風と共に去りぬ
GONE WITH THE WIND 234分 1939年 アメリカ

監督■ヴィクター・フレミング
製作■デビッド・O・セルズニック
原作■マーガレット・ミッチェル
脚色■シドニー・ハワード
撮影■アーネスト・ホーラー/レイ・レナハン/ウィルフリッド・M・クライン
音楽■マックス・スタイナー
美術■ライル・ホイーラー
衣装■ウォルター・プランケット
編集■ハル・カーン/ジェームズ・ニューカム
出演■クラーク・ゲイブル/ヴィヴィアン・リー/レスリー・ハワード/オリヴィア・デ・ハヴィランド/トーマス・ミッチェル/バーバラ・オニール/ハティ・マクダニエル/ジェーン・ダーウェル/ウォード・ボンド/イブリン・キース/アン・ルサフォード/バタフライ・マックイーン/ハリー・ダベンポート/イザベル・ジュエル

アカデミー賞 1939年
作品賞受賞
監督賞授賞 ヴィクター・フレミング
主演男優賞ノミネート クラーク・ゲイブル
主演女優賞授賞 ヴィヴィアン・リー
助演女優賞授賞 ハティ・マクダニエル
脚色賞受賞 シドニー・ハワード
作曲賞ノミネート マックス・スタイナー
美術賞授賞 ライル・ホイーラー
編集賞授賞 ハル・カーン/ジェームズ・ニューカム
色彩撮影賞授賞 アーネスト・ホーラー/レイ・レナハン
特殊効果賞ノミネート JOHN R.COSGROVE/ARTHUR JOHNS/FRED ALBIN
録音賞ノミネート THOMAS T.MOULTON
特別賞(製作企画)授賞 ウィリアム・キャメロン・メンジーズ
アーヴィング・タールバーグ記念賞授賞 デビッド・O・セルズニック

NY批評家協会賞 1939年
女優賞授賞 ヴィヴィアン・リー

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大プロデューサー、セルズニックが作り上げたアメリカ映画史上の金字塔。
南北戦争が始まる直前のジョージア州アトランタ。大農場主の娘スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は、アシュレー(レスリー・ハワード)を愛しているが、アシュレーは彼の従妹メラニー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)と結婚してしまう。勝ち気なスカーレットはあてつけで、メラニーの兄と結婚するが折から始まった南北戦争で戦死、今度は妹のフィアンセを横取りして結婚するが、彼もまもなく亡くなってしまう。激しい戦火を、たくましく野性的な男バトラー(クラーク・ゲイブル)に助けられて切り抜けたスカーレットは、バトラーの強引とも言える愛情に引きずられて結婚する。だが、彼女はアシュレーへの思いが断ち切れず、二人の生活は破綻し、バトラーは彼女の前から去っていく。その時初めてスカーレットは、バトラーを愛していることに気づくが既に手遅れだった・・・。
破格の製作費600万ドルを注ぎ込んだセルズニックの執念。ゲーブル、リーをはじめとする名優達の最高の演技。テクニカラーの画期的成功など、ミッチェル女史のベストセラーは黄金の’30年代を締めくくるに相応しい超大作となって甦った。特にスカーレットの波瀾万丈の生き方を通して、女性の立場からアメリカン・スピリットをうたい上げた点に、時代を越えて輝くこの作品の原点がある。

 “タラのテーマ”を耳にしただけで走馬燈のように数々の名シーンが蘇り、知らず知らずの内に涙が溢れだし・・・そんな体験をした数限りない映画ファンが愛し続けた、いやこれからも愛され続けるであろう、アカデミー9部門(作品・主演女優・助演女 優・監督・脚色・撮影・室内装置賞・編集賞にタールバーグ記念賞)受賞のハリウッド映画史上不滅の最高傑作!
 南北戦争前後のアトランタを舞台に、炎のような女、スカーレット・オハラの波乱万丈な半生を、完璧なまでの配役とこの上な いほどの豪華なセットや衣装・・・と、今更語り尽くされた紹介はせずとも、その魅力あふれる内容とスケールの大きさはすでにご存 じの筈。出演者選びにはじまり、撮影当初から最後まで差し替えられ続けた脚本や監督の交替劇など、その最悪状態の製作過程を も乗り越えた製作者セルズニックの執念と熱意(舞台裏での混乱をも宣伝効果に使った)。彼は10数人にも及ぶ脚本家の陣頭指揮を取り、当時まだ実験途中だったテクニカラーを導入する等、今や“セルズニックの監督作”と呼ばれるこの超大作を渾身で作り上げ た。“二度と作る事が出来ない”と言わしめただけの豪華さを持って、後の映画製作に(良くも悪くも)多大な影響を及ぼす結果を生ん だ事も決して忘れてはならない所である。確かに長すぎるとも思える上映時間や、主人公スカーレット・オハラが万人に愛されるよう なキャラクターでないのは事実。スカーレットが愛し続けたアシュレーも“そんなにイイ男か?”と思ってしまう部分もあるが、この映画 を通過する事は、映画ファンを自負する者にとってはもはや“義務”なのである。 そう、“これを見ずしてハリウッドは語れない”のだから・・・。

英語・作品オフィシャルサイト

総合評価 ☆☆☆☆☆
一番最初にこの作品を観たときは、その良さが全く判らなかった。余りにも幼すぎて・・・
その後、観たときに感動と共に大きなショックを受けた作品。
アカデミー賞の監督賞を取ったフレミングと共に、映画の後半は、ジョージ・キューカーがメガホンを取った。
作品としては、その影響もあり、2部構成のような作りになっている。フレミングはあくまで大河ドラマとしてこの作品を撮り続け、キューカーは人間ドラマとして撮った。
それでも、この作品が成功したのは、セルズニックの執念の現れだろう。
当時、最新のカラー技術を用いて、映像的な美しさを演出したのはもちろん、セットも豪華に組まれた。
俳優陣も、これ以上はないと言っても間違いないだろう。レット・バトラーは、クラーク・ゲイブル以外考えられなかったし、スカーレット・オハラ役は、ヴィヴィアン・リーを発見することが出来た。彼女に取っては、この作品に出たことによって、一気にスターダムにのし上がった。これだけのスターが出演しながら、それぞれの配役がピッタリとマッチしている点も、今後は、なしえないことだろう。
ヴィヴィアン・リーの発見には、逸話が残るぐらい有名・・・数多くの有名な女優が、カメラテストを受けたが、恋人でありイギリスの名優ローレンス・オリビエと共にハリウッドを訪れた、彼女に白羽の矢が立ったのは、有名な話。
原作も、ミッチェル女史が、南北戦争の話を伝え聞いたことを書き綴った部分と、彼女自身の体験を盛り込んだ話として書かれ、当時の大ベストセラーでもあった。ミッチェル女史自身が、かなりの美貌の持ち主であり、資産家の娘だったことを考えると、スカーレットはミッチェル自身とも言える。

この作品の素晴らしい点は、そのテーマにあった。確かに最高の俳優に恵まれ、湯水の如くお金を使い、原作にも恵まれた。が、やはりスカーレットの生き様を、南北戦争という大河ドラマをしっかり描きつつ、それに負けない力強さを持って描いていたことだ。それは、上にも書いたとおり、いくつかの偶然(原作が既に持っていたスカーレット像と、それを演じきれるヴィヴィアン・リーという女優の存在)に依ってなされた。
アトランタからタラに戻るシーンで、枯れ果てた木の傍らで、力強く立ち上がるスカーレット・・・、レット゜・パトラーが去った後でもくじけない、スカーレットの精神的な強さ。
そこには、アメリカン・スピリットと言う言葉では片づけられない、人間として逞しさ勇気を感じることが出来た。
このテーマを見事に描き切り、傑作として映画史を語る上で、忘れることの出来ない作品となった。

(1998.11 by NOBI)

久しぶりにこの作品を観た。前回観たのは5,6年前でビデオ、映画館で観るのは十数年ぶり。今回の上映は、60年前のテクニカラーを再現する事を一番に考え処理したもの。今年でちょうど60周年記念と言うこと。 映像自体は、明らかにビデオに比べると美しく、映画館で聞く音楽はまた一段と良い。但し、今回の上映館、有楽町スバル座は音響設備が余り良くなかったのが残念。
それはさておき、何度目か(十数度目か?)の鑑賞になるこの作品。何度観ても、素晴らしさを実感せずにはいられない作品。今回は、その素晴らしい点を色々発見する事も出来た。
まずその最初がドラマとしての素晴らしさ。 とにかく物語が面白い、それは原作者マーガレット・ミッチェルの功績で有る事は間違いない。四人の主人公(レット、スカーレット、アシュレーにメラニー)が魅力的であること。理想の男性像としてはレットであり、理想の女性像としてはメラニーなのだろう。が、優柔不断さと優しさが混在するアシュレーもまた一つの男性像だし、気が強くわがままで利己的なスカーレットもまた一つの女性像の憧れの姿だと思える。その四人の主人公が、アメリカ最大の内乱、南北戦争を舞台にして、波瀾万丈の人生を送る。大河ドラマと人間ドラマが混在する。色々な愛の形を描きながらも、家族の絆や友情、そして奴隷制度や南部の文化も描いている。
そしてこの劇的なドラマ性を持った小説を、見事に映像化したことの素晴らしさ。それは、破綻のない演出もしかり、お金をふんだんに掛けたセットもしかり...で有る。
そして、ここに描かれるテーマは、人間の本当の強さとは何か?人間が生き残るには何が必要か?と言うことだと思う。だからこそ、人々の心を強く打つのだろう。
この映画にはおそらく、これからも起こり得ない偶然がいくつも重なって、奇跡が生まれたと言った方が良いのかもしれない。
それは、60年前と言う映画の一番良い時代、ハリウッドの映画製作のシステムが完成した時期で有り、未だ初期の映画作りの純粋 さを残していた時期でも有った。そして意欲的でバイタリティ溢れるプロデューサー、デビッド・O・セルズニックの手元に、この小説が渡ったこと。更に、クラーク・ゲイブルとヴィヴィアン・リーと言う二人の俳優が存在したこと。最後の偶然は、この時期、本格的にカラー映画が出てきたこと。
小学生の頃、この作品を観たときに、レットの男らしさを理解できず、スカーレットの魅力も理解できなかった。ただ、壮大なドラマだけに感心したに過ぎなかった。それが、少しずつ時間が経つにつれて、男女の愛に感動するようになった。そして今回は、親子の愛情、それに涙する事が出来る年齢になった。オハラ親子の愛、レットの娘への溺愛、家族の大切さ...それらもこの作品、開拓精神旺盛なアメリカ人の心の拠り所、それが家族であることが、今、 この年齢になって理解できる。
良い映画を何度も観ることの素晴らしさ、それこそが映画の素晴らしさである。そして、そう言う映画に出会えることこそが、(一つの)人生の喜びでもある。
今回、60年前のテクニカラーの美しさ、音楽にのって冒頭のタイトルが出るシーンから心揺さぶられる。
そして、スカーレットは言う、「明日は明日の風が吹く」と。その姿こそが、人を強くして、生きる道標をとなることを、人々の心に植え付けていく...永遠に。

(1999.11 by NOBI)

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