2004 Mexico
修論はめんどうだ。遊びに行きたい。メキシコが面白いらしい。しかも、メキシコなんて当分行くこともなさそうだ。
ということで、計画だけはずいぶん前から出来上がったメキシコの旅。
東京→アトランタ→メキシコシティ
東京→メキシコシティ間は直行便がない。ということで、ずいぶんと安いアトランタ経由を選んだ。アトランタ到着は午後3時で、乗り換えのために1泊必要だったので、少しは遊べるかなと思った。コーラ党の自分としては、ワールドオブコカコーラなんかも行きたかった。が、アトランタ空港はとても大きい。そして、厳重なセキュリティーチェックの結果、空港を出たのは午後5時過ぎ。ダウンタウンに着いたものの、多くの店は閉まって街はひっそりとしていた。翌日も午前10時30分発のため、結局アトランタは観光しそこなった。
出国審査はいたって簡単なアトランタを発ち、到着したメキシコの税関は、ボタンを押して青が出れば通過、赤が出れば、荷物をチェックされる適当なお国柄だった。メキシコシティーでは、本になるほど有名な日本人宿「ペンションアミーゴ」に泊まる。中南米を旅する人はみな知っているこの宿には、いろいろな種類の旅人がいるらしい。実際、3年間メキシコに暮らし、通訳の仕事を得た人、ボクシングの修行に来ている人もいた。が、普通の観光客だった我々は、特筆するほどディープな旅行人と接触する機会もなく、ただの汚い日本人宿であった。
メキシコシティではただの観光客だったので、ソカロ(中心部)を見て周り、世界遺産のテオティワカンに行き、ピラミッドを見学する。テオティワカンのピラミッドは頂上まで登れるので、当然登ったのが、なんでこんなに傾斜がきついの?というくらい急な階段だった。
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| 宮殿前 |
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| 伝説の日本人宿、ペンションアミーゴ |
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| テイティワカン、月のピラミッドから |
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| ピラミッドの傾斜はとても急 |
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自転車で走り出す
交通量の多いメキシコシティはとても自転車で走れないという結論から、東へ移動したプエブラから自転車に乗ることにした。走り始めのメキシコ中央高地は、標高が2000メートル以上あり、とても乾燥していてホコリっぽい。おまけに車はすごい排気ガスを出すので着ていたシャツを洗濯したら真っ黒だった。
標高差2000m
スタートのメキシコシティは標高2000メートル以上の高原地帯にあり、ゴールのカンクンはカリブ海に面している。ということは、どこかでこの標高差を消費するはずだ。今回の自転車旅行的ハイライトは、この標高差の消費と勝手に決めた。
今日がその日だと予感しながら走り始めたある日のこと。当然ながら下りが突然始まることはなく、緩やかな峠越えをした。2時間ほどかけて登りきると、峠の先は全く景色が違った。乾燥した高原地帯と違って景色に緑が多い。そして、高原側とはうって変わってタイトコーナーのの激下り。10%の勾配で10kmほど下って麓の村についた。なんかもったいない。もっと緩やかに下ってくれればいいのに。その後、勾配は幾分緩やかになり、コルドバという町で泊まる。この町、非常に排気ガスのにおいがきつい。
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| 峠の頂上 |
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| 頂上からの景色。ここから谷の下まで下る |
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| 頂上への道 |
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| 途中でセメント工場発見 |
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ベラクルス
コルドバからベラクルスへは緩やかな下り。中間点くらいまでは軽快に進んでいたが、その先は強烈な向かい風と粗い舗装に我慢を強いられる。行く先々で向かい風だった気がするなぁ。ベラクルスはメキシコ湾に面した港町。ソカロではバンドが演奏したりと陽気な街だ。酔っ払ったおっちゃんに呼び止められ、ビールをご馳走になる。言葉はほとんど通じないが、適当に話して場を盛り上げておいた。
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| 向かい風と格闘の後、休憩中 |
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| ベラクルスは音楽の町 |
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本当に世界遺産?
ベラクルスで2泊した後、再び自転車で移動。トラコタルパンという町へ行く。地球の歩き方にも乗ってるこの町はその街並みが世界遺産に指定されているらしい。到着して、街中をうろついたのだが・・・とてもひっそりとした街だ。確かに街並みは整っているし、人通りも少なくて落ち着いてるけど、世界遺産にするほど?と思った。歴史的背景があったのだろうか?途中で見た大きな河のほうが印象に残ったけどなぁ。
夕食を求めて安い食堂を探していると、昨日に続いて酔っ払いに声を掛けられた。ただ違っていたのは、「飲んだ分の金を払え」と言ってきたことだ。また、「奥さんの友人が日本に住んでいた」というカナダ人旅行者に声を掛けられた。なんだかふしぎな印象だけを残してこの町を去ることにした。
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| メキシコ湾沿いをひた走る |
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| 車が少なくていい町なんだけど・・・ |
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カテマコ
さらに自転車で移動。海沿いに下りてきてから、非常に暑い。朝は曇って涼しいが、それも9時過ぎまで。11時頃にはやる気をなくすほど暑い。ずっと平坦が続くだろうと楽観視していたら、丘陵地帯に突入する。目的地としていたサンアンドレまでに300アップくらいの峠を3つくらい越えた。おまけにこの町、国道の途中の町で大して面白くなさそう。そこで、疲れた体に鞭を打ち、約10km先のカテマコという町に期待して先に進むことにした。
カテマコは湖のほとりにある観光地だった。車の往来が激しくホコリっぽい国道からちょっと離れて、、のんびりとした景色がそこにあった。この移動は正解。夕食の後、火を使った大道芸を見ていたら、昨日あったカナダ人旅行者に遭遇。自転車で旅行する人間と同じペースとは珍しい旅行者だ。
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| 街中は車のクラクションもなく、メキシコらしくない |
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| カテマコは湖のほとりにあるのどかな観光地 |
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カンペチェ
ビジャエルモッサからバスで6〜7時間。カンペチェについた。この街はメキシコ湾に面し、中世に海賊の侵入を防ぐために街全体が砦と石壁によって囲まれている。ここの宿は地球の歩き方に載っている安宿にしたのだが、トイレのドアがゆがんで閉まらない、受付の兄ちゃんの愛想が悪すぎるなどいろいろ問題があった。
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| セントロ(中心地)に建つカテドラル |
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| 世界遺産に登録された中世の要塞 |
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メリダ
なんとなくやる気が出ないままカンペチェの安宿を8時ごろ出発。今日は80kmくらいの予定だし、大丈夫だろうとたかをくくっていた。2時間で40km進み、昼休憩を入れても3時ごろにはつくと推測。今日は楽だねぇと言い合い、予定の街、ベカルに到着。中心部に行って本日のお宿を探したが・・・見つからない。話を聞くと、この町にはホテルがないらしい。仕方ないな、ちょっと移動しよう。ということで、10km暗い離れた次の街へ行く。途中で州境を越える際に、ごつい銃を構えた警官にパスポートチェックを受ける。そして、辿りついた街、アラチョでホテルを探すが、この街にもホテルがない。仕方ない・・・メリダまで行くか。という話になった。メリダまで60km以上。現在時刻15時50分。ナイトランになることは必至だった。そこからは、メリダまで爆走。休憩もせずに黙々と走る。途中から高速みたいになったが、構わず突っ走った。高速の終点に「メリダ」と書いてあったから市街地はすぐそこと思ったが、そこからさらに15kmくらいあった。結局170km走り、宿にチェックインしたのは走り始めてから12時間後だった。
メリダはユカタン半島有数の都市であり、バスの便がいいので、マヤ遺跡見学の拠点とした。
ウシュマル、チチェンイツァー
世界遺産に指定された二つの遺跡は、共にメリダからバスで簡単にアクセスできる。両方の遺跡ともピラミッドが存在している。当然登ってみた。ピラミッドの上から広がる景色は、密林ばかり。どうしてマヤ文明がこのような場所で繁栄したかはわからないが、密林の中に巨大構造物を作り上げた当時の人たちの技術力はすごいと思った。しかし、その建設には計り知れない苦労があったに違いない。
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| ウシュマル。鳩の家 |
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| ピラミッド頂上からの景色。見渡す限り密林 |
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| チチェンイツァー |
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| やっぱりピラミッド頂上への階段は急 |
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| ピラミッド内部。生贄の心臓を捧げるチャックモール |
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| 当然世界遺産に登録されている |
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カンクンでリゾート気分
メリダからバスで約4時間。最終目的地のカンクンに到着。カンクンはメキシコ有数のリゾート地である。
ここカンクンで最後の豪遊・・・と行きたかったが、そこまでお金があったわけではないので、ホテルが立ち並ぶ「ホテルゾーン」ではなく、安宿が並ぶ「セントロ」を活動の拠点とした。ホテルゾーンのビーチは基本的にプライベートビーチ。しかし、自転車の機動性を活かして1箇所のパブリックビーチを見つけ、そこで遊んだ。また、イスラ・ムヘーレスというカンクンから船で30分程度の島に移動して、一日ビーチでリゾート気分を味わう。カリブ海は砂浜も水もきれいだし、魚だってすぐそばを泳いでる。こんなところ滅多に行けないだろうな〜と思いつつ贅沢な休日を過ごした。自分は日焼け止めを適当に塗ったために背中の日焼け跡はおかしな模様になり、日焼けしたくないと主張する石川は、Tシャツにアームウォーマーという、リゾートでは他に見ない格好で海に入った。
メキシコ最後の夜は、バーでサッカーを見ながら打ち上げ。ビールを頼むと、何も言わずに2本持ってくる。ビールは2本で1セット。これがメキシコ流らしい。本場のカルーアミルクは日本で飲むよりも濃く、決して弱気な酒ではない。一度飲むと、日本の居酒屋で注文する気をなくす。
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| カリブ海ビーチ。水も砂浜もめっちゃきれい |
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| ここであくせくするのは得策ではない |
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帰りは、カンクンの空港や、宿で知り合った日本人と行動を共にし、アトランタで同じホテルに泊まってビールを飲みながら自分たちの旅の話を語り合ってきたとさ。
おまけ
メキシコで自転車
メキシコでは、街の中の移動として自転車を利用している人の姿をよく見た。シングルギヤでMTB用の太いタイヤを履いている。ツーリングをしている人は皆無だったが、高原地帯から下っている時にツーリングの欧米系の人とすれ違った。彼はサイドバッグをフル装備のまま、あの峠を登りきることができたのだろうか?と思うと行く末を心配してならない。
メキシコで日本人観光客
メキシコシティとカンクンを除いては日本人観光客の姿をほとんど見ることがない。メキシコに関するガイドブックも「地球の歩き方」以外にほとんど見当たらないあたりから、日本人のメキシコに対する関心の少なさが予想できる。
メキシコで英語
多くの場所で通じない。しかし、たまたま昼飯のために入った食堂で、おじさんに英語でメニューの説明をしてもらったりと、意外なところで英語が通じるときもある。向こうから英語で話してくる人たちはただの客引きである。
宿事情
多くの都市に安宿はある。ツインルーム(ベッドが二つ)、ファン付で200N$も払えば、快適な部屋に泊まれる。テレビが見られる場合もある。今回の旅行で泊まったホテルはツインで130〜290N$。
メキシコの物価
日本に比べれば安い。コンビニで、350mlコーラの缶で5〜6N$。ビールは7.5〜9N$。メキシコシティを離れるほど物価は下がるが、カンクンだけは以上に物価が高い。また、メキシコシティを離れるほど両替のレートが悪くなる。(1US$=10.8N$くらいのレート)
食事は、タコス一つで2.5〜7N$。トルタというサンドイッチみたいなものが10N$前後。タコス2つにトルタを1つ食べれば、けっこう満足感は得られると思う。この組み合わせは屋台で15N$〜、安食堂で20N$〜。自転車に乗ってる日は宿代を含めて一日あたり200N$前後で過ごせる。
デルタ航空
米系航空会社のデルタ航空は、自転車を持ち込もうとすると有無を言わさずUS90$を請求される。出発の成田空港で出鼻をくじかれた。その後も飛行機に乗る度に請求されるが、いろいろな理由をつけて支払いを回避した。成田以外では帰国の際のアトランタから1台分を払うのみであった。ついでに機内食のビールはUS4$。無料ではない。
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| タコスの屋台。人気のある店は常に客が群がる |
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| 代表的メキシコ料理、モレ・ポブラノ |
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| 冷たいアイスをほおばる。ベラクルスで |
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| 休憩は小さな商店で。ジュース、食料などを買える |
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