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こっちを向いて
そして,トリはハンガリーのForras舞踊団です。
彼らの踊りは、前日(金曜日)から連続で見たわけですが、ほとんど全く同じコレオグラフでした。まあ,それは良いです。しかし,金曜日の会場は通常の舞台だったのに対し、この日は、繰り返しますが円形劇場です。にもかかわらず,彼らは正面のある通常のコレオグラフをほとんどそのまま持ってきたのです。当然、正面は無理やりある方向に固定されました。
そこで、起きた現象は、「正面」の位置に座った観客は、彼らの踊りを常に正面で見られたのに対し、そうではない3分の2の観客は、彼らの踊りを常に横か背後からでしか見られなかったことです。特に、男性のソロの踊りの際は、ソリストが「前」にせり出す上、回りに他の男性が取り囲む形となり、彼の踊りを楽しめた人は4分の1程度ではなかったでしょうか。そのソロダンスが終わり自然に湧き出た拍手は、当然ごく一部に限られ、遠い後ろに座った観客は、ただ呆然とするだけでした。そうした状況は、1度や2度ではありませんでした。
さて、通常のパフォーマンスでは一つの踊りが終わった後に、観客の拍手に呼応して正面に軽くお辞儀をして挨拶をするのが普通ですが、信じられないことに、彼らも<全く同じように>挨拶していました。だけどねー、<同じように>じゃーいけないんですよ。彼らの背後にいる3分の2の観客も、ほとんど背中しか見られない彼らの踊りに文句を言わずに懸命に拍手していたんですよ。その観客にお尻を向けたまま、振り返ることも無くそのまま背を向けて退場したダンサー達。信じられない光景でした。
やり方は、いろいろあったと思いますが、いきなり、コレオグラフを変えることは困難だったとも言えるでしょう。しかし、大きくコレオグラフを変えずとも、ちょっとしたことで、後ろにも気を使った踊りはできます。それだけでも、大きく印象は違ったはずです。それができなかった、Forras舞踊団は、どこか問題があるように思います。挨拶の件に関しては、若さゆえ、余裕が無かったんでしょうか。少なくとも、今自分達が、何をしていたのかの意味を分かっていないんでしょうね。ある意味で、彼らは踊っていたのではなく、踊りのような動きをしていただけのかもしれません。ちょっと、厳しすぎますか?
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