青春の蹉跌
(1974年 神代辰巳監督)

| これは、ショーケンと桃井かおりさんが共に素晴らしく、私はこの作品も、とても好きで す。 ショーケンはこの作品で、キネマ旬報主演男優賞を獲得したというだけあり、主人公賢 一郎を熱演しています。当時のパンフレットによると、神代監督の初期の「かぶりつき 人生」や「四畳半襖の裏張り」等を見て、ショックを受け、たっての希望でこの作品に出 ることが実現したという事だそうで、この作品に対する熱意が感じられます。 当時ベストセラーの石川達三の同名小説の映画化で、70年代の閉塞感のある、日本 の青春像を浮き彫りにしています。 全編に神代監督作品独特の、「エンヤートット・・・」というショーケンのつぶやくような 歌が繰り返し流れる所も、こういう手法みたいなのは初めての感覚だったし、桃井さん が自転車を無表情でこぐシーンが途中にイメージ的に挿入されたり、カメラワークも 独特でどんどんとこの作品に引き込まれて行きました。 これで、神代作品がすっかり「病みつき」になってしまいました。 ショーケン扮する賢一郎は、結局、最後は恋人の桃井かおり扮する登美子を捨てて、 金持ちの叔父の娘(壇ふみ)と婚約してしまうのですが、ラストの登美子を殺すシーン は壮絶です。 雪の急斜面を滑って転がっていくシーンには圧倒されたし、ショーケンも桃井さんも凄 いです。 そしてこのシーンはとても美しく、名場面だと思います。青春メロドラマという感じなんで すが、重く感じなかったし、やはり井上堯之さんの音楽もまた良くて思い出すたびにメ ロディが頭の中で流れます、映画館で見たかったなぁと思います。 映画の内容とは関係ないけれど、この映画での桃井さんのファッションが独特で、当時 のヒッピーっぽいんだけど、いつも桃井さんのファッションは、一味違うように感じてしま います。 他にも、クラブ歌手役で出演の赤座美代子さんが歌うシーンや芹明香のシンナーの少女 など(芹さんのほんのわずかなシーンがかなりのインパクト残します)70年代を感じました。 |