下垂体腫瘍 最も多い質問とその回答

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開頭術についての質問

Q.今の主治医から開頭術(頭を開けて腫瘍をとる)と言われたが、鼻から出来ないか?

A.色々な症例があり、もちろん開頭が必要な症例もあります。しかし下垂体腫瘍に限れば、基本的には初回、あるいは再発時のいかんを問わず、経鼻的手術が原則です。従ってやはり開頭術を勧められたならば、下垂体の外科を専門とする医師の意見をセカンドオピニオンとして聞いてみるべきでしょう。
下垂体腫瘍の手術には、頭を開ける方法(開頭法)と鼻からアプローチする方法(経鼻法)があります。現在ではより非侵襲的(身体により優しい)な経鼻法が一般的となっています。ちなみに小生の最近10年間の下垂体腫瘍の手術症例522例中、開頭を行った症例は他の脳疾患(脳動脈瘤)を合併した一例と、腫瘍が極めて大きく経鼻法のみでの切除が困難で、経鼻法の後で開頭法を加えた1例の、たった2例(522例中)のみです。
各疾患ついての質問
Q.プロラクチン産生腫瘍(一般にプロラクチノーマと言います)に対する質問
A.色々な治療法がなされているようです。この腫瘍の治療の原則は腫瘍の大きさを問わず、第一選択の治療法は薬物療法です。これがグローバルスタンダードです。手術は、薬が色々工夫しても副作用(嘔気、ふらつきなど)でどうしても有効必要量飲めない方、いくら飲んでも効果(プロラクチンが正常以下にならない、あるいは腫瘍が小さくならない)が不十分な方(全体の10%程度)のみに必要となります。これがプロラクチン産生腺腫治療方針の原則です。

Q.薬が副作用で飲めなくて困っている。
A.確かに副作用で飲めないので手術を考えなければなりません。しかしこの場合よく見かけるのが間違った薬の処方です。すなわちはじめから一錠から開始されたら多くの患者さんは気分不快などで飲めないのが実状です。 この場合、場合によっては4分の1錠就寝前から始めるなりの工夫をしつつ少しずつ増量すれば大抵1~2錠(パーロディル)は飲めるようになります。従って薬物治療も経験豊かな専門医(内分泌内科医)に行ってもらうべきでしょう。

Q.手術をしようと言われ迷っている。
A.一部ではまだ手術を初回治療として行う場合が例外的にあります。それは腫瘍が比較的小さく(1cm前後)、まわりへ浸潤しておらず、手術で治癒が望める確立が極めて高い場合で、かつ患者さんが以上のような情報を十分に知った上で薬物より手術を希望される方です。この場合も専門医に行ってもらうべきで、単に治らないばかりか正常の下垂体機能まで失ってしまう可能性があり何のための治療か分からなくなってしまいます。やはり下垂体の外科を専門とする医師の意見をセカンドオピニオンとして聞いてみるべきでしょう。

Q.薬を飲んだら一生飲むのですか? 
A.少なくとも女性では閉経までは飲むべきです。なぜならば休薬するとまた元に戻ってしまうからです。しかし稀に休薬後にそのまま治癒する症例や、妊娠分娩を契機に自然治癒する症例が数%ですがあります。従って時々主治医の先生に診ていただく必要があります。いったん維持量が決まれば通常半年に一度程度採血しプロラクチンの値を計って行けばいいでしょう。また手術を受けた場合もこの腫瘍は他の下垂体腺腫とことなり再発しやすく、従ってやはり半年~1年に一度は採血しプロラクチンが上がってこないか診ていく必要があります。

Q.妊娠中も薬を飲んで大丈夫でしょうか?奇形の子供ができないのでしょうか?
A.基本的には妊娠が分かった時点で薬を止めるのを原則とし、その場合、授乳期間が終わり再度プロラクチンを測定し、まだ高ければ病気は治っていないと判断し薬を再開します。またこの薬剤が特に奇形を誘発するとの報告は今のところありませんので妊娠する事やした場合、子供に奇形が出来るのではとの心配は不要です。

GH産生腺腫(先端巨大症)について

Q.最近手足が大きくなりGH産生腺腫(先端巨大症)では?

A.この病気も早期発見、早期治療が大切です。まず内分泌内科、下垂体専門の脳神経外科医を受診して下さい。
よく血中GHの値だけで心配される方がおりますが、GHは身体の条件で変動します。
従って、診断確定のためには、その他の検査、IGF-1(ソマトメジンC)の血中の値や糖を飲んでGHがどの程度
抑制されるかなどの検査が確定診断のために必要です。

セカンドオピニオン

Q.セカンドオピニオンを受けたい。

A.セカンドオピニオンは、「医者をかえる」為ではなく、主治医にしっかりと見ていただきながら、 医師と良好な関係を保ちつつ、他の医師の意見を聞いてみることです。医療は常に進歩しており、さまざまな治療法があり、場合によっては治療方針等に差がある場合もあります。患者さんにとって最善の治療を、患者と主治医で判断するために、あえて主治医以外の医師の意見を聞いてみる。そしてその結果が医師、患者両方にその後の治療を行うあるいは受ける際のメリットになれば理想的です。それが現在国の医療制度のなかで認められているセカンドオピニオンの理念です。従って主治医の気分を害する等の危惧をされずに医療行為に疑問を抱いた場合にはまず主治医の意見を再度十分に確かめ、それでもご納得がいかない場合には主治医にご遠慮なくセカンドオピニオンをご依頼ください。むしろ黙って医師を変えることのほうが患者、医師双方にとって有害です(前の結果等を利用出来ず一
から同じ検査をやり直さなければならない場合も出て来ます)。もちろん、セカンドオピニオンの結果、再度熟慮され、その後の手術など治療する医師がかわること(転院)もあるかもしれませんが、本来は病院をかえたり主治医をかえることがセカンドオピニオンの主目的ではなく、患者さんご自身が病気に関してしっかりと確認、納得されながら治療にとりくんでいただくための一つの制度であり、このことを十分にご理解いただきご利用されると良いでしょう。

ホルモン非産生腺腫について

Q.偶然見つかったホルモン非産生腺腫の治療法はどうすれば良いか?

A.近年他の理由(頭痛の精査や脳ドックなど)で検査され偶然に下垂体部分に腫瘍が見つかる事があります。これは偶発下垂体腫瘍をと 呼びその治療法が問題となります。
まず下垂体腺腫か他の腫瘍かの鑑別、下垂体腺腫であるならホルモンを産生している腫瘍かホルモンを産生していない腫瘍かを鑑別する必要があります。各々により治療方針が異なってきます。このなかで、このような場合に最も頻度が高いのがホルモン非産生下垂体腺腫です。これについては原則直径が1cm以内の小さな物については手術の必要はありません。 1年に1度MRIで経過観察していけば良いでしょう。そして大きくなってくれば治療対象になります。1cm以上であれば、明らかな異常(視野異常や下垂体機能低下症など)が無い場合でも、視神経に腫瘍が接しているよう場合(大抵直径で1.5-2cm)には年齢が65歳以下 である場合ならば、一応手術をおすすめしています。
ラトケ嚢胞
Q.ラトケ嚢胞の治療方針についておしえてください。
A.ラトケ嚢胞の治療方針も基本的には非機能性(ホルモンを産生していない)下垂体腺腫の治療方針(上述した)と同様とお考え頂いて結構です。

その他の質問

Q.術後髄液が止まらずに困っている。 Q.再発で困っている。

A.多くの困難な質問がございました。これらは個々のケースで治療方法が異なり多くの困難な問題点を含んでいます。各々のケースでその都度、疾患の種類、腫瘍の状況、過去の治療の実績などを考えつつ相談に乗って参りました。この点は今後も個々の症例でご相談に乗れればと考えております。

以上ご質問の多かった事項についてお答えしました。もちろんこれは原則を述べたもので個々の症例でその治療方針は多少異なりますので、
これらと関連したご質問でも不明な点がございましたら主治医の先生や小生にお尋ね下さい。このホームページを通して、下垂体疾患で困っておられる方に少しでもお役に立てば幸いです。
従ってこのホームページを更に良いものにしていくために、お気づきの点やご意見等ございましたら何なりとお寄せいただければ幸甚に存じます。


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