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ドラムンベースは「初めてのUKオリジナルの音楽」とも言われている音楽である。そのスタイルは前身とも言えるジャングルのリズム、ベースをさらにソリッドに、もっと言えばよりスマートにさせた、ブレイクビーツミュージックである。ドラムンベースの説明に入る前に、まずは「ブレイクビーツ」そのものの説明をする必要がある。
ブレイクビーツ(ブレイクス、とも)はもはやジャンルとしても通用するようになってしまったが、元々は制作面での用語である。
言うまでもなくエレクトロニックミュージックはその名の通り、電気制御された機材を使って制作するのがメインである。すなわちシンセサイザー、エフェクター、サンプラー、シーケンサー、ミキサーなどであるが(最近はコンピュータにそのうちのいくつか、もしくは全てを組み込むのが主流となっている)、ブレイクビーツの産みの親となるのがサンプラーである。
サンプラーとは既存の音源をデジタル処理し、記録するものだ。大ざっぱな言い方をすれば、デジタル式のテープレコーダーと思えばよい。ただし、テープと違う点は、録音した部分を再生するのに時間をほとんど要さないという点である。
話がそれたが、このサンプラーを用いて、自分のレコードバッグなどから音源を引っ張り出してきて(制限は無い、エレクトロニックミュージック以外の音楽、好きなリズムのフレーズ、例えばロック、ジャズ、ファンクなどでもよい)、任意のリズムフレーズ(1パターン分だろうがリズム単音のみだろうが、これも制限は無い)をサンプリングする。そのまま使用すると著作権等の問題が絡んでくるため、「自分なりの音」に加工するわけである(もちろんそんな問題を気にしないでそのまま使うこともあるし、あえてそのまま使っていることも多い。例えば超有名な二曲をそのまま合体させただけの曲とか。)。そのためにはエフェクターやフィルターなどが必要なのであるが、その話の細かい部分については省略させていただく。
さて、自分の音に加工するだけでなく、リズムのパターンそのものも変えることが多い。というか、この「パターンの並べ替え」こそがブレイクビーツのキモとも言える部分である。すなわち前述したようなデジタル処理により、サンプリングしたフレーズを、一小節をいくつにも細かく区切ることにより分割、バラバラにする。そして分割した各々を、任意の順序で組替えることが出来るのである。この作業の部分が、「Breakbeats」(Breaks)と呼ばれる所以である。
以上のような過程を経て、オリジナルのフレーズはもはや原型をほとんど留めず、新しいリズムに生まれ変わるのである。これがすなわち、ブレイクビーツである。以前は技術の問題によりサンプリングの精度が低く、サンプラーは「高いわりに性能は…」というものであったが、今ではリズム以外の部分でも積極的に使用されており、サンプラーが使われていないものは無いくらい普及している。
リズムでブレイクビーツを使っているスタイルはヒップホップ、ジャングル、ビッグビート、エレクトロニカなど多数あるが、ドラムンベースもブレイクビーツミュージックである。そういう意味では、ブレイクビーツは上で説明したような制作上の手法、及びそれを用いた音楽の総称、ということができる。
ブレイクビーツの説明が終了したことにより、これでようやくドラムンベースの話に入ることが可能となった。
前節でも述べたように、ドラムンベースはブレイクビーツミュージックである。では、同じブレイクビーツミュージックである他の音楽スタイルとはどう違うのであろうか。
まず、他のブレイクビーツミュージックと大きく違う点は、BPMの早さである。ここでBPMの説明をしておくと、Beat Per Minutes、すなわち一分間に何拍あるかという意味であり、クラブミュージックでは速さを知る目安として用いられる。よって必然的に、DJにとっても非常に重要な要素なのである。
また話がそれてしまったが、ドラムンベースはBPMが非常に早い。同じブレイクビーツミュージックであるヒップホップと比較すると、ヒップホップが90〜100あたりであるのに対し、ドラムンベースは150〜170あたりに落ち着いている(断っておくが、厳格な制限はない。そこが重要)。ちなみにビッグビートはその間くらいのものが多い。BPMが150以上というのは、ブレイクビーツという条件を外しても、かなり速い部類に入る(ガバというモンスターにはさすがに勝てないが…)。
では、ブレイクビーツを使って、かつテンポが速ければ、ドラムンベースと言えるのか。いわゆる「ドラムンベース」と言われているものを聴き込むと、そうは言えないことが分かる。例えば、ベースに注目すると、リズムのテンポが速いのに対し、ベースは比較的ゆったりと進むものが多いのが分かる。この速いリズムと遅い重低音ベースも、ドラムンベースでよく見られる特徴である。また、イギリス産ということで、当然ながらダブの影響が入ったものも多い。リズムなり、ベースなり、上モノなりにダビーなものを持ってくるのである。
また、MCをフィーチャーしたり、ヒップホップ好きなアーティストが多いことから分かるように、ドラムンベースはイギリスでの有力なブラックミュージックとなっている。さらにジャズとの類似性も指摘されることが多い(エレクトロニックジャズへと発展しているケースもあり)ことも述べておきたい。
(Last Update: 2003.01)
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