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総合評価 ☆☆☆☆
短編四つからなる、オムニバス形式の作品。イタリアの現代劇を、イタリアの4人の巨匠(モンチェッリも巨匠なのかな?)が、独自のストーリーで語っていて、それぞれに特徴が有り、面白い作品に仕上がっている。
第1話「レンツォとルチアーナ」(劇場公開時は、第2話)
会社に黙って結婚した若いカップルが、親との同居の問題や、上司のセクハラ?の問題にぶちあたり、最後は...と言う、若いカッ プルの右往左往ぶりを、軽いタッチでさわやかに描いている。当時のイタリアの若者達の生活が垣間見れて面白い。まっ当時も今も、若い夫婦の悩みは余り変わらないのかも。監督の個性が余り感じられない分、判りやすく見易い、逆に物足りないと感じるかも。
第2話「アントニオ博士の誘惑」(劇場公開時は、第1話)
これはもう、フェリーニ、フェリーニ、フェリーニで有る。物語の進行役に子供の天使?が現れ、ちょっと甲高い声で、観客を物語の中へ導く。そしてそこに出てくる、堅物教授もまた、フェリーニのらしい人物像である。それらの人物をフェリーニは、顔のアップで表情を映し出す。フェリーニは、時に人々の動きを踊りであったり、群衆に依って表現し、そして対照的に、人物の表情一つ一つを、強烈な顔のアップの映像で映し出す。
ヒッチコックは、“内面に燃えるような情熱を持ちながら、表面上は氷のようにすました女性”を好んだが、フェリーニは見るからに情熱的な女性こそが、男性を虜にすると言う、“男の性”を画面に映し出す。アニタ・エバーグは、フェリーニの女優らしい...そして彼女が、堅物の教授を虜にしていく姿、そして最後の教授の露わな、惨めな姿が、男の本性なのである。短編ながら、見事なフェリーニらしい傑作である...
ただ、やっぱり私は、フェリーニの語り口は苦手で、それでいて好きなのだ。
第3話「前金」(劇場公開時は、第3話)
今回観たビデオの中では、原題の日本語訳が「仕事中」になっていたが、書籍等で見る限り「前金」と言うタイトルが正しいのか?
ヴィスコンティが描いた女性は、庶民ではなく、ブルジュワの女性。彼女の立場とその哀れさを見事にこの短編の中に描いている。そして、その登場人物の描き方が、余りにも見事過ぎることに、やはり短編だったとしても、ヴィスコンティらしい素晴らしい作品と言える。
仕事というものに意識がない(仕事が何か、理解をしていない)ブルジュワの女性が、仕事を理解する時、その彼女の立場が如何に不毛で悲劇的なものか、その属している階級から逃れられないかを、この短い時間の中で描ききっている。
素晴らしいのは、主演のロミー・シュナイダーで有る。彼女は、一見うぶな女性でありながら、妻としてのしたたかさ、それ以上に魅力的な女性を演じ切っている。その魅力こそが、夫婦間に置いても、男女の関係を成り立たせていることを、観客に納得させる演技力・魅力を兼ね備えている。
今年公開された「アイズ ワイド
シャット」と或る意味、テーマが近いのかもしれない(語り口は、全く違うので作品の評価とは直接関 係ないが...)。しかし、ラストは圧倒的に、この作品の方が深刻で、深いものを感じる。
この作品では、主演のロミー・シュナイダーが、シャネルのデザインの洋服を着ています。また、歩き方や身のこなし方もシャネルが指導したらしい。そう、ヴィスコンティに、ジャン・ルノワール監督を紹介したのは、ココ・シャネルだったんですね。
第4話「くじ引き」(劇場公開時は、第4話)
デ・シーカらしく、庶民の一人の魅力的な(そしてグラマラスな)女性に対する思いと、そのドタバタぶりをコミカルに描いている。残念ながら、この物語でキーになるのは、主演のソフィア・ローレンの美しさに有るはずだが、どうも私の好みではない。デ・シーカの描きたいのは、庶民なのである。一生懸命働いて得たお金を、女性とのSexのためのくじ引きにつぎ込んでしまうおじさん達。そして、くじを買ってから、みんながその女性を見に行く下りは、可笑しさと悲しさが込み上げくる。結局、くじに当たったのは、教会の仕事をしている童貞の男性(30代?、40代?)。彼はやらずじまいで追い返されるのだが、周りの人は真実を知らず、お祭り騒ぎになる。
彼女が真実の愛を選ぶと言う課程の話しと言うより、やはり、振り回される男達の愚かさを笑いと共に描いている点で、デ・シーカら しく、面白く観れる作品だった。
どの話も個性的で面白い。共通していることは、どの作品も、女性が男を振り回すのである。必見の映画と言いたい、機会が有れば是非。
(1999.10 by NOBI)
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