2003 3度目の東北
日々修論とのプレッシャーと闘っている日常から逃れるため,1週間程度の休みを強引に作り出して旅に出た。目指すは裏日本。
酒田→象潟
新宿からムーンライト越後は満席だった。自転車を担いでいるグループも数組見かける。そんな旅行気分満点の列車に乗り,新潟からさらに乗り継ぐと酒田に到着するのは朝の8時半。今回のたびのスタート地点はここ,酒田。江戸時代,日本有数の豪商本間家を中心に栄えた港町だが,酒田をスタートに選んだ理由は旧本間邸ではなく,別のものだった。こんなものを目的に酒田に行く人は,よっぽどの橋梁マニアか,業界人だけである。
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| これが酒田みらい橋 |
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| 一般人にはただの歩道橋 |
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あっさりと見学を終え,自転車の旅に出発。20kmほど北上し,鳥海ブルーラインの入り口に着く。ここから鳥海山の5合目,標高約1100mまで20km登り続ける。1kmごとに標識があり,標高も書いてあるから比較的登りやすい道だが・・・。この道はほとんど日影がない。走った時間帯も昼間(11〜14時ごろ)だったが,日差しが直撃。おまけに標高1000mにある国民宿舎まで自販機や休憩スポットは皆無。夜行で行ったために寝不足だった我々には辛い。800mまで登り,下界との気温差を感じられ,景色が開けてくるまではひたすら我慢だった。で,頂上に着くと頂上付近はガスっていて展望が開けない。期待した景色が見られず,がっかりしながら下り始めたが,下りるとすぐに晴れたので無事記念撮影。
この日は象潟の道の駅泊まり。この道の駅は,温泉と24時間開放の無料休憩所がセットになっている素晴らしい場所。さっそく温泉に入って汗を流し,日本海に沈む夕日を見ながら食事をするはずだったのだが・・・。あまりに腹が減りすぎたオヤジどもはさっさと食事を作り上げ,日が沈む前に食べ終わってしまった。道の駅の無料休憩所は8時ジャストに冷房とテレビを切られ,段々室温が高くなってきて何度か目覚めてしまった。4時ごろ目を覚ましたら,隣で寝ていたはずの自転車で旅行をしているおじさんは既に姿を消していた。
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| 鳥海山五合目到着 |
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| 日本海を望むが…霞んでしまってる |
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| 象潟。松尾芭蕉も訪れた |
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| 松島みたいな景色だったが,地震で海岸が隆起した |
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象潟→角館
この日は移動日に近い。あいにく台風が接近しているため,天気が悪化することが予想される。さっさと移動することで意見が一致。とはいえ,6時には起床し,さっさと朝食を作り,8時に出発してしまう班はこれまでにあっただろうか?かつて経験したことないほどの手際のよさで食事と荷造りは進んだ。
交通量の多い7号を本荘まで我慢して走り,そのあとは田舎国道に逃げ込んだ。田んぼと森林と小刻みなアップダウンが続く。いかにも東北らしい景色が続く。出発が早く,走りなれているメンバーなので,すいすい進んで80kmくらい走ってもまだ12時半。早すぎる。今日は残すところ20kmなので,このままだとだいぶ早く着いてしまう。神宮寺という駅の待合室で昼飯を食いながら今後の相談。しかし,食べたらみんな眠くなってきた。じゃ,寝るか。昼寝突入。1時間ほど駅で寝て駅と一体化してから出発。本荘−角館間は国道一本でいけるのだが,前日知り合った自転車に乗った人のアドバイスに従い,裏ルートの県道を通る。これが大正解。国道とは比べ物にならないほど少ない交通量で快適なサイクリングを楽しんだ。
角館は武家屋敷が保存されていることが有名だが,オヤジたちの関心度は低い。嫌いではないが,それほど熱心に見学することなく通り過ぎる。この日は運動公園に寝床を取る。水場もあり最高と思われたが,夜は蚊の襲撃に遭い,いろいろと寝床を変えてみたが効果はなく,翌朝鏡を見たら顔中刺されていた。この日の夕食は1.2kgのご飯と,推定1.4リットルの水で煮込んだカレー。かぼちゃを入れたが,とろけて姿を消していた。今日も苦しい戦いが続く。
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| カボチャカレー。溶けてなくなってる |
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角館→雄勝
天気予報によると,今日は台風が直撃するはずである。夜が明ける前から雨の音で何度か起こされる。雨降ったら輪行かなぁなんて前日から話してた。が,朝食を作ってると晴れ間が見える。もともと65kmくらいしかないし,行けるんじゃ?と思ってしまった。そして自転車で出発した。しかし,甘い予測とは裏腹に1時間も経たないうちに雨が降ってきた。コンビニで雨宿り。30分くらい立ち読みしながら時間を潰してると,止んできた。再び出発。やっぱりしばらくすると降り出す。でも走れないほど降ってるわけじゃない。ほぼ中間地点の横手市内に入ったら,今度は風が出てきた。台風であることをすっかり忘れていた我々には誤算だった。見渡す限り田んぼが続くこの道では,風除けになるものなどない。先頭を走る自分はひたすら我慢。我慢して走って目的地の雄勝に着き,昼飯を食べていたら雨が激しくなってきた。ふぅ,セーフ。
秋田県南部の名物と言ったらなんだか知っているかな?それは稲庭うどんである。本当は,稲庭と言う土地が雄勝からすぐのところにあるので,そこで稲庭うどんを食べたかったのだが,台風により敢え無く断念。道の駅のレストランで稲庭うどんを食べた。さすがに東京で食べるうどんに比べて麺が細くこしがあっておいしかった。昼飯を食べ,温泉に入ってもまだ3時過ぎ。やることもなく,雨の中走って疲れたので,道の駅の無料休憩所で甲子園を見ながらしばらく昼寝。冷房が効きすぎてちょっと寒い。この無料休憩所も24時間開放されているのだが,屋根のある炊事場を確保できず道の駅宿泊を断念。近くの横堀駅で寝ることにする。横堀駅は7時過ぎに駅員が帰ってしまったので,やりたい放題。待合室に銀マットを敷き,温泉で洗った洗濯物を干していた。(この町にコインランドリーはない)
この日の夕食は麻婆豆腐12人分と1.2kgのご飯。的確な調理により,合宿で久々においしい麻婆豆腐を食べる。食事をしながらそろそろ合宿に出発してるであろう後輩のB(本名S)を2日後に仙台に呼び出してみた。
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| 念願の稲庭うどん。うまい! |
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雄勝→??
この日は合宿のメインの一つ,標高差700mの鬼首峠越えだ。出発前に開店した瞬間の薬局に飛び込みかゆみ止めを買う。店主の息子は自転車で日本一周をしたことがあるらしい。ちょっとだけ負けてもらった。雄勝から108号をひたすら南下する。途中の秋の宮温泉までは緩やかな登り。1時間ほどで到着して,休憩をしているときに田口さんが一言。「鬼首峠の旧道は通行止って書いてあるよ」へ?自分のツーリングマップルには書いてない。どうやら最新版には情報が更新されているらしい。それが本当なら,国土交通省が自然との共有を謳い文句に自慢している新道を通らなければならない。この道を通ると,5km近いトンネルを通ることになってしまう。そんなのは嫌だ。ショックを受けながらスタートする。しばらくすると,旧道との分岐点に到着。ゲートはあるけど,開いている。行ける所まで行ってみようかと突き進む。葉っぱが落ちていて整備している様子は見られないが行ける。中間地点の秋の宮トンネルに到着。トンネルの中に明かりが全くない。NZで経験したHorner
tonnelに似ている。吸い込まれるようにして慎重に進んで行く。坂を登るより心拍数が上がった。トンネルを抜けてまだ登り。緩やかだけど着実に登ってる。そして頂上到着。長く滞在した秋田県に別れを告げ,宮城県に突入。鬼首の旧道で見かけた車は頂上で休憩していた時に見た2台きり。今後も自転車天国であることが予想される素晴らしい道だ。
下りの途中で鬼首温泉に行く。間欠泉が吹き上がってるらしい。行ってみる。有料だった。しかも大したことない。ツーリングマップルを当てにしてはいけない。
下りきると鳴子温泉。そういえば2年前も来た記憶が。この日も暑かったので,鳴子温泉駅で昼飯を食べて昼寝。Bが翌日に仙台は無理だと言ってきた。昼寝から覚めると,コースの再確認。今日の予定地は岩出山だったが,ここにもコインランドリーがないことは電話帳で確認されている。そして,翌日仙台まで交通量の多い道を走ることが非常に面倒に感じられてきた。3人で相談する。「古川で打ちあがっちゃおうか?」打ちあがっちゃいました。
古川までの30kmは下り基調で追い風だったこともあり,1時間ちょっとで走りきる。到着した古川はなんだか人が少ない。駅前の道を歩いている人も少ないし,入った居酒屋(養老の滝)も閑散としている。店員のお姉さんの雰囲気がすごく暗い。どうにかして欲しい。さて,この養老の滝は東京よりも値段が安い。だって,エビスの大瓶が380円だもん。ジョッキ1杯ずつ,エビス大瓶5本,サワー2杯ずつで食べ物も合わせて一人3000円ちょっと。思ったよりも安く打ちあがっちゃった。
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| 秋の宮トンネル。真っ暗 |
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| 鬼首峠頂上。秋田・宮城県境。標識にやる気の違いを感じる |
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| 鬼首温泉の間欠泉。10mくらいの高さまで上がるけど… |
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| また来ちゃったよ鳴子温泉 |
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翌日,さらに旅を続ける田口さんを見送り,中川と二人で18切符で帰ってきましたとさ。
おまけ
1日1本
オヤジの旅の原則である。台風が来ようと夜行電車の車内であろうと,飲むものは飲む。エビスの黒ビールはおいしい。合宿中は食事によっておなかがいっぱいになる前に飲んでおいたほうがいいと思う。何度飲んでもカレーとビールの組み合わせには疑問を抱かざるを得ない。
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| 旅立ちの車内 |
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| 初日 |
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| 今日はなんとなくバドワイザー |
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| 台風の中がんばったからエビスの黒ビール |
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| 打ち上げはエビスのビンで! |
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使わなかったもの
テント,寝袋,長袖,雨具のズボン。どれも理由は明らか。そんなに寒くないし,テント立てるの面倒だから。
そういえば今回の荷物分担は
テント 松永
コッヘル 中川
食材 田口さん
だったけど,米2kgは夕食と朝食でなくなるし,コッヘルなんてかさばるけどそんなに重くないよね。今思うと荷物分担で一人だけすごい重いのを持たされてた気がする。
道の駅
しばらく国内を旅行しないうちにすごく便利になっていた。24時間無料開放している所もあるのはありがたい。しかし,テレビや冷房は夜になると消されます。
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| 道の駅雄勝。建物は秋田小町が被る傘をイメージ。らしい |
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