2007/07/05 (木) 5:43 pm 更新
これは町田のブックオフの1階(漫画コーナー)で105円で買ったものですが、直後に上の階の文庫本コーナーで文庫版がやはり105円で売られていて残念でした。花くまゆうさくの漫画をわざわざA5サイズで持っていてもしょうがない。
概ね面白いです。未成年の犯罪者は一応目にベタというかぼかしというかトーンが貼ってあったりとか(実にどうでもいい)。更に、日本企業のサラリーマン生き様と死に様というテーマが根底にあり、何だか深い漫画であるような印象も与えます。
B+2007.06.06
短編集。
「食べなっせ」に次のような会話があります。
「やっぱり クラス1の デカ乳は 恭子たい!」
「アホぬかせー あぎゃんとは ただのデブ たい」
『ラブ・クラシック』の「背中合わせのリルケ」にも次のような会話があります。
「増田屋の 加代子の乳が 一番大きいって !」
「そうかあ? あれは太ってる じゃないか」
作者は、胸が大きいことと太ってることの隔たりに何か拘りでもあるのでしょうか。
「逃避行」は普通。「残骸」はなかなか鬱な話でこの短編集の中では一番の出来だと思います。「愛のない」は普通。「アイドル×アイドル」は荒唐無稽過ぎ。「Sweets」は難解。わからない。
B2007.06.05
短編集。
重い話が多い中、「薬屋小噺」はただのコメディなので好き嫌いなく楽しめると思います。松本零士みたいな描線は個人的にはあまり好きではないけれど、ブスをちゃんと描いているので偉いです。ブスをちゃんと描くと、重い作品がより一層重くなった感じがしますね。作品毎に明治中期だとか昭和初期だとか時代が細かく設定されていて、そのあたりにも拘りがあるようです。
B+2007.06.03
「CUTiE COMIC」の休刊によって、一応結末では(中篇の少女漫画程度の)ハッピーエンドを迎えるものの、未消化な部分を残したままとなっています。一緒に暮らしている3人は、単に隣に住んでいる程度でも話は成り立ちますし、そのうちの一人の漆川のキャラクターはまったく見えてきません。主人公が大切にしているぬかどこの存在も解説を読むまで忘れていました。あんなの一時的なギャグにしか思えない。
結論は、留年しても彼氏ができれば幸せ、ということでしょうか。作者の当初の想定では主人公は漫画を描き始めるそうなのですが、それとは随分と違った印象の漫画になってしまったものです。
B2007.06.02
面白いですね。少しだけ永島慎二ふうになっている絵も巧い。世俗化と露骨な下品さのバランスが良く、そしてそれは最初から最後まで徹底されています。漫画家をカリカチュアライズした漫画ですからそれだけで十分に興味深い作品ですが、どういうわけか下品なものが世の中を席巻している世界観だけでももっと読み続けたくなります。
A-2007.05.16
辛酸なめ子は漫画より文章の方が面白いです。でもそれは、自分は下手な絵を見るのがあまり好きではないからかもしれません。と思ったけれど、一般的にヘタウマとされる根本敬や山田花子の絵は特に嫌ではない。それらの絵は実は巧いか、あるいは辛酸なめ子の絵にはそれらにはない嫌悪感を抱かせる何かがあるのでしょう。
B2007.05.03
辛酸なめ子の漫画はたまに読むと面白いけれど、いっぺんに読むと疲れます。下手な絵や文字って見ると疲れるものなのかなあ。それとも人間の、生理的にセンシティブであろう領域を題材にしていることが疲れる原因かもしれません。文庫版も出ているそうですが、そちらは密度が高くなってヨリ一層疲れることでしょう。
B+2007.03.14
ほぼ連作短篇集。表紙の絵は巧い。
ビョーク大好きな主人公が「アタシただ (ビョークを)“スゴい”って思うだけで
自分が“特別”だと 思ってたんだよね」
と言うようなサブカル自意識およびその反省がわかりやすくて好きです。また、音楽や小説などがコミュニケーションの媒体になるような話も多く、特に短篇「ハロー、こころ」は、それまでイベント系
(⇔サブカル系?)だった主人公がコミュニケーションに挫折し、徹夜で夏目漱石を読んでサブカル自意識の萌芽を見い出す微笑ましい話です。
巻末の、大久保ニュー、安彦麻理絵、魚喃キリコ、南Q太の「対談」は貴重、な気がする。ところで「対談」って大辞林的には「二人の人が向かい合って話し合うこと」
らしいです。
B+2007.03.07
自分が青学を受験する頃に途中まで読んで、そのまま放置していたのですが(青学行かなかったし)、今頃全部読む。青学生を主人公とする連作短篇です。でも青学という縛りがだんだんどうでも良くなってきます。まあ一応点火祭とかあるけど。
はてなキーワードの「大久保ニュー」によって、作者が男性、しかもゲイであることを知りました。なるほどだからプロフィールに「性別わかりません」
とあるのか…。しかし女の人が描きそうな漫画なので、これはなかなかびっくりです。全部ネタなのかも、と思わなくもない。
この漫画でよく分からないのは、背表紙に記されている「大学コミックス」
という文字列です。このようなシリーズが存在したのでしょうか。それはなかなか面白そうです。それともネタとして書いてあるのでしょうか。そもそもこの漫画はマイナーすぎて、どこで連載されたものなのかすらググってもわかりません。おそらく青学出身ではない作者が、何故このような漫画を描いたのかもわかりません。
B2007.03.06
きものさんから頂いた漫画の中で、最も「普通」であると思われるもの。短編集。
一番面白かったのは「ホワイトゾーン ずっと…」で、読者が驚く余地があります。他の作品にはほとんどない。「Mr.キャプラに花束を」もなかなか良いけど、これだけ妙に画面が白い。洗練され過ぎていて面白味のない線ですから、余計に白さが気になります。
「夏がいそいでる」はあとがきに「筆ペンを使って太い線をブリブリ描いている」
とあるのですが、どのあたりが筆ペンなのかなあ。主線だったらすごい。
B2007.03.05
短編集。おおむねわけがわからない。「3/3」と「愛の教育」だけはややわかりやすいかな。
やや長めの「エロマラ」も、最後以外はわかりやすい。これは、「みゅー みゅー」
と鳴いているペニスが斬新です。悲しそうな表情がとても良い。横山まさみちのようなギャグ漫画でなくても、こういった擬人(?)化は有効なのですね。やまだないとの漫画で初めて面白いと思いました。というかこれだけ別格。
B+2007.03.05
ますむらひろし作品集第14巻。
いつの間にか悪党のウニ頭親分と主人公の美優が仲良くなっていてびっくりします。いきなりデートとかしだすし。そうなるとプクトの影が薄くなってきます。更にタイトルにある「放送局」の存在自体どうでもよくなってきます。美優は工場や土地を持ってまるで資本家のようになっているし何なんだ。
なお、ウニ頭は憎めない悪党の役割はきっちり果たしますが、頭はあまりおかしくないので、物語をカオスに導く力はありません。そう考えると『夢降るラビット・タウン』の骨平太は偉大でした。
B2007.01.31
ますむらひろし作品集第13巻。『オーロラ放送局』の前身(?)の『ペンギン草紙』も収録されています。
主人公の美優が日本語を話すペンギンの街で暮らすことになる話です。擬人ペンギンは擬人猫や擬人兎に比べて年齢差を絵で表すのが難しいような気がします。ペンギンに髭は似合わないからかなあ。それでも生やしているキャラはいるけれど。
あまり頭のおかしなキャラクターはいないけれど、ペンギン達が自分達を鳥だと認めたがらなかったり、悪党を悪党たらしめるのが「安易な一般大衆」
だったり、宗教にオルグされてロックを排斥したりと、平和なだけのファンタジーではありません。
P249のプクトのデザインがおかしいです。顔が真っ黒。
「人間の日本の女の子」
とか「美優ちゃん社長」
とか不思議な日本語表現が見られます。
B+2007.01.30
ますむらひろし作品集第12巻。『夢降るラビット・タウン』はこれ以降も続くようですが、この朝日ソノラマのますむらひろし作品集ではここで終わり。
この漫画のおかしさは台詞に依るところが大きいです。1巻に引き続き、言語中枢が壊れ続けます。宇宙人は、どんどんおかしな言葉遣いになっていく骨平太に影響されてよく分からない言葉を話すようになり、そのため街の子供たちに「やっぱり宇宙人だ
宇宙語しゃべってる」
と言われたり。悲しい話ですね。
B+2007.01.30
ますむらひろし作品集第11巻。
ますむらひろしと言えば宮沢賢治ですが、自分は宮沢賢治があまり好きではないので、宮沢賢治とは関係がないこれも、買ってもなかなか読む気になれず、何年かずっと積読状態でしたが、ようやく読んだら、びっくり、これは面白いですね。
ほのぼのとしたファンタジーかと思っていたら、かなり頭がおかしい。全然先が読めない。ポンペイも骨平太も行動が読めない。ますむらひろしの漫画はみんなこんな頭がおかしいのでしょうか。各話のラストの1ページが常に1ページまるまる使った大ゴマなのも綺麗で良いです。ファンタジー(という言葉で誤魔化すのも語彙がない感じですが)の自由奔放さがここに向かって精練されてゆきます。
B+2007.01.28
短編集。
少年漫画ですね。非少年漫画である「少女読者」の安直極まりない内容を見ると、やはりこの人は少年(が出てくる)漫画を描くべきなのでしょう。麻雀漫画である「リーダー」も、麻雀をやる必然性がなく、よくわからない。少年の苛立ちが巧みに描けている表題作と「雲につき出る」が良いです。
「少女読者」は本棚の中にカメラがある構図が3回ほど出てくるので、ここに何かあるのかと思いきや何もなし。普通のスポーツ漫画である「エース」は主人公の顔が変わりすぎです。ヒロインの絵柄は紡木たく。特に漫画的表情を描くとそうなります。新しめの作品ではかなり洗練されてきているけど…。
B2007.01.09
表紙の絵やデザインが内容を全く表しておらずよくわからない本。表題作の麻雀漫画は続きそうで終わります。「キレたー! 若者が キレたぞー!!」
という台詞は馬鹿馬鹿しくて良かったけれど、(人が)「澄んだ」「濁る」等の自明でない概念が物語の根幹を成しており、実質的な内容は特にない。短篇の「タンデム」はきちんとした青春もので、これは良かったです。
巻末に著者へのインタヴューがありますが、部活が大変だったという話に関連して、
―それだと学生の時はマンガを描く時間なんて無かったのでは?
「ほとんど描いてないです。大体、高校の時にマンガ描いている奴なんてやばいですよ」
と、なんとも率直な感じです。
B2007.01.09
「木星人やから木で出来てんやな」「うん」
などと衝撃的な木星の真実。本秀康は意外と面白いなあ。「COMIC CUE」でしか読んだ事がありませんでした。
ヘタウマな絵柄ですが、ザリガニとかアヒル型ロボットとか案外巧い。それにしても、この人のへろへろなノイズがかった線は何か特殊な処理をしているのでしょうか。トーンの潰れ具合が、1回コピーを取ったような感じもしますが…。
「レイクサイド・ストーリー」および「アーノルド」の無言のすっきりしない結末はなかなか好き。でも真っ当な物語を作り上げる事からは逃げているとは思います。サブカル的な態度です。見るからにそうですが、サブカル漫画です。
B+2007.01.08
アニメを観た後ですが、原作も最後まで読んでみました。
終盤、アニメより精神世界じみてないように思えるのは松本大洋の漫画表現がそもそも精神世界みたいなものだからでしょうか。普通の場面でも月に顔が描いてあったりするような。背景が突然別の場所に移っても全然普通に比喩表現として捉えられます。街のリアリティを追求しているかのようなアニメでこれはそぐわない。そんなわけで、終盤はアニメよりも自然な展開に思えましたし、アニメに比べればちょっとはわかりやすいです。
アニメと大きく異なるのは、「子供の城」でのアクションシーンがないところですね。アニメでは派手な画面が見られて良かったです。
B+2006.12.27
志村貴子の漫画は好きで、特に絵が好きで、今生きている漫画家の中で最も絵の好きな漫画家なのですが、これまでまともに単行本を読んだ事がありませんでした。いつも絵だけ眺める感じで。特に読みにくい話でもないのに。それだけ絵が極端に重要であるということです。ところがこの単行本に関しては半分エロ漫画のようなものなので、つまりヨリ一層読みやすいものなので、読むことができました。と言っても話に関しては特に思うところがないけれど…。
でも1つだけ書く。scene 6、これはさっぱりわからない。漫画としてどう成立しているのかわからない。ついでにこの話は気に食わない斜線が多い。
B+2006.12.16
何故か読み残していましたがようやく読む。
わけのわからない宗教の話です。わけのわからない宗教のわけのわからなさを描くだけでも面白さは保証されているようなものですが、期待に違わず面白かったです。ラストも素晴らしい。こんなにまともに終わるとは。そして切ない余韻を残します。これまでに読んだ山本直樹の漫画で1番好きな終わり方かも。『フラグメンツ』の「小指の思い出」も似たような感じではあったけれど。いや意味は全然違うか。
同様に意味は全然違うけれど、最後の集会は、やはり『フラグメンツ』の「世界最後の日々」のパーティーを想起させます。この作品自体の完成度は高いけれど、他の山本直樹の短篇を読んでいると、結構デジャビュ感はあるかも。
A2006.11.08
短編集。
『テレビばかり見てると馬鹿になる』と似たような傾向の話が多いけれど、画面はヨリ白く、話は(微妙な違いだけど)ヨリ無意味になっています。叙情的な話が明らかに少なくなっていると思います。叙情性があるのは冒頭の「コールド」、トリの「呼ぶ声」くらいでしょうか。どちらも電波な会話としんみりとした余韻が味わえます。勿論山本直樹の漫画ですから十分に尖がってはいるけれど、まだまだ短篇漫画としてまともに成立しています。
「ソ市滞在」は単に女性の台詞がハングルで書かれているだけのエロ漫画。「イマジナリ」「自転車」「奥様は18歳」は割と普通のエロ漫画。「現像」はわけのわからない台詞を言って最後に更にわけの分からない事を言うエロ漫画。要するに完全に分からない。「ボイド」は最後のコマだけよく分からないけれど普通のエロ漫画だと思います。
「アイスクリーム」は一人称小説風漫画。「不行的人」はカメラの移動しないサイレント漫画。どちらも技法以外は普通。
「ひどいやつらは皆殺し 2001」「お家につくまでが遠足です」はどちらも最後のコマが極端に尖がっているエロ漫画。特に後者が素晴らしいサブカル具合です。ホントおかしい。自分は、多少のロジックがあって、叙情的な終わり方をする山本直樹の短篇漫画が好きなので、本当にナンセンスでぶっ壊れている構造の漫画は微妙かも、と思っていたけれど、ここまでのクオリティなら本当にナンセンスでも全然問題ありません。
B+2006.11.07
MF文庫。さべあのま全集2。短編集。描かれた時期はまちまち。
「ミス・ブロディの青春」は『世界の中心で、愛をさけぶ』みたいな話でした。つまり恋人が白血病になって、死んで、彼(セカチューだと彼女だけど)が行きたがっていた南の島に行くのです。これは1985年に描かれたものですが、如何にセカチューがステレオタイプ過ぎて恥ずかしくなる話であるかよくわかります。勿論セカチューはそれだけの話ではないですし、この短篇もそれだけの話ではありません。他に何があるのかというと、小説家なら実際の恋愛も体験しなくちゃだめだ的世界観の中で恋愛をせざるを得なくなっていろいろある話です。要するに『モト子せんせいの場合』と一緒です。このような世界観の話を読むたびに恋愛経験がほとんど無かったと言われるエミリー・ブロンテについて考えます。でも読んでないから考えようがありません。
表題作「地球の午后三時」は良い話でした。この短編集の中で最も良く出来ています。現実とファンタジーの良い塩梅。「タイガー・リリィ最后の冒険」も良い。でも色々変な気が…。ジムとキャサリンはインディアンごっこをしている自分の子供に気付かないのか、気付いていて敢えて気付かない振りをしているのか、小さな黄色い紙とは何なのか、など。
「プーキーさんの宝箱」は1990年の作品でつまり割と最近の作品です。「夢みる筐の王子」は2001年の作品でつまりかなり最近の作品です。他の作品群とこれらを比較すると近年になってもきちんと絵が洗練され続けていることがわかります。良い事です。
「おひるまどき」はトーンワークに高野文子などの影響が強く感じられます。実にニューウェーブ。話も「田辺のつる」のような妄想ヴィジョンものだけれど、そこまではぶっとんでいません。
「FAR」はミュシャの影響が強く感じられる絵作りです。岡田史子あたりにも近いのかなあ。話は辛気臭いSF風ファンタジー。ふつう。
B+2006.11.01
短編集。
もうちょっと話がある方が好きかなあ。『フラグメンツ』とかの方が好き。でも実際は『フラグメンツ』も同じくらい話がないのかもしれません。『フラグメンツ』はもっと若い頃に読んだために、ヨリ楽しめたのでしょうか。それとも、もっと馬鹿馬鹿しかったからかなあ。少なくとも、「世界最後の日々」のような馬鹿馬鹿しすぎる作品はここにはありません。全体的におとなしい。
「なやまない」は難解ですが読み込んだところで何もなさそう。
「ひどいやつらは皆殺し」はタイトルの意味がわからない。話はわかりやすいけれど普通のエロ漫画に近いという意味でわかりやすい。
「ひどいやつらは皆殺し2」もやはりタイトルの意味がわからないけれど、話の構成は確かに前作を踏襲しています。
「きさくなあのこ」は読みどころがわからない…。ラストはサブカルっぽいけどそれだけです。
「「味方」」はこの短編集の中で最も馬鹿馬鹿しいけれど、馬鹿馬鹿しいからといって面白いとは限らないのが難しいところです。
「便利なドライブ」は気だるいロードムービー風の作品でようするにサブカルです。サブカルとしてわかり易すぎます。
「泳ぐ」はこの短編集の中で最も難解でした。さっぱり意味がわからない。
この短篇集の中では最も好きなのは表題作でした。でも単にネームが多いからかもしれません。
B+2006.10.07
集英社文庫。何を読んでいるのかと訊かれたら、ジャンプ漫画読んでる、と答えつつ読む。
パズルのような設定(そして馬鹿馬鹿しくスケールがでかい宇宙ヤバイ)とおどろおどろしい造詣は魅力的。ところどころ衝撃的な展開および衝撃的なビジュアルがあって楽しめます。併録の「徐福伝説」は悲しい話ですね。
B+2006.08.20
短編集。松井雪子の漫画は、昔の「ガロ」に載ってたようなファンタジーな短篇が読みたいなあと思って読んでいるけれど、全然見つかりません。単行本化はされていないのでしょうか。(『マヨネーズ姫』とかいうのに入っているっぽいな)
それはともかく、この単行本はなかなか面白い話が揃っています。しかし非常に読みにくいです。そりゃあ「ガロ」に載っていた漫画だって読みにくいけれど、ファンタジーなら分かりにくくて当然かと思わせる力があります。絵の下手さもあまり気にならなくなります。現在は芥川賞候補になっていたり、漫画においてもモノローグを多用しておりそれが十分に上手なことから、小説の方が向いているのでしょう。
この単行本で特に面白かったのは、「タイムトラベラー・ルル」というタイムトラベルに新しい解釈を用いた作品です。
B+2006.08.14
1巻を読んだのは5年ほど前。丁寧な漫画でよく出来ています。各話にそれぞれ繋がりがあって、読み込むと楽しそう。メガネをかけるシーンとか、全く意味のなさそうなところもあるけれど。これはメガネフェチに対するサービスでしょうか。まあこの漫画全体がフェティッシュなものばかりで構成されていることは疑いようもないけれど。
B+2006.07.26
デジタルコミックを紙に印刷したもの。タイトルの「奈」の字は本当はもっと変な字。でもシフトJISでは表現できないようです。
『攻殻機動隊』のように注釈がたくさんあります。その内容は特に変でも面白くもなく。
画面上で何が起こっているのかよくわからないところが非常に多いです。読みにくい。巻末のクレジットに「CGアニメーション・特殊効果」という役職があるので、本来ならば3DCGのアニメーションで表現されたいたものなのでしょうか。3DCGの出来栄えは時代もあるでしょうがあまり良いとは思えず、メカと背景・人物の合成も微妙、色も見辛い、そんなものを中途半端に静止させたらそりゃあわかりにくいよなあ。
話も面白くはない。
B-2006.07.25
ちくま文庫。短編集。
電車の中でうつらうつらとしていたら降りなければならない駅に着いていました。急いで降りると、手に持っていたはずのこの本がありません。自分は頭が悪すぎる…と思いつつ自分が乗っていた車両のあたりに戻ると、ベルが鳴り始め、でも本はどこにあるかわからず、もう諦めるか、と思った矢先に電車の中の人がドア越し(?)に本を手渡してくれました。感謝を伝えるとすぐにドアは閉まります。この一連の流れは大変難しいタイミングであったので、大変印象に残りました。漫画の内容よりも。
でも、この時読んでいた漫画が、駕籠真太郎とか変なのではなくて、超まじめっぽい杉浦日向子の漫画で良かったです。超まじめっぽいのはともかくとして、この短編集はあんまり気に入った漫画はありませんでした。馬風も鏡斎も特に好きにはなれず。1番良かったのは最後の「安らかな日々」かなあ。
B2006.03.06
MF文庫。さべあのま全集1。
主人公が漫画家ということで、ストーリー自体は全くのフィクション
(巻末にそう書いてある)とはいえ、私漫画的なリアルさがあると思います。でもそれは前半だけかなあ。ストーリー自体はかなり普通。
冒頭の回想で、主人公がクラスメイトに「また お人形さん 描いてん のお?」
と言われるシーンがあります。自分も以前、ラクガキをしていたら祖母に「またお人形さん描いてる」と言われた事があって、それは自分の描く絵が特別に人形みたいだからだと思っていたのですが、この漫画のこの台詞によって、漫画を描いていると「お人形さん描いてる」と言われるのは一般的な事象である事を知りました。けれども、オバQやゴルゴ13を描いていて「お人形〜」と言われる状況は想像出来ないので、やっぱり少女漫画みたいな絵でないと言われないのだろうなあ。
B2006.02.22
白泉社文庫。短編集。
暗かったり痛かったり頭がおかしかったりと面白いです。
「欲望バス―25時の天国―」はかなり面白いです。「欲望バス」シリーズのうち唯一、視点がバスであることが生かされた演出があり、良く出来ています。交通事故が起こります。「欲望バス―Catharsis―」はよくありそうな幽霊ものであまり好きではありません。「欲望バス―地下鉄道―」は面白いけれど、絵が下手なために場の状況がよくわからないところがあります。
「金魚午睡」はちょっと不思議なトリックがあります。不思議すぎてトリックなのかもよくわかりません。「人形」は一番普通の話かなあ。特にひねりもなく。「泥沼ノ子供タチ」は一番頭がおかしくて変な話です。交通事故が起こります。「ペテン・エンジェル」は良かった。すごくキャラクターが生き生きしています。クラス内政治に関して考えさせられもします。ラストは転校。「2人の距離」はちょっと典型的ではあるけれど、サラッと非倫理的な事が描く作者の特徴は表れています。ラストは転校。「境界」の境界は大人と子供の境界を意味しますが、通常それは14歳くらいだと思っていましたが、この漫画においては小学6年生です。それがちょっと新鮮というか若い。交通事故が起こります。「サクラチル」は読後感が素晴らしく悪くて良い出来。交通事故が起こります。「夏はまだこれからだし」は丁寧で良い。「コナコナチョウチョウ」は、この本の中で一番好きかなあ。他の作品と比べると神懸かっているような気さえします。モノローグが多用され、モチーフもブンガク的。ラストは転校。
A-2006.02.21
思ったより面白かったです。読みやすいし。具体的に何と比べて読みやすいかというと、根本敬と比べて読みやすいのです。ちょっちゅう発狂したり瞳孔が開いたりと、愉快で無茶苦茶な話が展開されますが、オチはきちんとついています。無茶苦茶な話でも、オチがあれば、内容のあるものを読んだ気がちょっとします。
B+2006.01.12
田中ユキの最初の単行本。短編集。
田中ユキは割とどうでもいい漫画家だと思っていて、どのくらいどうでもいい漫画家だと思っていたのかというと、この本を実際には読んでいないのに既に読んでいたと勘違いしていたくらい。絵も巧くないし。でも、読んで大いに認識を改めました。とても面白いですね。びっくりです。昔『フェティッシュ』を読んだ時にはそこまで面白いと思わなかったのだけどなあ。いえ勿論そこそこは楽しめていましたが、今の自分が田中ユキの漫画を読むと、今の自分が描きそうな話ゆえに特別に面白い!(←大いに否定される気もしますが) 高校生の時は間違いなくそうではありませんでした。
何はともあれ「白い恋人」、これは非常に素晴らしい出来ですね。一番好きです。ビニール袋のビジュアルが秀逸。少年が「よく知っている」
と思い込んでいたものは実際にはろくに知らないものであったという話です。「PETS」も同じ。「夏の日々」も同じような気がするけどちょっと違うかもしれません。全体的に少年の頭が悪くて痛くて大変面白いです。
A-2006.01.12
『ひみつの階段』の余り+α。
「GIFT」は下級生から上級生に贈答品としてパシリ(下級生の一部)が送られるという設定の話。贈答品なので初めだけはちゃんとリボンを付けています。『マリみて』のスールという設定はなるほどなあと思いましたが、これもちょっとなるほどなあと思いました。話の内容は英語遊び。「わかれ道」は紺野キタにしては珍しくテクニカルな演出がなされます。『本当は怖いグリム童話』に含まれているらしい「EXILE」という短篇の元ネタは、「なでしこ」というグリム童話らしいのですが、その童話を知らなかった自分は無知すぎるでしょうか?
B2006.01.03
短編集。
表題作は主人公が生徒指導室に呼び出される漫画です。紺野キタの漫画では複雑な事情で健全な女子学生がよく進路指導室に呼び出されますね。あとちょっと百合。
「人魚の森」および「みあげてごらん」はどちらも非現実的な設定の話ですが、出来は前者の方が遥かに上です。巧い。ラストで主人公は、下半身を海に浸けながら「なんだ
人魚の涙も しょっぱいん だな」
と台詞を吐きますが、そのコマからはずいぶん波が高いように思われるので、海水がしょっぱいと感じただけなのではないでしょうか。ということは別にどうでもよく、どんなに波が高くても服や髪がまったく濡れた感じがしない事の方が問題です。ところで自分は他人の涙を舐めた事がありません。
B2006.01.03
ボーイズラブな短編集。登場人物が最も若い「カエルの王子様」が最もボーイズラブらしいことをしています。他の話では女性が重要な役割を占めていますが、この作品に関してはそういうこともなし。「夜を訪なうもの」は非常に萩尾望都。
B2006.01.03
Javaがモテ言語だった頃のお話です。…って今もなのでしょうか。頭はそんなに悪くないけど、内容は特にない。
B2005.12.11
非常に面白いです。周りの人間が面白いと言っている漫画をちゃんと面白いと思える事が出来て良かったです。
ひぐちアサの文体というか(ちょっと意味を歪めて分かり易く言えば)コマ割りは、あまりにもフォーマルではないので個人的には好きではないのですが、蘊蓄を語るのにはひょっとしてすごく適しているのではないか、と思いました。フォーマルな文法で蘊蓄を語るのは大変。それでもやっぱりフォーマルな美しさを自分は求めていたりする。
A-2004.10.07 1巻読了
ずーっと前に1巻だけ読んでいたのだけど、読んでもキャラがさっぱりわからないので、こいつ誰?誰?と周りに居た人間に聞きまくっていたら、そんなにわからないのなら1巻から読み直せ、と言われたので、しょうがないなあ…と1巻を手に取ろうとした時に気付きました。自分が読んでいたのは4巻だったのです。そもそも1巻の最後は試合途中でした。どうして気が付かないかなあ。でも、SF研部室に4巻が2冊あるのがそもそも間違っているのです!
で、内容は大変面白いですね。
A2005.12.08 2巻読了
『猫の恩返し』の原作。今頃読む。で、特に読む必要はありませんでした。映画はある程度は好きなのだけど。森川聡子だから。漫画の良いところは猫王の表情でしょうか。やる気がなさそうだったり、困ったり、急に気合が入ったり、忙しくて面白い。つまり「巻末すぺしゃる 猫王ちゃん」は良いと思うのです。
B2005.12.06
『LOVE MY LIFE』とそんなに変わりません。要するにサブカル百合漫画。とか言うと「百合じゃなくてレズだ」と言う人が居ますが。『LOVE MY LIFE』に比べてサブカルアイテムが減って、話はヨリ一つの話としてのまとまりが強くなりました。『LOVE MY LIFE』は短いエピソードの連続としても捉えることが出来るので。絵柄の完成度は相変わらず素晴らしいです。
B+2005.12.06
1巻を読んだのはいつだったか忘れましたがきちんと読んでいます。多分高校生の頃かな。内容はあんまり覚えていないけど。ちなみに、買った理由は、ペンネームが変というかなんとなく気になったからです。
2巻の内容も、すぐに忘れてしまうかもしれません。でも、一応はちゃんと読ませる内容で、軽い感じの絵柄と時折混ぜられる自傷系少女じみた(←てきとう)ブラックな描写が特徴です。ところで、すき焼きにコーラを入れるのは一般的なのでしょうか。
B2005.12.06
この人の絵は下手だけれど、単に下手なだけではなく何だか嫌な感じの下手さがあって、あまり好きではありません。自由度が極端に低いというかなんというか。
表題作は、いろいろあった挙句、とりあえず忙しいので細かい事を考えてもしょうがない、という頭の悪い自己解決がなされて終わりです。くだらないなあ。130ページも使っているというのに。
この作品における最も重要なテーゼは、ビタミン剤はモテアイテムかもしれない、ということです。表題作は、ビタミンさんがビタミンを配ってもあんまり意味ないけれど、短篇の方の「ビタミンさん」はちゃんと意味あるし。
B-2005.12.06
1巻はつまらないけど2巻はまあまあ面白い。原作は読んでいません。
浦沢直樹の絵では、丸っこくて古めかしい感じのシンプルなロボットがちっとも映えないと思います。これはロボット漫画としてかなり大きな問題じゃないのかなあ。ロボットの残骸や車なんかは描き込まれているぶん良いのだけど…。まあ、主人公もアトムもハイテクな人型ロボットだから、つまりシンプルな描線のロボットはこれからあまり出てきそうにないから、それほど大した問題にはならないかな。
さて、普通人と区別が付かないハイテクな人型ロボットのアトムですが、申し訳程度に髪の毛がはねています。アトムのツノ(?)は手塚治虫によると髪の毛らしいので、正しい描写と言えます。そして、そのモデルは手塚治虫自身であり、「ぼくは、髪の質が固いので、風呂から上がってしばらくすると、両耳の上の毛が逆毛立つ。それをヒントにした」
と『ぼくはマンガ家』に書いています。ところがこの漫画のアトムのはねた髪は、耳の上というにはちょっと上過ぎるくらいのところにあり、残念ながらモデルからはちょっと離れてしまったようです。まあ、耳のすぐ上の毛がはねているよりは、この方がきっとかわいく見えますね。
B+2005.12.03
チャンピオンで一番面白いのはおおひなたごうだと思っていたのですが、こっちの方が面白いかもしれません。と言いつつ実はチャンピオンなんてろくに読んでいるはずもないのでてきとうです。でもこれは本当に面白い。
A-2005.11.28
面白い。なんとなくだけれど3ページ漫画は読みにくいような気がします。書く方はもっと大変なのだろうけど。読みにくいながらも、授業中に高速に読んだので、もっとじっくり読むべきだったと今は反省している。
A-2005.11.28
頭が悪くて大変良いです。描写としては「あつめもの2」が酷くて良かった。頭の悪さでは「あつめもの6」「はらきり」「大聖夜」あたりがお気に入りです。あまり頭の悪くない話は、描写はすごいなあと思うものの、何らか(収集とか)がエスカレートするだけなので、基本的にワンパターンで、オチも予想されたものにしかならなくてちょっと残念。頭の悪い話は、キャラクターが合理的でない判断を下すので、予想されたオチになりにくいのです。
A-2005.10.22
家族の人がかわいそう。愉快な行動を取るのは勝手だけど、やはり迷惑をかけてしまうのは良くないのではないかと思ってしまいます。
B+2005.10.17
すごいです。『ピンポン』のペコVSドラゴンと同じようなものだと言えなくもないし、比較するとさすがに『ピンポン』の方が絵柄も演出も洗練されているけれど、こちらの方がより極限です。これほどの極限状態をきちんと最後まで描けるのは偉い事だと思います。
A-2005.10.08
漫画雑誌、アニメーター、コンビニなどについて金勘定をします。ストーリー漫画としてはコンビニの話が一番出来が良いです。普通にちょっといい話っぽくて。
B+2005.09.24
「彼女」を選択した理由が「妥協」であったり、ちょっと優しくされたことで勘違いしてしまったりと、非モテ(少年)漫画としてはまあまあ楽しかったです。細かい内容は流し読んだのでよく分かっていません。
B2005.07.19
普通だなあ。絵とか。たまにパロディが入るけど。脱オタ漫画として読むと超極端でとても楽しい。
B+2005.06.26
山田花子の晩年の作品中心。ごちゃごちゃと色々な短い漫画が含まれていますが、内容はどれも似たようなもので、弱者や被差別者やはぐれ者の心情や行動を繊細に描いて読者を鬱にさせます。その方面では他の追随を許さず、読んでいてとても参考になるし、他の人はどうかわからないけど自分としてはとても面白い。弱者観察以外の部分に注目しても、「いとしいヒヨコ」の現在(?)と過去が交錯する構成は見事だし、「ノゾミカナエタマエ」のオチには震撼します。
見所が本当にたくさんあるように思えてならないのですが、ただしこれは、自殺の影響などで評価にバイアスがかかっている部分もあるかもしれません。山田花子が生きているうちにその作品を読めなかった人間にとって、山田花子のイメージは作品よりもとにかく自殺なわけで。
B+2005.06.20
短編集。多田由美をもうちょっとフツーにしたような描線で、なかなか好きな雰囲気の絵です。今は電子書籍で読めるようですが、それには「SAND MAN」というこの本では読めない短編が追加されている模様。
「Angie」と「ロレッタがいてくれたら…」は同じ構造の話。導入(現在)→場面は移って過去の話→過去の彼らは実は現在のこの人たちでしたというオチ。他にも、ここまではっきりとはしてはいないものの、回想を利用した物語が多いです。だから、と言い切るにはちょっと難しいところですが、ものすごい展開には至ることはなく、堅実なオチに持って行くので、安心して読めます。表題作は、題目であるライノが、安定した物語構造からの離脱を少し期待させはしましたが、オチはやっぱり堅実で残念。
一番好きな話は「Lady Noel」、一番良く出来ていると思ったのは「REWARD -リワード-」、一番感心したのは「EAST WEST」。
B+2005.06.14
短編集。
『死神の惑星』よりも楽しく読めました。SFではなくホラーなので、純粋に頭のおかしい人間の描写を楽しむことが出来ます。
「私が世界を愛するように」はこの本の中で一番普通かも。主人公の頭のおかしさもそれほどではありません。「メッキ星人の罪」はタイトルが頭おかしい。キャラクターの内面はそれほどおかしくはないけれど、よく出来ている話だと思います。「野ばらの国」は主人公が頭おかしい。明智抄は、おかしな環境のために頭がおかしくなってしまった人間を描くのが本当に巧い。「新聞受けに
新聞がたまると ―― 死んじゃう から」
なんてすごい狂いようです。「えみちゃんといっしょ」の主人公はまともだなあ。他人が見えないものが見えるという点では頭おかしいのかもしれないけど。「なんのために
うまれて きたの…?」
と何気なく酷いことを言っているような気もするけど、そう言ってしまうのも無理のない話でしょう。「うちのママは漫画家です♥」は頭がおかしい話ではあるけれど、きっと誰にでも、小学生にでも描ける頭のおかしさなので、そういった意味では普通。ママが何故頭がおかしいのか全く描かれていないし。漫画家はデフォルトで頭がおかしいものなのかもしれないけど。
B+2005.06.11
壮大です。「接触テレパス」「非接触テレパス」の語感が良い(どうでもよい)。登場人物の名前の語感が良くない(どうでもよくない)。鈴木エリザベートとか。
2005.06.07 1巻読了
なるほど面白い。しかしそれはSFとしてではなく、頭のおかしい人間(ベス)の描写が秀逸だからです。
2005.06.10 2巻読了
うーん、わけがわかりません。『砂漠に吹く風』とかも読んでおく必要があったのでしょうか。しかしどっちにしても、コンピュータが好き勝手な行動をする、ってすごく陳腐な感じがしますし、それは良いとしても、そのコンピュータのモノローグがずっと続いてそのまま話が終わってしまい、一応大量虐殺が行われたりはするものの、話がヒロイックに盛り上がることはほとんどありません。
SFとしてではなく、頭のおかしい鈴木エリザベートやアリスの描写を楽しむものなのでしょう。でも明智抄は「日本のディック」だそうで…。まあディックは読んでいないからなんとも言えないのだけど。
B+2005.06.11 3巻読了
書名が長い。そして買いにくい。自分も何か本を出す時は、買いにくいタイトルにして読者を困らせようと思いました。例えば…『ビジネスマンのための教養』とか(てきとーに考えた)。実に買うのが恥ずかしいタイトルだと思いませんか?
表題作は普通。「草子のこと」は4ページ目の草子の台詞のみに存在意義があります。「おねいちゃん」は絵が巧くなければ描けない話ですね。飛行機ごっこなんて。おかざき真里の描く人間は実に体が重そう。ひきずるたびに感じる重み
。巧いよなあ。
本書の半分を占める「雨の降る国」は主題としては完全に百合。まあ他の話も似たようなものだと思うけど。この漫画は、へんてこな状況を実に巧く巧く描いて、唯一無二の「あの時間
あの場所」
を現出させています。女の子の王国
があります。
「アイスティー」は唯一男の子の話ですが、だからといって感情移入は難しい。回想シーンの中学1年の主人公が買ったレコードはYMOのようですが、大人になってからその時の事を思い出して買ったCDは何故かYMOではなく大瀧詠一の「ロング・バケイション」で色々謎。
B+2005.06.01
短編集。
印象は『蠢動』と特に変わらず。強いて言うならば、物語をまじめに構築する気がより一層感じられなくなりました。半分くらいは、取留めのない物語です。フェリーニの映画みたいな。技巧的には交錯する視点が見所ですが(特に「伝染」。ニーノ・ロータの音楽が流れるし)、「青春」を読むと、交錯させまくれば良いって問題ではない事が良く分かります。ホントわけわからないなあ。ものすごくサブカル。「ラブラブ」とか「ガラパゴス」とか、普通の恋愛?ものにシフトしていったのは、健全な成長と言えましょう。しかしその後はどうなったのやら。
「1/4」の、部屋が水中になるコマが印象的。あまりに唐突で。
B+2005.06.01
SF研で、時間は無いけど暇だったので読む。
なんてったって電脳です。仮に、「電脳ネコミミ少女」だったら、ただちに猫耳型ロボットが想像されることでしょうが、この作品では、パソコンでやおいサイトを嗜むだけです。それだけで「電脳」だなんて、電脳に失礼だ! だからといって、「電波やおい少女」にすれば良いという問題でもなく。
そんなふうに、宇宙の神秘を考えさせるタイトルは良いタイトルだと思いますが、内容は普通(の4コマ誌の4コマ)ぽい。
B2003.06.27 1巻読了
印象は1巻と変わらず。というか、同じようなネタばかり…。
amazonのこの本のページを見てみると、「あわせて買いたい」で『全日本妹選手権』が紹介されているのですが、読者層は被っているのでしょうか? 確かに内容は似ていなくもないけれど…。でも1巻においては「この本を買った人はこんな本も買っています」で『電波男』や『失踪日記』が挙げられているので、単純にいろいろな層の人間が読んでいるのでしょうね。
B-2005.06.01 2巻読了
すごく良かったです。スムーズに読めないわけではないのだけれど、ちょっとアレッと思って前の部分を読み返すとちゃんと伏線になっていてすごいなあ、といった箇所が全部で100ページしかないくせにたくさんありました。
コマをまたぐモノローグの分割のし方が素晴らしくてビックリ。他にも上手な演出はたくさんあってかなりの完成度の漫画なのだけど、最も感銘を受けたのはモノローグです。
「石川」という名字の人間が「ゴエモン」とか「ゴエ」とか呼ばれたりするのはどこでも一緒なんだなあ。
A2005.01.12
krbkさんの初単行本です。絵が素晴らしいです。でもカラーの絵が表紙しかなく残念です。昔「コミッカーズ」に載っていた時も何でカラーじゃないんだ!と思いました。
漫画として一番好きなのはおそらく最新作であろう「よーこちゃん。」です。画風も線の処理も他の作品群とちょっと違いますが、デジタルでトーンを貼りつつアナログっぽく見せる一つの答えがこの漫画にあるかもしれません。モノローグの抽象度も程良いです。
次に好きなのが「帰り道と100円玉」。最後のページの台詞、「いいえ もう ちがうんです」
がとても爽やか。割と誰でも思い付きそうな設定ですが、それを生かして上手にまとめています。
intro、outroの「ぬい氏の日常」は粋。導入と結びが格好付いていると、本の価値が5割り増しくらいになった感じがします。
B+2005.01.02
結構読みやすくなりました。
言ってる事やってる事がはっきりしているんだか滅茶苦茶なんだかよく分からない微妙なバランスは好感が持てます。面白いです。
67ページの「中3の子もいる大学なの?」
という台詞の「大学」は「大会」の誤植でしょうか。自分が読んだのは初版なのだけど…。
B+2004.09.18
読みにくい。落ち着かないコマ割りと、リアルな日常会話のような脈絡の無さが原因でしょうか。後者に関してはそれが良いというか作品の強みだと思うのだけど。
47ページのメグの表情の意味が分からない。
「ゆくところ」の滅茶苦茶アフタヌーンというか四季賞っぽいところは興味深かったです。
B2004.09.18
東工大には三カ所の合宿研修所がありますが、鹿沢はその中で最も多くの漫画を所蔵している所です。というか他の場所には一冊すらないかも。とにかく鹿沢には清水玲子とか秋月りすとか吉田秋生とかたくさんあります。森薫の『シャーリー』までありました。ただ、他の漫画とあまりに毛色が違い過ぎるので、合宿所を利用した人間の忘れ物ではないかという説が有力です。
というわけで、映画は観たけど原作は読んでいなかったこの漫画を読みました。映画との主な違いは、高尾がメガネ少年であるかどうか、最後に喧嘩をするかどうか…くらいかなあ。喧嘩ってかなり重要なシーンだと思っていたので、漫画でそれがないとはビックリです。でも漫画も映画もとても面白いと思います。
映画を観て、ごちゃごちゃな人間関係の相関図を書きたくなる話だと思いましたが、既に漫画で、あるキャラの脳内で相関図が書かれていました。ごちゃごちゃはしているけど、美しい相関図の書けるお話なのだから、あって当然ですね。
A-2004.09.04
「基礎集積回路」の授業中に読む。
「現実を直視しろ。おれ達にはもう仮想現実しかないんだ。」
という帯のコピーは本当にキャチーですね。でも、タイトルに激しく違和感。致命的と言って良い。
良かったのは、主人公がヒロインに本当の自分を見られてしまうところです。仮想現実ものの醍醐味は現実との接点や現実への浸食ですね。言うまでもない事だけど。
B2004.06.28
1巻は昨日の「文化人類学」の授業中に読みました。大変文化人類学的な内容だと思いました。2巻は今日の「プログラミング第一」の時間に読みました。普通に読むとどうかわかりませんが、授業中に読む分には愉快な漫画です。授業中にこんな下らないもの読んでるなんて面白いねアハハハハとかそんな感じで楽しむ。
B2004.06.22
長いスパンで描かれた所為か、連作短編の為か、ギャグ調だったりシリアスだったりノリが変わり過ぎて同じキャラクターに思えなかったりしますが(特に眼鏡っ娘。名前忘れた)、そんな作品世界の中で存在意義とかうやむやになって大学受かったくらいしか良い事のなかったサルくん可哀想。全編を通して十分面白いけれど、最後の表題作が一番良かったです。
B+2004.06.21
いつも教室の一番前に座ってノートを取っている眼鏡っ娘がテスト前に限ってみんなの人気者になる、という程度には率直な漫画でした。横顔が良いかも。巧かったり下手だったり。
B2004.06.21
普通のヘタウマ漫画かと思いきや、意外に色々な描線を使いこなしているのですね。「日常エロスの世界へようこそ」の一部は明らかに別人だけど。
146ページの「1位 またミスチルかよォ」
という台詞が好きです。この漫画の中の他のギャグとはちょっと変わった感じがするからかもしれません。各話タイトルの見開きの出来も良いです(最後の方は見開きがなくなっているけど)。各話タイトルが明示されるまで、独立して楽しめるエピソードが挿入されているアニメの『サザエさん』的な趣向なのですが、他ではあまり見開きが使われていないので強い印象を残します。本当にダイナミック。表紙とかも改めて見ると凄い。
B+2004.06.15
松本充代の漫画はすらすらと読めて、とても好きです。と言っても、『DROP BY DROP』の他に短編幾つかしか読んでおらず、他にどんな漫画を描いているのかよく知らず、充代をついつい「みつよ」と読んでしまうほどです。(正しくは「みちよ」)
この短編集の中では、「鏡の中の遺書」の前編だけ既に「ガロ」で読んでいました。前編は平和な、『DROP BY DROP』と比べたらかなり平和な、女子中学生が告白をするかしないかという漫画でした。松本充代はこんな平和な漫画も描くのだなあ、と思って意味あり気なタイトルをあまり気にせず後半を読んでみたところ…これが最悪な内容過ぎて死ぬ程驚きました。これは物語なのでしょうか? ところが次のページに「世界の中の自分 全体の自分」という続編がありました。良かった良かったこれでしっかり物語になるのでしょう!と期待を持って読みましたが、しかしそれでも物語にはなり得ず終わり。
こんな物語になっていない最悪な漫画を描けるなんて松本充代は凄い!と、より一層ファンになってしまいました。『DROP BY DROP』なんて全然普通!普通過ぎる漫画ですね。好きだけど。
「潜む声」も最悪極まりない話で素晴らしいです。最後のページの花柄トーンがヤバイ! 少女漫画的表現が恐過ぎます。こんな漫画を描いている人間が進研ゼミのDM漫画を描くなんて、絵柄の力とは恐ろしいものです。
その他の短編は上に挙げた2作ほどの衝撃はありませんでしたが、しっかりと作られています。松本充代の昔の漫画を早く読まないとなあ、と思わされました。
A-2004.05.29
「やまじえびね」って「やまじねびえ」だと思っていました。同じように間違えている人は他にも居るはずだ、と思って検索してみたものの出てきません。くそ、自分だけか。
絵が洒落ていて話も面白いサブカル百合漫画です。『マリみて』を読むには覚悟が要りますが、サブカル百合漫画ならばそういった覚悟は必要ないので、気楽に読む事が出来ます(他に魚喃キリコの『blue』くらいしか思い付かないけど)。話のまとめ方は気に入らないものの、この洒落っ気というか、割とちゃんとしたストーリー漫画なのにこれ程までのサブカルっぽさは希有なものだと思います。
やまじえびねは今の絵も良いけれど、昔の絵もかなり好きです。80年代の作品読みたいなあ。
B+2004.05.17
セカイ系じゃなかった!
それはともかく、情報実験の時に読みました。読む事によって余裕っぽさを示していたのですが、課題はなかなか終わらず、いまーむ氏やブルー氏に先を越され(いつものような気もしますが)、苦渋を味わう羽目に。やはり課題の説明はちゃんと読まないとダメですね。漫画なんて読んでないで! PGGMよりは早く終わったので、というかPGGMは終わったと言えるのか謎ですが、なんか来週はPGGMに復讐されるようです。復讐! こんな漫画ではなく、もっと面白い漫画を持ってきて、此方のコーディングを妨害したりするのでしょうか。
B2004.05.13
「DEATH NOTE」「直訳で 死のノート…」
って本当に直訳? というか「DEATH NOTEBOOK」にすべき!
それではもっとダサいタイトルになってしまう! などと3人で話していました。
「DEATH MOVIE」という小説を中学生の時に書いたのを思い出しました。
B+2004.05.03
太田出版ではなく講談社版。短編集。
どの話を読んでも同じような印象を持ってしまいます。特に、「燃えよアニメ!!」と「赤い鎖骨」は、主人公が正面を向いてガーン!となっているコマばかりです。…と思ったのですが、見返してみるとそうでもありませんでした。
しかし、「そう やっぱり商業主義がいけないんだわ!」
ガーン、「三好課長は多分あなたに気があるわね」「え! そ…そうなんですか…」
ガーン、そんなコマばかり印象に残ってしまいがちです。多分面白いからでしょう。
ちなみに、「燃えよアニメ!!」は、この本の中ではあまり面白い方ではありませんが、「私は『天空の城ラピュタ』が好きでこの業界に入った」
というモノローグは物悲しくて良かったです。
「AV」「映研」「ピンクの液体」は大変面白く読めました。「ピンクの液体」だけはちょっと毛色の違った感じ(でも同じような余韻を残す)。他2つは詭弁が楽しいなあ。
A-2002.11.01 1巻読了
既に大部分読んでいたけれど、少し読んでいない所があったのでそれを読む。
先日ブックオフで、「買え、1巻の方が面白いかもしれないが」と言ってPGGMにもこの本を買わせました。何故そんなことをしたのかというと、この漫画は面白いと思うからです。ついでに言えば、2巻の方が面白いという説も浮上してきました。
それは第5話「大林寺先生」の存在に依る所が大きいです。何度読んでも面白い。どうやら元ネタが分かるともっと楽しめるようで、自分には黒澤映画ネタ(ネタと言えるのかどうか…)しか分からないのだけど、それにしたって面白い。華倫変らしからぬ、あるいはまともなストーリーである「桶の女」や「殺しのナンバー669」を誉める人も多いようですが、自分は、華倫変以外にありえないこの「大林寺先生」や「テレフォンドール」(特にTALK.2、3、LAST TALK)が好きです。
「バナナとアヒル」のラスト、1羽につき0.5秒くらいで描いたとしか思えないアヒルも華倫変以外にありえません。というか何でこれがアヒルなのでしょう。まるでホシヅルです。いやむしろホシヅルの方がアヒルに見えますが、強引なデフォルメ具合がホシヅルを想起させて仕方がないので、これはホシヅルを意識して描いたものではないか、という説も浮上してきましたっていうか浮上させます。作者は「華ヒル」とでも名付けて貰いたかったのではないでしょうか。
A-2004.01.31 2巻読了
ちくま文庫。短編集。
自分は文庫版で読んだのですが、単行本がアニメ研の部室にあって大層ビックリしました。どう考えても周りの本から浮き過ぎです。SF研や漫研の部室だったら別に変には思わないのだけど。
それはともかく、単行本です。杉浦日向子の漫画は大きな判で読んだ方が良い、という当たり前の事実に、単行本を開いてみて初めて気付きました。「袖もぎ様」の見開きとか、画面の完成度が本書中では最も高いと思われる「もず」(描き文字も良い!)など、単行本だと滅茶苦茶画面が映えるのです。大体、文庫版では振り仮名が小さ過ぎて読み辛いし、単行本の巻末に収録されているやまだ紫の漫画もありません。
漫画を文庫でばかり読むのは、今までそんなに気にすることでもないと思っていたけれど、やはり少々貧しいように思います。文庫が似合うと思っていた杉浦日向子の漫画で、このように思わされるとは、意外です。
B+2003.11.14
小学館文庫。
大変面白かったです。最後まで素晴らしいアイデアたくさん。最初からずーっと同じような面白さ。変わりません。凄いなあ。
この作品で最も好きなのは、関谷が「アメリカが助けに来る」と途中まで本気で信じているところです。柔軟な頭を持つ子供と違って、頭の堅い大人は未来に来ている事が信じられない、という割とありきたりな主張も、関谷の存在によって、世代格差を感じさせると共に強い説得力が備わります。
あと、腱鞘炎になりやすい絵とはどういうものか考えさせられました。
A2003.11.11
ちくま文庫。諸星大二郎の漫画を一冊ちゃんと読むのは初めてです。
後半、誠に圧巻ではありますが、どちらかと言えば一話完結になっているあたりの話が好きです。特に、「鳥が森に帰る時」は短編として大変素晴らしいと思います。というかもうこれだけで十分です。ところで、「鳥が〜」の最後のページの台詞は時と共に変化するのでしょうか。ちくま文庫版が出たのは1991年なので、湾岸戦争がどうの、とか書いてあります。
ちなみに、YMOの「THE MADMEN」は、YMOの曲の中ではあんまり好きではありませんが、『COMPLETE SERVICE』で聴くと割と好きだったりします。この漫画を読む時のBGMは絶対「MADMEN」!って思っていたのに、すっかり忘れていました。読み終わってから聴くことに。
B+2003.11.04
ちくま文庫。
巻末の「長崎より」は本編とは違う世界の出来事ってことで良いのでしょうか。などと書いている自分は、もしかしたらこの話を全然理解していないのかもしれません。そもそも自分には、この漫画をすんなり読める程のリテラシーがありませんでした。残念なことです。
表紙でも使われている、雨の中を吉森が秋津を助けながら歩いているコマが大変良いです。それは大ゴマではないのだけど、この人の大ゴマを見ると、これくらい自由に大ゴマを使えたらなあ、と思うところがあります。
B2003.10.28
幻冬舎アウトロー文庫。SF研の部室に行ったら、その時は半分くらいの人がこの漫画を知っており、困ったサークルだと思いました。
内容が内容だけに、著者の姿が見えないと、もの凄く怖い漫画です。プロフィールによって著者の本業が官能作家だということが分かっているから、安心して読めるというか。
其ノ弐や拾七のようにオチらしいオチを作ってしまうと、安心出来過ぎて、解説で花くまゆうさくの言う「なにかの力」
なるものが失われてしまうような気がします。自殺を取りやめる効果も期待出来ません。この辺りが気分昂揚漫画の難しいところでしょう。
B2003.10.23
アンケートハガキが手描きなのですが(『エマ』もだけど)、返信率ってどうなのかなあ。やっぱり普通より落ちるのでしょうか。アンケートハガキの為に2冊買う人がそうそう出現するとは思えないし…。
内容は、安心して読めるところが良いですね。特に人形貰う話が良かった。短いから(←適当)。
B2003.10.14
中途半端にしか読んでいないのは、運が悪いのか古本屋の100円コーナーでなかなか買い揃えられないからです。
とにかく面白いです。絵もとても巧い。業界人っぽい人に話を振ると、「『編集王』? ( ´,_ゝ`)プッ」みたいな反応をされることがありますが、自分は業界人ではないので好きな漫画です。
さて、おそらく最も人気が高いであろうマンボ好塚のエピソードについて。マンボ好塚の遺作のタイトルは「あした」ですが、これは主人公カンパチに大きな影響を与えた「あしたのジョー」と関係があるのかなあ、と今まで適当な事を考えていたのですが、竹熊健太郎のマンガ千夜一夜 第10回「中上健次の幻の遺作(2)」を読んで、そのコラムで紹介されている中上健次の構想していた『明日』という作品が元ネタなのではないか、と思うようになりました。同じスピリッツだし、どうなのでしょう?
A2003.09.26
適当に読んでいたら、それまで普通の人間だと思われていた主人公にいきなり猫耳が生えて、「スゲエ漫画だ!」と思ったのですが、読み返すとそれは併録の短編で、本編とは別の話であることが判明しました。残念、自分の読解力が。
ついでに、やけに既視感溢れているのはどうしたことだろう、と思っていたのですが、それもようやく判明。前にふぬけ共和国のレビューを読んでいたのです。しかし、どういった経緯でそのレビューを読んだのかは依然不明のままです。
B2003.09.10
白泉社文庫。「スクールガール・プリンセス」を併録。
これまで諸事情で吉田秋生を敬遠していたのですが、とうとう読む。それも、わざわざチェーホフの『桜の園』を読んでから、という気合いの入りようです。
4編のうち、最初と最後が特に良いです。屋上で、あるいは別の場所で、二人並んで後を向いて、あるいは一方がもう一方の顔を覗き込んでいる場面がお気に入り。映画も観たい。
何故今頃読む気になったのかというと、『マリみて』より面白いことを確認する為です(比べるな)。
A-2003.08.21
後半、ユーロ社長が出てきてからが面白いです。それに、だんだん線が細くなっていくので絵が見易くもなります。でも、そんなに読み易くはなりません。
B+2003.08.20
結局、ルツと彰は本当の姉弟ってことでいいのでしょうか。なんだかよくわからない。
収録作の中では「クリスマス☆ホーリー」が最も面白かった。
B2003.08.09
夏子というキャラクターにとても影があるようで、密かに気になります。そういったことも含め、良い漫画だと思います。
B+2003.08.09
『おいしい関係』の続編。普通に続編です。
併録の「シルエット」の「映画館を見ましょう」ってくだりが面白かった。
B2003.08.08
槇村さとるの『おいしい関係』の方が有名っぽいですが、こっちの方がずっと昔。
本編よりも2巻に併録の短編「5月にお会いしましょう」の方がずっと面白いです。2巻は表紙も良いですね。
B2003.08.08
天才というか才能の書き方が不愉快です。と、才能を持ち合わせていない人間が言ったところで、説得力などどこにもありませんが。面白いけどこれだけはかねてより引っかかってしょうがない。
B+2002.03.31 10〜12巻読了
まだまだ面白いです。少し意外です。
だけど、「ケッ」って感じ。と、自分はこの漫画について、事あるごとに言いまくっているのはどうしたことでしょう。
B+2003.05.10 13〜15巻読了
時折挿入される階段の絵に何だか違和感を覚えてしまいます。とても歪んでいる…わけではないと思うのだけど。
内容は…うーん…。
B2003.07.30 16巻読了
「バトルもの」って言うと、『ドラゴンボール』とか『幽遊白書』等が挙げられると思うのですが、自分はそのどちらも読んでいないので、それらが本当に「バトルもの」なのかどうかは分かりません。しかし、とにかく「バトルもの」と呼ばれる作品群が存在するとします。それは、バトルが面白いものを指します。『寄生獣』は「バトルもの」です。
一般的に「バトルもの」と定義され易い作品を殆ど読んでいない自分が、『寄生獣』は「バトルもの」として素晴らしい!と主張しても、それはお前が「バトルもの」に免疫無いからじゃねえのかゴルァと言われてしまいそうですが、それでも、壮大なテーマがどうのこうのって言うよりかは、優秀な「バトルもの」であることを強調したい。この漫画は、機知に富んだバトルが素晴らしいのです。
A-2003.04.04
5分くらいで読めるので、コストパフォーマンスが良くありません。というか、町野変丸は分かりません。
「楽しい夏休み」に出てくる「山田」というキャラクターは、「ますだ」という名前の方が良いと思います。何故かというと、怪獣みたいだからです。
B-2003.03.13
高野文子の漫画は大変素晴らしいと思うのですが、どれもこれも全然読み終わらなくて、やっと一冊読み終えることが出来たのがこの本です。何故読み終わらないかというと、読んでしまうのが非常に勿体なく思えてしまうからです。
うしー
。巧いなあ。特にP81(文庫版)の、えっちゃんがスキップの恥ずかしさに堪えきれずよろめくところ。丁寧に「よろ」
なんて擬態語が書いてあるけど、そんなの全然必要の無いくらいによろめいてる感じがよく出ています。勿論そのコマだけが重要なわけではなく、前後のコマとの関係がそのような効果を生み出しているのですが、それがもう巧すぎて。うしー
、何度見ても良いなあ。
さて、右利きのくせに腕時計を右腕に付けているるきさんはすごく粋だなあと思っているのですが、P69(文庫版)に限っては、どういうわけか普通人の如く左手に。これは少し残念。
自分も右利きのくせに腕時計を右手に付けていました。今はそうではないですよ。なんてったって大人だしさ
(違います)。
A2002.12.02
短編集1に比べると、どうにもパっとしない印象。おそらく最も読むべき部分であろう「プラットホーム」は何だか話が込み入っててよくわかりません、というかそれは単に自分がヤクザの世界観をよく理解していないだけなのでしょう。「カラス〜」もあんまり好きじゃないし。
そんなわけで、「女子高生2000」やあとがきが好きです。
B+2002.11.22
現在の絵よりも昔の絵が好きな漫画家は何人かいますが、個人的な好き嫌いの差が最も激しいのはこの人です。短編『冬虫夏草』くらい丁寧でなくては許せない、という程ではなく、近年のデフォルメのきつさはちょっと好きになれない…、ただそれだけなのですが。
でも、この短編(と呼べないほど長いものもありますが)集の中で最も面白かったのは、最も絵が嫌いであるはずの『夏草子』。『拍手喝采ピエロ』も単行本『冬虫夏草』に収められている作品を想起させるので結構好き。というか舞台がまんま『海馬兎』か。表題作『バスルーム寓話』は『羽化を待つ人』の逆バージョン? どちらかといえば『羽化〜』の方が好き。100ページもある『1996年の夏休み』は、演出は相当凝ってると思うものの、構造が形式的すぎるきらいがあります。意図的なのでしょうけど…。
B+2002.08.06
自分の周辺ではカフカの『変身』並の普及率を誇る漫画です。さすがに面白いですね。でも「俺のバイブル」
とはとても言えないなあ。2000年12月29日の深夜に、1・2巻を持ちながら、そう称している輩がおりました。
2巻の帯に「再読性に優れたコミックとして,今日も気づいたら読んでました」
と書いてあるらしいのですが、再読性は優れないけど面白い4コママンガってイメージし難いです。教えて下さい。
それはさておき、1巻で特に印象に残ったのは、「いい勝負だったわ」と「理解不能」です。非現実的なキャラ群の中でも最も非現実的な木村先生が良いなあ。
2002.07.18 3巻迄読了
ネガティブな意味で4冊中一番ショックだったのが、「ブルマ存続会々長」の「でもなんでうちってまだブルマなのかな」
という台詞です。誰もそんな疑問を抱かないところが粋だなあと思っていたのですが、そういう考えは最早時代遅れなのか、もしくは始めから自分一人の妄想だったのか。
A-2002.07.20 4巻読了
多分何度も書いていますが、岡崎京子の『東京ガールズブラボー』はとても好きな漫画です。札幌に住んでいた女子高生が、夢と希望を膨らませて「東京デビュー」する話です。従って、タイトルが『東京デビュー』である漫画を好きになる可能性は著しく高いわけで、大きな期待を抱きつつ読んでみました。
それなりに面白くて、一応終盤に盛り上がりもある(しかしながら類型的な)のですが、読後感はイマイチ良くありません。何故かというと、まず、医学生アソウの持っていた死体(?)ビデオと、それに関連して、彼の目的がつまるところ何なのかよくわからない事が挙げられますが、それは自分が阿呆だからかもしれないのでともかくとして、最たる要因は、主人公の友人であるケイコの扱いが極めてぞんざいなところです。
後半に、精神崩壊(か?)を起こしたケイコがこんな事を言います。「あたしいま1日1人とやってるの。だれかと寝るとね、なんだか元気がでてくるの。安心するの。ケイベツする?」
それに対し、主人公は「それで元気がでるならしょうがないもんね」
とかなり凄い台詞を吐くのですが、それ以降にケイコが登場する時は、精神崩壊の跡形は毫も無く、見事に初期化されています。これはどう解釈すべきなのか。ただの見せかけなのか?
ああ、何か書いてる内に、これも自分が阿呆だからかもしれないと思えてきましたが、適当に誤魔化された感がやはり強く、不満です。
併録の短編の中では『クリソにおきき』が良かったです。下巻には雑誌連載時の編集者による解説が載っていて、なかなか興味深い内容でした。漫画家は秘密主義者であるべきらしい。
B2002.07.19
短編集(一応)。「続」の方は知りませんが、これは一冊の本として非常に巧い構成になっています。従って、それが判明する『宇宙のはじまり』が最も気に入ったのですが、最後の最後で息切れしている感もありやや残念。しかし、「いい人」と入れ替わる無限ループは素晴らしいと思いました。
この人の最たる魅力であろう暴走する独白は、『狂人遺書』や『宇宙のはじまり』で堪能することが出来ますが、それらとは少し外れてる作品、『一人の夜』『コンビニキング』等も良かったです。前者の舞台の一部はファミレスで、ファミレスを舞台にするからには重層的な構造で攻めなければならない(松本大洋『ファミリーレストランは僕らのパラダイスなのさ!』のように)、のかどうか知りませんが、そういった技術力も十分に高くて楽しめます。
B+2002.06.30
松本充代の単行本を読むのは初めてです。これまでにこの人の漫画は、進研ゼミのDM(多分、弟か妹に来たやつ)でしか見たことがありませんでしたが、描き慣れた感じのすっきりとした描線がいいなあ、などと思っていました。
いきなり「J禁」「冬コミ」
と言ったキーワードで幕を開けます。82年にデビューした人がそんなことを書くのはちょっと不思議に感じられたのですが、実は意外と普通なのでしょうか。更にそこからデートクラブ云々と話が展開するのは、未だ見ぬケースだったのでかなりビックリ。これも意外と普通だったりするのでしょうか?
ともかく、無茶苦茶良かったです。上に挙げた驚きもかなり関係すると思われますが、それは、こういった話では特に、感情移入度が良し悪しを左右するからで、世界が少しでも身近に感じられた方が良いに決まってる(少なくとも、何も無いより、同人の話をしている方が身近だ)。他人にすごく勧めたくなる漫画じゃないけど、どうしようもなく好きすぎだ。多分、そう思わせる要素&他の漫画との差は、微々たるものなんだろうけど。
しかし、油手では色が落ちそうな表紙はどうにもなあ…。
A-2002.06.13
アクションシーンの変な重力感つうか何だかお手玉みたいな感覚は好きです。こんな線どうやったら引けるのでしょう。べつに引きたくはないですが。この人の漫画は『ミルククローゼット』1巻しか読んだこと無かったのですが、それに比べれば幾分わかりやすく、読みやすいです。
2002.05.14 1巻読了
こんなにおかしな漫画なのに、サイケデリックな印象を与えないのは何故でしょう。でも10年前にこれを読んだら、多分サイケデリックに思うんだろうなあ。現代の共通感覚によって、理解が支えられている側面もあります。
2002.05.16 2巻読了
動きの感じられるアクションシーンが少なくなって残念(なんか血ばっか出てるし)ですが、絵柄もテンションも1巻とはかなり変わってます。その変化と同時に、対策係という状況が自然に、共生だのホストだのと変貌していく様子は壮観でした。
全編スペクタクルの高密度な漫画ですが、もうちょっと詳しい説明を求めたくもなります。それを必要としてる作品じゃないのだろうけど、やはり抵抗はあるもので…。
B+2002.05.18 3巻読了
個人的にこの人は絵描きとしての認識が強いし、絵の為に買ったようなものだから、絵が巧かったです以上、という感想でも問題はない。けれどそれだとつまらないので、ストーリーについても何か書こうとすると、2巻を読んでないので辛かったりします。大筋は正直ダメダメな話でどうしようかと思ったけど、密かに気の利いた台詞で笑すことも出来るのだから、きっと意図的なのでしょう。
B+2002.05.13
宇宙のリアリティーを支えるディティール、設定の豊かさ。大変素晴らしいものです。他の作品でもこんなことを感じたなあ、と思ったらそれはポリスノーツでした。そっちは宇宙オンリーな話ではないけれど。
それにしても、キャラクターに少しついていけないのは自分だけでしょうか。ちょっとノリが…不思議。
A-2001.09.04 1巻読了
1巻は自分で買ったくせして光波氏に借りる。1巻に比べて表紙もあんまり格好良くないし、初っ端のカラーページからどうにも期待出来ない印象(単に色合いがあまり良くなくて薄塗りなだけだけど)。ところが、予想以上に楽しめてしまった。
1巻では馴染めなかった特有のノリに少しは慣れてしまった所為でもあると思いますが、キャラ(特にハチマキ)が自分の行動に対して堅固な誇りを持っているのはとにかく強力。科白が非常に心地良い。
対して、分からないのは宇宙防衛戦線。わざわざスパイまでして妨害工作をするような奴等が、「死ね」
と叫びながら銃撃戦を行うなんて、あまりにも粗忽過ぎて面食らいました。納得できないという訳でも無いのですが、恐怖の欠片も感じられないあまりに軽い空気もあってか、この漫画のノリにはまだまだ付いて行けないと思うしかありません。
A-2002.05.11 2巻読了
光文社文庫。貸本怪奇少女(?)マンガを何作か収録。
良く楽しめたのは、『愛』と『聖女もなりざ』の二つですが、実は非常に対照的な作品です。『聖女もなりざ』の元々何でもありな内容に注釈を加えた結果、更にバロック化が進行し、この本の本来の意図であろう質の高いギャグを味わうことが出来た一方、『愛』は非常にシンプルな構造ながら、この上なく新鮮な内容で驚いてしまった。
収録されている内、最も絵が巧いように見え、表紙絵も飾っている川辺フジオという人ですが、このページ(重いです)を見ると、『ミナミの帝王』の郷力也と同一人物のように思われます。はてさて真実は如何に?また、この人のあとがきは漫画よりもずっと興味深いです。
……それからお話は元にもどりますが……主人公は……ほんとうは少年ですが……少女物の為……少女にしたことを……お断りしておきます………
って何なんでしょうこの三点リーダの数は! 当時の流行なのか?
B2002.05.09
短編集。松本大洋の単行本をちゃんと読むのは初めてです。
自分は短編集を読む時、定義された順序を無視することが多い。描かれた順序がわかれば、殆どの場合年代順に読む。定義された順序も、作家か編集が意図して決めたものだろうから、それを蔑ろにするのは失礼だとは思うけれど、年代順に読む方が、作者の進歩がわかりやすくて面白い。
この短編集は順序がそもそも年代順なので、僅かながら存在するそんな葛藤に頭を悩ませなくて良いのですが、その上、進歩がとてつもなく直線的なので、読んでいて気分が良い。本の後ろへ行けば行くほど、なんかもういろいろ巧いです。凝ってます。
特に最後の二作品、『ファミリーレストランは僕らのパラダイスなのさ!』『だみだこりゃ』は、どちらもたわいもない(?)話なんだけど、敢然たる演出力、それだけでもう満足です。
B+2002.04.17
大変難しい演出が必要な設定です。この作品でそれが巧い具合にはまっているかというと、怪しいと思います。この人の他の漫画を読んだことは無いので、作家の特性かもしれないけど、とにかく状況を理解しにくくて、だから、幻想的に感じられました。
…つっても。
とりあえず傑作なので、何度も読み返すことでしょう。すると、読みにくさなんてモノは直ぐに解消され、それがまた良い塩梅となります。
ただ個人的にはそこまで好きになれません。とりあえず読むタイミングが悪かった。何故かはひとまず置いといて、もうちょっと後で読み直そう。あと、主人公が魚を食べない設定が非常に安易、というより作品全体を訝しげにしていると思うのです。魚が好き、ただそれだけならば、説明要らずの純粋さを保てるのですが、それがエコシステムに関わってくると、その地点からシステム全体の崩落を招くような気がします。それを補完するものは何も無い。結果的に偏食として片付けられ、直そうと努力するのだから、重大視する必要は無いのかもしれませんが…。
A-2002.04.04
そういやとっくに18歳なわけで、こんな漫画読んでも特に問題無いんだよな、ということでかねてより読みたかった町田ひらく作品。
好きな絵、だからこそ読むのですが、話もきちんと面白かったです。特に気に入ったのは、『西大泉名画座』『日、没する地方の天使』。技巧が素晴らしいというわけではないのですが、ローカルな空気がとても好きです。この人のファンの8割が女性、と聞くと、にわかには信じがたいながらも、その前に「熱狂的な」を付けると納得する感じ。このような作品があると、大好きな『エスパー魔美』は抜きにしても、児ポ法改悪に断固反対したくなります。
反旗を翻したく思う性分なので、自分もこのような漫画を描いてみたくなります。絵が上手くなったらの話ですが。今、町田ひらくっぽく描こうとしてもこんな風(↓)にしかならん。
さて、生まれて初めて一冊きちんと読んだ成年コミックですが、ある友人はこれをちっとも褒めません。絵柄が問題? そして自分も同じく絵柄だけでもう殆ど決まってしまう困った傾向。なんとかせねば、と適当に書いてみるがホントは全然どうでもよいと思っているので困ります。
B+2002.03.30
扶桑社文庫。「最終形」と「初期形(ブルカニロ博士篇)」を収録。というかそもそもの『銀河鉄道の夜』が稿によってそんなに違っていたこと自体知りませんでした。かなり忠実に漫画化しているようですが、いくらなんでも「原稿1枚無し」とわざわざ明記するほどでなくても…。
「最終形」はアニメとほぼ同じで、ストーリー自体の印象はアニメのそれと変わりませんでしたが、何故か小説を読んでるかのような気分にさせられてしまうのは、あまりの忠実さ故でしょうか。全て猫キャラで統一されてた点については、それが中途半端なアニメより好印象を受けました。「初期形」は、ページ数が「最終形」の2倍あるので、贅沢なコマ割りです。そのせいか、小説を読んでるかのような気分にはさほどなりません。というか「最終形」が窮屈過ぎます。その上「初期形」の方が全然分かりやすかった。これはラストのブルカニロ博士の存在によるものですが、宮沢賢治もこれなら良いかも、と思ってしまった。(宮沢賢治はあまり好きではないのです)
B2002.03.26
たまに凄く怖いのです。顔が。
「セカンド短編集」とのことですが、今までこの人の漫画を読んだことはありませんでした。そして意外に多くの部分が予想よりも普通だった関係で、顔の怖さが特に印象づけられたのかもしれませんが、時として見せる、思いも寄らぬ形相は、作品のインパクトを相当押し上げていると思われます。例を挙げれば、78ページの最上段、表題作『フェティッシュ』の一コマですが、極めて漫画的表現であるにもかかわらず、タイミングが巧く、また、それまでの不安定な絵柄から逸しており、忘れられぬシーンになる。
印象的な、忘れられぬ一コマ、それがあれば十分とも言われますし、それを目標とするのは、極々普通の事なんだけど、どうもこの漫画では、システム的に自然と、様々な要因が絡み合ってそれを作り出す。複雑でそのシステムを説明出来ないが、少なくとも一般的に合理的と見られるコマ割り、展開をしてるわけじゃない(ところが多くみられる)。自分の先理解を超えててちょっと癪です。それは展開のみに限った話ではないけれど…。
どの話も面白いと思う。だけど、後半の三つ、『鍵』『海の近くで暮らしてみれば』『ALIVE』が個人的に安心して読めるので割と好きです。わかる作品は安心出来ます。つまり、自分の先理解を超えちゃってる作品はあんまり馴染めないということ。それは仕方ないと思う。そんなんでいいのかなあとも思う。だがそんな悩みは、装丁が漫画らしくないので、とりあえず保留だ(?)。
B+2002.03.09
極めて難解です。安部公房などを読む方が、よっぽど簡潔で分かりやすい。文体(ここではテキストの意)は言うまでもないことだが。
ここのところ活字を以前より多く読んでいます。強く感じるのは、シーケンシャルアクセスはやはり楽だ、と言うこと。しかし漫画は違います。少なくとも1つのコマ内に於いては、ランダムアクセスをすることは規則違反ではない。正しい視線の動かし方など定められていないはずだ(そりゃ文章は右上から読むが、絵は背景から見るも人物から見るも自由)。殊に少女漫画はその混沌性が強い。
道筋が異なれば、解釈も異なることが多い。自分の解釈が正しいと信じて読み進めると、困惑が広がります。結局正解はわかりません。そもそも、そんな事を考えさせる余裕も、この漫画にはありません。
何考えてんのかサッパリわからん人間を描く場合、少女漫画の様式は恐ろしくしっくりきます。そういった意味で、この漫画は高度に合理的だ。
-2002.03.04
初期短編集二冊分をほぼ収録。
最初に読んだのが「貞操の光」だったので、意外と平和だなと思ったのですが、それは大きな間違いで、「こじきびんぼう隊」のあまりに下品な小学生感覚なスラップスティックには参らざるを得ませんでした。
ただ、いろいろ考えさせられるのはやはり村田藤吉関連の話。可哀想とかそういうレベルではない虐待に、全く抵抗の術が無い。そして当然のようにバッドエンド。バッドエンドであるなんてことは、この話がギャグとして成立している以上無意味なのに、バッドエンドでなければアイデンティティが確立しないキャラクターなんて、見てて気分が悪くなるんだけど、それが妙にリアルで、漫画なのにいたたまれなくなる。
『消えた漫画家』の、山田花子(漫画家の方)が自分が藤吉であると同時に根本敬も藤吉であると思いこんでいたという節は、よくわからない。根本敬のインタビューを読む限りでは、少なくともエンターテイナーである自分の立ち位置が非常にしっかりしていて、面白いもの新しいもの他とは違うものを求めている。その為に採る行動は、限りなく自由だ。わざわざ自分で痛い経験をして漫画を描くような人とは違う。故に藤吉にこの人を投影出来るなんて、とても考えられないのだけども、無論他人の事はサッパリわからないしなあ…。
B+2002.01.05
絵が大変丁寧で非常に魅せる。絵で読ませる意志が非常に強く感じられる。しかし、その丁寧な中にも格差がかなり存在し、表題作と他の作品を比べると少し辛いものがある。その上、これ以降の作品がこれより丁寧な作画とはとても思えないし、私的に、最近のこの人の絵はデフォルメがきつくてあまり好きではない。だからどうしても、表題作以外の絵では釈然としないというか、どちらかというと雑だよなあ…としか感想を持つことが出来ない。実際のところこれ以前の作品を読んでいるわけではないので、それらと比較することは出来なく、もっと丁寧なのもあるかもしれないが…。
でもとりあえず、表題作の絵は一見の価値あり。それ以外の作品も、描き込みの激しいところは、とても宜しいかと。
話は、現実からの逃避が、この本の多くの短編の大変大きな意味を占めている。しかし自分はそこまで現実から逃避したいと意識してはいないし、少なくとも物理的な逃避は行っていないつもり。私的にこれは、共感が前提にある構成だと勝手に思っているので、それをあまり感じ取ることが出来なかった故に、どうにも楽しめなかったが、「くだらない大人 くだらない高校生活(中略)その中でも自分が一番 くだらないんじゃないかという苛立ちが 共鳴するからだ」というモノローグには少し共感できるものがあった。
しかしこういうのを楽しめないと、つくづく感受性が豊かでないと思う。くそう。こんなんじゃ感想書いても無駄みたいで鬱になります。
B+2001.10.08
大友克洋の短編集を真面目に読むのは初めて。表題作は普通に面白かったような気がする。でもそれ以外の作品はとてもおかしくてオチが妙で救えない話ばかりだ。
しかし妙な古くささとかなんだかとてもよろしい感じ。他の漫画では味わえないと思う。とはいえ70年代を生きてないので語れません。
B+2001.09.09
大変細かく刑務所生活を描く。読んでてちょっと変な感じ。刑務所内部の雰囲気が、少なくとも読む前よりは分かった気になりますが、どうしても別の世界の出来事として捉えがちで、自分の頭の中でそれをどう位置づけしていいのかさっぱりわからない。まあ面白い漫画ですけど。
どうでもいいことですが手塚治虫文化賞、1次選考の集計ではこれがトップなのに、どうして最終選考には入ってないんでしょう…と思ったらその時点で辞退したそうです。feetさん情報ありがとうございます。
A2001.09.04
おもしろい。医者と棋士の話がオススメです。もし自分がこの設定を思いついても、破綻が怖くてとても描けません。どうしてこう巧く描けてしまうのか、まったく。
確かに気になるところはあるけども、とにもかくにも、おもしれー。
A2001.08.03
宮崎駿チックな絵柄が目に留まった。…でも安定感の無い絵。内容はイモ虫と少女がどうのこうの。表現などホラー漫画に近いと思う。個人的にはかなり好きなテーマだったのだが、最後の方はなんだかよくわからなかった。もうちょっときれいにまとまっていれば、もっと好印象を受けたと思うのだが、これじゃあちょっと、無理があるような…。でも十分に楽しめたのは確か。
B+2001.05.30
短編集。この作者の「四年生」を先に読んでいるので、なんというかまあ同じようにしか…。こういうのが好きならばとてもはまるとは思う…か? 「1」は結構良かったが、他はちょっと…。会話はどの話も素敵に巧いけど、何分キャンバスライフを知らないもので…。
B2001.05.30
とてもリアルっぽい。っぽい、と付けるのは、自分はまだ大学生活というものを経験していない故、そのようなシチュエーションはわからないから。ただ、本当に普通に、こう、日常会話。リアルに描くこと、だけ、で意味があるのかとか考えてしまうが…。結構作者本人の話らしいし。
どっちにしても、その年齢まで達していない者にとっては、共感や同族嫌悪など生まれるはずもなく。単に愉快でなく暗い漫画、としか認識されない。仕方のないことか。
最終話は不思議でならない。
B2001.04.22
原作は読んでないので全く比較できない。でも、比較しても多分あまり意味が無さそうなので、まあ、いいか。
というわけで、珍しく少年ジャンプの漫画を読んでみたわけだが、序盤は登場人物の紹介のような要素を強く感じ、また、話としても普通すぎて読むのが大変たるかった。しかし、12巻あたりになってくると、話が妙にスケールアップして、なかなか面白い。始めの頃は全然名前と容姿が一致しなかった登場人物も、大方理解できてくる(というか初めから理解しろ)。
ラストも近くなると、序盤からは想像も付かないような事実が発覚し続け、かなり驚いたというかすげー。しかし、その事実に登場人物が付いていってないというか、言動が理解不能気味になってくるのは、私の理解力が足りないためか。特に、妲己の真の目的なんて、あまりにも唐突すぎて、理解する暇も与えられずに完結してしまった。
この作品の注目すべき点は、歴史の道標、つまり女カの思うままで、キャラクター自身の意志で構築できないストーリー。それを、キャラクター自らが否定することにより、キャラクターによってストーリーを作り出す、少年漫画(に限らないが)の定石を踏むつくりにしようとしているところ。…って何だかよくわかりませんね。
B+2001.04.04
貧乏っていうのが、とても好感の持てる(というか面白そうな)ギャグ漫画。全体的なノリが、ちょっと他の漫画と変わってて、結構楽しめる。どんどん絵が適当になっていく様はちょっといただけないところだが(雑っていうか何か見にくい)。
アニメでは、最後全然伏線が処理されなくて、なんだこりゃって感じだったが、漫画でもやはりそう。しかし、最終話のノリがすごく好き。本当に愉快な気持ちになれる…か? そしてしみじみ。良かった。
B+2001.03.31
まず絵に関して。筆で描かれる空間の、光というか濃淡加減がとても良い。独特。
話は、ギリシャ神話を元にしているが、かなりアレンジされてる模様。とても暗くて、悪人ばかりで、読むのが辛かった。面白いには違いないが…。
B2001.03.29
本屋で初めて見た時、表紙がとても好きな感じの絵柄だったので印象に残っていた。そして中身も、期待通り。和服を着ている少女が、冬目景の描くそれに非常に近いものを感じた…って、べつにそんなことはどうだっていい。
自然に囲まれ、蟲の棲む、時代不明確な日本はとても不思議、そして美しい。情緒深いストーリーは、心あたたまる昔話といったところか。主人公の風貌はとても現代っぽいのだけれど、それもまた、異質な世界観にはマッチしている。
日本って良いな、と、改めて感じる作品。これからにも期待せずにはいられない。
A-2001.02.27
一般的に評価がとても高いらしい。期待通りに絵がとても上手い。好きな絵柄ではないけれど、十分すぎる画面の迫力。
話はについて。只のバトルものではないことは、読めば分かると思う。世界観が面白い。脳味噌の描写が妙に多いと思ったら、最終巻の最初に語られる、衝撃の真実。これを含め、ラスト近くに世界の謎が明かされていくのは本当に楽しめた。
最後は唐突というか何なのかさっぱり分からない感じだったので、少し残念。と思いきや、外伝がウルトラジャンプで連載中ですね。
B+2001.01.27
一冊100円で全巻(1-4)探そうと思っていたのだが、3巻迄読んで、あまりの出来の秀逸さに驚き、とにかく早く、最終巻である4巻を読みたくてしょうがなくなってしまったので、350円で4巻を購入。そして、噂通りに素晴らしい最終巻であった。
最近読んだ漫画では最も印象深かった。すごいすごい。漫画が描きたい。こういう話を音楽で無く絵で成り立たせようと真似しても、かなり高い確率で只の駄作となるのは目に見えているが、やっぱりこういう話を描きたくてしょうがない。芸術が人を動かす力の大きさを表してみたいものだ。個人的に音楽の方が絵よりも純粋に感動できてしまう故、やっぱり音楽を使うのは羨ましい。神童は漫画だが、音楽が凄くリアルに伝わってくる気がしないでもない。
A2000.10.22
