のマットを買うこととなった。カワラタケ材入りの10000円のものから、ナラ混合の4000円(50L)のものまであったが、もちろん1番安いものにする。送料は着払いで1300円、注文後4、5日で届いた。電話では10Lごとに袋詰めになっているという話だったが届いてみると50Lで1袋になっていた。マットはかなり乾燥気味で、粒子は多少粗め。ビン詰めにはもう少し細かい方がよいと思われるが、まあ許容範囲だろう。またこの店は電話の応対がていねいで好感が持てた。以前「虫研」という業者に電話をしたことがあるのだが、このときの応対はひどく、今回も警戒していたのだが、うれしい誤算であった。

 これで3令幼虫のエサが2通りのマットになることになり、品質に明らかな差があれば成長にも影響するはず。個人的には「ジャンボマット」に頑張って欲しいが、どうなるか楽しみだ。

10月3日

 餌換えの際に失敗し、成長の遅れていた9号が9/27に3令幼虫となる。一方で、もっとも早く2令になった4号がいまだに3令になっていない。すでに2令の期間が2カ月を越えたが、大きさもそれほど大きくなっているわけではない。これで残された2令幼虫は4号と6号だけとなった。


 最近ビン中にいる幼虫の姿がクリアに見ることができず、大きさを正確に把握することができない。したがって日誌中の幼虫のグラフィックが実際の幼虫より小さめになってしまっている。本当は定期的に幼虫を取り出して体重測定をするべきなのだろうが、幼虫を必要以上にいじりたくないのと、はかりが高いことから現在行っていない。

 前回購入したマットだが、なかなか品質は良いようで、カビもせずうまく発酵している様子だ。そろそろ7、8号を移す予定。

10月7日

 7、8号の餌換えを行った。前回新しいエサがうまく発酵していると書いたが、よく見ると一方のビンに小さなカビのコロニーが見える。相変わらずエサのコントロールをすることができない。これに関しては、神戸市在住の菅野氏より寄せられたレポートが、特別企画のコーナーに掲載してあるので、そちらも参照して欲しい。


 1、2号幼虫の全身が観察でき、およその体長が測定することができた(グラフィックも更新)。1号幼虫は12号の体長をすでに超えたようで、順調に成長中。60mmクラスになってくれれば万々歳だろう。

 恒温飼育のための水槽制作は着々と進行中。例によって様々な失敗を重ねているが、何とか完成像が見えてきた。完成後にはレポートで報告する予定。

10月10日

 10/8、6号が3令になり、いよいよ残る2令は4号のみとなる。ちょっと不安になってきた。また本日9号の餌換えを行った。2令時の餌換え失敗が響いたらしく、頭幅は他の幼虫と比べても小さめのものとなった。


 恒温水槽が完成し、無謀にも全3令幼虫の引っ越しを行った。設定温度は23度、根拠は特になしである。
 幼虫の保管場所は、一般に家の中で一番温度の低い場所といわれているが、そうなると通常の場合では自分の部屋の中におくわけにはいかない。多くの人は冬には暖房を入れるだろうし、そうなると温度が不安定になり、幼虫に悪影響が出ることは簡単に想像できる。
 しかし車庫や物置など、手軽に観察できない場所におくのではつまらない。さてどうするか、と悩んだあげく、昨年は結局自分の部屋で1、2号幼虫を育てることにした。方法は「暖房を絶対につけない」である。
 こうなると部屋の中でも一桁台の温度になることは当たり前で、スキー場以上の体感温度の低さで一冬を過ごすこととなった(ちなみにスキー部に所属)。それでも幼虫が大きく育ってくれれば良かったのだが、結局飼育に失敗して全く成長しなかったのだから泣けてくる。
 今年はこれでガンガンに暖房を入れた、快適な冬が約束されたわけである。

10月17日

 10/11、試験が終わった後そのまま合コンに突入、電車がなくなり友人のN野氏邸に泊まり込む。翌日昼過ぎに帰宅し、さっそく幼虫のチェックを行うと、3号幼虫に異変が起こっている。ビンの入り口まで上がってきており、息を吹きかけてもビンをたたいてもピクリとも動かない。


 2日前までは元気にしており、やはり恒温水槽が悪かったのか、もしくは幼虫をほっぽって遊んでいた仕打ちかなどと色々考えているうちに、数分後、動き出した。どうやら酸欠だったようだ。ふたとビンの間に挟み込んであったペーパータオルが水槽で濡れており、空気が出入りしなくなったためと思われる。

 ビンのふたには穴をあける様に書いてある飼育法も多いが、ペーパータオルを挟み込む方法で、今まで酸欠は一度も起こったことがなかった。しかし、水を含んでしまうと当然空気が通らなくなるため、注意が必要である。

 10/17日現在、恒温水槽は順調に稼働中。ただ、この条件というのは菌類にとっても気持ちのいい温度のようで、いくつかのビン中に、白い菌が生えはじめてきた。もっとも今までさんざん緑の菌やら紫の菌やらが生えてきているのを見ているため、あわてて対処することはしない。臭いと温度、幼虫の動きに異変が起きなければ、まず死に至ることはないことがわかってきた。むしろ「キンシビン」状態になって、幼虫がでかくなるのではと都合のいい解釈をしている。

 さて、オオクワ日誌の更新についてだが、4号を残してすべて3令になったため、今後は頻繁に更新を行わない予定。具体的に何曜日に更新と決めればベストなのだが、そうなるとこっちが面倒だ。というわけで、今後はだいたい週一のペースで更新を行う予定。
 10/23日より一週間秋休みがあるため、山梨県への採集行を予定している。また新たなポイントを探さねばならないため、なかなか厳しいものがあるが、いちおうご期待を。

10月24日

 10/19、6号の餌換えを行った。例によってエサは先に作っておき、発泡スチロール製の箱に入れ発酵させたのだが、そろそろ室温が20℃前後と低くなってきたため、使い捨てカイロを用いて加温を行った。


 箱のふたを閉めたところ予想通り酸素不足ですぐに温度が下がってしまったため、ふたを半開きにすると再び温度が上がりはじめた。使い捨てカイロを用いる場合は空気を流通させておく必要がある。結局カイロ一つでは発酵が終わらないらしく、ビンの温度が室温レベルまで下がりきらなかったため、もう一つ使ったところ十分に発酵させることができたようだ。

 発酵によってビン中のマットの温度が外気温より上がっている場合、幼虫がマットに潜り込まないことはすでにわかっているのだが、ではマットの温度をどうやって測定すればよいのかについて経験した範囲で述べておく。

 最初のうちは、温度計を2本用意して、ビンの中に差し込んだものと、室温とを比較して発酵の有無を判別していた。もちろんこの方法が一番科学的で確実なのだが、同時に面倒であることも否めない。

 この方法は飼育法によっては使えないが、ビンの下半分に小麦粉を添加したマットを詰め、その上に何も添加しないマットを詰めておいた場合、ビンの上部と下部を手で触るだけで、温度差から簡単に発酵の有無を判別することができる。

 山梨県への採集行だが、10/27に決定。大学の同級生4人で行くこととなった。今手元に成虫がいないため、このままだと来年度に繁殖を行うことは難しい。何とか成虫を手に入れたい。

10月30日

 10/27、山梨での採集を予定通り敢行。結果は「採集記」の方に掲載中。


 10/25、2号と12号の餌換えを行った。この2匹は前回の餌換えからかなり期日が経過しているため、ビンの中に空洞が目立つようになっていた。ビンをひっくり返すと、かき出すまでもなくマットがそのままドッと外に出てしまうほど緩くなっていた。すでに飼育に失敗して大型にするのはあきらめているため、両者とも添加物を使用せず、マットだけで飼育してきた。今回もそれに習って添加物なしのマットを使用、同時に写真撮影も行った。これで飼育している幼虫すべての正確な頭幅を測ることができる。

 写真撮影における問題点は、フィルムを全て使いきるまで現像に出せないことである。一匹あたり2枚撮影するとしても、36枚を使い切るには18匹の撮影が必要なため、なかなか現像できないのである。今現在フィルムカウンタは「17」、まだ19枚余りがある。もっとも残る2令幼虫は4号だけで、こいつはいつ3令になるかもわからないので、このまま現像に出そうかとも思っている。

 写真でもう一つ問題なのは、現像の際のカメラ屋での応対である。できあがった写真を受け取る際に必ず「この写真でよろしいですか?」というような確認の作業があるのだが、このときに幼虫の写真を見せられると結構気まずいものがある。しかもそのカメラ屋には若い女の店員が多いのでなおさらである。解決方法としては、一枚目の写真はごく普通のスナップ写真にすること、もう一つはそのようなことは全く気にしないように精神鍛錬することである。

11月7日

 11/1、家に帰るとさっそく幼虫のチェック。6号幼虫がビンの外から見えるところで止まっている。最初は気付かなかったが、しばらくしても全く動く気配がしないため調べてみると、また例のごとくペーパータオルが濡れている(10/17の日誌参照)。あわてて幼虫のいるところまでマットを掘り通気させると、10分ほどで反応が戻り動き始めた。それにしてもなぜこんなに簡単に酸欠になってしまうのだろうか。幼虫の呼吸量など大したものとは思えない。もしかしたらマットが発酵する際に吸収する酸素が予想以上に多いのかもしれない。


 11/3、4号の餌を交換する。4号はすでに2令期間が3カ月を越えており、餌も夏を経てデロデロになっているため、ショック療法の意味もふまえて餌換えを行った。方法は菅野氏の飼育法を参照して、マットに微量の小麦粉を加える方法を採った(250ccビンに小麦粉2.5cc)。大きさは、日誌上のグラフィックとほぼ同じで、ほとんど成長していない。

 同日に、15号、16号、17号、21号の餌換えもついでに行う。日誌の最初に「現在我が家には、1号〜12号まで合計10匹の幼虫が存在」と書いているが、その後行った採集により、実際には13号〜24号までの採集した幼虫が存在する(19号はコクワ♀羽化、23号は前蛹で死亡)。採集記の中では、オオクワの比率は結構高いのではと楽観的に考えていたが、現実は甘くなく、今確実にそうといえるのは13号だけである(サキシマヒラタだったりして)。こいつは採集時には脱皮したての3令幼虫だったのだが、現在では1号とほぼ同じ大きさまで成長している。

 11/4、秋葉原に幼虫体重測定用の電子はかりを買いに行く。飼育開始時には、はかりは高いし幼虫をビンから取り出すのはよくないと考えた結果、オオクワ日誌のように大体の大きさを表示する方法を採用したが、最近ほとんど幼虫の全身をビンの外から観察することができなくなってしまった。また、3令時の餌交換も必要ないと思っていたが、どうやら1回はした方が良いようだし、そうでなくても餌の状態から交換がやむを得ないケースも多い。それならばその際に同時に体重を測ってしまおうというわけである。

 デジタル式の電子はかりが東急ハンズで売られているのは知っていたのだが、この店は原則的に定価販売なため、少しでも安く手に入れるために秋葉原を探すことにした。ところが秋葉原でも、いわゆる大手の家電店では料理用の精度の低いはかりしか扱っていない。試しに店員に聞いてみると、「そういう製品は秋葉原の電気屋でも扱っていませんよ、メーカーから取り寄せないと無理です。」とのこと。もちろんそんな言葉は信じずに、パーツショップや電子部品を扱う小さな店を中心に見回ってみる。結果、JR秋葉原駅のすぐ近くで、2カ所の店を発見した。割引率はさすがに低いが、あきらめて安い方の店で買うことにした。製品名は「ポケッタブルスケールミニスリム1475(TANITA)」、値段は10800円だ。さっそく1円玉を用意して遊んでみるが、とりあえず正確に動作しているようだ。

 こうなると人情として、ものすごく幼虫の体重を計ってみたくなる。幸いなことに(おいおい)5号のビンが白いカビで怪しげな様相になってきたので、さらに危険な状態になったら救出の名目の元に体重を計ろうと考えている。

 前回撮影したフィルムは結局そのまま現像に出したため、全ての3令幼虫の頭幅が判明した(日誌参照)。これを元に、飼育報告の前編を作ろうと考えている。またオオクワ日誌自体のファイルサイズがだいぶ大きくなったため、過去のものは別ファイルとしてまとめることにした。日誌の最後にリンクを張ってあるので、最近読み始めた方はこちらをどうぞ。

11月16日

 11/9、9号の全身をビンの外から確認、グラフィックを更新した。最近ほとんど幼虫が外から見えず、日誌上のグラフィックが実際の幼虫の大きさと食い違ってきているため、わかる範囲でグラフィックの更新日を記載することにした。更新日は各幼虫の番号の隣に表示した。


 以前から思っていたのだが、このホームページの表示速度が他のページに比べて重いことがたびたびあった。どうやらプロバイダ(so-net)のサーバのパフォーマンスが足りないらしく、他の利用者から苦情があったのか、11月、12月とホームページ使用料金が無料になった上に12月中旬にサーバの増強が行われるらしい。どれくらい速くなるか楽しみだ。

11月22日

 卒業試験がいよいよ佳境にさしかかり、最近柄にもなく勉強に励んでしまっている。時間的な余裕はあるのだが、気力が続かずオオクワ日誌の更新も遅れがちだ。そんな中、気晴らしに5号の体重測定を行った。


 5号のビンは前々回の日誌で白いカビが蔓延していると書いたのだが、その後も順調にカビが増え続けた。もっとも臭いもなく、幼虫が上にあがってくることもなかったのだが、他に適当な幼虫もいないので「確認」という理由で掘り出すことにした。

 3令になってから2カ月が経っており、外から見えることもなかったので期待して慎重に掘り進んでいく。ビンを逆さまにしてたたくと、中から幼虫が転がり出てきた。出てきた幼虫は予想以上に小さく正直がっかりした。見た目の大きさは日誌上の2号より少し大きいくらいだろうか。はかりに乗せると「8g」、オスメスがわからないので何とも言えないが、オスなら飼育法に問題ありということだろう。

 体重を量り終わると、取りだした餌をまたもとのビンに詰め直したのだが、かなりエサの量が減っていて7分目ほどになってしまった。こんなに食ってあの大きさなのが不思議だ。もっとも冷静に考えれば「朽ち木」がそう栄養豊富な食べ物だとは思えないが。

 さて、最近我が家では「なめこ」の栽培を行っている。知り合いの農家の人から送ってもらうらしいが、箱ずめの菌床に水をかけると生えてくるという代物だ。試験がひと段落したら日本初(?)、なめこ菌糸ビンの実験を始めようかと思っている。

11月30日

 11/28、3号の全身を確認、グラフィックを更新した。また、2号がついに踊室を作り始めたようだ。まだ前蛹にはなっていないが、この温度(23度)で大丈夫なのか少し不安だ。


 11/29、「月刊むし」を発行しているむし社に行った。中央線中野駅からごく近いビルの一室にあるのだが、この建物がなかなか年季が入っていて、「いかにも」といった雰囲気を漂わせている。目的はクワガタ関連記事のバックナンバーなのだが、どれもすでに原本が売り切れておりコピー本を購入した。

 ついでに標本を見せてもらい、あわよくばメタリフェルホソアカクワガタを買おうと考えていたが、やはり高い。寿司食い放題に3回行ってもまだ余る値段だ。幸い手持ちがそんなになかったため、素直にあきらめて本だけ買った。

 最近、ついに海外から英文メールが届いてしまい、結構困っている。そんななか英語版作製の話も出てきており、今後どうなるのか自分でもよくわからない。おそらく来週にはある程度話が決まるだろう。

12月6日

 12/1、1号のビンを見ると上部に黄色っぽい菌糸がだいぶ生えており、臭いを確認するために蓋を開けてみると、幼虫が外に出てきてもがいている。久々に見るがあまり成長していないようで、むしろグラフィックより少し縮んだ感じだ。せっかくだから体重を量ってみると「8g」、5号と同じ結果である。


 オスメスを判断するためにケツをよくよく見てみると、消化管と色の違う部分が確かに見える。もっとも図鑑に載っている写真と較べると、それほどはっきりとは見える訳ではない(注:メスの尻から3節目には、白い性腺が認められるらしい)。特にエサが変質している様子もないので中に戻してやると、再びもぐっていった。

 同日、7号の全身を確認、グラフィックを更新した。今まで見た幼虫の中では1番大きく育っている。こいつはおそらくオスなので今後の成長に期待したい。

 12/6、また海外からメールが来た。先週はオーストリアだったが、今度はなんとラトビア(どこ?)からだ。日本の検索サイトにしか登録していないはずだが、いったいどうやってここを見つけだすのだろうか。できれば色々聞いてみたいところだが、私の貧弱な英語力ではどこまで話が通じるかわからない。いまさらながら語学の重要性を感じている。

 さて、前回ふれた英語版の話はどうやら実現しそうだ。私は英語が大の苦手なので何もしていないが、ネット採集記でもおなじみの遠藤氏の全面的な協力(99%)を得て順調に進んでいる。この日誌を問題なく読める人にとっては関係ないかもしれないが、いちおう、乞うご期待。

12月12日

 12/8、7号がビンのかなり上の方まで食い進んでいる。少し掘るだけで取り出せそうだったので、体重を量ることにした。丁寧にマットを取り出すとすぐに全身が現れ、はかりに乗せてみると「12g」であった。このままの勢いで育ってくれればいいが、今までの幼虫を見ていると最初の2カ月くらいで一気に成長し、その後は目に見えて大きくなることはないようだ(オスとメスでは違うのかもしれないが)。


 12/11、ラトビアからメールの返事が来た。彼によればラトビアには5種類のクワガタがいるらしい。次回のメールで学名を送るので、その代わりに日本のクワガタの学名を送ってくれないか、とのこと。ちょっと待て、日本にいったい何種類いると思ってんだ?(答:40種弱)

 また、どうやってこのサイトを見つけたかだが、Web Crawler(検索サイトの一つ)で見つけたという。ここはおそらくロボット型のプログラムを使ってURL登録を行っているので、自動的に登録されたのだろう。

 卒業試験が終わり、これからしばらくは暇になる。遅れ遅れになっていた飼育報告を近日中に仕上げるつもりだ。また12月中に1回は採集に行くことになりそうだ。

12月19日

 飼育報告がようやく完成、「特別企画」に掲載した。時間がかかった割には内容に乏しいが、これから幼虫を育てようという人には少しは役立つかもしれない。恒温水槽についても写真付きで簡単に触れてある。この水槽のおかげで部屋には絶えずチョロチョロと水が流れる音が聞こえ、よく眠れる(勉強しろって!)。もっとも完成した直後は壊れないかと心配でよく眠れなかったが。


 ラトビアからクワガタ情報の続報。前回5種いるといったが、彼の勘違いで実際は以下の6種。

(1)Lucanus cervus ヨーロッパミヤマクワガタ
(2)Dorcus parallelipipedus パラレリピペドゥスオオクワガタ
(3)Sinodendron cylindricum イッカククワガタ
(4)Ceruchus chrysomelinus クリソメリヌスツヤハダクワガタ
(5)Platycerus caraboides ヨーロッパコルリクワガタ
(6)Platycerus caprea ?

 (1)は1951年以来ラトビアでは記録がなく、絶滅したとのこと。(2)から(6)は普通に見られるそうだ。(6)に関しては、「世界のクワガタムシ大図鑑」によれば(5)のヨーロッパコルリクワガタと別種なのか地域変異なのか実態をつかみきれていないそうだ。

 もし、(5)と(6)の形態の差がはっきりしていて、しかも同所に存在しているとすれば、これは別種としていいわけだ(十分条件)。詳しく話を聞いてみたいところだが、英語がつらい。

 11月16日の日誌で、12月中旬にサーバの増強が行われてホームページのパフォーマンスがあがる予定だと書いたが、なんとサーバのバグのせいでCGIが動かず延期になったとのこと。無料期間もそれにともなって延長されるようだが、そういう問題ではない気がする。プロバイダを換えるのもかなり面倒だ。大手のプロバイダで値段も高かったので信用したのだが、世の中そんなに甘くない。

12月25日

 12/21、ネット採集記や英語版作製で御世話になっている遠藤氏の家を訪ねた。以前メールの来たオーストリアのサイトとクワガタムシの標本を交換することとなったのだ。


 標本は高校時代には作っていたのだが、全て学校においてきてしまったため、手元にはホームページの資料用に作ったものが少しあるだけだ。結局大型種はほとんど遠藤氏の標本を送ることになり、スジクワガタや一部のメスなどを私が提供した。

 遠藤氏は何種類かのクワガタムシの幼虫やカブトムシ、オオクワガタを飼われており、色々見せていただいたのだが、ピカピカに輝くオオクワ新成虫の姿に感動する。いままで樹液採集で得られた成虫しか見たことがなく、こんなにきれいなものだとは思わなかった。

 12/22、前日見たオオクワガタに触発されて、急遽山梨へ採集行を決定した。詳細については「採集記」の方でそのうち紹介する。

 12/25より野沢へスキーに行く。年明けにはいよいよ3令幼虫の餌換え、体重測定、写真撮影を行うつもりだ。幼虫の写真が見たいという一部の希望があるため、一通り撮影したらまとめて報告しようと思っている。

12月31日

 12/30、スキーから帰ると幼虫のチェック。14号(コクワ)がマットの外に出てきていたが、通気してやるとすぐに潜っていった。恒温水槽の水がだいぶ減っていたので給水した。


 12/31、9号がビンの上の方まで食い進んでいたので、取り出して体重を量ると「11g」、2令時に餌換えに失敗して頭幅は小さいが、性腺らしきものも確認できずどうやらオスのようだ。また、6号の全身を確認しグラフィックを更新した。7号とほとんど同じペースで大きくなっている。

 年明けの餌換えに向けてマットのビン詰めも行った。内容は3令幼虫飼育開始時と全く同じで、これから1週間程暖めてある程度発酵を進め、温度が下がった後に使用する予定だ。1月初旬に1、3、5、13号の餌換えを行い、大きな問題が起きなければ引き続いて残りの幼虫の餌換えをしようと思っている。

 いよいよ今年も残すところ後数時間となり、オオクワ日誌の更新もこれで今年最後。それではみなさんよいお年を。

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