「パンフルートについて」
パンフルートは、ギリシャ神話のパンの神(牧神)が吹く笛として知られています。
(ちなみに、パンの神が現われると妖精達が驚く様が「パニック」と言う言葉の語源になっています。)
遠くローマからシルクロードを通じてアジアへ、そして日本にも伝わりました。
中国敦煌の壁画の中の天女もこの楽器を吹いていますし、正倉院にも宝物として残されているのがその証拠です。
ただ、残念なことに日本ではあまり普及はしなかったようですが、江戸時代、文化交流として一番大きな国家行事であった朝鮮通信使から献上されたものの中にパンフルートがあることを、2004年に日光東照宮の資料館で偶然にも発見しました。目の前にある現物を見ながら、感動ひとしきりでありました。
パンフルートは一般的にはルーマニアの民族楽器や、南米の民族楽器として有名ですが、私のパンフルートは、決してルーマニアや南米のパンフルートではありません。パンフルートは竹等の空洞を持つ植物が自生する地域には必ず存在する楽器です。自然と直接対話することが可能な楽器だと思えてなりません。
その意味でパンフルートをルーマニアの民族楽器として限定するのではなく、自然と対話する道具というコンセプトで自分で製作し、作曲・演奏しています。
したがって、演奏する曲は、私自身が体験し感じた所から生み出されたものが中心です。また、私の演奏スタイルや衣装もまったく独自なものです。ルーマニアの民族衣装でも南米の衣装でもありませんので、誤解のないようお願いします。