倍音の部屋

ピアノの中央”ド”の鍵盤をたたくと当然”ド〜”と鳴ります。
これは”ド”という基音がたまたま目立っているだけでこれ以外にたくさんの倍音という音が鳴っているのです。

つまり楽器の単音は基音と倍音で構成された集合体なのです。
楽器の一つ一つの音は
基音+倍音 で
構成されていま〜す。
楽器音のオシログラフをみるとその違いがわかりやすいと思いますが、複雑なオシログラフほど倍音が多い楽器です。
純音とは倍音がまったくない音でフルートがそれに近い音です。それに比べバイオリンやオーボエは倍音が多くなります。
基音が世帯主だとしたら倍音は家族みたいなもので複雑なグラフほど家族が多いわけです。
純音 バイオリン オーボエ
倍音の間隔は決まっていて楽器の音色を決定するのは倍音それぞれの強さです。(2倍音は基音の1オクターブ上の音、3倍音がその5度上の音、4倍音は基音の2オクターブ上の音・・・それ以上は下図を参照してください。)

通常倍音は基音から遠ざかるほど(子供になるほど)弱くなります。

基音であるお父さんがしっかりした音色は落ちついていますが逆に強すぎても空虚な音色となってしまいます。

また小さい子供である高次倍音が強い場合荒い音色になります。

以下はピアノの一番下のド(白鍵だけで数えると下から3番目)の倍音構成を五線で示してありますが非常に多くの倍音が含まれています。

倍音は発生する場所が決まっています。
2倍音なら弦全長の真中で発生し、3倍音なら3分の1の部分で発生します。

太鼓は中心部分をたたくとうまく響いてくれません。
これは中心から発生する2倍音を消してしまうためです

ピアノの打弦点は最高音部を除くと弦全長の7分の1前後に設定してありますが、これは不協和音である7倍音(基音を”ド”とした場合7倍音は”♭シ”になる)を消すためです。
ピアノの低音部や中音部では落ち着いてしっかりとした音を出すために7倍音以上をあまり出さない調整をしますが逆に高音部では華やかさを出すために7倍音以上を強めに調整します。
生ピアノが身近にある方は倍音を聞く実験をしてみましょう。中央ドの1オクターブ上のドの鍵盤をなるべくゆっくりと音が出ないように最後まで押してみてください。(音が出てしまったらもう一度もっとゆっくりと)
その鍵盤を押したままの状態で今度は中央ドの鍵盤をスタッカートで強くたたいてみてください。ほ〜ら今鳴っている音が中央ドの2倍音です。
今度は中央ドより2オクターブ上のドをゆっくりと押さえ中央ドをスタッカートで強くたたいてみてください。小さい音でキ〜ンと鳴るのが中央ドの4倍音です。
実際この実験で聞き取れるのは5〜6倍音くらいまでが限度だと思います。
尚、この実験は電子ピアノではできません。

*しっかりとした基音を表現するためお父さんをカラー化してみました。