2002.4
ゲーデル・不完全性と人工知能(1906-78)
ハーマン・厳密性と創造性の世界(1730-88)
マンデルブロー・自然の相似律
の対話から
数学者の中には以下の文章にカチンとくる方も居られることと思う、その方は《数学者》を《物理学者》に置換して欲しい。また、物理学者で以下の文章にカチンとくる方も居られることと思う、その方は《物理学者》を《建築家》に置換して欲しい。また、建築家で以下の文章にカチンとくる方も居られることと思う、その方は《建築家》を《外科医》に置換して欲しい。外科医で以下の文章にカチンとくる方も居られることと思う、その方は《外科医》を《生物学》に置換して欲しい。生物学者で以下の文章にカチンとくる方も居られることと思う、その方は《なにか他の専門》に置換して欲しい。これはどこまでも続くこととなるので、以下省略することとする。……抽象的にはAの人は《A》を《X》(Xは自由変項)に置換することによって感情の問題は回避されると、ここでは期待されている。
─これはソーンダース・マックレーンの提起した議論
”数学の健康”(1983)と反論”数学の診断”ウイリアム・ブラウダーから素材を頂いた対話形式の想像科学物語り─
(「数学の基礎をめぐる論争」21世紀の数学と数学基礎論のあるべき姿を考える─田中一之編集・監訳、1999.
シュプリンガー・フェアラーク東京株式会社)
なお、男性中心に書かれているので、女性数学者の方は「女房がきちんとやってくれている!」のような部分は「亭主が……!」に置換していただけたら嬉しい。勿論、独身の方はこの範疇には入らないから目を瞑って頂けると有り難い。これは私が男性であるということと切り離しては考えられない。
《問いかけるプロトン》
⇒
《答える数学者》
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数学は健全なものなのか?…………
⇒
数学はナイーブに言えば正しい!
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数学者は人類に必要ではないような物事に熱中してはいないのか?
⇒
数学はゲームに似たものだ、君は解ってないね!
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数学は役に立つのか?…………
⇒
君は自分自身の回りを見たことがないのかね?ケイタイを持ってるくせに、よく言うわ。
最近の数学者の中には、数学者同士の駆け引きが過剰になってきて、手の内を見せなくなって来ている
(ソーンダース・マックレーン)
未来の数学を救済するための”反数学基礎論計画”がいかに重要かは、ゲーテのファウストを読んだものには明白だ。
(クレイグ・スモリンスキー)
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数学者は他のこと、特に日常世界において怠惰ではないのか?……
⇒
女房がきちんとやってくれている!
世界は数理的な構造を持っていると言えるか
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数学者は不信心で不道徳な人たちではないのか?
⇒
世界は数理的な構造を持っている、宗教も道徳も関係ないのさ!
悪魔の方程式
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数学は人類に害毒をもたらしてはいないか?……
⇒
君はアインシュタインの悪魔の方程式のことを考えているね!
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数学は細分化し過ぎていないか?…………
⇒
しょうがないじゃないか!どうしろと言うんだね!
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数学者はある種の信仰に基づいた研究を行っているのではないか?……
⇒
いや、信念と美意識と言い換えて欲しいな!
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数学者は本当に数学を理解しているのか?
⇒
君は人生を理解しているのかね!!
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数学者はやたらと物事を、切ったり、貼ったりしたがっていないか?…………
⇒
外科へ行ったら切られてもしょうがないじゃないか!
無限ということ
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数学者は必要以上に正確さを求めてはいないか?
⇒
君は無限ということを理解していない!
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数学者の主張する客観性は疑わしいのではないか?
⇒
別段気にもしてないよ、全ては公理系であり、結局は仮説だ!
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数学者の立てる仮説は本能にとって親しい仮説、われわれの心に入りやすい仮説ではないんじゃないか?
⇒
なあーるほど、面白いところを突いてきたな。まあ、一言で言えば、もともと数学の仮説には感情の入る隙はないんだよ。
・
数学者の言う自然数というのは、頭のなかの仮構のモノにすぎないのではないのか?……
⇒
数学者はアイデアと概念でできている「自然」に対して「自然の法則」を導き出す努力をしていると思う。(ウイリアム・ブラウダー)
・
数学者の言う証明とは非人間的なものと違うか?
⇒
人間が他の生物と違って人間であるのは数学があるからだよ。
・
数学者のいう厳密性は信仰にちかいのではないか?
⇒
カントールの対角線論法のことかな?
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数学者は無駄飯を食っていないか?
⇒
えらそうなことを言う君はどうなのかね?
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数学者同士の意志の疎通は出来ているのか?
⇒
なるほど、これはいいとこ突いてきたな!じつはこれが悩みの種というところだ。
バベルの塔
・
数学がバベルの塔のようなものになりつつあるというのは本当か?…………
⇒
なにしろ、毎月出る論文や学会誌だけでも膨大でとてもその全てを読むなんて出来るわけないや!
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研究費の無駄遣いを、難しい言葉と記号で誤魔化していないか?…………
⇒
笑って誤魔化せ自分の失敗、ということを大人の君はしたことないのかね!まったく!!
・
数学基礎論は本当に数学の基礎を論じているのか?
⇒
君はなかなか遣り手だね、自分で自分の正しさを証明できれば世話ないわ!私は愚かです、と言う人は賢い人なんだからね!
養老孟司本、つまり唯脳論という自己相似像
・
数学とは脳の悪い癖をただ形にしただけのものではないのか?…………
⇒
ははーん、解った!!養老孟司本、つまり唯脳論を君は読み過ぎている!どうじゃ、図星だろう。……と、言ってるのは私の脳かな?
・
数学者は数学を本当に美しいと思っているのか?
⇒
まさか、君は数学者を精神障害者だと思っているのではないのかね?
・
人間の生活に本当に必要な数学がどうゆうものかを、一度でも考えたことがあるのか?
⇒
俺はこれで飯を食っている、これで十分ではないのかね……
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数学が健全であるという確信を何故、誰にでも解る言葉で弁明しないのか?…………
⇒
何故そんな手間暇かかることをしなきゃいけないのかね、素人がどの程度のものか考えてみたまえ。
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数学者は数学を使う人に対して十分な説明ができているのか?…………
⇒
応用数学という専門分野がちゃんとあるよ、知らないのかね─。
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擬似応用数学なんていう誇張に満ちた奇妙なものが最近多いのだと聞いたが?
⇒
なに、先端分野は予算が沢山出るからね!じゃんじゃんアイデアを出すと結構いい金になるのさ。
・
あなたはマックレーン博士のことを知っているか?
⇒
あー……、例の分からず屋の年寄りのことか。聞いてはいるがね!
数学の「基礎の基礎」
・
マックレーン博士は数学の「基礎の基礎」を考えようとしている誠実な数学者だと私は思うが?
⇒
なにー、あの人は有名になったりしたものだから……。
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マックレーン博士は最近の数学者の中には、応用の方はほとんど実現しない新奇な数学を売り込んでいると批判してるが?
⇒
アイデアを売り込んでどこが悪いんだ!!思いつきだって立派な仕事じゃないか!
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マックレーン博士は最近の数学者の中には、誰が見ても行き詰まってしまったテーマにいつまでも固執している人が多いと批判しているが?
⇒
隣の数学者が何をやろうと自由じゃないか。第一にだよ、その数学者に対して誰が審判を下すと言うのかね!
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マックレーン博士は最近の数学者の中には、数学者同士の駆け引きが過剰になってきて、手の内を見せなくなって来ていると批判しているが?
⇒
誰だって同業者に手の内見せる馬鹿はいなだろうよ!
擬似天才を気取る数学者の自己増殖現象
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マックレーン博士は最近の数学者の中には、擬似天才を気取る数学者が増殖してきていると?
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ガロアやアーベルは確かに謎めいた論文を残している、彼らは今では天才と言われているのは確かだ。そして、第二のガロアやアーベルが現れても不思議ではないだろう。なんか文句あるか……!
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マックレーン博士は最近の数学者の中には、組み合わせ的な安易なアイデアで新しい難問を自ら作り出していると批判しているが?
⇒
言葉あそびは人間の本能だ!
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マックレーン博士は最近の数学者の中には、自分の専門への頑迷な執着の結果多くの労力を浪費していると批判しているが?
⇒
しつこいやつだ!
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マックレーン博士は最近の数学者の中には、本当に必要とされている新分野に対して閉鎖的になっていると批判しているが?
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そんなのは、そっちの専門家の仕事だよ、なんで我々がカバーしなきゃいけないんだね!
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マックレーン博士は数学全般を視野に置いて、数学の未来を大局的に見渡し、予測出来る人物が居なくなったと嘆いているが?
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じゃー自分でやりゃーいいじゃないか!それとも自分はヒルベルトみたいだとでも言うのかね。偉そーに!
反数学基礎論計画とゲーテのファウスト
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マックレーン博士は最近の数学は、バラバラの専門の沼に沈んでいると言っているが?
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数学の救済のためには反数学基礎論計画がいかに重要かは、ゲーテのファウストを読んだものには明白だ。(クレイグ・スモリンスキー)
数学大統領
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マックレーン博士は最近の数学界は、どうやって数学をすべきか、またどういう方向に進むべきかということに数学界一般の合意がないことを指摘しているが?
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数学界一般の合意についての選挙をすべきか、数学大統領を選ぶべきか、これは大変な問題だ!恐らく多くの数学者はせっぱ詰まった必要性を感じないだろうし、面倒くさいと思うだろう。それとも、彼が出馬するとでも言いたいのか?何を言いたいのかさっぱり解らん!
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マックレーン博士は数学界に、数学の最近の大きな進歩を整理して解釈する努力を求めているが?
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博士が普段私たちのなかに隠れていた、強い哲学的衝動を刺激したことは評価したい。(ウイリアム・ブラウダー)
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巨大な数字を扱うことのなかには、権力的な強制力が働くのと違うか?人間はものごとの限度というものを知らなければいけないのと違うか?
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君は、巨大基数のことを言ってるのかな。確かに巨大数はナイーブな感覚とは相容れないものがることは認める。数学はそうした日常世界から飛び跳ねたものではある。だからと言って権力とは飛躍だね。
バベルの塔の悲劇の結末を避けるために、我々は技術的なことより目的を重視し、もっと広い視点で議論することが必要だ。
(ソーンダース・マックレーン)
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我々は深く狭く掘らなければならない!数学は、独り立ちした科学の分野として、数学自身の持つ基準によって成功の度合いを測る資格がある。(ウイリアム・ブラウダー)
数とか、アイデア、概念とかいうものを「自然」と取り違えていはしないか?これは一種のプラトニズムで楽観主義だ、もともと、定義そのものが公理となったに過ぎないではないか?
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数学は自己防衛するさ!……いささか楽観的かな?
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