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アンビエントは、クラブミュージック(と言っていいのかどうかは微妙なのかもしれないが)の中では、やや特殊な位置に属するスタイルだ。他の多くのクラブミュージックが「躍らせる」という明確な目的があるのに対して、アンビエントは積極的に躍らせようとはせず、むしろ落ち着かせる、現場での話で言えば、踊りに疲れた者たちのチルアウト空間として作用するようなスタイルを指すものから、現場から離れた完全にリスニングミュージックとして機能するスタイルまで幅広く存在し、そこに厳密な境界線は存在しない。リズムにはもちろん制限は無いのであるが、以上のようなことから、必然的にリズムは控えめ、もしくは全くなし、というものがほとんどである。ただし、上ものは持続音が多く反復される、などよく聴かれる要素はあっても、全てにはっきりと共通するような要素があるわけではなく、その意味では作り手にとっても自由度が高く、必然的にエレクトロニカなどともつながりをもつ。
ちなみに「チルアウト」という言葉が出てきたが、現在ではこの言葉はアンビエントよりももう少し広い解釈、すなわちイビサのような、バレアリックなフィーリングを持つ心地よいものまでも含み、さらにそうしたサウンドを聴くスタイルまでをも含んだ広いものとなっている。
アンビエントはトランス(特にゴア/サイケデリックトランス)と大きなつながりを持つ。ハードコアテクノ全盛期に生まれたトランスサウンドはアンビエントからの影響を受け(異説あり)、ハードコアテクノとは異なり深みのある「ハマり系」サウンドであったのであるが、アンビエントもその性質上、瞑想的なほどディープなサウンドだ。サイケ/ゴアトランス系のアーティストがアンビエントをプロデュースすることはもはや普通のことであり、そのサウンドも色々変化に富んでいる。
ただ、一口に「アンビエント」と言っても、その作り手により非常に異なったサウンドとなる。サイケ/ゴアトランス系のアンビエントは非常にダビーでドラッギーなものが多くまた民族楽器も多く登場する。エピック/ユーロトランス系のアンビエントは基本的に美しいものが多くピアノなどが多く登場する(アンビエントとはもはや言いがたいものまで)。ミニマルテクノ系のアンビエントはほとんどが不気味な音響系トラックとなっており、楽器類が登場することはほとんどない(もはやここまで来ると「アンビエント」という言葉をもって表現することさえ正しいかどうかは疑わしいのであるが)。
これらの例を見ていただければ分かるように、「アンビエント」と言っても様々なスタイルがあるが、個人的な感想として、一枚丸々アンビエントのアルバムを除いて、多くの場合、アンビエントは、そのアルバム内での他の曲を引き立たせるためのもの(イントロやアウトロ、インタールード的なもの)として使用されることが多いように思う。つまりはアンビエントのような「躍らせる」ことを主眼としてないものは、あくまでサブ的な位置付けとなっているように思えるのである。
まあそれは、あくまでクラブミュージックの範疇に位置する以上、仕方ないことなのかもしれないが。
よりアンビエントというものへの理解を深めたい場合には [Sonority As Scenery] が、
アンビエントを主とした音楽を聴きたい場合には、
[UnderSky Ambience] が
必ずや力になってくれるであろう。
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