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もくじ
■著作権法とは
■作者の死後50年経ったものはOK!
■写真にも著作権のないものがあります
■建築物は、自由に写真を撮ってコピーできます
■文字は自由にコピーできます
■昔の名画は、自由にコピーして販売できます
■著作権のあるものは、絶対にコピーできませんか?
■私的使用であれば、肖像権のあるものもOK!
■資料(保護期間延長国・著作権の切れた画家一覧)

著作権法とは
さあ、そろそろビジネスが具体的になってきましたね。これからみなさんが、ビジネスのアイデアを考えついたとき、チェックしなければならないことがあります。それは「著作権」の問題です。

著作権法とは、著作者(絵を描いたり、小説を書いたりする人)の権利を保護し、文化の発展を目的とする法律です。
いくら美しい絵だからといって、人の作品を勝手に使ってコピーや転写を行ってはいけません。絵に限らず、写真や書なども同様です。転写ビジネスやコピーサービスでは、お客様の原稿が、著作権に触れないものであるかどうかを、十分確認する必要があります。

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【著作権法における「著作物」とは】

思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術、または音楽の範囲に属するものを言います。

著作物は、思想または感情を表現したものでなくてはなりません。したがって、単なる事実の羅列に過ぎないようなもの、たとえばレストランのメニュー、列車の時刻表などは著作物とはいえないのです。

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著作権は、このような著作物を創作した人に、自然発生的に生じる権利です。たとえば、幼稚園で子供が絵を描いても、あなたが風景の写真をとっても、その時点で、その子やあなたに著作権が発生しているのです。こうして創作された著作物は、その子やあなたの許可を得なければ、だれも勝手に使うことはできません。

また、著作権のないものであれば、自由にコピーできるかというと、そう簡単なものでもありません。著作権以外にも、コピーを制限するいろいろな規制があります。たとえば、商標法や不正競争防止法、肖像権など、やっかいな問題が控えています。

そこで、ここでは、「コピーしても良いもの」という観点に立ち、著作権法の抜け穴探しではありませんが、転写ビジネスに利用できるものを、見つけてみたいと思います。

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作者の死後70(50)年経ったものはOK!
 広重の浮世絵を、うちわにして売って構いませんか?

 大丈夫です。絵画(版画も含む)の著作権の保護期間は、著作者の死後50年間です。これを過ぎると、作品は、全人類共有の文化財産に帰し、著作者の人格的利益を害しない限り、誰でも自由に使うことができます。

保護期間については一律ではなく、著作物の内容や、作家の国別によって違いがあります。

【美術の著作物の保護期間】(美術作品は作家の死後・写真作品は公表後)
 ・日本・カナダ・ニュージーランド・中国 …50年間
 ・アメリカ・EU加盟国・ロシア・韓国・トルコ・ブラジル …70年間
 (インド…60年間 コロンビア…80年間 メキシコ…100年間)

この中で、「著作者の人格的利益を害しない限り」とありますが、著作権法には、著作者人格権というものがあり、(1)公表権 (2)氏名表示権 (3)同一性保持権 の3つが保障されています。この権利は期間が定められていないため、永久権と考えられています。(現実的には、作者の孫の存命中まで)

同一性の保持権とは、作品を勝手に手を加えて改変したりということです。しかし、通常の使用方法(たとえば、縮小拡大・トリミングなど)の範囲内では、著作権が切れていれば、ほとんど心配する必要はありません。

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写真にも著作権のないものがあります。
 有名なカメラマンの撮影した、ゴッホの「ひまわり」の写真は、コピーできますか?(ゴッホの著作権は切れています。)

 大丈夫です。写真にも著作権がありますが、その理由は、撮影に当たって、主題の決定、構図、カメラアングル、シャッターチャンスなど、創意と工夫を必要とするからです。逆に言うと、単に機械的に写せるものの場合には、著作権が発生しないということです。(この判定は、実際には難しいものがありますが・・・)

絵画や書などの、平面的な芸術作品を忠実に複写した写真は、複写機でコピーした複製物と、何ら変わりはないので、著作物とは認められません。したがって、いかに著名な写真家の撮ったものといえども、「ひまわり」の写真に著作権は発生せず、自由にコピーして使うことができます。

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建築物は、自由に写真を撮ってコピーできます。
 有名な建物を写真に撮って、絵葉書にして販売したいのですが、大丈夫ですか?

 大丈夫です。芸術的要素を持つ建築物にも、著作権がありますが、建築物の著作権とは、同じ(ような)建物を建ててはいけない、という意味合いのものであり、写真を撮ったり、絵に描いたりすることは自由にできます。もちろん自分で撮った写真や、自分で描いた絵の著作権は、自分のものですから、それをコピーするのも自由です。

カメラマンが名所旧跡や街並みの写真を自由に撮って、写真集として出版できるのも、このためです。

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文字は自由にコピーできます。
 さまざまなデザインの書体集をコピーして、名前をプリントしたいのですが、大丈夫ですか?

 いわゆる「書」と呼ばれる、書道家の書いた文字でなければ、大丈夫です。
そもそも文字というものは、万人共有の文化的財産であり、たとえデザインが施されていても、美術的創作物と見ることはできません。従って、飾り文字などにも、著作権はないとされています。

ただし、そのまま書体集として出版したりしては、不正競争防止法に引っかかりますので、ご注意ください。

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昔の名画は、自由にコピーして販売できます。
 ゴッホやルノワールなど、著作権の切れている作家のものであれば、自由にコピーや転写をして商売をして良いのですか?

 大丈夫です。著作権の問題に限らず、元手をかけずにタダで商売をするということは、なにかまずいことがあるのではないかと、不安になりますね。
たとえ著作権の切れているゴッホといえども、コピーをするには、その本を出版している出版社や、原画を所有している美術館などに、許可をもらわなければならないはずだ、という人もいます。
そこで、関係するさまざまな規制を取り上げて、この使用方法に問題があるかどうかを、検証してみたいと思います。

ゴッホの著作権が切れていても、ゴッホの遺族や、ゴッホ協会などが、著作権を引き継いでいるのでは?

著作権の存続期間は、作者の死後70年(または50年)です。ゴッホは19世紀の人ですから、もちろん著作権は切れています。また、著作権は遺族や国家が相続することができます。ただし、権利の存続期間の原則が変わるわけではありません。従って、仮に遺族や関係団体があって、著作権を相続していたとしても、現在では著作権は残っていません。【結論・・・大丈夫】

著作者人格権に触れませんか?

著作者人格権とは、著作物について、著作者の人格的利益を守るための権利です。(公表権、氏名表示権、同一性保持権) この権利は期間の定めがないため、永久権と解釈されています。たとえば、みだりに絵を改変するようなことが、同一性保持権の侵害とみなされます。ただし、過去にこのようなことで裁判ざたになったことは、一度もありません。縮小拡大したり、周りをトリミングする程度では、何の問題もありませんから、あまり心配する必要はないでしょう。【結論・・・大丈夫】

ゴッホの原作品(本物)を所有する人の、所有権を侵すのでは?

この問題に関しては、過去に最高裁の判決があり、原作品の所有者の手を離れた複製物は、所有者の支配を脱し、「著作権の消滅後に第三者が有体物としての美術の著作物の原作品に対する排他的支配権を犯すことなく原作品の著作物の面を利用したとしても原作品の所有権を侵害するものではない。」としています。
なんだか裁判所言葉でわかりづらいですが、要するに、所有権とは、持っている原作品だけに限られた権利であり、その現物を侵害されない限りは、文句が言えない、ということです。
従って、ゴッホやルノアール等の名画を所有、展示している、世界各国の美術館からも、所有権についてのクレームがくることはありません。【結論・・・大丈夫】

作品を出版した出版社が、版権を持っているのでは?

「版権」という言葉をよく耳にしますが、実際には、世の中に版権という権利は存在しません。明治32年に著作権法が公布される前は、版権法と呼ばれていましたので、おそらくその名残とも思われます。
または、高いコストをかけて印刷をしたので、その本には何らかの権利があるとして、印刷の「版」を指して、版権と呼んでいるのか、または「出版権」を指して版権と称しているのかもしれません。

まず、印刷の版については、単なる材料であり、そのものに所有権はあっても、印刷の内容に及ぶ権利ではありません。あるとすれば、印刷の発注者と、印刷所の間の取り決めによる、相互間の権利でしょう。

また、出版権とは、出版社と著作権者が交わす出版契約の中で、出版社が得る使用許諾です。著作者であるゴッホと、出版契約を交わした出版者はおそらくいないでしょうから、誰もこの権利を主張してくるはずはありません。

よく「版権所有」という言い方をしているのは、「著作権者から、出版または複製する許諾を得ている」という意味と捉えるのがよいでしょう。

なお、「版権」を国語辞典(インフォシークマルチ辞書)で引くと、「⇒出版権」となっています。その「出版権」を同じ辞書で引くと下記の通りの記載となっています。

はんけん 0 【版権】

しゅっぱん-けん 3 【出版権】

(1)著作権の権能の一つで、ある著作物を印刷・刊行できる独占的・排他的権利。

(2)著作権者が設定行為によって出版権者に付与する権利で、著作物を原作のまま複製し発売・頒布する独占権。出版権者には第三者に複製を許諾する権利はない。

以上のことから、仮にその本に、「禁転載」「禁複写」等の表示があったとしても、著作権の切れたゴッホの絵に対しては、効力がありません。
※実際には、こういった絵画出版物の場合、その横に作品の解説等の記事が記載されています。この文章の方にはれっきとした著作権が存在します。絵をコピーする際に、この解説文まで写り込んでしまうと、これは著作権違反となります。したがって、厳密にいえば、回りの文章を全部隠して、絵だけをコピーすることが正解です。

【結論・・・大丈夫】

ゴッホの絵が、一定の秩序に従って編集されている本は、編集著作権が存在するのでは?

著作権法は、一定の方針、あるいは目的のもとに素材を収集、分類、選択し、配列した編集物で、創作性のあるものは、編集著作物として保護しています。(例/職業別電話帳)

しかし、この場合、編集方針の創作性について、著作権が認められるのであって、この編集物に集められた著作物に対して権利を有しているのではありません。従って、個々のページの絵画については、出版者は権利を主張できません。【結論・・・大丈夫】

ゴッホの絵を印刷した本の原版には、絵を撮影した写真が使われているはずで、この写真家に二次的著作権が存在するのでは?

二次的著作物とは、既存の著作物に、新たに創作性を加えて作成されたものをいい、原著作物とは、別個の保護を受けられます。例えば、彫刻作品をスケッチして絵画にしたような場合です。
しかし、二次作品でも、平面作品である絵画を忠実に撮影した複製画には、著作権は生じません。
ただし、彫刻作品を撮影したものは、平面作品ではありませんから、そのカメラマンに著作権が発生しますから、ご注意ください。【結論・・・大丈夫】

フォトライブラリーでゴッホの絵を撮影したポジフィルムを借りたら、5万円だったという話を聞きましたが・・・

これは著作権料ではありません。フィルムのレンタル料です。借りたのでなく、買ったのであれば、それはフィルムのモノとしての値段です。

仮に、ゴッホの絵を撮影しに、外国の美術館に行ったとしましょう。(もっとも、撮らせてはもらえないでしょうけれど)
飛行機代もかかれば、宿泊費もかかります。カメラマンの日当や、助手が必要ならその人の分も。それを貸し出すビジネスをするのであれば、事務所代や受付のアルバイト料、経営者の儲けだって必要です。
著作権料などといわなくても、そのフィルムの値段はかなりの金額になりそうですよね。この金額は、5万円にしようが、10万円にしようが、その人の自由です。

画質にこだわりたい人は、お金をかけてそういったフィルムを使えばよいですし、予算の無い人は、仕方ありませんから、市販の本からコピーしましょう。もっとも、その本だってタダではなく、本屋さんにお金を払わなければなりませんが・・・
【結論・・・大丈夫】

本の出版社から、不正競争防止法で訴えられませんか?

人の作品をマネすれば、マネされた人がそれまでに努力して作り上げた成果が無になります。また、マネされた人が見込んでいた、売り上げや利益も失わせて、財産上の損害を与えることになります。これでは公正な競争とはいえません。不正競争防止法は、さまざまな商業的な不正を禁止した法律で、著作物についても、著作権以外の保護を与えています。例えば、著作権のない書体集や、著作権の切れた小説を、そっくり真似て出版することは、違反となります。いわゆる海賊版と呼ばれているものです。
しかし、本題のように、本のページをコピーして使用することは、特に問題にはなりません。【結論・・・大丈夫】

本の奥付に、「本の一部または全部をコピーするときは、日本複写権センターに連絡して許諾をとるように」と書いてありますが・・・

日本複写権センターとは、出版社から依頼されて「出版物(著作物)の複写」に関する管理をしているところです。ここでいう著作物とは、著作権法上の著作物であり、著作権の存在しているものという意味です。また、出版社から依頼されていないものについては管理をしていません。

しかも、管理を依託されているのは、社内用などで使う20部以下のコピーに限って権限を委譲されています。著作権のない作品はもちろん、著作権のあるものでも、大量のコピーについては管轄外なのです。(日本複写権センター談)

※勘違いしやすいことですので、くどいようですが、再度申し上げておきますと、著作権法とは、著作権の無いもの(切れたもの)に関しては一切ノータッチです。時効が成立した事件と全く同じと考えればよいでしょう。もう、法律の力は及ばないのです。
日本複写権センターの文章に「著作権法の例外を除き云々」などと、紛らわしい書き方をしていますが、そもそも全く関係のないことです。「著作権の存在していない出版物は許諾なくコピーして良い」と、はっきり書いておいて欲しいものです。

では、なぜ大出版社がこのようなことを本に書いてあるかというと、たとえばゴッホの画集で、ページの半分が絵の解説だったとします。その場合、解説の「文章」の方には著作権が存在します。「一部」というのは、この文章のことを指していると考えられます。
したがって、そういった画集の場合は、文章の部分を白い紙で隠してコピーすればOKです。
【結論・・・大丈夫】

それでは、本の出版者には、このようなコピーを禁止する何の権利もないのですか?

最近の複写技術の発達に伴って、版面保護の問題が取り上げられるようになってきました。これは、出版物を複写することについて、著作権者だけでなく、出版者にも「版面権」という形で、著作隣接権を認めて欲しいという考え方です。

このような観点に立ち、著作権審議会で、著作権法の改正が検討されてきましたが、現段階では、法改正は行われていません。

この背景には、これまで自由にコピーできていたものが、突然できなくなることによる、社会的な混乱や、複写に伴う報酬の請求・回収の難しさ、権利の集中的処理方法の問題、出版物の定価に複製権料を上乗せすることの是非等、まだまだ困難な問題がのこされていることがあるようです。

なお、ここで論じられている「版面権」は著作隣接権として認めて欲しいという要望です。著作隣接権は著作権の存在する著作物についての法律ですから、仮に「版面権」が認められるようなことになっても、すでに著作権の消失したゴッホの絵に対しては効力は生じません。

さらに言えば、自分が著作権を有していないにもかかわらず、著作権使用料などと称して料金を徴収してしまうことの方が、むしろ大問題です(多分詐欺罪にあたるでしょう)。従って、出版社がこのような料金を徴収することは、絶対にあり得ません。
【結論・・・大丈夫】

その他、気をつける点はありますか?

数年前、あの有名な「ピーターラビット」の絵の著作権が切れました。権利元としては、大変な打撃になります。そこで、すべての絵について、商標登録をして権利を守ることにしたそうです。著作権は無料で権利が発生するのに対して、1点数十万円もかかる商標登録を、おそらく数百点の作品全部にしたそうです。
(著作権は世界中に権利が自然発生しますが、商標登録は各国毎に、お金をかけて手続きをしなければなりません。)
しかし、商標登録というのは、数百種類もある商品分類で、その商品を特定しなければなりません。おそらくもっともキャラクターの使用価値の高い「バッグ」などで登録していると思われますが(未確認)、それ以外は権利としては認められません。
ただし、それを補う手段として、一般の人にはわからないように、原作の絵を改変しているものがあるそうです。(改変された部分には、著作権があるという主張のようです。)したがって、著作権切れと思ってコピーしたものが、実は現代作家の手が入っていたということになりますから、まあ、要するに、君子危うきに近寄らず、といったところでしょうか。(※下記記述にあるように、私的利用はOKです)

このように美術作品の複製権は、使われる立場に立ったとき、非常に貴重な財産権であることがわかります。使う側としては、きわどい判断を要求するものや、明らかに違法と思われるものを、安易に複写することのないよう、十分気をつけていきたいものです。

※なお、著作権の保護期間は時代とともに延長されていますので、特にTPPがらみで再度延長があり得ますから注意をしてください。

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【商標とは】

商品を表すマークです。登録できるものは、文字のほか、図形や記号などでもOKです。(ソニーの「トリニトロン」、森永の「エンゼルマーク」など)
商標が保護される期間は10年ですが、更新手続きをとれば、さらに10年づつ、永久に延長することができます。
○の中にRのついた文字や図形は、登録済みの印ですが、つけることが義務にはなっていませんから、マークがついていないからといって、安心して複製することはできません。

楽譜の著作権について(おまけ)

著作権は、楽譜などの音楽出版物についても同様に扱われます。
私は趣味でバッハやヘンデルなどの、いわゆるバロック音楽の合奏団を作っていますが、そこで演奏する楽譜なども例外ではありません。

音楽関係については、社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)というところが管轄していますが、念のため、そこにメールで問合せをして、次のような回答を得ていますので、ここでご紹介しておきましょう。

【質問】

J.S.バッハの合唱曲を、50部コピー製本して、合唱団員が使うことに関して、何らかの規制がありますでしょうか?

【回答】

Johann Sebastian Bacchの作品は著作権の保護期間が消滅していますので、原曲の利用であれば自由にコピーできます。
ただし、編曲がある場合、訳詩もコピー対象となる場合はその権利関係に十分ご注意ください。

社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)
        出版部 ○○ ○○(個人名ですので伏せました)
TEL 03-3481-2170 FAX 03-3481-2197
               http://www.jasrac.or.jp


(注)下記の5つの※記載に関しては、管理人の私見ですから、ご自身の自己責任のもとに判断をしてください。

※とくに、30人、50人といった大きな合唱団では、古典の曲を演奏する場合など、楽譜を買おうにも、部数が揃わないことがほとんどです。(悩みの種)
現実問題として、しかたなくコピーをしていると思いますが、著作権の切れている作曲家の曲については、後ろめたさを感じる必要はありません。(過去にそういったことで悩んでいる人を見たことがありますので、敢えて取り上げました。)
ただし、原語で歌う場合は良いですが、日本語訳の場合はご注意ください。

※バロック時代の原曲には、スラーやスタッカートはほとんど書き記されていません。それは、演奏に際しては演奏家の趣味や技量にある程度ゆだねられていたことと、当時のいわば常識としての演奏スタイルが広く認識されていたため、あえて記する必要がなかったからです。
現代の出版者が、そのような楽譜にスタッカートなどの曲想を書き入れて出版し、それによる著作権を主張したらどうなるでしょうか。 ・・・その曲は、一番最初にスタッカートを書いた人しか、スタッカートをつけられなくなってしまいます。そんなことが許されるはずもありません。このようなものは編曲といえるものではありませんから、そういった楽譜に著作権が存在することは決してないでしょう。
ただし例外的に、通奏低音の鍵盤楽器の右手用に和音を記した楽譜(リアライズ)については、著作権が生じていると考えられます。

※楽譜の表紙は、曲のタイトルや作品番号、調性、楽器編成などが記されています。これも出版者によって、さまざまなレイアウトが施され、体裁よく印刷されています。
しかしながら、著作物というものは、冒頭に記したとおり、思想または感情を表現したものでなくてはなりません。単なる事実の羅列に過ぎないようなものは著作物とはいえないのです。表紙の印刷はまさにこれにあたります。したがって、表紙に関しても著作権は存在しないと言えるでしょう。
(ただし、曲の解説等は重要な著作物ですので、厳重に注意してください。)

※以上、ほとんどの古典作品には著作権が存在しないことがわかりますし、また、家庭やそれに準じた場所で演奏する少人数のアンサンブルなどは、著作権の存在する楽譜であっても、私的使用と認められますから、個人的にコピーをする分には、まったく気にする必要はありません。

※ヨーロッパの輸入楽譜には、古典作品であっても、複写禁止のマークが印刷されているものを見かけます。その理由は、英国系数カ国の著作権法では、出版社の版面権が認められているため、著作権の消失した作品であっても、出版物を自由にコピーすることが禁じられているためです。しかし、その法律はその国内でのみ通用するものですから、もちろん日本では権利を主張できません。(著作権法に限らず、法律とはそういうものです。)

※誤解していただきたくないことは、自由にコピーできるとは言っても、それを販売したりすると、りっぱな海賊版とみなされ、不正競争防止法などの、著作権法以外の規制を破ることになります。また法律だけではなく、モラルやマナーの問題でもありますので、あくまでも「自分たちだけのため」に利用することが肝要です。
(なお、家庭内に準じたところで、小人数で利用する限りでは、著作権のあるものでも自分でコピーすることは問題ありません。・・・私的利用・・・)


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著作権のあるものは、絶対にコピーできませんか?
 自分が使うTシャツにプリントしたいといって、お客様が現代作家の絵をお持ちになったのですが?

 著作権法では、個人的または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使うことであれば、自由にコピーして良いことになっています。ただし、これは、自分でコピーをすることが条件です。(業者がコピーをしてあげてはいけない)
したがって、セルフサービスの形をお客様に提供し、お客様自身にコピーをしてもらえばOKです。コピーの仕方を教えてあげるのは構いません。コピーした転写紙は、業者がTシャツに転写しても大丈夫ですが、これもお客様にやってもらうにこしたことはありません。(微妙な問題ですから) 
※転写は元の絵を右から左に移すだけなので、複製とは言いません。ただし、転写紙に元の絵が薄っすらと残ってしまうような場合は、判断がきわどくなります。
セルフサービスの形がとれないのであれば、著作権者の許諾が必要です。

私的使用の範囲

  OK

    ・自分自身が使う
    ・家族・親戚
    ・親しい友人(10人位まで)
    ・サークル・グループ(10人位まで)

  NG
    ・グループ以外の人
    ・10人以上のサークル
    ・会社内部資料・会議資料
    ・お店の中に貼る広告

著作権法(私的使用について)

【私的使用のための複製】

第30条
著作権の目的となっている著作物は、個人的に又家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とする場合には、公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製するときを除き、その使用する者が複製することができる。
(あれあれ、セルフのコピー機でとるのはダメなんじゃないの?と思いきや・・・)

第119条
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
1.著作人格権、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第30条に定める私的使用の目的をもって自ら著作物又は実演等の複製を行った者を除く)
2.営利を目的として、第30条に規定する自動複製機器を著作権、出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者。

【自動複製機器についての経過措置】

附則第5条の2
新法第30条及び第119条第2号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。
(・・・こういうことだったんですね。)

                      ***

やれやれ、わかりづらいですね。要約すると、ここで言う「自動複製機器」とは、複写機の他、テープレコーダーやビデオも含まれているのです。音楽や映画の録音・録画は、セルフサービスの形をとっても違反だけれども、複写機については、当分の間、セルフサービスであれば、コピーを認めましょう、ということです。


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私的使用であれば、肖像権のあるものもOK!
 人気アイドルのブロマイドをコピーして、キーホルダーを作り、自分で使う場合は大丈夫ですか?

 この場合は、写真を撮ったカメラマンの著作権と、アイドルの肖像権を考慮する必要があります。(芸能プロダクションが権利をもっていることが多い)
コピーサービスの手法としては、前項の通り、私的使用のセルフサービスということでOKです。ただし、著作権には、同一性の保持権もあり、元の写真をあまり変形させない方が無難です。(過去にブロマイドの顔の部分を丸く切ってバッチにする商売が問題になったことがあります。)

問題は肖像権の方ですが、有名人には、自分の肖像を公開して対価を得る、パブリシティの権利という財産権があり、他人が勝手に商業的に使うことは許されません。私的に使う分には、特に問題になりませんが、お店の広告に利用したり、個人的な使い方をしていても、たとえばテレビに出演してカメラに映ったりしないよう、考慮することが大切です。

肖像権は法律で定められているものではありません。問題が起った都度、裁判で争われるのが現状です。中でも超有名なタレントやキャラクターは、権利事務所が常に目を光らせていますから、極力使用しないほう無難です。(君子危うきに近寄らず)

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※本編の内容は、文化庁著作権課に送付し、間違いがない旨の確認をとってあります。
ただし、下記のタイトルと内容については、その後に書き加えたもので未確認です。
フォトライブラリーでゴッホの絵を撮影したポジフィルムを借りたら、5万円だったという話を聞きましたが・・・
本の奥付に、「本の一部または全部をコピーするときは、日本複写権センターに連絡して許諾をとるように」と書いてありますが・・・
それでは、本の出版者には、このようなコピーを禁止する何の権利もないのですか?


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