| タイタニック TITANIC 189分 1997年 アメリカ 監督■ジェームズ・キャメロン 1997年アカデミー賞 |
<DATA> 「ターミネーター2」、「トゥルーライズ」、「アビス」などの連続ヒットでがっちり地歩を固めたジェームズ・キャメロンが、20世紀最大の悲劇とも言われる“タイタニック号事件”の映画化に挑んだ超大作。 1912年4月10日、かつて無い威容を誇る豪華客船タイタニック号が、2223名の乗員、乗客と共にイギリスのサザンプトン港からニューヨークに向けて出発。出航前にチケットを入手した画家志望の若者ジャックは、婚約者のいる名家の令嬢ローズとの許されぬ恋に堕ちる。しかし、14日深夜、タイタニック号の船首が、北大西洋の氷河に衝突。浸水で船が傾きはじめる中、乗客達は極限のパニックに陥る・・・。 アメリカでの公開延期など完成前から様々な話題が飛び交った作品だが、史上最高の製作費2億ドルを注ぎ込んだ映像のスペクタクル度は、まさに空前絶後。事件のリサーチに並々ならぬ執念を燃やしたキャメロンは、全長236メートルのタイタニック号をほぼ原寸サイズでスタジオに再現し、衝突から沈没までの1時間強のパニックを殆ど時間的省略をせずに描き挙げた。またドラマは、現代に生きる年老いたローズが事件を回想する形式で進行。レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレットが織りなす情熱的な恋の行方が、エモーション豊かに描かれている。 |
| 総合評価
☆☆☆☆ 今年のアカデミー賞で一人勝ちした作品。その際に、ジェームズ・キャメロンは、高々に勝利宣言。そして、無くなった千数百名の乗員、乗客に冥福を祈った。 この作品、恋愛ドラマとタイタニックが沈むまでのスペクタクルの2つのドラマが同時進行する形式になっている。この2つのドラマは最初、全く関係の内容に話は進むが、ラストに向けて見事に融合していく。但し、それぞれのベースになる人間の描き方が弱いのが、この作品の最大の欠点。まずは、恋愛ドラマだが、ウィンスレットの婚約者の描き方が、ただ単なる悪役として描いてしまっている点。この婚約者がもっと人間味溢れる形で描かれたり、イギリス人の階級意識というものを明確にして上げれば、もっと、ディカプリオとの恋が盛り上がったのでは・・・。彼女が、ディカプリオに恋をする理由が良く判らない(特に自殺を図るところ・・・)。また、ディカプリオが、やっぱり子供っぽいのが気になる。彼の演技は巧いと思うが、「ロミオ&ジュリエット」と変わらず、型にはまりすぎの感が・・・。 スペクタクルとしてのドラマに関しては、周りの人々の描き方が、前半弱すぎる。後半に続くための伏線として、乗員、乗客をもっと描き込めば、後半のパニックがより強調されたはず。 だが、これらを除いても、この作品が素晴らしい点は、その映像にある。前半は、タイタニックのスケールの大きさ(出港直後の船を俯瞰で前から後ろまでなめるようなカメラのシーンなど)や、一つ一つのシーンの美しさ、特にあの有名な船首でのラブ・シーンは、映画史上に残る名シーンと言える。 また、後半のパニックシーンは、心が痛むほど、リアリズムを追求している。スペクタクルとしても素晴らしいが、沈んだ後の1隻(だけ)のボートが、海に飛び込んだ人々を助けに行くシーンは、唖然とするシーンが広がる。 この作品で最も良かったのが、ケイト・ウィンスレットが演じるローズ。彼女の成長が見事に描かれている。また、ラストで老人になったローズが、亡くなるシーン(私は勝手にそう思っているのかも・・・)で、彼女の数々の写真が出てきて、(横乗りではない)乗馬をしている写真や、飛行機に乗り込んでいる写真、彼女のその後の人生が、如何に充実していたものかを物語る。そして、彼女はタイタニックが沈んだ海で、その生涯を全うして、ジャックの元に戻っていく・・・タイタニックでは昔のように、その乗員、乗客達がローズを迎えてくれる・・・(気が付かれた人もいると思うが、時計はタイタニックが沈んだ時間を指している)。 人間ドラマとして、描き切れていない部分が有り、脚本の弱さが残念だが、その映像の美しさ、タイタニックが沈むまでのリアリティには感服させられる。 ケイト・ウィンスレットが、後半どんどん魅力的になっていくのも良い・・・。 (1998.12 by NOBI) |
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