2007/07/05 (木) 5:57 pm 更新

アニメの感想

監督別

その他

悪魔の発明/監督:Karel Zeman/1958チェコ

 人物はほぼ実写、背景も半分くらい実写ですが、遠景、海を泳ぐ魚、ハイテクな乗り物などはアニメーションです。そこまで違和感がないのはやはりモノクロだからでしょうか。さすがに実験が失敗して爆発するところなどはあまりにも漫画っぽすぎますが。メリエスの『月世界旅行』に近いレトロ感があります。ついでにジュール・ヴェルヌ繋がりでもあります。

 話はわかりにくかったです。キャラクターや情景がとにかく説明不足。キャラクターの区別が付きにくいとか、主人公の文学的なモノローグが状況をより一層わかりにくくしているとか、原因はいろいろ考えられますが、何より画面から得られる情報が少ないためでしょう。潜水艦の動力部分ばかり写しても何一つわかる事がありません。

 カットが変わる際に、画面が一瞬真っ黒になることが多いのはどうしてかなあ。すごく違和感があるのですが、そういう演出が普通だったこともあるのでしょうか。

B2007.03.23

シンドバッドの冒険/監督:Karel Zeman/1974チェコ

 シンドバッドの原典についてはよく知らないので、どんなアレンジが加わっているのかわからないけれど、奇想天外なキャラクターと展開が次から次へと濃密に詰まっています。いつ終わっても良いような話で連続性はあまりないのだけど、行き当たりばったりの発想がすごい。特に、魚の頭を弦楽器のサウンドホールに突っ込んで尾びれで弾かせる発想はなかった…!

 また、要所要所で立体的な素材が使われており、様々な技法が凝らされたアニメーションは、話の奇想天外さに負けていません。

 壺の魔人を壺に閉じ込めた際の、「まさに思う壺です」というモノローグは、チェコ語でもそうなのかな? 金貨は誰も幸せにしない、というお馴染み(?)の教訓もあります。

B+2007.03.13

狂気のクロニクル/監督:Karel Zeman/1964チェコ

 ほぼ実写ですが、遠景など所々手書きのアニメーションが混じっています。手が込んでいるのか込んでいないのかよく分からない。モンティ・パイソンみたいな感じ。内容も、モンティ・パイソンのように軽妙でシュールです。戦争への皮肉はあっても、単純な教訓はありません。そのため個人的には、他のカレル・ゼマンのアニメより全然面白かったです。他の作品があまりに健全な子供向けだということもあるけれど…。

 道化姿のヒロインがかわいい。これを見て女性だとわからない登場人物は目が悪すぎる。

A-2007.03.13

秒速5センチメートル/新海誠/2007

 特に期待せず観たけれど、他愛もないものの執拗な描写と近代的なモノローグは相変わらず。電車の灯りに照らされる線路や電車の連結部分の描写が好きですね。そんな第1話「桜花抄」は空気の重たさや冷たさが伝わってきて良かったけれど、2話は特に観るところがなく、3話はほぼ歌と回想。フラッシュバック的に細切れな回想を連続させるのはエロゲみたいで好きではない…。

 テーマについて考えます。若者は3年で会社を辞める。ITドカタでは人生に希望を見出せない。宇宙ビジネスでもやらないとだめだということでしょうか。

 『雲のむこう、約束の場所』に続いて主人公は弓道部です。弓道は、野球やサッカーよりもオタクの共感を得られますし、卓球よりはダサくなくて、丁度良い。そんなわけでアニメキャラはよく弓道部に所属しているのだけど、きっと制作者が所属していたとか単純な理由で選ばれることが多いのでしょう。アニメじゃないけど岩井俊二とかもそうだし。もっとも、彼等が弓道部に入った理由が、スクールカースト的にバランスが取れているからなのかもしれません。

 人物の絵柄がなかなか安定しません。『雲のむこう〜』はかなりまともだったのだけれど…。

B+2007.03.11

鉄コン筋クリート/監督:Michael Arias/2006

 原作を読んでから観るか、読まずに観るか迷った挙句、中途半端に原作を半分読んだ状態で観る。並ぶのが面倒だったので立ち見。STUDIO4℃のアニメなんてどうせそんな混まないだろうと油断していたのが誤りでした。今思えば『マインド・ゲーム』も結構混んでいた気がするけど…。

 知らないスタッフが多いですね。監督は森本晃司からいつの間にか外国人に代わっているし。脚本とかも。しかし劇中のスタッフロールでは監督の名前だけカタカナで他はアルファベット表記です。何故でしょう…。

 作画は原作の絵よりも『マインド・ゲーム』に近い感じ。最近の松本大洋とも違うし…。松本大洋はこんな細い関節は描きませんね。アクションは、わけのわからない敵(3匹)のわけのわからない硬度や質量が伝わってきて良かったです。派手なのは宜しい。手ブレカメラも良い。カメラの動きは他の長編2Dアニメとは一線を画しているかもしれません。

 原作を読んでいたためかもしれないけど中盤まで物語はわかりやすいです。しかし終盤は何がなにやらよくわからない精神世界に突入します。精神世界よりも宝町の描写を見ていたいところでした。

B+2006.12.24

鳥の島の財宝 /監督:Karel Zeman/1952チェコ

 基本的に布っぽい人形アニメなのだけど、人形の足が突然切り絵(推定)や粘土(これも推定)になったりと、様々なアニメーションの技法が混じっています。雲が表情豊かな背景も印象的です。

 話は、財宝が人の心をおかしくさせるというよくあるパターンですが、島の閉じた経済の中で財宝が人々に均等に割り当てられたところで、誰も金持ちにならないという当たり前の事をきちんと描いているのは好感が持てます。財宝では人間は幸せになれない、ということを論理的に説明しているので、ひねくれた子供もこれなら納得でしょう。勿論、独り占めをすれば良いだけの話だけど…。

B+2006.12.19

ホンジークとマジェンカ/監督:Karel Zeman/1980チェコ

 『クラバート』と同様、多間接切り絵アニメ。『クラバート』に比べて、いくらか画面が地味に感じられます。タッチを残した淡い遠景の所為かなあ。

 3匹の小人が取り憑いている主人公が小人らの意見に惑わされながら生きていく話です。白い小人と黒い小人と灰色の小人が居て、白と黒の役割は説明するまでもなく明確ですが、灰色の小人の存在意義がいまいち不明でした。帽子の鈴を鳴らすくらいしか特徴がありません。一応、「無邪気な子」であると説明されるのですが、その特性が活かされることはありません。ビジュアル的には1番見ていて安心するのだけど。

 木の下で寝ている人間の首に木の上から縄を垂らして吊り上げる悪党がいますが、こんなの初めて見ました。自殺に見せかけて人を殺す合理的な方法なのでしょうか。でもこんな方法で吊り上げるのは不可能な気がする…面白いけど。あと、城主が座って後ろから奴隷みたいなのか押している車椅子の構造が良いです。ブレーキを踏むと後ろの人間が浮かび上がり止まるのです。面白すぎる! そんな感じにユーモアのある描写が多く楽しめますし、音楽も綺麗です。話は結局、愛は奇跡を起こす系で、つまりおとぎ話です。そして、これはおとぎ話であることを、はっきり伝えるアニメでもあります。したがって、こんなへタレ主人公、ホンジークが「英雄」であるとか、キスをすれば世の中何とかなるとか勘違いする子供はいなくなる安全設計。

B2006.12.09

パルムの樹/監督:なかむらたかし/2001

 話は難解。キャラクター多すぎ。テレビシリーズ向けに企画されたものを劇場用に変更したためでしょうけれど、これは厳しい…。もう1度観ればもうちょっとマシな理解ができるのかもしれませんが、主人公のパルムはむかつくキャラだし、ヒロインは分裂症気味で、あまり観る気が起きるものでありません。主人公が嫌な奴なのは斬新だけどいろいろ辛いなあ。キャラクターデザインは好きだし作画も当然良いものですが、それなのに観る気がしない、というのはなかなかのもの。

 窃盗団の子供達はちゃんとキャラクターが立っていて、彼ら中心に物語を進めればだいぶ面白い、子供が見ても楽しめるものになったのではないかと思います。シャタとか普通に格好良いですしね。

B-2006.11.25

クラバート/監督:Karel Zeman/1977チェコ

 多間接切り絵アニメ。原作は『千と千尋の神隠し』の元ネタとして有名なようですが、読んでいません。確かに、「働け」「働け」と千と千尋っぽい教育が行われます。あと、鳥に変身したり。いやそれはハウルか。

 決闘の際に蝋燭を手で隠して明滅させる骸骨が卑怯すぎ。チカチカして観客の目にも不快です。ローコストなわりには面白い演出ではあるけれど。

 水とか煙は実写であるし、皿とか椅子とかもたまに実写かあるい実写に限りなく近いほど描き込まれており、平面的な画面の中でそういった極端に立体的なオブジェクトがぐるぐる動くあたりが、一昔前の3DCGを部分的に用いたアニメのような趣を感じさせます。

 話は結局のところ、「愛」が全ての概念の上界に位置するようなものでした。まあ童話ですしね。

B2006.11.18

時をかける少女/監督:細田守/2006

 とても面白かったです。観た後にみんなで「すごかったですねー」と言おう、とK宮はわけのわからない計画を立てていましたが、結局そう発言したのはK宮だけでした。何が言いたいのかというと、そんなばかばかしい発言をするのがはばかられるほどまともに面白い映画だったのです。

 原作は読んでいないけど、大林宣彦の映画なら観たことがあります。このアニメの、真琴と千昭が中性的な名前なのは、大林の映画で、主人公を君付けで、少年をちゃん付けで呼んでいた事を意識したものでしょうか。と思ったけどそれは『時をかける少女』ではなく『転校生』だったかも。忘れた…。ついでに、大林の映画のタイムリープ時の津波との合成は実にわけがわからなく時代を感じさせる映像でしたが、このアニメの理科室で転んでタイムリープ能力を身に付ける場面の映像もかなりわけがわからなく、これもやはり大林版を意識したもの…というわけではないか。一応水はあったけど。しかし本当にわけがわからないなあ。

 話は大林版よりもかなり難解でした。1回でもタイムリープできる人間が2人居れば、交互にタイムリープを繰り返すことにより無限回タイムリープできる、という解釈で良いのかなあ。しかし、千昭が最後のタイムリープを使った後、主人公が功介とボランティア部の後輩が死んだ事を知らなかったことから、意識は連続されないことがわかります。ただしそう考えると、0回になったはずのタイムリープの残りがあと1回あると主人公が観客と同じように気付くのはおかしい。これは…主人公はバカだからと納得するしかないのかなあ。多分納得できないけど。ともかく、無限回タイムリープ出来てもどこかで情報を伝達しなければ意味がありません。つまり、世界を征服するには、如何に効率的に情報を伝達できるかが焦点となるでしょう。

 千昭は絵くらい観てから未来に帰れば良いのに、といった野暮な事も気になりはしますが、そんなことよりも、上で書いたような、過去をやり直せるキャラクター群を神の視点から見る事と、それに感情移入してしまうことの間に生じる齟齬は非常に興味深いものがありました。メタな物語においてキャラクターに感情移入させることはすごく難しい、ということを示す良い例であり、またその点で理想にかなり近い作品でもあります。

A2006.09.02

ロボットカーニバル/監督:大友克洋ほか/1987

 偏差値の高いアニメと低いアニメが混在している愉快なオムニバス作品です。比較的高偏差値でまとまっている『迷宮物語』とはその点において対照的です。

 とりわけ偏差値が高いのがマオラムド(大橋学)の「CLOUD」で、実に難解。さっぱりわかりませんが、日本のアニメにしては珍しい絵本的な画面構成と尖がった抽象度は観る価値があるでしょう。だいたいマオラムドって何なんだ。よくわからないペンネームも難解さに拍車をかけています。

 次に偏差値が高いのはなかむらたかしの「ニワトリ男と赤い首」でしょう。ディズニーのような演技をするキャラクターは日本のアニメにしては珍しい雰囲気。と言うとまるで日本のアニメっぽくなければ偏差値が高いのかと思われてしまいそうですが、『ロボットカーニバル』においてはそれが成り立ってしまうかもしれません。ここに国産アニメの難しさを感じます。

 偏差値が低いのは「DEPRIVE」、「STARLIGHT ANGEL」あたり。

 梅津泰臣の「プレゼンス」は、冒頭のロボットの頭でラグビーをしている少年達の動きがものすごく丁寧で実におかしい。

B+2006.08.12

ベルヴィル・ランデブー/監督:Sylvain Chomet/2002仏カナダベルギー

 自分は良く出来た最近っぽいセルアニメは大体好きです。良く動いて適度に3DCGが混じってて、そういうものは何故か安心して見られます。そしてこのアニメはかなり良く出来た最近っぽいセルアニメでした。だからかなり楽しむことが出来ました。

 話の大筋は普通。要するに悪者を倒します。でもフランスクオリティのためか色々変です。まず設定が全くキャッチーではありません。活躍するのは老婆4人および犬。犬は足が昆虫のように細くて今にも死にそうです。それはデフォルメの結果かもしれないけど。つまりデフォルメがかなりきつい。特に船のデザインにびっくりです。あまりにもあんまりなので、最も印象に残ったところとなってしまいました。

 この監督の前作(多分)は『老婦人とハト』というそうですね。やっぱり老婆なのか。

A-2006.06.11

ファンタスティック・プラネット/監督:Rene Laloux/1973仏チェコ

 ビジュアルがとにかくおかしい。素朴におかしい。美的感覚がどこかおかしくないとこのような作品は作れないのでしょう。面白いけれど、残酷な描写が多い事もありなかなか疲れるアニメです。

 幾人もの犠牲者を出しながらドラーグ族を1人倒すシーンはなかなかカタルシスがありますね。一方、ドラーグ族はあの手この手で人類を虐殺し、飽きさせません。メソドロジーが確立されていないようです。

B+2006.06.11

キリクと魔女/監督:Michel Ocelot/1998仏ベルギールクセンブルグ

 植物の色が凄い。類を見ないものだと思います。構図のわかりやすさも類を見ないものです。地平線の見えるロケーションに依るところも大きいですが、それ以外にも、例えばサイドビューの洞窟内はテレビゲームのようにわかりやすい。

 キリクは自分の考えた事をいちいち口に出すので、話もわかりやすい。疑問に思ったことは何でも尋ねます。この問いかけはキャッチフレーズにもなっているように、このアニメの最も大きな特徴なのかもしれません。魔女が悪いことがアプリオリとなっているなかで、キリクだけがそれは何故かと問うのです。

 しかしやはりこれは神話的世界観の話です。やがてキリクからも超論理が飛び出します。観客が「なぜ?どうして?」と問いたくなってしまいます。それを問わないことは、魔女が悪いことがアプリオリであると認めることと同じなのだろうけど、神話だから問うわけにはいかないのです。

B+2006.06.11

ペイネ 愛の世界旅行/監督:Cesare Perfetto/1974仏伊

 エンニオ・モリコーネによる音楽が素晴らしいです。それゆえ自分にとってはオープニングだけで十分です。後は蛇足かも…まあつまらないわけではないのだけど、オープニングだけずっと見ていた方が良いかもしれません。

 話のテーマはもう愚直なまでに「戦争反対! 恋愛賛成!」。これに抵抗を感じてしまう人も多いのではないでしょうか。そもそも昨年のICPCの自分たちのチーム名は「noSex_noWar」でした。これは明らかにペイネの思想と対立します(笑い)。

 一部サイケデリックなアニメーションもあり、観た事はないけれど『イエローサブマリン』もこんな感じでしょうか。

B+2006.06.11

映画 ドラえもん のび太の恐竜2006/監督:楠葉宏三, 渡辺歩/2006

 2chの大平晋也スレでは大平晋也が描いているみたいな書き込みがあったけれど、スタッフロールには載っていませんでした。恐竜ハンター達が捕まっているカットがすごく大平っぽく思えたけれど、橋本晋治なのでしょうか。橋本晋治はスタッフロールに載っていたので。自分はあんまりアニメを見る目がないのでよくわからないけれど。

 5人一緒に白亜紀に到着した直後とか、最初に肉食恐竜(名前忘れた)に遭遇した時のアニメーションは特にへんてこで印象に残りました。素晴らしい。自分は映画のドラえもんは渡辺歩の併映作以外あまりまともに観ていないけれど(昔の『のび太の恐竜』も観ていない)、やっぱり今作だけが特別に変なのでしょうか。気になった所は、ドラえもんの顔は球体なので、角度によっては目が一部分しか見えなくなる、というのは当たり前ですが、これが極端というか、強調され過ぎというか、片目は全て見えるのにもう一方は下半分だけみたいなことになっており、やや違和感を感じました。ジャイアンの白目が高々1つしか表示されないようなものでしょうか。

 クライマックスで、タイムパトロールに恐竜ハンターたちがやられていく様子は爽快だけれど、あまりにごちゃごちゃしていて画面内で何が起こっているのかよくわかりません。エンディングの原作漫画は良いですね。

 恐竜ハンターが怖すぎて泣いている子供は当然のように居ました。

B+2006.03.15

雲のむこう、約束の場所/監督:新海誠/2004

 ここまで『ほしのこえ』と変わるところがないなんて、ものすごくびっくりしました。ヒロインがどういうわけかセカイ的に重要な存在で主人公が困ったり悩んだりするストーリーは言うまでもなく、キャラクターの絵をちゃんとしたアニメーターが描いたというのに、キャラクターに見るところがないのも変わりありません。

 ヒロインの声がなんか嫌。音楽はすごく『英雄伝説IV』です。このアニメの音楽が気に入るような人間は『英雄伝説IV』のサントラを聴くと良いと思います。草原が描かれると『モナークモナーク』のCGアニメを思い起こさせます。あれも新海誠だよなあ、きっと。

 次回作は連作短篇だそうで、短編ならばさすがにヒロインにセカイの運命がかかっているなどという事はなさそうなので、『彼女と彼女の猫』程度には期待できそうです。よくわからないタイミングでカットが変わったり、つまらないカットを繰り返したりしなければ良いなあ。この作品では、飛んでいる飛行機が画面の真ん中にでんと位置して、プロペラ(?)が回っているカットが超退屈でした。

B2006.03.09

アリーテ姫/監督:片渕須直/2000

 原作の邦題は『アリーテ姫の冒険』なのに、このアニメのタイトルには何故「冒険」が付かないのだろう、と思っていましたが、答えは単純、冒険なんてしないからです。タイトルにも含まれていた要素抜きで一体どうするのでしょう、と思っていたら、見せ場が殆どなく、自意識過剰の主人公は悩んでばかりいる、どう考えても子供向けとは思えない構成のアニメになっていました。さんざん「良いアニメだけどどんな層が観るのか分からない」と言われている作品ですが、それはもっともな事です。

 こんな構成であっても、STUDIO4℃的にはあくまでもこれは子供向けなのでしょう。良心的過ぎるし。ホント毒がない。やはりSTUDIO4℃に子供向けアニメなんて作らせてはいけないのではないかと。プロデューサーは、「子供向けだから」ということで、人が死なないように、といった配慮しているらしいのですが、それがあまりに極端でバランスが悪く思えます。『アニメ・アート・ビデオ・コレクション』の「ジャックと豆の木」で、ジャックを泥棒にさせないように、という思慮をするなんて、悪い事だとは思わないのだけど、ちょっと普通じゃないような。『アリーテ姫』でも、原作では魔法使いのボックスは馬に蹴られて死んでしまうのですが、アニメでは当然死にません。アニメの設定では不死であるはずのボックスが、ラストでは不死でなくなった、という点では、死ぬ事になる…のかなあ? まあ些細な事です。ボックスが死ぬか死なないか、なんて問題が些細な事になってしまう程、アニメと原作では話が全く違うのです。

 アニメと原作で話があまりにも違う為、原作にある要素がどのように料理されているか観るのは楽しめると思います。例えば、アニメでは中盤、魔法をかけられたアリーテ姫は「まあ、ほんとうでございますか」「なんて興味ぶかいお話なんでしょう。もっとおきかせくださいませ」としか話せなくなってしまうのですが、これは原作で「話し方の家庭教師」がアリーテ姫に教えている話し方と同じです。アニメにも「話し方の家庭教師」が居れば、良い伏線になったかも。

 なお、原作の原題は「The Clever Princess」。アニメの内容は、このタイトルからもちょっと違うような気がします。確かに、アニメ唯一の見せ場であろう、水を増幅させる手順において、アリーテ姫が賢い事は十分に分かるのだけど、原作で繰り返される「かしこい王女だと。なんということだ」という王様の台詞のニュアンスは、アニメで伝えられることはありません。原題におけるCleverは、このニュアンスが伝えられなければ意味がない。それゆえに、アニメのお話は、「イギリスのフェミニストたちが、小さな女の子のために心をこめて作った感動のストーリー。」(原作の邦訳の帯)では決してないのです。アニメの内容からこのフレーズを想像するのはほぼ不可能であることを考えると、アニメと原作の違いっぷりを実感出来ます。

B+2005.01.16

岸辺のふたり/監督:Michael Dudok de Wit/2000英オランダ

 8分しかないけれど、そのコントラストの強さは一度観たら絶対に忘れない事でしょう。画のセンスの素晴らしさは静止画を観れば一目瞭然ですが、実際に動いている画面はより一層素晴らしく感じられました。巧い。自然に巧い。自然な感動を誘います。ノルシュテインやペドロフの作品で感動する事はあっても、それはどこか自然ではないような気がする。

A-2005.01.15

アニマトリックス/監督:Andy Jones,前田真宏,渡辺信一郎,川尻善昭,小池健,森本晃司,Peter Chung/2003米

 アンディー・ジョーンズ「Final Flight of the Osiris」は話はどうでもよかったけどCGはリアルでした(止まっていれば)。FFを観ていないので、それから進歩しているのかどうか分かりませんが…。

 前田真宏「The Second Renaissance」はちゃんとしたストーリーがあります。それにしても随分と古典的。前田真宏の他の作品ってちゃんと観た事がないけれど、画作りも含め、安心出来る普通さがあります。『アニマトリックス』の中で最も普通のアニメでしょう。

 渡辺信一郎「Kid's Story」はアニメーションが凄かった。橋本晋治は素晴らしい。話は無いけど一番好きかも。

 川尻善昭「Program」は和風であるが故に、真っ当な『マトリックス』の二次創作って感じでした。これが和風でなかったらもろに『マトリックス』になるのはないでしょうか。竹藪の中を馬で駆けるカットがちょっと良かった。

 小池健「World Record」は『迷宮物語』の「走る男」と同じ。脚本川尻だしな。

 森本晃司「Beyond」は一番『マトリックス』ではありません。全然関係のないオリジナル作品として観られます。森本晃司の危なかっかしいというか一歩間違えると恐ろしくアンファッショナブルになるのではないかと思えてしまうセンスは好きです。そして予想外な事に、一番面白かった。

 渡辺信一郎「A Detective Story」はビバップ。音楽とか。

 ピーター・チョン「Matriculated」はダルかった。トリにこういうよく分からない作品を持ってくるのは良くないと思います。

B+2005.01.14

アニメ・アート・ビデオ・コレクション「あかずきんちゃん」/監督:南家こうじ

 色鉛筆作画。背景の木々の、多重スクロール(テレビゲーム用語?)が美しい。アニメスタイルイベントでの上映中、田中栄子プロデューサーがしきりに「子供向け」であることを強調していました。

B2004.12.12

アニメ・アート・ビデオ・コレクション「おおかみと7ひきの子やぎ」/監督:森やすじ

 森やすじの遺作。技法としては、『アニメ・アート・ビデオ・コレクション』の中で最もオーソドックスに作られていますが、ハイクオリティーなアニメです。これもやはり子供向けである事を強調されていましたが、お母さんやぎがおおかみに言う台詞は極めて激しく、ちょっと驚く。

 「あかずきんちゃん」の後に続けて観ると笑えます。これは「ジャックと豆の木」とカップリングで発売されたようですが、「あかずきんちゃん」とのカップリングでなくて良かったようなつまらないような。

B2004.12.12

アニメ・アート・ビデオ・コレクション「ジャックと豆の木」/監督:森本晃司

 福島敦子+石川山子ということで「ラビリンス*ラビリントス」を想起しないわけにはいけません。美しい画面を楽しめます。でもちょっと展開が忙しくて楽しむ余裕がないかもしれません。

 話はかなりアレンジが施されています。これもやはり子供向けということで、ジャックを泥棒にさせないように、という思慮がなされているのですが、そこまで気にしなくてはいけないものなのでしょうか。難しい。

B+2004.12.12

TOKUMAアニメビデオえほん はないちもんめ「草之丞の話」/監督:西尾大介/1990

 江國香織原作のOVA。『TOKUMAアニメビデオえほん はないちもんめ』なんて存在自体知らなかったのですが、シリーズ共通と思われるオープニングがすごく良かった。まだまだ自分の知らない良作アニメはあるんだなあ。べつに自分はたくさんのアニメを観ているわけではないけれど、名前すら聞いた事がない国産の良作というのはもう殆どないかもと思っていました。

 これを「(何度観ても)素晴らしい!」と激賞し、アニメスタイルイベント参加者に同意を求める細田守を見て、細田守って割と熱い人なんだなあと思いました。ちょっと意外。

 ともかく、きっちりとした演出と、ほぼ一人で手がけている原画によって、密やかな完成度の高さを見せつけてくれます。

B+2004.12.12

マインド・ゲーム/監督:湯浅政明/2004

 こんなアニメ一体誰が観るんだ、と思っていたのですが、意外な事に映画館は満席。ぎりぎりに行っていたら観られなかったわけですね。危ない危ない。

 まず観るべき所は手法とレイアウト(と言っていいのやら)…かなあ。アニメの動き自体はよく分かりませんでした。これを作画アニメとして観られる人はすごいと思います。

 最初と最後にある、早いカット割りの過去のシーンは、頭が追いつかなくて一部しか意味が分かりませんでした。これはすごく悔しい。何故なら、最も楽しめたのはその辺りだからです。自分の楽しみ方はつまらない人間の楽しみ方なのかもしれませんが、ガキだからしょーがない。スノッブなガキは素直に楽しめないのですよ。

 前衛的な手法と通常セットになっているのは難解な内容と深淵(であるかのよう)なテーマ。それは言うまでもなくスノッブなガキの大好物。ところがこの作品は、前衛的な手法を用いつつも、非常にストレートで泥臭いメンタリティーを貫いているのです。そこにスノッブなガキは混乱を来してしまうのです。アニメにそのような作品が出現したのはとても価値ある事だと頭では思っていても。

A-2004.10.10

スチームボーイ/監督:大友克洋/2004

 スチームって熱そう。だから、暑い夏に公開してもダメなんじゃないか、と思っていたけれど、実は冷たいものでした。冷たさを前面に出して宣伝すべきでしょう。

 『メトロポリス』や『アイアン・ジャイアント』のクライマックスが延々と続いているような感じで、とりあえずすごいです。愉快なメカがたくさん見られたのも楽しかった。話は、テーマがありきたりなのはまあいいとして、今や稀に見るようなありきたりな台詞が多く、ビックリしました(最近あまりアニメを観ていない為に余計にそう感じられるのかもしれないけど)。とても脚本村井さだゆきと思えない。でも、雑誌で、手直しする余地はあまりなかったと答えているので、それならまあ納得。

 全編カタルシスのような映画ではありますが、物語の構造としては、城が動く事がカタルシスとなっているようです。主人公の父親は、城が動いた時点で夢が叶ってしまったようですし。この物語で一番得をした、というか幸せになったのは主人公の父親ですね。妻に手紙を毎月(だったかな?)出していたにも関わらず、裏で悪い人に捨てられ届けられなかった代償として、科学の力を世に知らしめる事が出来たのです。本当に良かったと言えます。それはともかく、城が動く、と言ったら『ハウルの動く城』なわけで、こんなに重要なイメージが被っていて大丈夫なのでしょうか。しかし、これくらい被っていた方が、大友克洋の作った宮崎アニメと、宮崎駿の作る宮崎アニメとの残酷な比較がし易くなります。『ハウル』楽しみ。

 スタッフロールの背景で後日談らしきものが語られますが、これがとてつもなく難解。様々な解釈が出来ます。あと、本編のキャラクターデザインは大友克洋の絵柄から相当離れていますが、この後日談では明らかに大友本人が描いたのではないかと思われる絵も見られます。(違ったらどうしよう)

B+2004.07.09

彼女と彼女の猫/監督:新海誠/1999

 実は今までちゃんと見た事はありませんでした。新海誠について誰かと話している時、「『ほしのこえ』より『猫』の方が好き」と言われると、「やっぱそうだよねー」とか何とか相槌を返していたというのに、けしからん事です。まあ実際、ダイジェスト版を観て字コンテを読んでいれば本編を観たも同然のような気がしますが。

 ミミとの会話は『モナークモナーク』の「モナくんラブリィ絵本」を連想させて仕方ありません。これは単純に猫の造型に因るものなのかなあ。好きな場面は電車の中から見える夜景です。

 ついでに『ほしのこえ』も再び見ました。それも、オリジナル版声優版両方。せっかちな映像だなあと改めて思いました。そして、『彼女と彼女の猫』について次のような感想を持つのです。

 「あの『ほしのこえ』より全然すごくはないけどこっちの方が好き」

…「全然」は要らないか。

 それはともかくとして、『雲のむこう、約束の場所』でも、誰か二人が声を合わせて締めの台詞を言うことになるのでしょうか。

B2004.06.13

火の鳥 ヤマト編/監督:平田敏夫/1987

 こんなに普通の話だったかなあ?と思って原作を読み返す。いやさすがに原作は面白いですね。アニメもそんなにつまらないという訳ではないし、話の細部をかなり変えているのにも関わらず普通のシリアスな話としてまとめ上げていて、それはすごく難しい事なのではないかと思うのだけど、やっぱ普通…としか。

 そんなわけで、特にこれがダメ!と言い切れるような部分は殆どありませんが、ただ、最期の場面で歌わないのは納得出来ません。

B2004.02.08

海底超特急マリン・エクスプレス/監督:出崎哲/1979

 手塚キャラがたくさん登場して、手塚治虫らしい荒唐無稽な話が繰り広げられます。海底開発を焦点に、普通の環境問題提起系の話としてハッピーエンドを迎えるのかと思いきや、なかなか話が終わらず、最後にはムー帝国やら宇宙人やら出て来て、幾ら何でもビックリです。スタッフロールが上から下に流れることにもビックリ。

B2003.12.29

展覧会の絵/総監督:手塚治虫/1966

 英語の字幕が消えるのが早過ぎて、英語力の低い自分は読み逃してしまいます。しかし、読み逃さなかったとしてもアニメの内容は相当難解なので、一番最初の「評論家」でいきなり躓いてしまいました。展開早過ぎです。「工場長」の話など、分かり易いものもあったけれど…。

 オープニングの品の良さ、エンディングの盛り上がりは好きです。注射器の楽器(?)とか、良いなあ。

B2003.12.26

森の伝説 PART-1/監督:手塚治虫,宇井孝司/1987

 手塚治虫最後のアニメ。

 始めの方はジブリ美術館の始めの方みたいでした。アニメーションの歴史を織り込んでいるらしいのです。そんなメタアニメな部分は面白かったけれど、よく分からない所もありました。意図に気付いていない所もきっと多いのでしょう。手塚治虫の考えている事はとても面白いのだろうけど、それが伝わっている気があんまりしない…。

とか思っていたけど、観直したら大体分かりました。

 第一楽章は、空中でモモンガが鳥と喧嘩(?)しているあたりが好きです。第二楽章は、『東京ゴッドファーザーズ』みたいな、顔に見えるビルがあるのですが、その黒目(人間)が移動して、睨み付けているように見えるところが好き。芸が細かいです。

B+2003.12.25

ユニコ/監督:平田敏夫/1981

 原作は読んでいませんが、かなり良く出来ていると思います。

 猫のチャオの歌う歌が良かったです。歌と共にチャオが初めて現れる場面はすごく好きです。

 荒廃した土地が緑に覆われる演出は男鹿和雄に似合いますね。終盤、ゴースト男爵の力によって森の木が動き出し、ユニコ達に襲いかかるのですが、それが倒され、倒された形のまま再び背景に収まる(セルではなくなる)のは丁寧だなあと思いました。

B+2003.12.25

RUNNING BOY スター・ソルジャーの秘密/監督:小華和ためお/1986

 普通にツッコミどころ満載なアニメですが(さりげなく連射パッドの宣伝をしていたり)、古き良き時代を感じさせる素敵な内容でした。

 まず、主人公の夢がゲームプログラマーであるところが良い。今でも小学生ならプログラマーに憧れることは普通なのかもしれませんが、目標とする天才ゲームプログラマーがちゃんと存在していて(今の小学生にとってそんな人は居るのでしょうか?)、その方に邂逅するというシチュエーションだけでも感動的であります。勿論、自分にとっては、の話ですが…。

 また、究極のシューティングゲームなるものの存在が信じられている点も、ロマンを感じさせてくれます。究極のシューティングゲームの内実、というか、定義が如何なるものであろうとも。「究極のゲーム」があるって信じてるのは田尻智だけだと思っていました。

 そして、子供に、プログラミング(というかプログラムの書き換え)って手軽な事なんだなあ、と思わせる教育効果も期待出来ます。そのようなアニメは多いと思われますが、この作品の場合、ちょっとは具体的(?)なので…。

B2003.12.21

眠れる森の美女/監督:Clyde Geronimi/1959米

 『白雪姫』との区別がやっと付きました。

 そんなに観ていない所為かもしれませんが、ディズニーアニメの映像ってこんなに面白かったのか、と思いました(良い意味だけではなく)。冒頭の、整い過ぎて3DCGみたいになっているお城を背に兵隊(多分)が歩いているカットなど、すごく面白いです。今同じような映像を作ったら、背景だけが妙にチープな、異化効果を狙った映像に感じられるでしょうけど、だからと言って、1959年に作られたともなかなか思えません。勿論、素直に技術力の高さから同じように思う所もあります。というか、そっちの方が全然多い、良いアニメです。(3DCGみたいなお城も技術力の高さ故と言えばまあそうなん

B+2003.11.29

悟空の大冒険 未放映エピソード/演出:出崎統/1967

 「ニセ札で世界はまわる」というタイトルどおりの話ですが、わけがわかりません。本当に、ニセ札で世界はまわる、くらいのことくらいしかわかりません。『悟空の大冒険』は、9話の前半だけ観ても並々ではないと思いましたが、更にこれを観せられると、他の話が滅茶苦茶気になってきます。どれもこんなにメタフィクショナルなのでしょうか。

 例えば、使い回しのカットだけで話を作ったりすると、こんなふうになってもおかしくなさそうですが、新たな秩序が生成される面白さをここまで生み出すことはおそらく無理でしょう。ホント凄い。濃い。

B+2003.11.16

あおさぎと鶴/監督:Yuri Norstein/1974露

 アニメ研で招待券を1枚貰った「世界と日本のアニメーション ベストオブベスト」@ラピュタ阿佐ヶ谷。そのユーリ・ノルシュテイン作品集を観に行きました。ラピュタ阿佐ヶ谷は大変雰囲気の良い所で、紛れもなく中央線沿いだと思いました(?)。東急田園都市線とか大井町線とは違います。

 この作品は、荒廃した風景が魅力的です。オープニングにもある赤い映像が血のようでちょっと怖い。でも凄く綺麗です。

 キャラクターの方は、瞬間移動が目立って少々粗い印象を受けてしまいました。

B+2003.06.17

狐と兎/監督:Yuri Norstein/1973露

 「世界と日本のアニメーション ベストオブベスト」@ラピュタ阿佐ヶ谷のユーリ・ノルシュテイン作品集で観た4本の中では、最も表情豊かなアニメです。木の家での兎の生活――服を着たり、楽器を鳴らしたりするのが、幸せそうで良いなあ。

 枠の使い方が非常に面白いので、漫画のコマ割りの参考になるかもしれません。

B+2003.06.17

話の話/監督:Yuri Norstein/1979露

 個々の映像が一体どのようにして繋がっているのか全然分かりません。まるで複数の短編アニメをリミックスしたかのようです。そんな作品を、ほぼ無条件に、というか思考停止して気に入ってしまうのは良い傾向ではないのかもしれませんが、とにかく観た中では一番好きです。

 だって鉄道は格好良いし、車のライトとの合成も面白いし、丘を下る旅人のカットは凄く立体的だし…。とにかく盛りだくさんなアニメーションです。

A2003.06.17

霧につつまれたハリネズミ/監督:Yuri Norstein/1975露

 ハリネズミやフクロウのデザインが素晴らし過ぎます。そして霧! もうそれだけで十分って感じですが、『あおさぎと鶴』や『狐と兎』と比べて直接的に感動させるような台詞も織り込まれています。

 それにしても、良い短編アニメーションは何度も観て楽しむ物だと思うので、映画館で一度観た限りだと物足りなくって仕方ありません。

A-2003.06.17

ゲゲゲの鬼太郎 最強妖怪軍団!日本上陸!!/監督:芹川有吾 /1986

 弟は例によって何度も観ています。

 一反もめんの存在がなかなか面白いです。一番派手に活躍してるのも一反もめんだし。一反もめん無しではありえない。

B-2002.11.24

老人と海/監督:Alexander Petrov/1999日露カナダ

 ようやく観る。原作は読んでいません。

 うまいなあすごいなあ滅茶苦茶すげえうまい。水面を眺めているだけでも満足出来ます。

 その素晴らしい水面なのですが、カジキに強く引っ張られて最初に船が傾く時に、水平線も一緒に傾くのが気になりました。水平線であるかのように見えるものは実は水平線ではないのか、そもそも何か根本的に自分の目がおかしいのか…。

A-2002.11.15

マクロスプラス MOVIE EDITION/監督:渡辺信一郎/1995

 『マクロス』シリーズを観るのは、実は初めてです。『テグザー』っぽいと思いました。

 大変格好良いです。古臭いCGの使い方も、ここまでサイケデリックで、かつ音楽にマッチしているものは稀ではないかと。話はよくわからなかったので、OVAの方もそのうち観ておきたいです。音楽の為にも。

 OVAならちゃんと使われている…のかどうかは知りませんが(勿論、話が理解できるかどうかもわからない)、「VOICES」なんかより「Pulse」や「Pu Qua O」をこよなく愛する人間にとって、この劇場版の音楽はちょっと不満です。「Go Ri A Te」みたいな間の抜けた曲があってこそ、『マクロスプラス』の音楽は好きなのになあ。「Go Ri A Te」はカラオケのシーンで一応流れるのだけど、イントロだけで終わってしまうし。その後が重要なのに!

A-2002.11.12

PiPiとべないホタル/監督:中田新一/1996

 半分くらいまで、主人公の名前はピピではなくピッピだと思っていました。それでは長靴下か。

 自然破壊を訴えているかのような話の展開をしながら、結局多くのホタルを壊滅させたのは何の変哲もないただの嵐で、エコアニメ好きとしては残念です。自分がエコアニメ好きだということは、今なんとなく決めました。

 エコアニメ好き故に、洞窟内は腐海に見えて止みません。美術監督が中村光毅であることが大きいのでしょう。

 不思議に思うのは、あまり性格の宜しくない2匹のホタルが、蜘蛛の巣に引っ掛った時、「ピピ」の名前だけを呼ぶことです。どうして物理的な救出能力に欠けるピピに、敢えて救出を乞わなければならないのでしょうか。好意的な解釈をすれば、その時既にピピの並々ならぬ勇気を認めていたことになりますが…。

 ちなみに、音楽は良かったです。

B2002.11.06

ゲゲゲの鬼太郎〜おばけナイター〜/監督:佐藤順一/1997

 弟は最近、『ゲゲゲの鬼太郎』が大変お気に入りのようです。しかし、親は忌み嫌っています。

 何故か。

 先日、『ゲゲゲの鬼太郎』のビデオを2本借りたのですが、こともあろうにそれを返し忘れて、超過料金を600円程取られてしまったのです。600円は言うまでも無く大金です。「ゲゲゲ」と言うだけで奪われた600円を思い起こさせ、不愉快な気分になるそうです。

 そんなわけで、うちの中限定で曰く付きのこのアニメですが、前半は程良いバカ具合、試合が始まってからは異様にシリアスで(絵的には楽しいはずなのに)、なかなか面白かったです。

B2002.10.29

とべ! くじらのピーク/監督:森本晃司/1991

 うつのみやさとるはよいなあ。

 ストーリーに関して、最も気になったのは、白いクジラ目当てにシーサーカスを見に来た無垢な客の心情です。自分が主人公の立場だったら、客の事など忘れて一目散に逃走するでしょうが、自分が作り手ならば、客を満足させ得る演技をその場でピークにさせます。その上で、主人公及びピークを逃走させるでしょう。その方が、華があって、絶対に良い…はず。原作はどうなのか全く知りませんが。

 そういえば、屋根の上で笛を吹くシーンは、どうしてもラピュタと関連付けたくなります。

B2002.10.26

ファンタジア/アニメーション監督:Ben Sharpsteen/1940米

 ディズニーは最近のも昔のも殆ど見ていません。何故かというと、生徒に無理矢理恋愛小説を書かせるような中学1年の時の担任の先生が、映画ファンだったのですが、何度もディズニーはつまらないと言うもんだから、そのように洗脳されてしまい、その上、褒める人も周りに居なかったからです。(しかしその先生の褒める映画は『インデペンデンス・デイ』だったりするわけで)

 いきなり実写で、なかなかアニメらしいアニメが始まらなくて面食らいましたが、概ね美しい映像で良かったです。1940年とはとても思えない恐竜の色使いには驚きました。あと、ミッキーと指揮者が握手するところが好きです。これでこそ楽団を実写で写す意味がある。

 そういえば、英語だったので何言ってるのかわかりませんでした。

B+2002.09.05

THE八犬伝[新章]第4話/演出・絵コンテ:大平晋也/1994

 ああ、面白いなあ。これなら何度でも見ることが出来ます。とりあえず二回見た。話の方はよくわからないのだけど。

 最初の辺りで赤い人が人を切りながらうねうねと動くのが、最もギブリーズのダンスを想起させました。とりあえずこれが大平晋也かと思ってちょっと感動。

 特に好きなシーンは、偉そうな悪い奴の部下の、見た目からして悪そうな野郎が、情けない顔をした親父(後で殺される人?)の肩を叩いて、親父の首がぐでんっと揺れるところと、偉そうな悪い奴が、おそらくこの話の根幹を成すと思われるキャラクター二人に、刀を振り下ろして倒れ込むところです。後者は手の動きがとても良い。

 その後の兵隊が追っかける(?)シークエンスの辺りは、小綺麗な動きで、他に比べてあまり好きではないのですが、更にそれ以後は目を離す余裕が殆どありませんでした。凄いです。

A-2002.08.28

太陽の法 エル・カンターレへの道/製作総指揮:大川隆法 /2000

 こんなに退屈なアニメを見たのは初めてです。SF(すべからくファジーであるべき)的な設定は少し面白いと思える部分もありますが、そんなものは口で説明すれば一分で済むことだ。こんな冗長極まりない映像を見る必要なんか無い。ラストで突如実写が出てきたのには意表を突かれましたが…。

C+2002.08.03

西遊記/監督:藪下泰司,手塚治虫,白川大作/1960

 『白蛇伝』の2年後とはとても思えないくらいに近代化されてます。BGMも断片的になったし(それでもかなり鳴っていますが)、効果音もかなり増えた。

 さて実はちゃんと『西遊記』を読んだことが無いので、このアニメのどこらへんが手塚治虫の創作なのか、はっきりとわかりません。でも、『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』のあまりにも退屈な西遊記パート(後半部分)の三倍くらいは面白かったです。『パラレル西遊記』は中盤までは面白いんだけどなあ、ってそれはどうでもいいですが。

 5歳の弟が、いや、もうすぐ6歳なのかもしれませんが、目をそんなに離さずに観ていたので、今でも十分に楽しめるものだと思います。

B+2002.07.27

白蛇伝/監督:藪下泰司/1958

 宮崎駿に、「ぼくは漫画映画のヒロインに恋をしてしまった」と言わしめた事で有名な作品です。今これを観て同じように思う人(高校3年生が望ましい)がいたらかなり尊敬しますが、背景やパンダが結構面白かったです。

 背景は、ただし中盤迄の話ですが、『怪童丸』みたいに不思議な印象を与えてくれます。40年以上後の作品を例に挙げるのも不思議ですね。

 パンダは、呼称が「パンダ」である事(ご主人様であるところの主人公が、パンダに向かって「パンダ!」って呼ぶのは何だか凄く変な気が…自分だけ?)と、あまりの無表情さが、妙にヒットしてしまいました。前者は他の動物にも当てはまるのですが、やっぱりパンダだしなあ(なんなんだ)。

 さて、このアニメには効果音が殆ど使われておりません。その代わりにあるのがBGM(歌もあり)で、ほぼ流れっぱなしです。BGMは要所に絞られて、その代わりに凝った効果音が使われるというのは、最近のコンピューターゲームで顕著ですが、アニメもゲームと似たような進化(?)を辿ったのでしょうか。みたいな事を考えていたのですが、シーケンシャルに相応しいBGMを流し続けるというのは、それはそれで大変な作業だろうから、効果音が増加した(効果音でいろいろ誤魔化せるようになった)という共通点以外は、考えがちっともまとまりません。ああ、もっといろいろ観なくては…。

B2002.07.22

ほしのこえ/監督:新海誠/2002

 DoGAの『彼女と彼女の猫』ダイジェスト版でスゲーって思って、予告編観てもやっぱりスゲーって思って、しかも自分は残念ながらファルコムファンだし、それはもう期待しまくってました。

 いつの間にか世間ではかなり有名になってしまって、なんか大塚とかいう人も褒めまくってるし、それ故自分の中の興味も何故か殺がれてしまう不思議な現象発生。なわけで、今更観てみたのですが…。

 不思議とダメでした。興味が少々殺がれようが、やはりそれなりの期待を持って観ていたのですが、観終わった後、一体自分は何を期待してたんだろうと思ってしまいました。もの凄く褒めてる人がたくさんいるというのに…何故。

 予告編…というかそれこそゲームのオープニングを薄めたような感じで、「あらゆる映画の予告は実は映画そのものの予告であるに過ぎないし、それが優れた予告の条件でもある。予告は単に予告である事のみによって成立する。」という『Talking Head』の台詞を思い出してしまいました。

 個人制作故に、観る側も個人でないといけないのでしょうか。集団でゴチャゴチャと、必要の無いツッコミをしながら観るという姿勢は、良くないのかも知れません。

B2002.06.16

怪童丸/監督:若林漢二/2001

 月並みですが、あまりにも淡泊な3D背景とセルの組み合わせが新鮮でした。田島昭宇カラーで統一されているので、静止画として見るとそんなに違和感無いかもしれません。ブレというか残像みたいな演出(やまだないとの漫画みたいな?)には、さすがに妙な感じがしますが、でもやっぱり面白い映像です。一番不思議に思えたのは、茨木童子と最初に遭遇するシーンの、赤い煙みたいなエフェクト。なんだか無茶苦茶な解像度に見えますが…なんなのでしょうアレは。赤と言えば、血が本当に目立ちますね。『BLOOD』なんかよりよっぽど血アニメだ。

 個人的には、背景過剰なアニメに対するアンチテーゼとして見るべきだと思います。ただ、『となりの山田くん』でも同じように思いましたが、これではあまりにもチープすぎるというか下手というかデジタルすぎるというか。何かこう、打破してくれるアニメはないのか。

 話はよくわかりませんでした。

B2002.06.08

無限のリヴァイアス/監督:谷口悟朗/1999-2000

 とても良いです。このようにたくさんキャラの出る話が作りたいなあと思っても、自分にはキャラメイキングの能力がない現実に愕然。ウィザードリィとか大航海時代とか、どうにもキャラメイキングの段階で悩んで悩んで悩んで止まってしまうのです。ダメですね。

A-2002.05.26

映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲/監督:原恵一 /2001

 子供向けにはどうか?などと言われますが、弟はかなり楽しんでみていたようです。でも終盤は息切れ。クレヨンしんちゃんならば、もっと直接的に困難な状況を打破しないとならない(つか子供に受けない)と思うのですが。「お前凄いよ」、って確かに凄いけど、階段登るだけじゃなあ…。

B+2002.04.12

Spirit of Wonder チャイナさんの憂鬱/監督:本郷みつる/1992

 OVA。話は漫画とほぼ一緒。 2001年に出た『Spirit of Wonder』に比べて、良く動きはしますが、演出がかなり気に食わない。それは著しく鶴田謙二的でないからなのですが、とにかく目のアップを多用しすぎてやかましかったです。

B2002.04.08

はらぺこあおむし/監督:アンドリュー・ガフ/1996英

 『はらぺこあおむし』他全5作品。一押しは断然『ごちゃまぜカメレオン』ですね。5歳の弟もこれが面白いと言ってました。全体的にもうちょっと動いてほしいなあとも思うのですが、多間接アニメは楽しいです。『はらぺこあおむし』の表情も豊かで良い。

 エリック・カールの絵本はおそらく読んだことが無いのですが、前にテレビでこの人の特集をやってたのを見ました。制作工程が大変面白かったです。

B2002.04.06

11人いる!/監督:出崎統,富永恒雄/1986

 漫画にあった重要なシークエンスが抜けていまして、突然「結婚しよう」などと言い始められましても困惑せざるを得ません。たとえそのシークエンスがあったとしても、タダとフロルのやり取りが希薄なのは変わりませんが。

 キャラ自体も、キャラの関係も著しく描けておらず、この作品の持つ情報を、漫画と同じアプローチを以てアニメで提供するのは限りなく不可能だと思いました。月並みですが漫画の方を勧めます。

 しかし石頭殉職かよ! なんてこった! 見る価値あった!?

B-2002.04.05

銀河鉄道の夜/監督:杉井ギサブロー/1985

 個人的には音楽・細野晴臣が最重要事項でしたが、背景も素晴らしかったです。猫のくせに生活感ありまくりの序盤が、丁寧な演出も手伝ってかとても好きですが、他は映像が綺麗なのはともかく、どうにもよくわかりません。冗長なカットが眠気を誘います。

 そもそも宮沢賢治自体、残念ながらあまり好きではないのです。そのうち好きになれるだろうかと思いながら、もう5、6年経ってしまった。

B+2002.03.17

アリオン/監督:安彦良和/1986

 漫画『アリオン』は、論理を除き、展開のリズムのみを捉えた場合、良く出来た話だと思います。しかし、頑なな観念に閉ざされた台詞、保守的というより寧ろ古典的過ぎるお遊び、そのくせ変に俗っぽい、といった理由によって、ちっとも好きになれるものではなかった。

 それはアニメでも大差ありませんが、結構面白いアニメーションはありました。特に、鳥みたいな風貌の生き物に乗って空飛ぶところ。加えて、槍等を持った兵隊と、科学技術を駆使したミサイルは、実にミスマッチで面白いし、ラスト付近でレスフィーナが飛び回るシーンの滑稽さはただ者ではない。

 音楽にも注目。序盤、ナウシカと同じようなシーンで同じような音楽が流れて笑えます。さすが久石譲といったところでしょうか。他は気になるほどダメというより寧ろ良い感じですが。

 …とまあ瑣末な事を書きましたが、結局、この作品に対する認識は漫画のそれとあまり変わってません。

B2002.03.03

走れメロス/監督:おおすみ正秋/1992

 私的なポイントは作画監督・沖浦啓之。

 原作はべつに好きなわけじゃないので、話はあまり期待して見ていなかったのですが、非常に丁寧で適当なアレンジが施してあり、登場人物の心情など非常にわかりやすく楽しめました。時折入るギャグは少々異質に感じましたが、数分経つとどうでもよくなります。無論作画も丁寧極まりないのですが、特に印象的な作画はあまり無かったような気がします。荷馬車が崖から落ちるシーンや、王妃の命を受けた刺客との戦闘など、確かに凄くカッコイイのですが、何故かちっとも新鮮に見えません。

 ほぼ全ての面に於いて、無難に遜色なく仕上げた感じ。

B2001.02.14

お星さまのレール/監督:平田敏夫/1993

 第二次世界大戦中の日本を舞台にしたアニメは色々あるけれど、これはちょっと変わっていて、日本の朝鮮に於ける植民地支配に巻き込まれる家族を描いているのが新鮮で良かった。

 今まで残留孤児などの存在にあまりリアリティを持てなかったが、少しは持てるようになったかな…? などと小学生の感想文みたいになってしまったが(いつものことか)、そんな感想を書かせる教育アニメとしては十分な出来だと思う。片言の日本語の非常な胡散臭ささも良い感じに思えるほどに。

 戦争そのものについて直接的な表現は殆どなされなかったが、その分安心して見られる。いや、主人公がまち針刺さったままのロンパース(オーバーオール?)を履いてしまったくだりは、流石にハラハラドキドキ。その上、先の展開が目に見えるので、この時点で既にこちらまで痛みが伝わってくる。その後、予想通りの展開が画面上では繰り広げられるわけだが、個人的にはこの辺りが作中で一番辛いシーンとなった。物理的な痛みも予想以上の演出だったが、それまで最も立っていたと思っているキャラクターとの別れ。このキャラクターは非常に丁寧に描かれていて、とても好感が持てていただけに。それに伴って、ラストはとても良かった。この締めさえあれば、安直なフラッシュバックなんて要らない!

B+2001.01.15

新機動戦記ガンダムW ENDLESS WALTS 特別編/監督:青木康直/1998

 本編よりも中割りが細かくて良いですね。話はどうでもいいです。以上。だと、非常に味気ない感想になってしまうので、このビデオの持ち主である高校3年生(当時)くるみファンのメールでも引用してみましょう。

もうあれだ
戦闘シーンめちゃめちゃかっけえ
かっこよすぎ
もう動きがすごい
かっこいい
かっこいい
最高 ってな感じだ
じっくり見れ

2000.12.27

Wどうよ
すっげえええええええ
かっけえだろ

2000.12.28

ちょーかっけえだろ
W
最高だね
最高の映画
OVA見ないであれをみたら
最高の映画であったろうなあ
先に見ちゃったから
まあ
映画館のスクリーンで見れたから
迫力あってよかったなあ
戦闘シーンなんぞもう
最高すぎって感じだろ

2000.12.30

 どうですか? 観たくなりましたか?

B-2001.12.30

うしろの正面だあれ/監督:有原誠治/1991

 ダサイ演出が盛りだくさんでとても良いと思いました。それらは前半、集中豪雨的に見ることが出来る。生活が平和であるうちに、畳み掛けるような、それでいて余韻を後に残さない淡々とした場面転換。平和を実感させるには十分な演出だと感じました。良い。

 その反面、状況が悪化しても、事態をなかなか重く見ることが出来ない。格好良すぎて、絶望的な痛々しさを増幅させる『火垂るの墓』と対照的。子供向けなのかどうなのか知りませんが、ハードな描写は存在せず、ラストも明るく締めくくられるので、気が滅入る事もありません。絵が巧すぎて気が滅入ることもありません。

 絵と言えば気になったのは、布の影(暗い部分)で、非常に濃い色とそうでない色のバランスが非常に悪く思えました。背景の背景に依る影と、人物に依る影のバランスが悪いのは、アニメだからこんなものかと思えますが、そこそこ明るい、赤い服の暗い部分を、限りなく黒に近づけるのは、何か意図があるのでしょうか。靴下とか肌はそんなことないのに。

 ともかく、死ぬほど安心して観ることの出来る佳い作品ですが、特に驚嘆するところは無し。

B2001.12.22

スプリガン/監督:川崎博嗣/1998

 ビックリするほどつまらない。つまらないものを観てしまったら、その理由をはっきり整理出来ないと、自分もこんなつまらないものを作ってしまうのではないかという恐怖がつきまとって大変ですが、この作品は非常に分かりやすくて良かった…かな? とにかく、展開の普遍性の無さ(最初の方は映像的に楽しめるのに、ラストが動かないバトルのアニメって!?)と陳腐なセリフに尽きます。が、それを改善したところで面白くなるのか、考えてみてもよくわからない。第一、この話、漫画は結構面白かった気がしたんだけどなあ…(相対的なものかもしれない)。読み返したいところでしたが、くるみファンにくれてやったので手元にありません。残念。

 映像は大変良いので、それだけでも見る価値はありますが…。

B2001.10.31

MEMORIES/総監督:大友克洋/1995

 短編三つ。

 一つ目の『彼女の思いで』はつまらないタイプの大友SF。それでも作画の技術力が普通に高くて、結構楽しめました。音楽も、サントラ聴いただけではよくわからなかったけど、映像に合わせると大変良かった。

 二つ目の『最臭兵器』。ストーリーとしては、多分、一番まともな出来。『老人Z』みたいに面白くなった時の大友であり、『老人Z』より演出が派手なのですが、そもそも先日『老人Z』を観たばかりなのでノリの目新しさに欠けるというか、作画に於いても、巧いけど普通。それにしても、「おはようやまなし」って、そこが山梨であるということを示したかっただけなのか?

 最後の『大砲の街』は、ストーリーはほとんど無いのですが、映像的にかなり面白い。面倒なんだろうなあ、今ならもっとCG使いまくるんだけど、って感じで。ワンカットを自称しておきながら、暗闇や白煙で誤魔化すのはちょっとわかりませんが、写真で繋いだり、ハッとするところもあった。一番反芻出来る作品かなあ…この中では。短いし。

 改めて予告編観ると、滅茶苦茶面白そうなんだよなーこれら。『彼女の思いで』の音楽に『最臭兵器』の映像を合わせると、大変シリアスな戦争映画みたいだし。ギャグのくせに! 現在、もっとスゲエ技術力でこれをやられたら、騙されて劇場に見に行ってしまうかもしれない。で、観た後、後悔するんだ、まったくもう。

B+2001.10.17

老人Z/監督:北久保弘之/1991

 大友克洋らしい話が面白くなった時のパターン。ゴミゴミしたメカがよろしい。背景にときどき実写が混じるのだが、これが妙に気になって仕方なかった。あと、海があまり格好良くなく、印象に残らない。それは嗜好の問題だと思うのですが、自分ならば、老人の揺るぎない目的が海に行く事である以上、もっと派手に演出したいような気がする。ただ、場の状況を考えると辛いかな。

B+2001.10.16

エスカフローネ(劇場版)/監督:赤根和樹/2000

 TV版は見てないので、大したことは書けませんが、とりあえず。

 イマイチなんだけど絵が巧い。最初の方の演出は良いのだけど、後の方、特に、見せ場でなくてはならぬ(か?)空を飛ぶシーンが非常によくわからない。

 脚本も意味不明なので、そういうのを楽しめる人なら面白いかもしれません。(なんだそりゃ)

B2001.09.29

Spirit of Wonder1巻/監督:安濃高志/2001

 チャイナさんはどうでもいいです。

 というわけでメインの「少年科學倶楽部 前編」は、テーマだけで鶴田謙二良いなーとか思ってしまうので、もう話なんて要らないですね。嘘です。漫画そのまんまな上に、映像的にも大したこと無いので、鶴田謙二良いなーと思わない人が見るべきではありません。

B-2001.07.14

ジーンシャフト/監督:赤根和樹/2001

 くるみファンが非常に推すテレビアニメ。

 ツッコミどころは満載ですが、終盤はそれなりに面白かったので、そう悪くはありません。

 しかし、抽象的すぎる世界観のおかげか、終盤に頻発するお約束的な展開がどうしようもなく思えて仕方ありません。困ったことに面白味があるのがそのへんだし。抽象的ならばそれ故の面白さを求めればよいものを、中途半端に普通のアニメになってるし、抽象的なことは最後までわからないままですか。

 とりあえず主人公の存在は見事に空中分解してます。なんかやったのか? こいつは。ベニスの商人のアントニオじゃないんだから。記憶に残ったのはドルチェとベアトリーチェくらい。まったく。これでいいのでしょうか。

B2001.07.08

地球少女アルジュナ/監督:河森正治/2001

 話の意味は理解出来そうもないので、深く考えないことにします。無茶な科学的理論(場合にもよりますが)や、説教臭さが全く気にならない人間にとって、9〜11話あたりはとても面白味があって良かったのに、最後がこれでは残念極まりない。周りの評判が最悪だったので、予想はしていましたが、1、2、5、特に7話等でも見受けられるバカっぽさが、ここにきて突如目立ってどうしようもありません。変身状態のデザインが少しでもまともなものであれば、結構違ったのかも。

 やはりこれはギャグなんだろうか。8話とまではいかないものの、最終話のエンディングも笑いを誘うアレンジを施してある。でもギャグなら6話の数学教師が最高だしなあ。まったく何を魅せたいアニメなのかさっぱりわからん。音楽聴きましょう。

 テーマとしては個人的にかなり好きな感じだし、映像は面白いし、音楽は最高なのにさあ。まったく何をどうしたらこんなのが出来上がってしまうのか、不思議でなりません。まあ観て損したとも思いませんし、テレビ未放映の話も大変気になるので、VIDEOの方では完成度が素晴らしく上がっていることを期待するしかありません。とか言いつつ、レンタルする金も時間がないのでよっぽどの事がない限り観ないことでしょう。

 クリスと言えば英雄伝説III(日本ファルコム製CRPG)でシンディと言ったら英雄伝説II。んなことはどうでもいいけど、性別がどっちも逆。

B+2001.06.14

星界の戦旗/監督:長岡康史/2000

 紋章と同様、かなりスローペース。ついでに壮大さが全く見られません。

 なんなんでしょう。主人公達の行動は壮大な戦いの中で殆ど意味を持たなく、普通に見ていては、かなり裏切られた感じになるのではないでしょうか。自分だけかなあ。

 原作は読んでません。

B2001.04.26

ドラえもん〜のび太の太陽王伝説/監督:芝山努/2000

 最近の映画ドラにしては、意外に面白かったです。ドラえもんを知っていれば知っているほど、ツッコミどころが多く気になると思いますが、気にならない気にされるくらい(意味不明)には楽しめました。しかし、のび太の住んでいる時代との関わりが全くないこと、そっくりさんがいる理由が全くもって無いこと等…藤子Fならきっとこんな風にはならないよなあ…とかなんとか考えてしまいます。

 個人的には、魔界大冒険や、鉄人兵団、雲の王国等、のび太の世界の平和が脅かされる話が好きでした。というか、昔のは殆どがそんな気が。まあ、思い入れが有って仕方のないものですから、みんな好きです。昔のは。

 それにしても、今回のはラスボスに恐怖を感じる事が全くありませんでした。 それは自分の年齢によるものなのか否や。しかし、日本誕生のギガゾンビに恐怖を感じさせる要素が詰まっていたのは、最後に出会う前に幾度も名前が語られたり、ホログラムが表れたりしたことも大きい。

 全体として、複線が昔に比べて少なすぎます。その辺が私の好みでは無いのですが、良い意味でも悪い意味でも非常にオムニバス的なエンターテイメント性の高い作品であることは間違いないです。でも、映画だし。長編だし。畜生、となりの山田くん(意味不明)。

B2001.01.07

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