■ しねま事典 ■ 映画を観る上で知っておきたいキーワード集
■ アカデミー賞(あかでみーしょう) ■
アメリカで一番古く,また権威のある映画賞。ハリウッドの映画賞の頂点。
アカデミー賞の誕生は1929年。初めは1927年に創立された映画芸術科学アカデミーの夕食会で、
3か月前に予告していた受賞者が楯を受け取る程度の内輪の賞だった。
それが、翌年から地元のラジオで中継されるようになり、第17回から全国放送となって、
次第にエンターテイメント色が強くなっていき、戦後、テレビ中継が始まって
視聴率のとれる人気番組となると、一気にショー化が進み、現在のような形に定着した。
毎年3月に発表される。受賞トロフィーの黄金像の愛称から,別名オスカーという。
映画芸術科学アカデミー(1927年創立)の会員(俳優や監督などで構成)が投票で選ぶこの賞は,
ニューヨークやロサンゼルスの批評家賞,
ハリウッド外人記者協会が選ぶゴールデン・グローブ賞などとは違い,
映画人による映画人のための賞という性格を持つ。
映画賞とは自国の映画を対象に賞を選ぶもので,自国以外の映画は「外国語映画」として扱われる。
アメリカ以外の国にもアカデミー賞があり,フランスの「セザール賞」,
イギリスの「イギリス・アカデミー賞」など
国によって賞の呼び名は異なるが,賞の選び方はアメリカのアカデミー賞と同じで
映画業界で働く俳優や監督,スタッフたちの投票によって選ばれる。
日本にも日本アカデミー賞(3月)があるがアメリカのアカデミー賞ほどの権威はまだない。
アカデミー賞の主要部門(作品・監督・主演男優・主演女優・助演男優・助演女優)で受賞すれば
俳優のギャラもアップする。受賞はもちろんのこと,ノミネートした作品や俳優も見逃せない。
授賞式は世界中に中継される。
■ オマージュ(おまーじゅ) ■
[(フランス) hommage] (1)尊敬。敬意。(2)賛辞。献辞。
「~へのオマージュのシーン」などで使用。
■ カメオ出演(かめおしゅつえん) ■
有名な芸能人や著名人が映画などで出演者としてエンドロールやスタッフロールに
名前は載っていないのに、
突然話の中にワンシーンとかワンカットだけ顔を出すもの。通行人とかが多い。
■ 興行収入(こうぎょうしゅうにゅう) ■
映画のヒットの度合いを計るモノサシ。
アメリカでは「ボックスオフィス」(BOXOFFICE)と呼び,
全米のランキングはすべて興行収入で表示される。
興行収入とは映画の売上総額のことで,例えば入場料金1800円で100万人が映画館に足を運べば
興行収入は18億円となる。
配給収入は配給会社の取り分で興行収入の約半分にあたる。
興行収入の日本記録は宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が303億円
(洋画では「タイタニック」の260億円),
アメリカの歴代記録は「タイタニック」の6億ドル(720億円)。
■ ゴールデン・ラズベリー賞(ごーるでん・らずべりーしょう) ■
通称ラジー賞で知られるゴールデン・ラズベリー賞は1980年に第一回が開催された。
その年の最低の映画に贈られる大変不名誉な賞。
世界8カ国の評論家やジャーナリスト,約500人が選考し,アカデミー賞の前日に受賞作品を発表する。
アカデミー賞と対極のもので裏アカデミー賞である。
受賞者には4ドルのラズベリー(悪評の意味もある)をかたどったトロフィーが授与される。
対象作品はあくまでもA級を目指した大作ばかり。それなのに中身は安っぽいB級テイストが漂う。
観客は期待して見に行く分,失望感も大きい。
そうした作品の背景には巨額の製作費を投入し,有名俳優のネームバリューを最大限に利用して
派手な宣伝を展開すればヒットは確実,内容の質は二の次といった金儲け主義的で観客を
軽んじたハリウッドの悪い風潮がある。ラジー賞の主目的はそれを告発しようというもの。
一見ふざけているように見えるが,実はメジャー・スタジオへの痛烈な批判が込められていて,
業界内への影響力も大きい。
2002年(第22回)の3月の最低映画賞は20世紀フォックス配給の『Freddy Got Fingered』。
最低主演男優賞は『Freddy Got Fingered』のトム・グリーン,
最低主演女優賞は『グリッター』のマライア・キャリー。
■ シネマコンプレックス(しねまこんぷれっくす) ■
1つの建物に複数のスクリーンを持つ複合映画館のことでシネコン,マルチプレックスとも呼ぶ。
入り口や売店を共用し,ヒット作は複数のスクリーンで上映するなど,効率的で柔軟な運営ができる。
ショッピングセンターなどに併設される場合も多い。
1993年4月に日米合弁のワーナー・マイカル・シネマズ海老名が開業したのを皮切りに,
UCI,AMCなど外資系の参入が相次ぎ,
長年減少傾向だった映画館数が増加に転じる原動力となった。
■ 世界三大映画祭(せかいさんだいえいがさい) ■
映画祭とは文字どおり「映画の祭典」で世界中から映画を集めて上映会を催すもので
大きくわけると2種類ある。国際映画製作者連盟(国際映連)が認定する映画祭と,認定外の映画祭。
国際映連が認定する映画祭も4つの種類にわかれる。
1つは,コンペティション部門(コンペ)がありグランプリなどの賞を選ぶ総合映画祭で,
これは世界に11しかない。
「世界三大映画祭」と呼ばれるカンヌ・ベネチア・ベルリンはこの種類にあたり,
東京国際映画祭もこの11のなかの1つ。世界で最も権威のある映画祭といえる。
他にコンペのあるジャンル別映画祭,コンペのない映画祭,
ドキュメンタリーと短編専門の映画祭にわかれる。
認定外の映画祭もサンダンス映画祭など知名度の高い映画祭もある。
カンヌ・ベネチア・ベルリンはかけもちの出品は認められない。
コンペ部門へ出品できるのはそれぞれ10数作品しかなく,正式出品作に選ばれただけで一定レベルの
出来が保証されているといっていい。応募があった数百本のなかから10数本に絞る。
カンヌのパルムドールがハリウッドのアカデミー賞に対抗する狙いからスタートしたので,
ビジネスの面からみるとアカデミー賞受賞,ノミネートの方が宣伝効果としては上である。
| 名称 | カンヌ国際映画祭 | ベネチア国際映画祭 | ベルリン国際映画祭 |
| 開催場所 | フランス | イタリア | ドイツ |
| スタート | 1946年 | 1932年 | 1951年 |
| 開催時期 | 5月 | 9月 | 2月 |
| 最優秀賞 | パルムドール | 金獅子賞 | 金熊賞 |
| 特徴 | 最も権威・知名度がある。 | 世界最古の映画祭。一番芸術寄り。 | 新人発掘に定評。 |
日本は,2002年2月の第52回ベルリン国際映画祭で,
アニメ 『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)が最優秀作品賞(グランプリ)にあたる金熊賞を受賞。
三大映画祭でアニメ作品が最高の賞を獲得したのは初めてのこと。
1997年には北野武監督作品『HANA-BI』がベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞。
古いところでは,黒澤明監督が,
1951年(昭和26年)『羅生門』がヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞
1954年(昭和29年)『生きる』がベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞
『七人の侍』がヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞
1980年(昭和55年)『影武者』がカンヌ国際映画祭グランプリを受賞をしている。
■ ディレクターズカット(でぃれくたーずかっと) ■
監督の意に沿う形で再編集された映画のこと。
映画の最終的な編集権のことをファイナルカットといい,ハリウッドではこれをめぐって監督とスタジオが,
熾烈な争いを繰り広げる。そして,この争いでスタジオが勝利した場合,時間が大幅に短縮されるなど
監督の意に沿わない作品が作られるケースが多い。これに対し,未公開シーンを加えるなどして,
監督の意に沿う形になったのがディレクターズ・カットである。
■ 2000万ドルスター(にせんまんどるすたー) ■
ハリウッドスターの人気度,ハリウッドでの影響力を知るにはギャラの金額をみればいい。
映画会社は稼いでくれるスターに高額のギャラを払う。
主演映画がどのぐらい観客を動員できるかがギャラを決める基準である。
2000万ドルスターは,映画1本のギャラが2000万ドル(約26億円)のスターたちのこと。
この金額が最高で,「もう値がつけられない」「最高ランク」の証が2000万ドルである。
下の表のスターの名前は覚えておいて損はないと思う。
ハリウッドスターのギャラ(推定)
| ランク | 主な男優 | 主な女優 |
| 2000万ドル以上 | アーノルド・シュワルツェネッガー | |
| ウィル・スミス | ||
| トム・クルーズ | ||
| ハリソン・フォード | ||
| ブルース・ウィリス | ||
| マイク・マイヤーズ | ||
| メル・ギブソン | ||
| 2000万ドル | エディ・マーフィー | キャメロン・ディアス |
| ジム・キャリー | ジュリア・ロバーツ | |
| ジョン・トラボルタ | ||
| トミー・リー・ジョーンズ | ||
| トム・ハンクス | ||
| ニコラス・ケイジ | ||
| レオナルド・ディカプリオ | ||
| ロビン・ウィリアムズ | ||
| 1500万ドル | キアヌ・リーブス | ジョディ・フォスター |
| ジャッキー・チェン | メグ・ライアン | |
| ジョージ・クルーニー | ||
| シルベスター・スタローン | ||
| ブラッド・ピット | ||
| ラッセル・クロウ | ||
| 1200万ドル | アントニオ・バンデラス | サンドラ・ブロック |
| ブレンダン・フレイザー | シガニー・ウィーバー | |
| ベン・アフレック | デミ・ムーア | |
| 1000万ドル | ジェット・リー | アンジェリーナ・ジョリー |
| デンゼル・ワシントン | グウィネス・パルトロウ | |
| マット・デイモン | ジェニファー・ロペス | |
| ドリュー・バリモア | ||
| ニコール・キッドマン |
■ メジャー(めじゃー) ■
ハリウッドの映画会社は大きくメジャーとインディーズ(インディペンデント,独立系)の2つに分けられる。
メジャーとは一般に「大手映画会社」と呼ばれるが,厳密にはアメリカ映画協会(MPAA)に加盟している
ディズニー,ワーナー・ブラザース,20世紀フォックス,ソニー・ピクチャーズ,ユニバーサル,
パラマウント,MGM の7社をさす。製作・配給の両機能を兼ね備え,
昔はハリウッドに自社撮影所(スタジオ)を持っていたことからメジャー・スタジオとも言われる。
現在はほとんどが大手資本の下でメディア企業体を形成している。
メジャー以外がインディーズとなる。最近ではミラマックスやドリーム・ワークスやニューラインのように
メジャーに負けない製作・配給会社も出ている。
ミラマックスはディズニー,ニューラインはワーナー・ブラザースのように
メジャーの傘下に入るインディーズもある。
映画やビデオやDVDを観るときにオープニングの前に必ずどこの会社なのかがわかるので
下の10社は覚えておきたい。
日本のメジャーは東宝, 東映, 松竹の3社。
製作,配給から直営館での興行までを一貫して手がけるが,
近年は配給の比重が高まっている。
| 親会社 | メジャー | 主なヒット作 | インディーズ | 主なヒット作 |
| ディズニー | ディズニー | アルマゲドン ライオン・キング トイ・ストーリー1&2 |
ミラマックス | パルプ・フィクション スクリーム・シリーズ |
| AOL タイム・ワーナー |
ワーナー・ブラザース | バットマン・シリーズ マトリックス |
ニューライン | |
| ニューズ | 20世紀フォックス | タイタニック スター・ウォーズ・シリーズ インデペンデンス・デイ |
||
| シーグラム | ユニバーサル | E.T. ジュラシック・パーク |
||
| バイアコム | パラマウント | フォレスト・ガンプ インディ・ジョーンズ・シリーズ |
||
| ソニー | ソニー・ピクチャーズ | メン・イン・ブラック ゴースト・バスターズ・シリーズ |
||
| MGM | 風と共に去りぬ ロッキー・シリーズ 007シリーズ |
|||
| ドリーム・ワークス | ディープ・インパクト プライベート・ライアン |
■ リメイク(りめいく) ■
再映画化。元ネタは旧作,テレビ・シリーズ,海外作品の3パターンがある。
例えば『ザ・リング』は,日本映画『リング』をリメイクしてアメリカから日本に逆上陸した。
■ ワイヤーアクション(わいやーあくしょん) ■
人物を伸縮率の高いワイヤーで吊ることで,
通常は不可能な超人的なアクションを可能にする撮影方法。
ワイヤーはデジタル処理で消す。
香港映画で多用されていたが1999年の『マトリックス』で効果的に用いられ,一気に認知度が高まった。
以後,多くの作品で取り入れられている。
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