スノードーム
このごろは誰も彼もが この不完全な世界に嫌気がさして あるいはまだかいだことのない素敵な匂いや 見たことのない景色 ダーウィン・フィンチ 新しいリズム 韻律をさがして 親しい友にさえいつ帰るとも知らせずに 旅に出る ソルトレイクシティからアムステルダムから 届いたカードを眺めながら スノードームに雪を降らす もしも君がどこか遠い土地で 何日も続くリンゴとチーズとパンの食事で 自分をすり減らし目的を見失い道に迷ったとしたら うらぶれた土産物屋に急げ そこにはきっと見捨てられたスノードームがあるはず それが君の旅の目的になる 俺はここにいる 君の夢を見たよ 変わり映えのない世界に 無軌道な魂を抱えたまま いくつかのスノードームをたずさえて帰る 君を待っている (土曜日の午後六時 東京は雨 気温二十℃)