■もくじ■

 割賦販売法と悪徳商法
 割賦販売法の対象
 書面交付義務
 クーリング・オフ制度
 支払停止の抗弁権
 指定商品・権利・役務【一覧表】



 割賦販売法と悪徳商法


割賦販売法と悪徳商法は密接な関係があります。

具体的事例によって説明することにしましょう。


AさんはB店でプラズマテレビを購入しました。支払いはC信販会社発行のクレジットカード
[15回払い]です。

ところが、商品に欠陥が見つかったのでB店にクレームを言ったところ、直ぐに修理するとの
説明を受けましたが、1ヶ月経った今でも何の連絡すらありません。

怒ったAさんは、債務不履行を理由に支払いを拒絶しようと思いましたが、C信販会社は、
A・B間で生じたトラブルをとうちは関係がないことを理由に、毎月支払い請求を迫ってきま
す。


なぜ、このような問題が起こるのか?

それは、AさんとB店の間では売買契約が結ばれていますが、Aさんがクレジットカードを利用
することで、C信販会社がAさんに代わって商品代金を一括してB店に支払う契約内容になってい
たからです(つまり立替払い)。

そして、AさんはAさんに代わって立替払いをしたC信販会社に対して、毎月、分割払いによる返
済が行われることになります。

上記のことを整理すると、A・B間では売買契約、A・C間では立替払い契約といった別個の
法律行為が結ばれていることになりますので、事例のC信販会社はA・B間で生じているトラブル
が支払いをストップすべき理由にはあたらないのだからAは支払うべきである!と主張してきたわ
けです。

これがもし、悪徳商法であったら・・・

たとえば、販売業者の巧みなセールストークにより高額な商品をうっかりクレジット契約で購入し
てしまった場合を考えてみましょう。

販売員の行為が特商法の訪問販売にあたり、かつ、指定商品であれば、法定書面受領日より8日間
はクーリング・オフにより販売業者間とは無条件契約解除をすることが可能ですが、分割払いであ
る以上、クレジット会社からの支払い請求を止めることはできません。

これでは、消費者救済制度であるはずのクーリング・オフ制度の効果が半減してしまいます。

クレジットカードによる分割払いで商品を購入することができるということ、消費者にとって、当
わずかな資金で高額な商品を購入することができる、逆に、販売業者側は商品を売りやす
くなるという買い手売り手双方にメリットが生じますが、販売対象となる商品が高額になる恐れ
があり、いざトラブルが生じた場合の被害額も相当なものとなります。

そこで、消費者が販売業者との間で生じた売買契約のトラブルを理由に、クレジット会社への支払
いを拒否することができる支払停止の抗弁権が認められています。


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 割賦販売法の対象


割賦販売とは、一言で言ってしまえば分割払いによる販売のことですが、割賦販売法により規制対
象となる割賦販売とは次のようなものです。


自社割賦 2ヶ月以上の期間にわたり、かつ、3回以上に分割
して支払うことが条件
ローン提携販売
割賦購入あっせん
個品
総合
前払式特定取引


 自社割賦


販売業者と消費者間の分割払いによる掛売りのことです。


 ローン提携販売


販売業者が保証人となり、消費者が金融機関から金銭を借りて販売業者に購入代金を支払うこと。


 割賦購入あっせん


消費者が商品を購入した際に、信販会社等が商品を購入した消費者に代わって販売業者に代金を一
括して支払い(立替払い)、消費者は信販会社等に対して分割で支払うというもの。

個品割賦購入あっせん 特定の商品を対象に立替払い契約をするもの
総合割賦購入あっせん あらかじめ信販会社と立替払いの上限額を決めておき、その上限範囲内であれば商品などは限定しないもの


 前払式特定取引

毎月一定額の会費等を支払うことで、サービスや商品の提供などを受けるもの。


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 書面交付義務


割賦販売業者、ローン提携販売業者、割賦購入あっせん業者は、契約を締結(あるいは申込み)し
た場合には、法定記載事項を記載した契約(申込み)書面の交付が義務付けられています。

これは、契約を締結するか否かの重要な判断材料となる一定の条件を書面により提示することで、
購入者となる消費者が自由意思の形成や判断をするために必要不可欠な要素であるからです。


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 クーリング・オフ制度


民法の原則に基づけば、一旦契約を結んでしまった以上は、一方的に契約の申込みを撤回・解除す
ることは認められません。

これは、民法が契約当事者は対等な立場にあることを前提としているからです。

しかし、事業者と消費者間で結ばれる消費者契約の多くは、両者が対等の立場にあるとは言いがた
いものです。

具体的には商品(あるいはサービス)についての知識情報量交渉力の格差など、販売業者
である事業者側に分があることは否めません。

そこで、割賦販売法では消費者が不当な不利益を受けないよう、特商法と同様にクーリング・オフ
制度による一方的な無条件契約解除を認めています。


 クーリング・オフの条件


営業所等以外の場所であること
政令で指定された商品・権利・役務(サービス)であること
※ 政令指定商品であっても一部の消耗品については使用済みの場合クーリング・オフ不可となります。ただし、指定消耗品を使用・消費した場合にはクーリング・オフが不可となる旨の告知を事業者がしていない場合には、使用済みであってもクーリング・オフは可!
契約の申込み(締結)について法定書面を受け取った日以後、クーリング・オフ告知をされた日から8日間
商品代金を全額支払ってしまった場合
書面によること


 クーリング・オフによる効果


クーリング・オフによる意思表示は書面を発したときに効力を生じる [発信主義]
事業者は申込みの撤回(契約の解除)に伴う損害賠償・違約金の支払いを請求することができない
既に商品が消費者に引渡されている場合の引取り費用は事業者負担
権利の行使により、既に施設の利用、サービスの提供がされていても、その対価を支払う必要はない
事業者は契約に関連して受領している金銭があれば、速やかに、返還しなければならない
土地・建物等の不動産やその他の工作物が変更されてしまっている場合、消費者は事業者に対して、無償で現状に戻すよう請求することが出来る


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 支払停止の抗弁権


割賦購入あっせんとは、いわゆるクレジット契約のことです。

消費者が商品等を購入した際に、信販会社が消費者に代わって販売業者に代金を一括して支払い
(立替払い)、消費者は信販会社に対して分割代金+手数料を支払うことになります。

基本的にクレジット契約では、消費者、販売業者、信販会社の三者が関与してきますが、各当事者
は次のような契約を結んでいることになります。


販売業者  消費者  売買契約
信販会社  消費者  立替払い契約
販売会社  信販会社  加盟店契約


法形式的には売買契約と立替払い契約は別個のものですが、クレジットを利用したことにより商品
等を購入した消費者が、販売業者との間で生じたトラブルを理由に、信販会社に対して代金の支払
いを拒絶することができる権利が割賦販売法により認められています。

これを支払停止の抗弁権と呼びます。


@ 購入者又は役務の提供を受ける者は、第2条第3項第1号又は第2号に規定する割賦購入あつ
せんに係る購入又は受領の方法により購入した指定商品若しくは指定権利又は受領する指定役務
係る第30条の2第1項第2号又は第5項第2号の支払分の支払の請求を受けたときは、当該指定商
品若しくは当該指定権利の販売につきそれを販売した割賦購入あつせん関係販売業者又は当該指定
役務の提供につきそれを提供する割賦購入あつせん関係役務提供事業者に対して生じている事由を
もつて、当該支払の請求をする割賦購入あつせん業者に対抗することができる。

A 前項の規定に反する特約であつて購入者又は役務の提供を受ける者に不利なものは、無効とす
る。

B 第1項の規定による対抗をする購入者又は役務の提供を受ける者は、その対抗を受けた割賦購
入あつせん業者からその対抗に係る同項の事由の内容を記載した書面の提出を求められたときは、
その書面を提出するよう努めなければならない

C 前3項の規定は、第1項の支払分の支払であつて次に掲げるものについては、適用しない。

(1) 政令で定める金額に満たない支払総額に係るもの

(2) その購入が購入者のために商行為となる指定商品に係るもの
  (業務提供誘引販売個人契約に係るものを除く。)

【割賦販売法 第30条の4】


@ 第2条第3項第3号に規定する割賦購入あつせんに係る弁済金の支払については、当該弁済金
の支払が、その支払の時期ごとに、次の各号に規定するところにより当該各号に掲げる当該割賦購
入あつせんに係る債務に充当されたものとみなして、前条の規定を準用する。この場合において、
同条第1項中「第30条の2第1項第2号又は第5項第2号の支払分」とあるのは「第30条の2第
3項第2号の弁済金」と、同条第4項中「支払分」とあるのは「弁済金」と、同項第1号中「支払
総額」とあるのは「第30条の2第2項第1号の現金販売価格又は現金提供価格」と読み替えるもの
とする。

(1) 遅延損害金があるときは、それを優先し、次に、当該割賦購入あつせんの手数料、これら以外
の債務の順で、それぞれに充当する。

(2) 前号の遅延損害金については、その発生が早いものから順次に充当する。

(3) 第1号の手数料については、その支払うべき時期が早いものから順次に充当する。

(4) 遅延損害金及び割賦購入あつせんの手数料以外の債務については、その割賦購入あつせんの手
数料の料率が高いものから順次に充当し、その充当の順位が等しいものについては、その債務が発
生した時期が早いものから順次に充当する。

A 前項に定めるもののほか、第2条第3項第3号に規定する割賦購入あつせんに係る弁済金の支
払に関し前条の規定を準用するために弁済金の充当について必要な事項は、政令で定める。
【割賦販売法 第30条の5】


 抗弁事由


抗弁事由とは、購入者が信販会社に対して支払いをストップすることとなる販売業者との間に生じ
ているトラブルのことであり、具体的には次のようなものが挙げられます。


商品(サービス)の引渡し(提供)がない
見本・カタログなどの商品と異なる
商品に瑕疵(欠陥)がある
商品の引渡しが遅れたため役に立たない
錯誤による無効、詐欺・強迫により取消すことができる場合
クーリング・オフにより契約解除ができる場合


なお、信販会社に対して支払停止を主張する場合に、信販会社から抗弁事由の内容を記載した書
面の提出を求められた場合には、提出するよう努めなければなりません

(←努力義務であり書面提出が強制されているわけではありませんが、信販会社が売買契約の当事者でない以上、トラブ
ルの事情を把握しているわけではありませんので、後々のためにも書面を提出すべきでしょう。その際、「支払停止のお
申し出の内容に関する書面」という提携書面が信販会社にありますので、送付してもらうこともできます。)


 抗弁権の行使条件


商品等を購入した消費者が信販会社に対して抗弁権を主張するためには、次の条件を満たす必要が
あります。


指定商品・権利・サービスであること
2ヶ月以上の期間に渡り、かつ、3回以上の分割払いであること
支払総額が4万円以上であること
※ リボルビング方式にあっては3万8千円以上
契約者にとって、商行為にならないこと
※ 特商法で規制されている、いわゆる内職商法と呼ばれるものは適用されます


※ リボルビング方式とは?

毎月の返済金額を一定にして計画的な返済を行う方式のことです。
定額リボ払い(毎月5000円支払うなど)、定率リボ払い(毎月残高の5%を支払うなど)などがあります。
分割払いとの大きな違いは、分割払いは返済回数を決め、その回数分返済を続けると返済が終了しますが、リボ払いでは
返済回数を決めずに毎月一定の返済額を支払っていくことになる点です。




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