トップ5つ星CD/Cosmic Baby: Thinking About Myself Surfin' On Sinewaves
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Cosmic Baby / Thinking About Myself  Cosmic Baby
 Thinking About Myself
 BMG, Logic (7432119605-2)
 1994
 Piano, Old German Trance

Cosmic Babyは、最近こちらの音楽を聴き始めた人にとってはなじみが無い人も多いでしょうし、実際ショップに行っても最近はもうあまり見かけなくなりました。あったとしても、ネームのタグだけ(商品は無し)。

このCDも発売したのは94年ですからとっくの昔に生産は終了しています。またこれを作ったCosmic Baby本人もこの作品以降クラブシーンに距離を置き、演劇音楽等をてがけていました。。Cosmic Babyはそれまでジャーマントランスの重要人物であり、Paul van DykともVisions Of Shiva名義でタッグを組んだりもしました。91年にリリースされた1stアルバム「Supreme」では彼にしか出せない音、とでも言いたくなるほどのキレいなトランスを展開し、まさしく90年代前半、もっと言えばシーンでのジャーマントランスブーム時期の彼は輝いていた、と言えます。94年にこの「Thinking About Myself」をリリースしてからの彼は、前述した通りです(数枚のアルバムを発表)。

以前渋谷ロフトの一番上の階に以前はWaveがありよく行っていたのですが、今でも覚えているのは、発売から5年以上たったこのCDを、決して広いとは言えない売り場の中でも特に目立つところの視聴機にこのCDを入れ、そばには店員の手書きのオススメコメントがあったんです。移り変わりが非常に激しいクラブシーンでは、5年といったらもう「はるか昔」です(3年くらいのペースでアルバムをリリースし、なおかつそのたびに大きな話題となるUnderworldは、別格ですが)。そんな前のCDを前面に出すWaveに当時とても感激しました。実際売れ行きもよく、1000枚以上売れたそうです。

例によって前置きが長くなってしまいましたので、そろそろ内容の方に。いくらWaveがプッシュしたからといて、試聴してみたらたいした事なかった、ではそんなに話題になるはずもなくいわけで、この作品が売れたのは当然内容が素晴らしかったからであることは言うまでもないでしょう。物語性の非常に強いジャーマントランスです。11曲全てでひとつの「物語」を作り上げています。その物語中ではピアノがあちこちで聴かれ、後半でクライマックスを迎えます。お得意の泣きのメロディが、心の琴線にこれでもかというくらいに触ってきます。

正直な話、このアルバムの聴きどころはM9とM10へ向かう前半〜中盤の流れと、その主役の二曲です。ここまで全体のストーリー性が高いアルバムは、他にはあまりすぐには思い浮かびません。

1. Thinking About Myself

一曲目は、ピアノだけのインストです。気持ちいいくらいに響き渡るピアノのメインメロディが、どこまでも悲しい雰囲気を演出してます。よく聴くと色々奥のほうでシンセが鳴ったりしています。

2. Treptow

あたたかみのあるアナログシンセのフレーズに、控えめにリズムが入ってきます。この曲でもピアノが、繰り返されるのではなく、どんどんメロディを変えながら、展開しながら奏でられます。途中大きなブレイクがありますがそれほど盛り上げず、あくまでピアノがひたすらエレクトロニックなリズムとシンセと共にメロディが展開されていきます。

3. Tao 2000

Kraftwerkの「Music Non Stop」のフレーズをサンプリングしています。徐々に盛り上げていく感じです。やや(というかかなり)古さを感じさせますが、十分かっこよいです。

4. Another Day In Another City

波の音と共にストリングスとシンセパッドが良いコンビネーションを組んでいます。その後またピアノがゆったりとのどかに。M1と同じスタンスにある曲。ここだけ聴けば、普通にヒーリングミュージック。後半から暗いテンションになっていきます。

5. Brooklyn

ピアノの和音フレーズに、リヴァーブ(反響効果)を過剰なくらいかけられたキックとスネアが壮大に絡んできます。これまた躍らせるものではなく、ピアノを聴かせる曲です。この前半〜中盤の「まだかまだか」的なじれったい内容が、後半を引き立たせている、と言ってもよいでしょう。

6. Au Dessous Des Nuages

ややサイケデリックな音響群をしばらく通過して、テクノビートが入ってきます。久しぶりの4つ打ちトラック。しかも途中からディストーションギターなんかも入ってきてM3よりもずっとアゲな感じで、後半のお祭りを予感させる一曲。ただしもちろん、大物ゲストDJ前の時のレジデントのように、最高潮まではアゲません。10分近くあってもあくまでウォームアップ。

7. Cosmic Greets Florida

ドイツ人の十八番のエレクトロです。エレクトロと言ってもキレイめでトランス色が強い感じで、かつアゲな内容。ますます後半を期待させる内容。

8. Herbest In Berlin

久しぶりのピアノの登場です。というか、ほぼピアノだけのインストです。ただM1と違うのはかなり元気が良い感じで、明るめの内容です。実際引いたら結構左手が忙しそうです(もちろんここでは機械が演奏しているわけですが)。でこの曲が象徴しているように、いよいよ次が主役の登場です。

9. Fantasia

主役の一人目。赤子の声の後、ピアノとシンセがゆったり鳴らされます。で、その後16分のかなり速いテンポのシンセベース。主役の二人はかなりBPMが速い(140〜150近い)、かつそれを感じさせないほどののどかなフレーズが特徴なんですが(というかジャーマントランスの多くにも言えることかもしれませんが)、こちらは走るようなリズムにどんどんピアノの音が重なってきて、もう「綺麗」の一言に尽きます。後半になればなるほどどんどん音が重なってきて、最後はきっとみんな笑顔になっていると個人的に確信しています。ブレイクもなく、スネアロールもなく、どんどん音を重ねていくのを基本としていくこの盛り上げ方、今ではもうあまり見られない気がするんですが…。素晴らしい、の一言。

10. Loops Of Infinity (Contenplative)

主役二人目は神秘的なほどの前半に始まり、こちらではピアノが右手も左手もかなり忙しい感じです。BPMもM9より速くなり、メインメロディからベース代わりにまであちこちで活躍。途中から入る「Loops Of Infinity」というコーラスが絶妙のタイミングで何回か入ってきて、どんどん展開しながら盛り上がっていきます。とてつもない速さなのに、ハードな印象は全く受けないのは、やはりピアノが前面に出ているからでしょうか。後半からラストまでの曲のテンション、盛り上がりはここでは書き表せないほどのものです。ヤバい、の一言。

11. Moments In Love

お祭りのあと。適度に脱力させつつも、壮大に展開する、アンビエント感たっぷりの曲。

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(Last Modified: 2002.02)
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