発泡ウレタンは軽量、断熱、結露防止、吸音、接着、速乾、コスト等の様々な特長があり、高層化、高気密性を求める近代建築には欠かせない材料ですが、唯一の欠点は石化製品のため爆燃材料と揶揄されるほど燃えやすく、災害を拡大する危険があることです。
このため従来は火災の恐れのない部分や防・耐火規制のない部分で利用されていますが、この発泡ウレタンの優れた特長を生かしながら更に防耐火性能を加えることは業界を挙げて長年の課題とされていました。

また高層建築や都会の密集地域では防・耐火規制も厳しく、基材の鉄骨等を火災から守るための耐火被覆材も欠かせない材料で、従来はアスベスト、ロックウール、ケイ酸カルシュウム板、耐火塗料、コンクリートやモルタル等が使用されていました。
しかし、既にアスベストのように使用禁止になったものや、湿式建材のため工期が長期化したり重量がかさむもの、または断熱性能がないために結露を発生させるもの等で満足する材料はありませんでした。

この双方の課題に応えて20年近く前に開発されたのが、耐火性能を付与させた発泡ウレタンベースの耐火断熱被覆材で、発泡ウレタンの優れた特長を残しつつ燃えやすい弱点を改良したこの新しい耐火断熱被覆材の登場は、建築材料として用途の拡大が期待されるものでした。
この耐火断熱被覆材の耐火断熱のメカニズムは、配合された膨張性の耐火材料が火災時の燃焼により表層の温度が200℃を越えたあたりから膨張して炭化断熱層
形成し、それからの延焼を防ぎ裏面への熱を遮断し基材を保護することができるというものです。

アルファFガード-PUが炭化断熱層を形成して火災から基材を守るメカニズムは次の図のような仕組みによります。
耐火断熱被覆材を基材に吹き付け塗装 火災が発生して基材面に延焼 耐火断熱被覆材が膨張して炭化断熱被覆層をつくり延焼と熱を防止する

しかし、このように改良された耐火断熱被覆材も実際の建築現場に登場することはありませんでした。
その理由は、耐火性能を向上させるために配合した耐火材料等を原因として、原液の粘度が異常に上昇し、また主剤、硬化剤の混合比率も変動してしまい、発泡ウレタンの施工に欠かすことのできない発泡ウレタン塗装機では吹き付け施工することができず、さらには圧送ポンプをも損傷してしまうという致命的な問題が発生したためでした。
耐火性能を確保しながらこの課題を解決することは相反することで難しく、その後市場に出ているものでは、従来の発泡ウレタン塗装機により施工ができる範囲で難燃液剤を配合した燃え難くなったレベルであり、防耐火基準に適合するような耐火断熱被覆材は未だ実用化されていません。