トップ初心者ガイド素朴なQ&A/Q1 なぜリリースはレコード中心なのか Surfin' On Sinewaves
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クラブ・ミュージックがリリースされる場合、そのフォーマットはレコード(=アナログ)が中心です。もちろんCDやオンラインでの音源配信などもありますし、実際クラブ・ミュージックの普及にそれらが寄与していることは確かでしょう。ですが、そうしたフォーマットでのリリースでも、同時にレコードでもリリースしている場合がほとんどです。逆に、アナログではリリースしていないが他のフォーマットでならリリースしている、というケースはあまり見かけません(一部のジャンルを除く)。

では、なぜアナログが中心なのでしょうか。レコードを「一般社会(こうした表現はやや語弊がありますが)」で見かける機会は、CDがレコードに取って代わってからというもの、急激に減り、もはやレコードは絶滅したメディアであるという認識さえあります。では、そのようなレコードというフォーマットでリリースを展開していくにはどういう理由があるのでしょうか。

それは、クラブ・ミュージックは、時に「DJミュージック」などとも呼ばれたりすることからも分かるように、DJによってかけられることを想定して創られていることが多いからです。もちろん全てのクラブ・ミュージックがそうというわけではありませんし、そもそも「クラブ・ミュージック」の定義が完全明快ではないので例外もあるでしょう。しかし、多くの場合フロア(ラウンジ等含む。時として野外)を主眼に置いていることは確かなのです。そして、そのフロアでDJが音楽をかける際に主に用いるのがレコードというわけです。

それでは、もう少し踏み込んでみて、なぜDJたちはレコードをよく利用するのでしょうか?もっと言えば、なぜDJ文化はレコード中心なのでしょうか?それについてもう少しお話します。

上述したように、「一般社会」においては、レコードは一部のコアな音楽ファンたちを除いて、プレイヤーを持っている人はそうは多くはないですし、そもそも作品のリリース自体がありません。ご存知のとおり、CDはレコードに比べ、基本的に音質劣化が無い、ホコリを原因とするノイズなど特に気にしなくてもよい、早送りなどのサーチが早いかつ簡便、記憶容量がはるかに大きい、などの利点があったため、CDがレコードに取って代わりました。

それでもDJ文化がレコード中心なのには理由があります。

まず大きな理由として挙げられるのが、「レコード特有の音質」です。CDはレコードと異なり、デジタル方式で音情報を記録しています。詳しい説明は他に譲りますが、CDは人間の耳には聴こえないような音域の部分はカットしてありす(余談ですが、スーパーオーディオCDなんてメディアがありましたが(今も??)、あれはそうした部分も記録してあるのがウリでした)。また記録方式が異なることなどの理由もあるため、レコードとCDでは音質に差があり、レコードの音質が好まれているのです(とある雑誌で「アナログの音は、CDにはない暖かみがある」といった趣旨のコメントをしたDJもいました)。

他にも、「シーン特有の過去へのリスペクト志向」というのも挙げられるのではないでしょうか。一部のジャンルでは、過去の名曲や偉人たちに深いリスペクトを捧げる傾向があり、DJをする際においても、そうしたレコードをかけることによって意を表すことも珍しくありません。

また、DJにおいてレコードでしかできないテクニックがあること(スクラッチなどはそのよい例)、レトロ志向、レコードを扱うということ自体の特別性・ファッション性、などの理由も挙げられると思います。

クラブ・ミュージックのリリースがレコード中心なのは、以上のような理由によるものと言えるのではないでしょうか。

21世紀になり、スクラッチが出来るCDJの登場、インターネットの普及に伴うオンラインでの音源配信やCD−Rなどを利用した自作CD製作といった新しい音楽スタイルの普及など、めざましい変化が起きています。それに伴い、レコードではなくCDやPC上の音源でDJをすることも以前ほどは珍しくなくなりました。10年もすれば、全体に占めるそうしたスタイルのDJの比率はもっと大きなものになっているかもしれません。そうしたさらなる変化が引き金となって、DJの中心(ひいてはリリースの中心)がレコードでなくなるという可能性もないことはないでしょう。ですが、個人的には、「DJにとってのレコード=DJとしてのアイデンティティの拠りどころ(上述の「特別性」「ファッション性」とも絡んできますが)」として、これからも中心であり続けるのではないかと感じます。

最後、グダグダな話になってしまいました。じゃそういうことで。

(Last Update: 2005.09)
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