| 安らぎ R.TAKEMURA |
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「その瞬間、あんなにも烈しく身を捧げ、決して背中を向けることなく求め続けた《クオリティ》、すなわちアレテーが、くっきりと彼の眼前に現れる。ひたすら求めても決して理解できなかったその《クオリティ》が、忽然と、向こうから姿を現したのだ。安らぎが、しだいにパイドロスの心に満ちてくる」
帯には「喪失した記憶を奪還するために過去へ通ずる独自の哲学ロードを突っ走る」「電気ショック療法によって記憶を奪われてしまった元大学教師(著者)と本来の父でない父に心を閉ざし精神の病に侵されつつある息子のオートバイの旅」と続きますが、これだけでも読みたくなりませんか? アメリカでは電気ショック療法が行われていたという事実にも驚きですが、この本では記憶を失った著者が以前考えていた価値(クオリティ)というものを取り戻す物語です。分厚い本ですが哲学的な考えと息子とのオートバイの旅が交互に書かれていて読みやすく、単純に物語としても読むことができます。特に大学生にはお薦めの本です。引用した箇所は著者が電気ショック療法を受けることになった、精神が崩壊する場面です。 Feb.6th.2001 TAKEMURA |