2001 蔵王
4年生ともなるとさすがに研究室のしがらみというものも発生してくる。が、しかし、院試が終わった時くらい旅行に行きたくなるものだ。ちょうど夏合宿の打ち上げが行われる頃に青森に到着し、2年前に訪れなかった山形県に行くことにした。目的は、あくまでも山形県に行くこと。メンバーはタフになってきた中川と、自転車が届かなくて夏合宿に参加できなかった松本。わずか1週間少しの夏休みの話。
東京→青森
スカイメイト。それはすばらしい制度だ。22歳未満というだけで国内線の航空券が半額で買える。22歳の誕生日を迎えるまでにあと何回スカイメイトを使えるのだろう?と考えた結果、青森までは贅沢にも飛行機で行くことにした。しかし、出発は夏休み最初の日曜日と、激戦の予感がしたので始発で羽田空港に向かう。羽田空港に到着。時刻は6時30分過ぎ。JASのカウンターで「青森までスカイメイトで。できれば最初の便で」と注文をつけて聞いてみた。すると、カウンターのお姉さんは、嫌な顔も朝一の便が取れないというような申し訳なさそうな顔もせず、にこやかに応対してくれた。あっさり航空券は取れた。この気合はなんだったんだろう?すっかり空回り。飛行機が離陸する前から爆睡。
八甲田山
前回の合宿では十和田湖から八甲田山系に入り、酸ヶ湯温泉の手前で弘前方面へ行ってしまったので、酸ヶ湯温泉には行っていない。そこで、JRの広告でも見た酸ヶ湯温泉に行くことにした。
酸ヶ湯温泉は青森市街から約20km、900mup。2時間ほどの道のり。晴れていて日差しが強かったが、日陰も多かったのでそれほど苦労することなく到着。酸ヶ湯温泉は千人風呂というとても大きな湯船があることで有名。一応混浴なのだが、入っている人の割合は、男性8.5:おばちゃん1.2:チャレンジャーな若い女の人0.3くらい。女の人のほとんどは別に小さな湯船があるので、そちらに入るようだ。
ここで昼ごはんを食べてもまだ時間はあったので、凍死軍人の像に行って見ることにした。これは昔、厳冬期の八甲田山で雪中行軍を行ったときのモニュメント。本で読んで知っていたけど、実際に行ってみると周りと気配が違いました。
像を見学してから青森市街に下る。当然泊まるところは八甲田丸の前。2年前は暑かったな〜と思いながら行くと・・・。寒い。寒すぎるよ。こんなの東北じゃない。防寒具なんて雨具の他は長袖Tシャツしかないのに。予想外の寒さに、夜はずっと寝袋に包まっている。そうすると、既に寒さに慣れている、相変わらず意味もなくハイテンションなお茶大の1年にいろいろ言われるが、全て無視。
酸ヶ湯温泉 |
凍死軍人像 |
青森での2日間
青森でのイベントである、ねぶた祭参加と合宿打ち上げは夜なので、昼間は時間があった。そこで、1日は三内丸山遺跡に行き、もう1日はこれも前回果たせなかった、竜飛岬に行くことにした。
三内丸山遺跡、縄文時代に集団定住生活の形跡が残っているということで一躍有名になったところ。これは捏造ではない。(たぶんね)八甲田丸から自転車で30分くらいだったので、行ってみた。遺跡も面白いのだが、そこにある資料館みたいなものが面白かった。童心に戻った。
竜飛岬。「津軽海峡冬景色」にも出てくる東北の最果ての場所といってもいいところ。青森から50kmくらい。小さな漁村をいくつか通り過ぎ、たどり着いた岬はまさに最果て。何もない。「風の岬」という看板があるがまさにその通り、風が強い。Tシャツ1枚で行った自分はじっとしていることができなかった。ここの資料館は個人的にとても気に入った。プロジェクトXを見て泣ける人なら行ってみるといいだろう。
そして、今回もねぶた祭に参加。跳ねてきた。青森市民がはじけ飛ぶ祭だ。この祭は観光客が、見ているだけでなく自分も参加できるところがいい所だと思う。
三内丸山遺跡 |
竜飛岬。風が強い |
ねぶた祭。 |
とりあえず動いてみました。 |
青森→鳴子温泉
18切符を使って各駅停車の旅。途中の一関では乗り換え時間がたった1分というきわどいものもあってスリリングだった。でも30人近くが自転車を抱えて大移動するのはどう考えても迷惑な集団だ。
鳴子温泉ではタクシーの車庫で寝る。すでにコジマ班が合宿期間中にここで寝ているので厚待遇を受ける。今回は松本をあらゆる面で鍛えようと中川と考えが一致し、いつもの合宿のように食事を作り始める。が、作りすぎた。3人で食べるのに米を1.2kgも使ってしまった。苦しい。早々に脱落した松本を横目に中川と食べきった。まずは自分を鍛えろってことか
鳴子→上山温泉
起きると雲はどんより。雨が降らないことを祈りつつ出発。走り始めるとすぐに緩やかな峠を越えて山形県に突入。この辺りで雨が降り出す。今年は気温も低いし天気が良くない。さらに小さな峠を越えて奥の細道にも出てくる尾花沢へ到着。この辺りはスイカの露店がたくさんあった。ここからは国道13号線を南下。交通量がそれほど多くない片側2車線だった。この日は移動日と割り切って黙々と走った。
途中で山寺に寄り道。山形上から鬼門の位置に当たるこの寺は、名前の通り山の中にある。奥の院というところまで行くには40分くらい山を登らなければならない。これだけ登ったのだから、きっと頂上からは山形市街が見えるに違いない。と期待したのだが、見えた景色は麓の集落だけだった。がっかり。
再び13号を南下し、山形市街をパスして上山温泉に到着。本日の寝床を運動公園に定め、温泉に入りに行く。ここの共同浴場は6軒あるのだが、入浴料はたった50円と格安だった。温泉に入り、公園に戻って食事の準備をしていると「ここで自炊しないで」とテニスコートを利用しようとしている中学生に言われる。仕方なく少し離れた野球場に移動。こっちは明かりがなくて食事の準備はしにくい。この日の食事は適量となり、松本も十分鍛えたはず。
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上山温泉→米沢
前回の夏合宿ではピークワンが壊れるというトラブルによって蔵王は登れなかった。そこで、今回こそは蔵王に登ることにした。上山温泉から蔵王の頂上までは25km、1400mupと結構厳しい。幸いにもこの日は天気が良く、気持ちよく走れると予想された。それにしても25km登り続けるのは長い。時間にすれば2時間半から3時間はかかる。走ることにも飽きる時間帯が生まれてくる。自分と、夏合宿を3週間走っている中川と一緒に走ることになった松本は辛かっただろう。それにもかかわらず自分は、あまりに松本と差が開いてしまったので、松本に「インナー禁止令」を出してしまった。
登り続けること約3時間、ようやく刈田峠に着いた。自転車をここにおいて、リフトに乗ってお釜を見に行く。高原植物なんかもきれいに咲いていた。リフト折場から少し歩いて、いよいよお釜とご対面。よくこんなところに水が溜まったものだと思った。水の色はエメラルドグリーンに近い。でも・・・周囲が全て見えているので、ちょっと水溜りに近い気がしてしまった。
夏合宿なら当然宮城県側に降りるのだが、限られた日数の中で次のスポットに行くために、今回は再び山形県側に降りて、米沢を目指す。上山温泉〜米沢間の国道13号線は少々道幅が狭い。さらに、米沢市に到着する直前に今日も雨が降り出す。米沢でも運動公園を発見し、そこに泊まることにする。銭湯がなかなか見つからずうろうろし、ようやく見つけたところも地元住民も居らず、いつつぶれてもおかしくなさそうな感じだった。この日の夕飯で米が尽き、翌朝はパスタ一人250gということになった。
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米沢→会津若松
予定では、今日も元気に白布峠という峠を超えて会津若松に行くはずだった。が、今日も天気が悪い。山のほうを見ると見事に雲がかかっている。そこで、国道121号線を通って迂回して会津若松に向かうことにした。このルートは、いかにもB級国道らしく道幅は広いが車は少ない。田舎道を快適に走るとあっという間に大峠トンネルまで到着した。このトンネルは長さ5kmと結構なものだ。トンネルの前には、なぜか行方不明となった少年の顔写真がとても大きいサイズで公開されていた。笑顔が気味悪かった。
トンネルを越えて福島県にはいると下り基調の道が続き、あっという間に喜多方まで降りる。喜多方といえばラーメンだ。喜多方駅にあった地元の案内マップでラーメン屋を探そうとしたが、あまりにたくさんあってよく分からない。そこで適当に目標を定めて入ることにした。喜多方ラーメンはしょう油ベースでおいしかった。このラーメン屋で新聞に読みふけり、世間の情報を入手する。
喜多方から会津若松は15kmほどなので1時間もかからず到着する。昼過ぎについてしまったので、市内を観光する。まずはお決まりともいえる会津若松城。この城は天守閣も保存されていて、天守閣の中にある資料館も幕末を中心とした展示物が多く、城好きの自分としては満足だった。もう一つはふらふら歩いていたら見つけた、会津酒造歴史館。小原庄助という朝寝坊で酒好きの男の民話が残っている土地らしく、会津若松は酒造りが盛んである。わずか300円の入館料を払い、酒蔵を見学したら、次は試飲である。当然ながら他人の目など気にすることなくおかわりをあれこれしたが、そのうち割って飲むお酒を勧められ、それも薄くなってきた。ここにはそこに穴が空いたお猪口(注がれたらすぐに飲めということ)など、面白いグッズがたくさん売っていたが、意外に値段が高く購入を断念した。
今日が日程の最終日と言うことで、駅前の居酒屋で打ち上げをする。と、ここでトラブル発生。なんと、9時前だというのに「生ビールが切れました」と言われたのである。やむを得ずビンビールに変更したが中川と自分は怒っていた。飲み屋を出て寝床に定めていた会津若松駅までだらだらしていると、地元住民の安部が差し入れを持って登場。青森からの電車の中で4日後くらいに会津若松に行くといったら、差し入れのサービスをしてくれた。果物を3週間ぶりに食べると言う中川はうれしそうに食べていた。ありがとう。せっかくなので会津若松駅前で写真を撮る。地元で写真を取れるなんてうれしいと安部ははしゃいでいた。
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と、ここで今回のたびはお終い。わずかな期間だったけど、やっぱり合宿は面白いなぁと改めて思う旅だった。